3行でいうと

  • 公式が用意している連携は、主に4つです。エージェントCLIの起動、Orca CLI(orca コマンド)、スキル(エージェントに使い方を教える手引き)、MCPサーバーの登録(Settings → Integrations → MCP servers)です。
  • Orca自身はモデルを持たず、プロンプトやコードは、自分が選んだエージェントの会社へ、そのエージェントから送られます。公式のEnterpriseのページは、Orcaは設定した提供元へ直接送られるプロンプトとコードを「検査も保存もしない」と書いています。
  • 公式が運営する範囲は、Orcaのアプリ、Orca CLI、スキルの配布元(GitHubのstablyai/orca)、利用状況のデータの受け皿(PostHog Cloud)、サインインが要る共有リンクとRelayです。エージェントCLI、GitHub、Linear、Jira、MCPで登録する先は、それぞれ別の会社や個人のものです。
  • 外から来る文章(課題の本文、Webページ、ほかのエージェントの出力)は、AIへの隠れた指示を含みうるので、信頼できないものとして扱います。公式のスキルの手引きにも、信頼できないチケットの扱いの規則があると書かれています。
  • 公式以外が作ったOrca向けの連携の一覧は、公式の資料では確認できていません。

この記事は、公式の資料を2026年10月23日に読んでまとめたものです。運営者はOrcaを入れています。ただしこの記事は、実際に使って確かめた記録ではなく、使い心地は書いていません。メニュー名、コマンド、設定名は公式の表記を写しています。公式ページは要約の形で取得したため、読めていない部分は「確認できていない」と書いています。

先に結論

前提:用語をそろえる

たとえ話:厨房の「通訳」と「合鍵」

Orcaを厨房(ホール付き)とすると、エージェントCLIは、各社から派遣された料理人です。Orca CLIとスキルは、料理人に渡す「厨房の操作マニュアルと、装置を動かす合鍵」です。マニュアルを渡すと、料理人が自分でほかの調理台を作ったり、ほかの料理人に声をかけたりできるようになります。これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません。

向き1:Orcaの中でAIエージェントを動かす

公式が用意しているもの(Orca側)

項目 公式に書かれていること
対応するエージェント 公式サイトは27種類、ドキュメントの一覧表には約40種類が並ぶ。「Deep integration」はClaude Code、Codex、Cursor CLIなど。ほかは「自動設定」の度合いが違う。どのCLIも、ターミナルで起動できれば動く
認証 エージェントを動かすのに、Orca自体のログインは要らない。エージェントの契約と認証をそのまま使う(Orcaのアカウントは、共有リンクとRelay用)。Claude Codeは ~/.claude を自動で拾う。Codexは ~/.codex
複数アカウント Claude、Codexなどは、アカウントを切り替えられる。Claudeはアカウントごとに別の設定フォルダを持つ。切り替えは認証をやり直さない、とCodexのページに書かれている
状態の表示 Orcaが入れる「status hooks」で、動いている、待っている、終わった、を表示する。設定の「Agents」か orca agent hooks の status、on、off でも切り替えられる
使用量の表示 ClaudeやCodexなどの使用量と上限までの時間を、ステータスバーに出す。主に、エージェントがすでに手元に書いている情報を読む
Chat UI(experimental) ターミナルの代わりに、会話の形で見られる画面。「Settings → Experimental → Chat UI」で有効にする
セッションの履歴 各エージェントが手元に書いたセッションのファイルを、一覧にして、再開できる

エージェントのフォルダに、Orcaが書くものも分かっています。公式は、Codexの ~/.codex に、Orcaのフックを書く(変更があったときだけ)、と書いています。Claude側のフックの書き込み先は、読んだページには書かれていませんでした。

第三者が運営するもの(エージェント側)

エージェントCLIを作っている会社(Anthropic、OpenAI、Cursorなど)は、Orcaとは別の会社です。プロンプトとコードをどう扱うか、学習に使うかどうかは、それぞれの会社の規約と設定によります。この記事の根拠にしたOrcaの資料には、それらの扱いは書かれていません。使うエージェントごとに、その会社の公式の資料で確かめてください。

向き2:エージェントがOrcaを操作する(Orca CLIとスキル)

Orca CLI(公式が運営)

公式の「Orca CLI overview」によると、次のとおりです。

項目 公式に書かれていること
何か orca コマンド。動いているOrcaのアプリを、シェルやAIエージェントから操作する。worktreeの作成、ターミナルへの入力、ファイルと差分、組み込みのブラウザ、スケジュール実行、スマホのエミュレータなど
入れ方 アプリに同梱。「Settings → General → Orca CLI」で登録する。確認は command -v orca と orca status --json。Linuxでは、GNOME Orcaとの衝突を避けるため、コマンド名は orca-ide(Installページ)
例 orca worktree create --repo id:<repoId> --name my-task --json、orca terminal send --text "continue" --enter --json、orca goto --url https://example.com --json
条件 動いているOrcaのアプリが要る。アプリとCLIのバージョンは合わせる
注意 orca worktree rm の --force はworktreeを消す。成果物の公開は「Settings → Artifacts」でオプトイン

スキル(公式が配布)

公式の「Orca skills registry & MCP」によると、Orcaは、エージェントに入れる「スキル」を配っています。

スキル名 用途(公式の表)
orca-cli worktree、ターミナル、ファイル、自動実行、組み込みのブラウザ
orchestration 複数のエージェントの実行、タスク、監督つきのワーカー、メッセージ、ゲート
computer-use アクセシビリティの情報による、デスクトップアプリの操作
orca-linear orca linear によるLinearのチケットの読み書き
orca-emulator / orca-emulator-android iOSシミュレーター、Androidのエミュレーターや実機(adb)の操作
orca-per-workspace-env worktreeごとの環境の設定(orca.yaml)

