3行でいうと
- 既定の動かし方では、リポジトリ、worktree、ターミナル、エージェントのセッションは、自分のパソコンで動きます。遠隔で動かす場合は、自分が用意したマシンやクラウドのアカウントに置かれます。
- 料金:公式サイトは「Free and open source」と書いています。個人向けの有料プランや料金表は、読んだ範囲では見つかりませんでした。Enterpriseは問い合わせで、価格の表示はありません(2026年10月23日に確認)。
- 利用状況の匿名データは、PostHog Cloud(米国)に送られます。プロンプト、ファイルパス、リポジトリ名、ブランチ名などは送らない、と書かれています。止め方は3つあります(設定、2つの環境変数)。
- 読んだ範囲では、アプリのデータが置かれるフォルダの場所、アンインストールの手順、アカウントの削除の手順は、見つかりませんでした。
- いちばん確かなバックアップは、gitへのコミットとプッシュです。worktreeを削除すると、そのブランチも消える、と公式が書いています。
この記事は、公式の資料を2026年10月23日に読んでまとめたものです。運営者はOrcaを入れています。ただしこの記事は、実際に使って確かめた記録ではなく、使い心地は書いていません。メニュー名や設定名は公式の表記を写しています。公式ページは要約の形で取得したため、「書かれていない」は「読んだ範囲では見つからなかった」の意味です。
先に結論
- データの置き場所は、動かし方で決まる。 ローカルなら自分のパソコン、SSHなら遠隔のホスト、Remote Orca Serverならそのサーバー、Cloud VMなら自分のクラウドのアカウントです。
- お金がかかるのは、Orcaの外側。 エージェントの契約、遠隔のマシン、クラウドのVMの費用は、自分で用意して支払う、と公式が書いています。
- 送られるデータは「利用状況」だけ、と公式は説明している。 ただし、あなたが動かすエージェントは、あなたが選んだ会社へコードやプロンプトを送ります。これはOrcaの外の話で、各社の方針によります。
- やめるときは、片づけるものが3種類。 ①手元のOrcaとworktree、②発行した資格情報(APIトークン、ペアリング、共有リンク)、③エージェント側の契約、です。
前提:用語をそろえる
- テレメトリ:アプリの使われ方を、開発元へ自動で送る仕組みです。
- PostHog:利用状況の分析を提供する会社のサービスです。Orcaの公式は、受け皿として「PostHog Cloud、米国リージョン」を挙げています。
- worktree:同じリポジトリの、別の作業用コピーです。
- SQLite / JSON:データを保存する、ファイルの形式です。公式は、Orcaのプロファイルを、この2つの形で持つ、と書いています。
- RC(先行版):正式版(stable)の前に出る、先行のビルドです。
- Tailscale:自分の機器だけをつなぐ、私的なネットワークを作るサービスです。公式は、遠隔のサーバーへのペアリングに勧めています。
たとえ話:自分の台所を、貸し台所に持ち出すか
自分の家の台所(ローカル)で作る分には、材料もツールも家の中に残ります。貸し台所(SSH先、サーバー、クラウドのVM)に持ち出すと、材料とツールは、そちらに置かれます。Orcaは、台所の見取り図とホールを提供するだけで、貸し台所そのものは売っていません。これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません。
プラン:何が無料で、何が有料か
| 項目 | 公式の資料に書かれていること | 確かさ |
|---|---|---|
| アプリ本体 | 公式サイトは「Free and open source」。リポジトリのライセンスはMIT | 文書に書かれている |
| 個人向けの有料プラン | 公式サイト、ドキュメントを読んだ範囲では、料金表は見つからなかった | 確認できていない |
| Enterprise | 公式のEnterpriseページがある。チームでの導入支援、使えるエージェントや連携の制限の標準化、自分たちのネットワーク内での運用が書かれている。価格の表示はない | 文書に書かれている(価格は書かれていない) |
| 中で動かすエージェント | 自分の契約を持ち込む(「Bring your own agent / subscription」) | 文書に書かれている |
| 遠隔のマシン、クラウドVM | 使う側が用意して支払う。Orcaは管理されたVPSを売っていない | 文書に書かれている |
