3行でいうと
- ①のAIアプリへの入力は、特別な連携ではなく、Flowが文字を入力欄に入れるだけです。入った文字を受け取るAIアプリの側では、そのAIサービスの規約とデータの扱いが適用されます。
- ②Flowの公式のMCPサーバーは、
https://api.wisprflow.ai/connect/mcpです。読み取り専用で、会議の要約・メモ・文字起こし、Scratchpadのメモ、カレンダーの予定などが対象です。音声入力(dictation)の履歴は、公式の説明では対象外です。 - ③「Flow API」は、公式が運営する、開発者向けの音声認識のAPIです。WebSocketとRESTがあり、音声は16kHzのWAVです。料金は「トークン」に基づくと書かれています。
- 公式のMCPの設定画面には、Claude、ChatGPT、Gemini、Cursorの「追加」ボタンがあります。これらは他社のアプリで、Wispr Flowの運営ではありません。コミュニティが作った連携は、公式の資料では確認できていません。
- 公式は、MCPの許可は、アカウント全体にかかる、会議ごとの同意はない、と書いています。HIPAAのBAAがあると、MCPの機能は止まります。
この記事は、公式の資料を2026年10月23日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。URL、メニュー名は公式の表記を写しています。公式ページは要約の形で取得したため、読み切れていない箇所は「確認できていない」「読んだ範囲では見つからなかった」と書いています。開発者向けの専用ページ(platform.wisprflow.ai)は、取得した内容がページの題名だけで、本文を読めていません。
先に結論
- 「公式が運営する」とは、Wispr(運営会社)のサーバーや機能のこと。 Flowの公式MCPサーバー、コネクタの仕組み、Flow APIなどが、公式の機能です。ClaudeやChatGPT、Gemini、Cursorのアプリ、Command Modeの検索で開くPerplexity、Slack、GoogleのカレンダーやGmail、Outlookは、Wispr以外の会社のものです。
- まずは「話して入れる」だけでよい。 AIとのつなぎ方の中で、最も手軽なのは①です。MCPやAPIは、その先の応用です(見立て)。
- MCPで入ったAIは「あなたのアカウント全体の会議の記録」を読める。 公式は、許可はアカウント全体にかかり、個々の会議ごとの同意はない、と書いています。
- MCPは読み取り専用。 公式は、クライアントは内容の作成、編集、共有、削除はできず、音声入力の履歴も読めない、と書いています。
- Flow APIは、料金と保存の扱いが、読んだ範囲では書かれていない。 開発者向けの料金の単価、データの保存期間は、公式のAPIの資料では見つかりませんでした。
前提:用語をそろえる
- MCP(Model Context Protocol):AIアプリと外のサービスをつなぐ共通の決まりです。公式のヘルプは、FlowのMCPを「remote MCP server」(遠隔のMCPサーバー)と呼んでいます。
- コネクタ(Connectors):Flow自身が、外のアプリ(カレンダー、メール、Slack)の情報を読みに行く接続です。MCPとは向きが逆です。
- クライアント:MCPに接続するAIアプリ側(ClaudeやChatGPTなど)のことです。
- Flow API(Voice Interface API):開発者が、自分のアプリに、Flowの音声認識を組み込むためのAPIです。
- BAA:HIPAAの「業務提携契約」です。医療の情報を扱う場合の契約で、ここでは、MCPが止まる条件として出てきます。
たとえ話:文書庫の鍵と、受付の電話
Flowの会議の記録を「文書庫」だとします。公式のMCPは、「あなたが外の業者(AIアプリ)に、文書庫の閲覧の鍵を渡す」ことです。鍵は、中身を読むだけで、書き換えや持ち出しの許可はない、と公式は書いています。ただし、鍵は文書庫全体に使えます。Flow APIは、「自分の会社の受付の電話に、Flowの書き取り係をつなぐ」ことにあたります。コネクタは、逆に、Flowの側が、近所の店(カレンダーやSlack)に問い合わせに行くことです。これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません。
向き1:AIアプリに話して入力する(公式の連携ではない)
公式のトップページは、Flowは入力できるアプリならどこでも使える、と書いています。ChatGPTやClaudeなどの入力欄にも、同じように話して文字を入れられます。
- 流れは、あなたの声 → Flow(クラウドで処理)→ 文字 → AIアプリの入力欄、です。
- 文字が入力欄に入ったあとは、そのAIアプリの運営の規約とデータの扱いが適用されます。Flowの設定では変えられません(僕らの整理です)。
- 公式の「Context Awareness」は、入力欄の周りの文字などを、文脈として使うことがある、と書いています。スクリーンショットは撮らず、テキストだけを使う、とも書かれています。文脈に会話の履歴(参加者の識別子と発言の内容)が入りうるとも書かれていますが、AIアプリの会話が対象かどうかは、公式の資料では確認できていません。「Settings → Data and Privacy」でオフにできます。
- 公式のヘルプ(エディタの記事)は、Cursor、VS Code、Windsurfなどで、変数名の認識とファイルのタグ付けがある、と書いています。
向き2:Flowの公式MCPサーバー(Notetakerのデータを外のAIが読む)
公式のヘルプ「Connect Claude, ChatGPT or another MCP client to Wispr Flow」の内容です。
| 項目 | 公式に書かれていること |
|---|---|
| 運営 | Wispr Flowが運営する遠隔のMCPサーバー(公式) |
| 接続先 | https://api.wisprflow.ai/connect/mcp(末尾のスラッシュなし) |
| 対象のデータ | 会議の要約・メモ・文字起こし・参加者・タスク、Scratchpadのメモ、カレンダーの予定と録音、共有メモのリンク、アカウントの識別 |
