3行でいうと

  • 答えの長さの「ふだんの癖」は、AIによって違うと、各社の文書に書かれています。長くなりがちなものも、短くなりがちなものもあるため、「短く」の効き方は相手次第です。
  • 「短く」「やさしく」は、数や相手を添えると伝わりやすくなります。OpenAIの手引きにも、長さを「最大2文」「6項目まで」と数で指定する例があります。「やさしい日本語で」「中学生向けに」といった、読む人の難しさの指定は、読んだ文書には出てきませんでした。
  • 条件は、足すだけでなく、引くことも大事です。Anthropicは、強い言い方を重ねると、AIが反応しすぎることがある、と書いています(読んだ例は、道具を使わせる指示の話です)。OpenAIの手引きには、条件どうしがぶつかって返事が揺れたように読める例が出てきます。

この記事は、公式の文書を読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。文書は要約を介して読んだので、公式の文章は引用せず、僕らの言葉で言い換えています。例文は僕らが作ったもので、公式のものではありません。「見立てです。」で始まる段落は、公式に書かれていない僕らの考えです。

先に結論

公式の文書を読んで言えることは、次の4つです。

  1. 答えの長さは、AIの種類と版で癖が違います。 Anthropicは、Claude Opus 5は以前のモデルより長めに答えがちで、短くしたければ文章で明示するよう書いています。Googleは、Gemini 3は初期状態で「直接的で効率のよい答え」だとしています。OpenAIの手引きは、GPT-5.1は長くなることも、簡潔すぎることもある、と書いています。
  2. 「短く」は、数や形で言い換えると伝わりやすくなります。 OpenAIのGPT-5.1の手引きに、「最大2文」「6項目まで、または6〜10文」といった例があります。
  3. 口調は、形容詞で頼めます。 OpenAIのヘルプは、「フォーマルに」「ユーモラスに」「親しみやすく、魅力的に」のような頼み方を紹介しています。
  4. 条件は、引く場面があります。 強調を重ねたり、矛盾する条件を並べたりすると、かえって意図とずれることがある、と公式の文書に書かれています。

たとえ話:味つけは、足す前にひと口

料理の味つけは、足すのは簡単でも、引くのは難しいものです。薄いと思って塩を何度も足すと、しょっぱくなりすぎます。

AIへの頼みごとも似ています。「短く、短く、とにかく短く」と足していくと、必要なことまで削られるかもしれません。僕らは、条件は1つ足して、返事を見て、また判断するのが安全だと考えています。これは僕らのたとえで、公式の文書にあるものではありません。

「短く」はどこまで効くか

AIによって、ふだんの長さが違う

AI 長さの癖(公式の文書に書かれていること)
Claude Opus 5(Anthropic) 以前のOpusより長めになりがち。「努力量(effort)」の設定を下げても、見える答えの長さが確実に短くなるとは限らない。短くしたければ、文章ではっきり頼む。
Claude Sonnet 5(Anthropic) 作業の複雑さに合わせて長さを調整する。簡単な質問には短く、広い分析には長くなりがち。
Gemini 3(Google) 初期状態は、直接的で効率のよい答え。会話的で詳しい答えが欲しいときは、はっきり頼む。
GPT-5.1(OpenAI) ときに長くなる。逆に、簡潔すぎて内容が足りなくなることもある。長さの指示には、具体的に書くとよく従う、と手引きにある。

見立てです。同じ「短く」でも、長めに答える癖のAIには効きやすく、もともと短いAIには削りすぎになるかもしれません。自分の使うAIの癖は、何度かやりとりして知るのが近道だと思います。

「短く」を、具体的な形にする

公式の文書にある頼み方の例を、僕らが日本語にしたものです。

どれも、数を添えるか、何を削り何を残すかを書いています。

「やさしく」はどこまで効くか

公式の文書にあったこと

読めなかった(書かれていなかった)こと

「中学生にもわかるように」「やさしい日本語で」のような、読む人の難しさを指定する頼み方は、読んだ公式の文書では見つかりませんでした。だから、この種の頼み方が公式に勧められているのか、どのくらい効くのかは、確認できていません。

見立てです。僕らは、「誰が読むのか」を具体的に書くのが、いちばん自然な足し方だと考えています。Anthropicの文書は、理由や背景を添えるとAIが意図をくみやすくなる、と書いています。「やさしく」だけでなく、「祖母が読むので、専門用語なしで」と理由を足すのは、この考えに沿っています。

設定で、いつも同じ口調にする(ChatGPT)

毎回の頼みごとに書くのが面倒なときは、ChatGPTの設定を使う方法があります。2026年10月16日に読んだOpenAIのヘルプによると、設定は2段階です。

このヘルプは、文体の設定は話し方だけを変え、能力や安全のルールは変えないこと、メールなどの中身は依頼と文脈に従うことを書いています。保存した記憶が設定と食い違うと効果が弱まることがあり、会話の途中の指示でも口調は変わりうる、とも書いています。プランや提供地域は、読んだ範囲では書かれていませんでした。

条件の足し方と、引き方

足し方

  1. 相手と目的を添える。 「誰が読むか」「何に使うか」。Anthropicは、理由を添えると、AIが一般化して意図をくむ、と書いています。
  2. 数で言う。 2文、3項目。
  3. してほしい形で書く。 Anthropicは、Sonnet 5の手引きで、「してはいけないこと」を並べるより、うまくいった例を示すほうが、長さや話し方の調整には効きやすい、と書いています。
  4. 見本を見せる。 短い答えの見本を足すと答えが短くなった例が、Googleの文書にあります。見本の使い方は、別の記事で扱っています。

引き方

  1. 強調を重ねない。 Anthropicの手引きは、Claude Opus 4.5や4.6はシステムプロンプトによく反応するので、道具やスキルを使わせる指示に「必ず」のような強い言い方をすると、使いすぎることがある、普通の言い方で十分、と書いています。
  2. 古い「念押し」を外す。 Anthropicの手引き(開発者向け)は、Claude Opus 5には「もう一度確かめて」のような念押しを入れないよう、Claude Sonnet 5には、以前のモデル向けに足した補助の指示を外すよう書いています。
  3. 矛盾する条件を並べない。 OpenAIのGPT-5.1の手引きに、簡潔にしたい条件と、漏れなく答えたい条件が並んだ例があり、返事が冗長と簡潔の間で揺れたように読める記載があります。
  4. いつもの設定と、今回の依頼がぶつかっていないか見る。 OpenAIのヘルプには、記憶や会話中の指示が、文体の設定を弱めることがある、とあります。

今日からできること

やってはいけないこと

誤解されやすい点

「短くすれば、正確になる」 短さと正しさは別です。短くしても、間違いは残ります。

長さと口調の指示の例(Anthropic、開発者向け)
  • Sonnet 5向けの簡潔さの指示:必須でない文脈は省き、例は最小限にする。
  • 暖かい口調の指示の例も載っています(細かい文言は確認できていません)。

気をつけること

出典

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