| Orcaのアカウント | 公式のページ同士で書き方が違う。モバイルのページは「sign-in is required for Relay only」と書き、トラブルシュートの項目で「same Orca account」に触れる。テレメトリのページは、送らないものの項目に「Orca has no account system」と書く。インストール、Ways to run、Remote Orca Servers、READMEのページには、Orcaのアカウントの作成やサインインの記述は見つからなかった。一方、Settingsのページの「Artifacts」の項は、共有ファイルの公開と管理にはサインインが要る(「same account family as Orca Relay」)と書く。アカウントの作り方と料金の有無は、読んだ範囲では書かれていない(2026年10月25日に確認) | ページ間で書き方が違う。作り方と料金は公式で確認できていない |
| SOC 2 | Enterpriseのページに「AICPA SOC 2 Readiness」のバッジと、SOC2に沿った運用の記述がある。ページの本文には「SOC2に沿った運用」という説明と「AICPA SOC 2 Readiness」のバッジがあり、FAQには「Is Orca SOC 2 compliant?」という質問がありますが、読めた本文には答えが出ていないため、SOC 2を取得済みと明記しているかは、読んだ範囲では分からない | 確認できていない |
価格は、公式の料金ページの表示のままを書く、という方針です。今回は、公式サイトの「Free and open source」という表示(2026年10月23日に確認)のほかに、読める価格の表示は見つかりませんでした。
データの保存場所と、同期
| 対象 | 公式の資料に書かれていること |
|---|---|
| リポジトリ、worktree | 作業ごとに、gitの worktree による、ディスク上のコピー。保存先の既定の場所は、読んだページには書かれていない |
| セッション(タブ、分割、ターミナルの履歴) | 起動のたびに復元される。背景のデーモンがターミナルのプロセスを持つので、アプリを閉じても、エージェントは動き続け、次の起動でつなぎ直す。ディスク上の形式と保存の頻度は書かれていない |
| 再起動したとき | パソコンの再起動、OSの更新、電源断では、レイアウトと最後に保存されたスクロールバックは戻るが、エージェントのプロセスは消える。各タブで、エージェントを起動し直す |
| プロファイル | JSONとSQLiteの2つの写しで持つ。両方が読めて食い違うと、それぞれの保存時刻を見せて、選ばせる |
| ショートカットの上書き | ~/.orca/keybindings.json |
| 使用量の統計 | Statsの金額は、手元の価格表からの見積もりで、請求書ではない、と書かれている |
| ログ | 「Help → Open Logs」でフォルダを開く。バグ報告に添付できる。「Help → Send Feedback」で、スクリーンショットとログを添えて送れる |
| クラウドへの同期 | Orcaの設定やworktreeを、Orcaのクラウドへ同期する機能は、読んだ範囲では見つからなかった。Orcaのアカウント(サインイン)が出てくるのは、読んだ範囲では、モバイルのRelayの説明と、SettingsのArtifactsの項(共有ファイルの公開と管理にサインインが要る、と書かれている)です(2026年10月25日に確認) |
エージェント側のデータ(会話の記録など)は、各エージェントのCLIが、手元に書いたものを、Orcaが読んで一覧にします(たとえばCodexの ~/.codex/sessions、Claude Codeの ~/.claude)。公式は、Orcaがこれらを自分のデータベースへコピーするとは書いておらず、「スキャンして一覧にする」と書いています。ただし、複数のパソコンをまたぐ検索を入れると、索引ができます。「検索できるデータは各パソコンに残る」と書かれていますが、索引の保存方法と期間は書かれていません。
送られるデータ(テレメトリ)と、止め方
公式の「Privacy & Telemetry」によると、次のとおりです。
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| 送るもの | ランダムな匿名ID(アカウント、メール、IP、ユーザー名は結びつかない)、Orcaのバージョン、OSの種類、CPUの種類、チャンネル(stableかrc)、アプリの起動、リポジトリやworktreeを作った方法(詳細ではない)、エージェントを起動した種類(一覧の分類)、エラーの大まかな分類、設定の変更(どの項目かと、値の種類)、同意の変更 |
| 送らないもの | ファイルパス、リポジトリ名、ブランチ名、URL、コミットメッセージ、作業フォルダ、プロンプト、応答、ターミナルの中身、生のエラー文(詳しいエラーの内容は手元のトレースファイルに残り、診断用の一式を自分で共有しない限り送られない)、アカウント情報、IP、正確な位置(国だけ導く) |
| 受け皿 | PostHog Cloud(米国リージョン) |
| 保存期間 | PostHog Cloudのプランの既定。Orca側では独自の期間を決めていない |
| 見られる人 | 少数のOrcaのメンテナーに限られる |