| 対象外 | 作成、編集、共有、削除。音声入力(dictation)の履歴とNotetakerのチャット履歴は読めない |
| 設定 | Flowの「Settings → MCP」。Claude、ChatGPT、Gemini、Cursorの「追加」ボタンか、それ以外の用のURLのコピー |
| 認証 | ブラウザでWispr Flowのアカウントにログインして許可する。APIキーやトークンは使わない |
| 許可の範囲 | アカウント全体。個々の会議ごとの同意はない |
| 使える端末 | MacとWindows。NotetakerとMCPのアクセスがアカウントにあること |
| 組織 | NotetakerとクラウドとMCPは別の設定。MCPはもともとオン。HIPAAのBAAがあると、MCPの機能はすべて止まる |
| 切断 | 使っているAIアプリのコネクタの設定で、Wispr Flowを外す。Flow側に切断のボタンはない |
公式は、ほかにも次のことを書いています。
- 検索は、会議の題名、要約、メモに当たり、文字起こし本文には当たりません。
- 文字起こしを読むには、本人であるか、メールで招待されていて、持ち主の組織が文字起こしの共有を許していること、が条件です。
- MCPを無効にすると、すでに許可したAIアプリも含めて、MCPの機能が止まります。ただし、Flowの中の会議のデータは消えません。
- 会議を削除すると、MCPからも使えなくなり、元に戻せません。
- 何度も続けて問い合わせると、「Too many requests」と出ることがあります。約1分待つように、と書かれています。
- 個人のアカウントと仕事のアカウントは、データが別です。許可するアカウントを間違えないように、と書かれています。
公式の「Switching to Wispr Flow: Keep All Your Notetakers in One Place (MCP)」という題名の記事もあります。本文は読めていません。
向き3:Flowが外のアプリにつなぐ「コネクタ」
公式のヘルプ「Connectors in Wispr Flow」によると、MacとWindowsの「Settings → Connectors」から、次のアプリにつなげます。
| コネクタ | 公式が書いていること | 運営 |
|---|---|---|
| Google Calendar | 会議のリマインダーと文脈、事前の資料。「Add to calendar」の操作もできる | Google(他社) |
| Outlook Calendar | Microsoftのアカウントのカレンダーの通知と文脈。アカウントへの提供と、組織の許可が要る | Microsoft(他社) |
| Gmail | 質問への答えと要約にメールの文脈を足す。あなたの代わりにメールを送ることもできる。送ったメールから文体を学ぶ | Google(他社) |
| Slack | 要約と事前の資料に、文脈を足す | Slack(他社) |
つなぎ方は、「Settings → Connectors」で「Connect」を選び、ブラウザでログインして、求められた許可をすべて与えます。外すときは、コネクタの「…」から「Disconnect」を選びます。公式は、非カレンダーのアプリを外すと、そのアプリを使う「briefs」が消えることがある、と書いています。
組織の管理者は、Google Calendar、Outlook Calendar、Slackを、それぞれ止められます。止めたとき、すでにつながっているものは、あなたが外すまで、アクセスが残ります。Gmailを組織が止められるかは、読んだ範囲では書かれていませんでした。
公式のプライバシーポリシー(Last Updated: August 19, 2026)は、Googleとつなぐと、カレンダー、連絡先、ディレクトリの情報と、メールの機能を有効にした場合はGmailを、読むことがある、と書いています。Googleのデータは、一般的なAIや機械学習のモデルの訓練には使わない、とも書かれています。
向き4:開発者向けのFlow API(Voice Interface API)
公式のAPI資料(api-docs.wisprflow.ai)は、「Voice Interface API」を、音声を「100+ languages」で文字にする、と説明しています。普通の文字起こしと違って、話し手の話し方に合わせて整える、と書かれています。名前の綴りは、利用者の名前や辞書の語を渡して正しく出せます(request schema)。
| 項目 | 公式の資料に書かれていること |
|---|---|
| エンドポイント | WebSocketの/ws(音声を流しながら送る方式。推奨、低遅延)と、RESTの/api(1回ずつPOSTで送る方式。遅い。WebSocketが使えないとき) |
| 認証 | APIキー(自分のサーバー側で保管)、またはクライアントごとのアクセストークン(推奨) |
| 音声の形式 | 「16kHzのWAV」をbase64にしたもの。最大25MBまたは6分(リクエストの仕様のページ) |
| 言語 | ISO 639-1のコードのリストを渡せる。省略すると自動判定(精度が下がる、と書かれている) |
| 文脈の項目(context) | アプリ名、辞書の語、利用者の名前、入力欄の前後の文字、画面の画像(screenshot)、ページの本文、会話の履歴など。すべて任意 |
| 料金 | 「使ったトークンに基づく」と書かれている。単価は書かれていない。クレジットが尽きると月ごとに請求 |
| 保存期間 | 読んだ範囲では書かれていない。公式の「Usage & Billing」には、今のところ管理画面でAPIの上限を設定する機能はない、と書かれている |
| beta | 読んだ範囲では、betaの表示は見つからなかった |
公式のリクエスト仕様のページには、プライバシーや保存期間に関する項目は、読んだ範囲では見つかりませんでした。画面の画像、ページの本文、会話の履歴などは機微な内容を含みうるので、APIで文脈の項目を使う場合は、何を送るかを自分で決めておく必要があります(見立て)。
