3行でいうと

  • Anthropic、Microsoftの入門的なページは、まず頼む側が背景を渡すことを勧めています。「AIに質問させる」ことをコツとして書いたページは、読んだ公式ページの中にはありませんでした。
  • 開発者向けの文書には、あいまいなときに「推測して進める」型と「確認する」型の両方の書き方が載っています。Googleの文書は、どちらにするかの境目を、先に決めておくよう書いています。
  • 製品では、ChatGPTのDeep Researchが、調べ始める前に聞き返すことがある、とヘルプに書かれています。GeminiのDeep Researchは、調査の計画を見せて、直せるようにしています。

この記事は、公式の文書を読んでまとめたもので、実際に使って確かめた記録ではありません。頼み方の例文は僕らが作ったもので、公式のものではありません。公式ページの文章は、そのまま写さず、言い換えています。

先に結論

  1. 基本は、自分から背景を渡すことです。 Anthropicのヘルプは、事情を知らない人に頼むつもりで、背景をできるだけ書くよう勧めています。Microsoftも、目的、文脈、情報源、期待の4つを材料に挙げています。
  2. 「質問してから答えて」は、公式の一般向けページには見つかりませんでした。 開発者向けの文書にある「聞き返し」の記述は、コードや医薬品の例など、限られた場面のものです。
  3. AIが聞くか、進めるかは、頼み方で変わる部分です。 聞き返さず推測で進める書き方も、聞く書き方も、公式の文書に例があります。だから、聞いてほしいなら、そう頼むのがよい、というのが僕らの見立てです。
  4. 聞き返しの機能を持つ製品もあります。 ただし、書かれ方は「聞くことがある」です。毎回とは書かれていません。

たとえ話:美容院のカウンセリング

僕らのたとえです。公式の文書にあるものではありません。

美容院で「いい感じにしてください」とだけ言うと、美容師さんは想像で切るか、「どんな感じがいいですか? 普段のお手入れは?」と聞くかのどちらかです。聞いてくれる店なら、仕上がりのずれは減ります。でも、聞くかどうかは店の方針しだいです。

AIも同じです。最初から「こういう髪型で、長さはここまで」と伝えれば、聞かれなくても済みます。伝えきれないなら、「切る前に、必要なことを聞いてください」と、こちらから頼みます。

公式資料から分かること

入門的なページ:背景を先に渡す

開発者向けの文書:「進める」か「聞く」かを決めておく

これらは、AIを組み込むアプリを作る人向けの文書です。ふつうに使う人の画面で同じ動きになるかは、書かれていません。ただ、考え方の参考にはなります。

文書 読み取れること(言い換え)
Anthropic「Prompting best practices」 意図が不明なら、最も役に立ちそうなことを推定して進める書き方の例がある。逆に、あいまいなら行動せず、情報や提案を返す書き方の例もある。聞き返す例は、医薬品の用量の話で、子どもの年齢も体重も書かれていなければ両方を聞く、というもの。
Anthropic「Prompting Claude Opus 5」 日常的な判断はAIが自分でして、読み方によって仕事が大きく変わるときだけ確認する、という書き方の例がある。作業の仕様は、最初に全体を渡すのがよいという趣旨の記述もある。
Google「Prompt design strategies」 AIが仮定してよい場合と、止まって聞く場合の境目を、はっきり決めておくよう書いている。探すだけの低リスクな作業は進め、あとの手順で必要な情報や、ユーザーしか知らない情報は聞く。

見立てです。公式の文書が書いているのは、「AIは、頼み方に書いてあるとおりに動く」ということだと読めます。何も書かなければ、推測で進むこともあれば、聞くこともあります。聞いてほしい場面では、「まだ書かないで。先に聞いて」と書いておくのが確実です。

「聞き返し」を持つ製品の、公式の説明

ChatGPTのDeep Research。 OpenAIのヘルプによると、調べ始める前に、目的を確かめるために聞き返すことがあります。省けるかどうかは書かれていません。提案された調査の計画は、始める前に確認して変えられ、実行中も、見ながらいつでも割り込めます。使えるかどうかはプランと国・地域によると書かれていますが、具体的なプラン名や地域名は書かれていません。多段階の深い質問向けで、急ぐときは通常の検索かチャットを勧めています。

GeminiのDeep Research。 Googleのヘルプによると、質問を出すと調査の計画が作られ、「Edit plan」で直してから「Start research」で始めます。聞き返しをするかどうかは書かれていません。レポートには通常5〜10分かかり、1日あたりの依頼数に上限があります。18歳以上で、ログインが必要です。

どちらも、速い質問用ではなく、時間をかけて調べる機能です。使える範囲や上限は変わりやすいので、各ヘルプで確認してください。

頼み方の例(僕らの例)

公式のページに書かれた方法ではなく、「背景を先に渡す」「あとから言い足す」という公式の考え方を、質問の形に置き換えた僕らの案です。効き目は確かめていません。

旅行の計画を立てたい。まだ計画は書かないでください。
先に、計画に必要なことを、答えやすい質問で、最大5つまで聞いてください。
質問は1回に1つ。選べるものは、選択肢をつけてください。
私が「分からない」と答えた項目は、あなたが仮に決めて、その旨を書いてください。
質問が終わったら、計画を書いてください。

ポイントは4つです。

誤解されやすい点

「質問させれば、答えが正確になる」 材料が増えると、ずれは減ると考えられますが、正しさの保証にはなりません。AIの答えは、質問に答えたあとでも、間違うことがあります。

「聞き返してくれるAIが、いいAI」 Googleの文書の雛形は、探すだけのような低リスクな作業では、手元の情報で進めることを質問より優先する、と書いています。聞きすぎも、困りごとです。どこまで聞いてほしいかは、頼む側が決められます。

「Deep Researchは必ず聞いてくれる」 OpenAIのヘルプは、「聞くことがある」と書いています。毎回とは書かれていません。

今日からできること、やってはいけないこと

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