| 止め方(どれか1つで足りる) | ①アプリの「Settings → Privacy」で「Share anonymous usage data」をオフ、②環境変数 DO_NOT_TRACK=1、③環境変数 ORCA_TELEMETRY_DISABLED=1 |
環境変数は、その起動の間だけ送信を止めます。環境変数を外すと、保存している設定が、次の起動で戻ります。
資料同士の食い違いも1つありました。設定の一覧のページには「Privacy」の節が見当たらず、「テレメトリは専用のページで説明する」と書かれています。実際のアプリの画面にあるかどうかは、読んだ範囲では確認できていません。
バックアップのしかた
- コードは、gitでバックアップする。 worktreeは、ふつうのgitのworktreeです。公式は、Orcaは「gitの代わりではない」、各worktreeは、ふつうのgitでも使える、と書いています。コミットして、リモートにプッシュしておけば、Orcaをやめても残ります。
- 削除は、ブランチも消す。 worktreeを削除すると、そのブランチも一緒に消えます。残したい作業は、先にコミットとプッシュをしておきます(公式の最初の手順にも、同じ注意がある)。
- gitに入っていないもの。 新しいworktreeには、依存のフォルダや
.envなどの、gitに入れていないファイルがありません。共有やコピーの設定(Settings → Repository → Worktree Shared Paths、orca.yamlのworktree.sharedDirectories、リポジトリの.worktreeinclude)で補います。この設定に入れたものは、バックアップの対象ではありません(見立て)。 - エージェントの会話記録。 各エージェントのCLIが手元に書くファイルです。残したいなら、そのCLIの方法で扱います。Orcaの「Session History」には、ログを開く、場所を表示する、といった操作があります。
- 差分の「Attribution」。 エージェントが書いた行の印は、gitにコミットされません。残すなら、差分のメタデータを書き出す、と書かれています。
公式が書く「安全のための決まり」
- ペアリング用のURLは、パスワードのように扱う。 間違った相手に送ったら、取り消して、新しいものを作る。
- 公開のインターネットに、Orcaを直接ポート開放しない。 Tailscale、WireGuard、信頼できるLAN、SSHの転送などを使う。
- 共有リンクは、認証情報のように扱う(この記事の見立て)。 Skillsのページは、スキルの共有リンクを取り消しても、すでに入れた人のコピーは消えない、と書いています。Artifactsのリンクについて同じかどうかは、公式で確認できていません。
- クッキーの取り込みは、ドメイン単位。 取り込むと、含まれるドメインの既存のクッキーだけを置き換える(Googleのクッキーは取り込めない)。
- 自動で動くフック。 リポジトリのフックと、worktreeの作成後の設定フックは、コマンドを自動で実行します。知らないリポジトリを開く前には、中身を確かめます(読んだページには明記がないので、僕らの見立てです)。
やめるとき:片づけるもの
公式の資料に、「アンインストールの手順」と「アカウントの削除」の専用のページは、読んだ範囲では見つかりませんでした。次は、書かれている部品から、僕らがまとめた手順の案です(見立て)。
- 必要なコードを、gitに保存する。 コミットして、プッシュします。
- worktreeを整理する。 「Resource Manager → Clean up workspaces」で、まとめて見て消せます。ブランチも消えるので、先に保存したかを確認します。
- 発行した資格情報を取り消す。
- Jira:公式は、使うのをやめるなら、Atlassianのアカウントの設定でAPIトークンを取り消すよう書いています。
- Linear:APIトークンは、Linear側で扱います(取り消しの手順は、Orcaのページには書かれていない)。
- スマホ:デスクトップから、ペアにした端末を取り消せます。
- 遠隔のサーバー:「Shared Server Access」で、端末ごとのトークンを取り消せます。
- 共有リンク(Artifacts):Settingsのページの「Artifacts」の項に、「Share as artifact」か
orca artifacts …で共有でき、Artifactsの一覧を開くと、アカウントが持つリンクを検索・プレビュー・コピー・削除できる、と書かれています。「Allow publishing public artifact links」をオフにしても、すでにあるリンクは削除されない、とも書かれています。orca artifactsの個別のコマンドは、CLIリファレンスを見るよう書かれており、この記事では読んでいません。ドキュメント一覧(2026年10月25日に確認)には、Artifactsの専用ページは見当たりませんでした。 - 自動更新と、動いているものを止める。 バックグラウンドのデーモンが、エージェントを動かし続けることがあります。Orca Serverを