公式の「Flow for Developers」のページ(チームでの導入の紹介で、APIの説明はこのページでは見つかりませんでした)は、料金を「$12/user/mo」と書いています。これは、APIの料金ではなく、アプリのProの料金です。APIの料金とは別の話なので、混ぜて読まないでください。
向き5:取り込み(エクスポート/インポート)
- 文字の議事録の取り込み。 MacとWindowsで、「Settings → Notetaker → Meeting import」から、OtterとGranolaの書き出しを取り込めます。文字だけで、音声は取り込まれません。OtterはZIPか、txtとsrtを含むフォルダ、GranolaはCSVかZIPです。同時に1つだけ取り込めます。
- 音声ファイルの取り込み。 できません(01で整理しました)。
- 自分のデータの書き出し。 04で整理します。
データの流れ先の整理
| つなぎ方 | データの流れ | 公式の資料でどう書かれているか |
|---|---|---|
| AIアプリに話して入力 | 声がWispr Flowのクラウドで処理され、文字がAIアプリへ | 声はクラウドで処理される。文字が入ったあとは、そのAIアプリの運営の扱い |
| 公式のMCP | あなたのFlowのアカウントから、AIアプリへ(読み取り) | アカウント全体の許可。AIアプリの運営の規約が、読まれた内容に適用される(僕らの整理) |
| コネクタ | Google、Microsoft、SlackからFlowへ | 求められた許可を与える。外すと使われなくなる |
| Flow API | あなたのアプリからFlowのサーバーへ、音声と文脈 | 保存期間は書かれていない |
| Command Mode | 入力欄の文章と選んだ文字が、あなたの指示とともに送られる。検索はPerplexityが開く | ヘルプに書かれている。保存の扱いは書かれていない |
公式のデータ管理のページは、Flowの音声入力で使う第三者のAI事業者と、ゼロデータ保持の契約を結んでいる、と書いています。ただし、Notetakerの「briefs」のように、ゼロデータ保持に対応しない事業者に頼る機能もあるが、その事業者も、あなたのデータで訓練はしない、とも書いています。
コミュニティ製・第三者製
公式の資料の範囲では、コミュニティが作った連携やプラグインの公式の一覧は、読んだ範囲では見つかりませんでした。第三者の連携があるかどうかは、確認できていません。公式の設定画面にあるClaude、ChatGPT、Gemini、Cursorの「追加」ボタンは、それぞれの会社のアプリを、FlowのMCPにつなぐ案内であって、これらのアプリ自体は、Wispr Flowの運営ではありません。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。公式の説明を読んだ範囲です。
- MCPの許可は、アカウント全体にかかります。公式は、会議ごとの同意はない、と書いています。外から入ったAIが何を読むかは、あなたの権限の範囲で決まります。Notetakerの記録に、他の参加者の発言が含まれる点に注意してください。
- MCPで読んだ内容が、そのAIアプリの運営の側でどう保存されるかは、Wispr Flowの資料の範囲外です。接続するAIアプリの規約で確かめてください。
- HIPAAのBAAがあると、MCPは止まります。医療などの規制のある情報を扱う場合は、組織の責任者に確認してください。この記事は助言ではありません。
- Flow APIの資料には、保存期間とbetaの扱いが書かれていませんでした。導入の前に、運営に確かめてください。
- 公式のページの価格や機能は変わりうるものです。
出典
- Connect Claude, ChatGPT or another MCP client to Wispr Flow(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Connectors in Wispr Flow(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Context Awareness(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- How to use Command Mode(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Use Flow with Cursor, VS Code, and other IDEs(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Can I upload audio files to Wispr Flow for transcription?(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Voice Interface API Documentation(Wispr Flow API docs、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Request Schema(Wispr Flow API docs、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Usage & Billing(Wispr Flow API docs、Wispr、確認日 2026-10-23)
- llms.txt(Wispr Flow API docs、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Flow for Developers(Wispr Flow、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Data Controls(Wispr、2026年8月18日更新、確認日 2026-10-23)
- Privacy Policy(Wispr、2026年8月19日更新、確認日 2026-10-23)
- Wispr Flow(公式サイト、Wispr、確認日 2026-10-23)