3行でいうと
- 「字幕」「翻訳字幕」「吹き替え」は別の作業です。字幕は音声を文字にするだけですが、吹き替えは、翻訳した音声をAIが作ります。YouTubeの自動吹き替えは直接は編集できず、ElevenLabsのアプリ(v2)は画面で編集でき、HeyGenには翻訳後の文を確かめる「Edit & Review」があります。
- 声の扱いは、読んだ公式ページの範囲では、書き方に差があります。ElevenLabsは、プロの声のクローンに本人の声の確認を設けています。HeyGenの翻訳ページには、同意の話が書かれていませんでした。
- 選ぶ基準は「誰の動画か」「声を使うのは誰か」「間違いを直せるか」「公開時の表示」の4つだと僕らは考えます。見立てです。他人の動画の翻訳や吹き替えの権利は、この記事では確かめていません。
この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は、各社の公式ヘルプとドキュメントを2026年10月16日に読み、10月22日に読み直してまとめたものです。僕らの考えは「見立てです」と書いた部分に分けました。
先に結論
- 3つの作業を分けて考える。 字幕(音声を文字に)、翻訳字幕(文字を別の言語に)、吹き替え(音声を別の言語で作る)です。吹き替えには、声をそろえる、口の動きを合わせる、という追加の話が付きます。
- 直せるかが分かれ目。 YouTubeの自動吹き替えは、直接は編集できません。間違いがあれば、元の言語の設定を直して、作り直させます。ElevenLabsのアプリ(v2)は、UIで直せると書かれています。HeyGenは、翻訳した文を確認する手順があります。
- 声と権利は、道具の説明より先に決めておく。 自分の動画、自分の声か。他人の動画や、他人の声を含むか。この記事は、自分の動画で、自分が権利を持つものを前提にしています。
3つの作業と、5つの道具
2026年10月16日に読み、10月22日に読み直した内容です。数字や条件は、変わることがあります。
| 道具 | 何をするか | 読んだ範囲での条件・上限 |
|---|---|---|
| YouTubeの自動字幕 | 音声認識で、字幕を自動で作る。YouTube Studioで直せる | 長すぎる、音質が悪い、話者が重なる、複数言語が混ざる動画では出ないことがある |
| YouTubeの自動吹き替え | 翻訳した音声トラックを作る。「auto-dubbed」の表示が付く | 120分超、会話が少ない、非対応の言語、著作権の申し立てがある動画などは対象外。直接は編集不可 |
| ElevenLabs Dubbing | 音声・動画を90以上の言語に。話者ごとの感情・間・調子と、背景音を保つ | アプリは1GB・180分まで。話者は32人まで。無料枠は透かし入り |
| HeyGen(動画の翻訳) | 175以上の言語・方言に。口の動きを合わせ、字幕も自動で作る | 無料は月3本、各3分まで。有料の内容は、読んだページには書かれていない |
| CapCutの自動字幕 | 音声から字幕を作り、別の言語に翻訳もできる。文字は編集できる | 無料と説明されているが、言語の数や長さの上限は、読んだページにはなかった |
YouTube:字幕と吹き替えは、別の機能
自動字幕は、音声認識でつくり、品質にはばらつきがあるので、まず自分で作った字幕を足し、自動のものは確かめるよう、ヘルプに書かれています。ライブ配信の自動字幕は英語のみで、終わると残りません。初期設定では、不適切な可能性がある語は「[ __ ]」に置き換えられる、とあります。
自動吹き替えは、対象の投稿者では、初期設定でオンです。ヘルプによると、次のとおりです。
- 英語の動画は、日本語、韓国語、ロシア語、スペイン語などを含む20の言語に吹き替えられます。ほかの元の言語は、対応先が限られます。日本語の動画は英語のみ、韓国語の動画は英語かインドネシア語、などと表で示されています。
- 吹き替えは直接編集できません。間違いがあれば、元の動画の言語の設定を直すと、作り直されます。確認してから公開したいなら、「Publish manually」を選びます。
- 固有名詞、慣用句、専門用語は、訳しにくいとヘルプ自身が書いています。話者の声のまねが、完全ではないこともあります。
- 話者の口の動きを、吹き替えに合わせる「リップシンク」は、実験的で、選ばれたチャンネルだけです。
ElevenLabs:吹き替えの細かい設定
ドキュメントでは、現行のDubbing v2は「Alpha」の表示で、既定です。以前のv1の編集用の画面(Dubbing Studio)は、保守のみの扱いです。
- 声のそろえ方。 v2には、「cloning strength」が0〜10で、既定は7です。
- できないこと。 リアルタイムの吹き替えはありません。出力の動画はプレビューと説明されています。
- 編集と上限。 アプリのv2は、UIで編集できます。APIでの編集は、Enterprise限定です。自分で契約するプランは、同時に3件までです。
HeyGenとCapCut
HeyGenの翻訳ページでは、1本の動画を、一度に最大10の言語に翻訳でき、翻訳後の文を確かめる「Edit & Review」と、用語集があると書かれています。費用や所要時間の数字は、ベンダー自身の主張で、この記事では確かめていません。
CapCutのページは、字幕の翻訳後に、名前、専門用語、タイミングを確認することを勧めています。
数字をそのまま並べる(読んだ範囲)
- YouTubeの自動吹き替えの対象外の条件は、120分超の動画、会話がほとんどない、非対応の言語、元の言語が判別できない、話が速すぎて明瞭に吹き替えられない、著作権の申し立てがある、です。
- ElevenLabsのファイルの上限は、アプリの自動吹き替えが1GB・180分、APIが1ファイル3GB、Dubbing Studioが1GB・45分です。最大4Kの動画を入力でき、出力のプレビューは1080pが多いと書かれています。音声は、v2でステレオまでです。
- ElevenLabsの無料枠の吹き替えは、透かしが自動で入ります。同時の吹き替えの数は、自分で契約するプランで3、Enterpriseの既定は10です。