orca serve service installで入れた場合は、orca serve service uninstallでサービスを外せます(macOSとLinux。Windowsは、まだ対応していない)。ただし公式は、これでターミナルのデーモンとそのセッションは止まらない、と書いています。 - アプリを削除する。 入れ方ごと(Homebrew、AppImage、
.deb、.rpmなど)の削除の方法は、公式のページに書かれていません。 - エージェント側の契約を見直す。 Claude CodeやCodexの契約は、Orcaの外のものです。それぞれの公式の手順に従います。
古い版へ戻すには、GitHubのReleasesから古い版を入れます。公式は、Orcaがworktreeのデータを、強制的に古い形式へ戻すことはしない、と書いています。
気をつけること
- 運営者はOrcaを入れています。ただしこの記事は、実際に使って確かめた記録ではなく、公式の資料を読んだ範囲のまとめです(使い心地は書いていません)。「書かれていない」は、「読んだ範囲では見つからなかった」の意味です。
- アプリのデータの保存フォルダ、アンインストール、アカウントの削除は、読んだ範囲では確認できていません。個別の疑問は、公式のGitHubのissueやDiscordで聞くのが確かです。
- Windows on ARMでは、公式のリリースノート(v1.4.219)に既知の問題があります。使う前に、更新履歴を見てください。
- 公式サイトの「Is it free?」のFAQは、見出しだけが取れて、答えの本文は読めていません。「Free and open source」の表示は、ほかの場所(サイトのフッターなど)で確認しました。
- 公式が「beta」「Experimental」と書く機能(スマホ、Remote Orca Server、Cloud VM、Orchestrationなど)は、仕様や保存のしかたが変わる可能性があります。
- 公式は更新が早く、更新履歴は、2026年10月だけでも何回もあります。数字や画面名は、変わるかもしれません。
- 法律や契約の解釈は、公式の規約や専門家に確認してください。この記事は助言ではありません。
出典
- Orca(公式サイト、Stably, Inc.、確認日 2026-10-25)
- Orca README(stablyai/orca、GitHub、確認日 2026-10-25)
- Privacy & Telemetry(Orca Docs、確認日 2026-10-25)
- Enterprise(Orca公式、確認日 2026-10-23)
- Ways to run Orca(Orca Docs、確認日 2026-10-25)
- Session restore(Orca Docs、確認日 2026-10-23)
- Worktrees(Orca Docs、確認日 2026-10-23)
- Troubleshooting & FAQ(Orca Docs、確認日 2026-10-25)
- Settings reference(Orca Docs、確認日 2026-10-25)
- Agent session history(Orca Docs、確認日 2026-10-23)
- Attribution(Orca Docs、確認日 2026-10-23)
- Agent hooks & memory(Orca Docs、確認日 2026-10-23)
- Remote Orca Servers(Orca Docs、確認日 2026-10-25)
- Mobile companion(Orca Docs、確認日 2026-10-25)
- Orca skills registry & MCP(Orca Docs、確認日 2026-10-25)
- Jira items drawer(Orca Docs、確認日 2026-10-23)
- Linear items drawer(Orca Docs、確認日 2026-10-23)
- Browser-use profiles(Orca Docs、確認日 2026-10-23)
- Install(Orca Docs、確認日 2026-10-25)
- Your first 3-agent session(Orca Docs、確認日 2026-10-23)
- Usage & rate-limit tracking(Orca Docs、確認日 2026-10-23)
- Releases(stablyai/orca、GitHub、確認日 2026-10-23)
- Changelog(Orca公式、確認日 2026-10-23)
- Docs(ドキュメント一覧、Orca公式、確認日 2026-10-25)
- Privacy(Orca公式、確認日 2026-10-25)