MCP

公式のページが書いているのは、「Settings → Integrations → MCP servers」で、MCPのエンドポイント(接続先のアドレス)を登録でき、登録したツールは、MCPに対応するエージェントCLIに出る、という点だけです。リポジトリごとのMCPの設定は、選んだホスト側に残る、とSettingsの資料に書かれています。OrcaがMCPサーバーを提供しているか(Orca自身が、ほかのAIアプリから呼ばれるMCPサーバーになるか)は、読んだ範囲では確認できていません。

向き3:Orcaが外のサービスにつながる

連携 公式に書かれていること 運営するのは
GitHub 「Settings → Integrations」でつなぐ。PR、issue、Actionsの失敗、プロジェクトのボードを見る。設定の一覧には「GitHub OAuth」とある。認証の詳しい方法は、読んだページには明記がない(gh の認証に触れる記述がある) GitHub(Orca側は画面と操作)
Linear 個人のAPIトークンを「Settings → Integrations → Linear」に入れる。課題からworktreeを作れる。トークンの保存先は、読んだページには書かれていない Linear
Jira Cloudは、サイトのURL、メール、APIトークン。Server/Data Centerは、個人アクセストークンなど。資格情報はOSのキーチェーンで暗号化され、手元に保存される、と書かれている Atlassian
Bitbucket Cloud 「Hosted reviews, issues & Actions」に、同じ画面から「Connect」でつなぐ、と書かれている。認証は「Email & API token」か「Access token」で、保存の前にOrcaが資格情報を確かめる。Bitbucket Cloudには下書きのPRがないため、Draftの切り替えは出ない。環境変数 ORCA_BITBUCKET_ で始まるものは、保存した資格情報より優先される Atlassian
ブラウザ 組み込みのブラウザに、ChromeやEdgeのクッキーを取り込める。Googleのクッキーは取り込めない Orca(組み込み)。取り込むサイトの情報は利用者のもの
SSH 遠隔のホストに、公式が配る固定版のOrcaのサーバーを入れて動かす。パスフレーズはセッションの間メモリに置く 自分や自分のチームのマシン
Orcaのアカウント、Relay、共有リンク サインインが要る。共有リンクの公開は既定でオフ。上限は10 MiB Orca(Stably, Inc.)
利用状況の匿名データ 匿名IDと、アプリの使い方の粗い情報。プロンプト、パス、リポジトリ名は送らない、と書かれている PostHog Cloud(米国)

一部の使用量の表示には、資格情報を入れる設定があります。公式のドキュメントは、OpenCode Goのクッキーのヘッダー全体、GLMのプランのAPIキーを、設定に保存する必要がある、と書き、これらは認証情報なので慎重に扱うよう書いています。

公式が運営するものと、第三者のもの

区分 例 運営するのは 公式の資料での扱い
公式が運営 Orcaアプリ、Orca CLI、スキル(orca-cli など)、GitHub上のリポジトリ(stablyai/orca)、共有リンクとRelay、ドキュメント Stably, Inc. ドキュメントと更新履歴に仕様が書かれている。一部にbeta、experimentalの表示
公式が窓口になる外部の基盤 利用状況の受け皿(PostHog Cloud)、スキル配布に使うGitHubとnpm系の仕組み(npx) PostHog、GitHubなど 受け皿はPrivacy & Telemetryに書かれている。npx の通信の中身は書かれていない
第三者のエージェント Claude Code、Codex、Cursor CLI、GitHub Copilot CLI、Gemini、Antigravity、そのほか それぞれの会社 一覧に名前が挙がる。データの扱いは各社の方針による
第三者のサービス GitHub、Linear、Jira、Bitbucket Cloud、Tailscale(遠隔の接続に勧められる) それぞれの会社 連携の方法が書かれる。データの扱いは各社の方針による
コミュニティ製・第三者製のOrca連携 MCPで登録する外部のサーバー、自作のスキル 作った会社や個人 自作のスキルは skills/<名前>/SKILL.md の形で使える、と書かれている。コミュニティが作ったOrca向けの連携の一覧は、公式の資料では確認できていない

公式のSettingsには「Plugins(Experimental)」という節があります。中身は読めておらず、公式の仕組みか第三者向けかも確認できていません。コミュニティが作った連携や、外のサイトのまとめは、この記事の根拠にしていません。使う場合は、作者と、データがどこへ送られるかを、自分で確かめてください。

データはどこへ流れるか

つなぎ方 流れ先(公式の記載)
エージェントの起動 プロンプトとコードは、選んだエージェントの会社へ。Orcaは「検査も保存もしない」とEnterpriseのページに書かれている
Annotate AI Diff 行ごとのコメントを、1つの依頼としてエージェントへ。コメントの文面(Markdown込み)が送られる
Design Mode クリックした部品のHTML、CSS、切り抜きの画像、(あれば)ソースの場所を、エージェントへ
Linearの課題から作業を始める 課題の本文、コメント、サブ課題の画像などが、エージェントを起動するときの依頼の文脈に入る
スキルの入れ方・更新 GitHubから npx で取得
スキルの共有 Orcaのアカウントで公開、取り消し可能な一覧に載らないリンク。リンクを知る人は誰でも入れられる
スマホのコンパニオン 1回限りのコードでペアにする。端末ごとのトークン。経路(Relay、LAN、Tailscale)の詳細は読めていない
利用状況 PostHog Cloud(米国)。ファイルパス、リポジトリ名、プロンプトなどは送られない、と書かれている
SSH、Remote Orca Server 自分が用意した遠隔のマシン。Orcaはそのためのマシンを売っていない

気をつけること

出典