- HeyGenの無料は、月3本、各3分までです。
声と権利:公式がどこまで書いているか
吹き替えは、「他の言語で話す、自分の声」を作ることもできます。だから、声の扱いが大事になります。
- ElevenLabsの声のクローン。 Instant Voice Cloningは、2分未満の短い音声サンプルから作れ、多くのプランで使えますが、公開のVoice Libraryでは共有できません。Professional Voice Cloningは、Creatorプラン以上で、本人の声のサンプルかを、音声のキャプチャーの技術で確認する、と書かれています。ただし、他人の声のクローンの禁止という明確な規則は、読んだページ(声の説明)には書かれていませんでした。
- ElevenLabsの利用ポリシー。 最終更新は2026年10月9日と表示されていました。見出しには「Deception, Manipulation and Impersonation(欺き・操作・なりすまし)」「Lawful Use and the Rights of Others」「AI Transparency」などがありますが、僕らが読めた範囲に、各規則の本文は含まれていませんでした。同意なく声が使われたときの「Unauthorized Use of Voice report」のフォームがあることは、書かれています。
- HeyGen。 翻訳のページは、声のクローンで調子を保つと書いていますが、同意の条件の記述はありませんでした。
- YouTubeの開示。 本物の人が言っていないことを言ったように見せる、現実の場所や出来事を変える、などの、リアルなAIの内容は、投稿時に開示が必要です。自分の声のクローンで、吹き替えや語りを作る場合は、開示は不要とされています。開示を繰り返し怠ると、削除やパートナープログラムの停止の可能性がある、とあります。自動吹き替えには、「auto-dubbed」の表示が付く、と吹き替えのヘルプにあります。
他人の動画を翻訳して公開する、その人の声を使う、といった場合の著作権や、声の権利については、法律の条文や公的な解説を、僕らは読めていません。助言ではありません。
選び方の判断基準(見立てです)
ここからは、公式の説明を並べたうえでの、僕らの見立てです。各社の推奨ではありません。
- 字幕だけなら、吹き替えの道具は要らない。 音声認識の字幕を、人が読んで直すだけで足ります。YouTubeやCapCutのように、直せる画面があるかを見ます。
- 誰の動画かを、最初に決める。 自分が権利を持つ動画なら、手順の話です。他人の動画なら、使えるかの確認が先です。
- 声を、誰のものにするかを決める。 自分の声を使うなら、本人の確認がある道具を選べます。他人の声や、話者が複数いる動画では、同意の取り方が必要です。
- 直せるかを見る。 YouTubeの吹き替えは、直接の編集ができません。誤訳が許されない動画(契約、医療、法律、数字が多い解説)は、人が確認できる手順のある道具か、字幕で出すほうが安全だと思います。
- 固有名詞と数字は、必ず人が見る。 YouTubeは固有名詞や専門用語が訳しにくいと書き、CapCutは確認を勧め、HeyGenは用語集を用意しています。
- 公開するとき、何が表示されるかを知る。 YouTubeは、吹き替えに表示が付き、リアルなAIの内容には開示が必要です。ほかの場への公開では、各場の決まりを確かめます。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。2026年10月16日に公式の文書を読み、10月22日に出典を読み直した内容です。WebFetchは要約を返すため、言い回しは僕らの言葉に直しています。
- YouTubeの自動吹き替えは、日本語の動画から英語のみ、と読めます。ElevenLabsやHeyGenで日本語の動画を吹き替えられるか、日本語への吹き替えの品質はどうか、は確認できていません。
- ElevenLabsの利用ポリシーと、HeyGenの規約の本文は、読めていません。声の同意の扱いは、実際の契約の画面で確認してください。
- Descript、DaVinci Resolve、Vrewなど、ほかの道具は、この記事では扱っていません。DescriptとDaVinci Resolveは、公式ページを開きましたが、翻訳や吹き替えの詳しい説明は読めませんでした。字幕づくりの無料の範囲は、別の記事で扱っています。
- 日本の著作権法の条文は、取得できず、読んでいません。他人の作品の翻訳・吹き替えの可否について、この記事は何も言っていません。
- ElevenLabsのDubbing v2は、「Alpha」の表示でした。機能と料金は、変わりやすい点です。
出典
- Use automatic dubbing(YouTube Help、10月22日確認)
- Use automatic captioning(YouTube Help、10月22日確認)
- Disclosing use of GenAI content(YouTube Help、10月22日確認)
- 吹き替え(Dubbing)の説明(ElevenLabs Docs、10月22日確認)
- 声の作成とクローンの説明(ElevenLabs Docs、10月22日確認)
- 利用ポリシー(ElevenLabs、最終更新2026年10月9日の表示、10月22日確認)
- 動画翻訳の紹介ページ(HeyGen、10月22日確認)
- 自動字幕の紹介ページ(CapCut、10月22日確認)
更新履歴
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2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
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2026年10月22日 公式の資料を読み直して、次の点を直しました。
- 前:ElevenLabsのInstant Voice Cloningは、30秒以上の短い音声サンプルから作れる → いま:2分未満の短い音声サンプルから作れる
