3行でいうと

  • 資料の読み方には、「文字だけ取り出す」と「ページを絵として見る」の2つがあります。ChatGPTは、Enterprise以外のプランでは、資料から文字だけを取り出して画像は捨てる、と公式のヘルプに書かれています。ClaudeとGemini(APIの文書)は、PDFのページを絵としても読む、と書かれています。
  • 同じ会社でも、アプリとAPI(開発者向けの口)で、書かれている条件が違います。Claudeは、アプリのヘルプでは「100ページ以下のPDF」、APIでは「100ページ(文脈の長さが100万トークン未満のとき)または600ページ」と書いています。
  • 公式が挙げる読み違いの条件は、画像が小さい、粗い、傾いている、数える・位置を答えさせる、ページ番号がずれる、など。「絵が読まれていないのに、もっともらしく答える」状態を避けるには、渡す形式と、最初の確認が大事になります。

この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は、OpenAI、Anthropic、Googleの公式のヘルプと開発者向け文書を、2026年10月16日に読み、10月22日に読み直してまとめたものです。読み違いの「例」は、公式が書く条件から僕らが整理した「起こりうる型」で、実際に起きた例の報告ではありません。僕らの考えは「見立てです」と書いた部分に分けました。

先に結論

「読ませる」には2通りある

文字だけ取り出す方式。 ChatGPTのヘルプは、Enterprise以外のプランと、PDF以外の文書の取り込みは「テキストベースの検索」だけで、デジタルの文字を取り出して、画像は捨てる、と書いています。Claudeのヘルプも、PDF以外のファイルは文字だけを取り出し、埋め込まれた画像は読めない、としています。

ページを絵として見る方式。 ClaudeのAPIの文書は、PDFの各ページを画像に変え、そのページの文字も取り出して、両方をあわせて解析すると説明しています。Geminiの文書は、PDFを「ネイティブのビジョン」で読み、テキスト、画像、図、グラフ、表を解釈できると書いています。ChatGPTでは、Enterpriseだけの「Visual Retrieval」が、PDFの中の画像、グラフ、図を読めるようにする機能として説明されています。

どちらの方式かは、画面には出ません。そのため、答えを読んだだけでは、絵を見たのかが分かりません。

主要な3社を、公式の記述で並べる

2026年10月22日に読み直した内容です。変わることがあります。

絵の入ったPDF PDF以外の文書(Word等) 単体の画像(スクリーンショット)
ChatGPT Enterprise以外は、文字だけ取り出す。Enterpriseは、Visual Retrievalで画像・グラフ・図も読む 文字だけ取り出す(Wordの名指しはないが、文書ファイルはテキストベース、と書かれている) 別のファイルとして渡せば、解析される。1枚20MBまで
Claude(アプリ) 100ページ以下のPDFは、グラフや画像も解析。101〜1,000ページは文字だけ。1,000ページを超えるとアップロードできない 文字だけ。埋め込まれた画像は読めない JPEG、PNG、GIF、WebP。8000×8000ピクセルまで。クリップボードから貼れる
Gemini(API/アプリ) APIは、ページ全体をビジョンで読み、図や表も解釈する。最大1,000ページ、50MB。アプリのヘルプには、PDF内の図やグラフの扱いの記述なし APIでは、TXT、Markdown、HTML、XMLは文字として読まれ、図や書式は失われる APIは、PNG、JPEG、WEBP、HEIC、HEIF。インラインでは合計20MBまで

ChatGPTのPDFの数字は、このヘルプにはページ数の上限が書かれていません。テキストと文書は、1ファイル200万トークンまでとあります。

読み違いの「型」(公式の条件から整理したもの)

ここからは、公式が書く条件と、そこから起こりうることです。実際に起きた例の報告ではありません。

  1. 絵が捨てられているのに、答えはもっともらしい。 ChatGPTのEnterprise以外や、Wordなどの文書は、埋め込まれた画像を読みません。グラフの数字を聞いても、本文に書かれた文だけから答えが作られうる、と読めます。これは見立てです。
  2. 小さい、粗い、傾いた画像。 Claudeの文書は、低品質、回転、極端に小さい画像(200ピクセル未満)では、間違いが起きうるとしています。Geminiの文書も、向きを直し、ぼやけたページを避けるよう書いています。
  3. 圧縮で文字がつぶれる。 Claudeの文書は、JPEGやWebPの強い圧縮で、文字が読めなくなりうると注意しています。
  4. 大きい画像の自動縮小。 Claudeの文書は、上限を超える画像は縮小されると書いています。標準の段階(「その他のモデル」の欄)では、長辺1,568ピクセルです。新しいモデルでは、別の段階が書かれています。見立てですが、大きな画面全体のスクリーンショットでは、小さな文字がつぶれるおそれがあるので、必要な部分を切り出して渡すほうが読みやすいはずです。ただし、文字を大きくするためだけに、重要な文脈まで切り落とさないようにとも書かれています。
  5. 数える、位置を答えさせる。 Claudeの文書は、個数は大まかで、座標や位置の出力も目安だと書いています。
  6. ページ番号がずれる。 Claudeのヘルプとドキュメントは、PDFのページを指すときは、紙面に印刷された番号ではなく、閲覧ソフトに表示される番号を使うよう書いています。
  7. 大きい資料の細部。 Geminiアプリのヘルプは、とても大きなファイルでは、つながりや細部を見落とすことがあり、内容の少ない小さなファイルに分けてアップロードするとよい、と書いています。
数字の一覧(公式の記述のまま)
  • ChatGPT(ファイルのアップロードFAQ):1ファイル512MBまで。テキストと文書は1ファイル200万トークン(表計算は対象外)。表計算は約50MB。画像は1枚20MB。3時間に80ファイルまで。無料は1日3回のアップロード。
  • Claude(アプリのヘルプ):チャットでは1ファイル500MB、1チャット20ファイル。プロジェクトは1ファイル30MBで、ファイル数の上限はないが、内容が文脈の長さに収まる必要がある。画像は1000×1000ピクセル以上が望ましい。
  • Claude(開発者向け):1画像は8000×8000ピクセル、10MBまで。claude.aiは1メッセージ20枚まで。APIで20枚を超える画像を送るときは、全部の辺を2000ピクセル以下にする。画像は28×28ピクセルのパッチで数えられ、1000×1000ピクセルで1,296トークン。PDFは、リクエスト32MBまで、600ページまで(文脈が100万トークン未満のモデルは100ページ)。PDFは1ページあたり、文字で約1,500〜3,000トークン。
  • Gemini(開発者向け):PDFは1,000ページ、50MBまで、1ページ258トークン。画像は、1リクエスト3,600枚まで、インラインはプロンプトとあわせて20MBまで。Gemini 3では、画像の解像度の設定(media_resolution)で、細かい文字の読み取りと、トークンの量を調整できる。
  • Geminiアプリ:1回の質問で10ファイルまで。動画以外は1ファイル100MBまで。

OpenAIの開発者向け文書(画像と視覚)は、読んだのが一部で、「限定事項」の節は取得できませんでした。そのため、その節の内容は、この記事に使っていません。

確認の手順(見立てです)

公式の文書から組み立てた、僕らの見立てです。各社の推奨ではありません。

  1. 形式を選ぶ。 絵が大事な資料は、PDFにして渡すか、必要なページを画像にして渡すほうが、公式の記述に沿います。Wordのまま渡すと、文字だけの扱いになると読めます。
  2. 先に「見えているか」を聞く。 「図1の縦軸と横軸の名前、凡例、いちばん高い値を教えて」のように、答えが原本で確かめられる質問をします。合っていれば、絵を見ている可能性が高いと言えます。
  3. 一部のページで試してから、全体へ。 Claudeの文書は、大きいPDFを分けると扱いやすいと書いています。
  4. 数字は、必ず原本で照らす。 読み取りの結果は、集計や報告にそのまま使わないほうが安全です。
  5. 渡す画像に、余計なものが写っていないか見る。 スクリーンショットは、画面の端の通知や別のタブの内容が一緒に写りやすい、というのは一般的な注意です。公式の文書の記述ではありません。会社の資料は、職場の決まりが先です。

気をつけること

出典

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