3行でいうと

  • AIは、頼み方の動詞に素直に従います。Anthropicの開発者向け文書は、「提案して」と頼むと、実際には直さず提案にとどまることがある、「直して」のように明示すると実際に直す、と書いています。
  • ChatGPTのcanvas、Googleドキュメント内のGemini、WordのCopilotには、変更点を見える形で出す機能が公式に説明されています。元の文と見比べて、1か所ずつ受け入れるか断るかを選べます。
  • 「直した理由も出して」は、読んだ公式ページではコツとして書かれていませんでした。この記事の案として紹介しますが、頼み方の例であり、効き目は確かめていません。

この記事は、公式の文書を読んでまとめたもので、実際に使って確かめた記録ではありません。頼み方の例文は僕らが作ったもので、公式のものではありません。公式ページの文章は、そのまま写さず、言い換えています。

先に結論

公式の資料を読んで言えることは、次の4つです。

  1. 動詞で結果が変わります。 Anthropicの文書は、最新のモデルは指示にそのまま従うので、「改善案を出して」だけだと提案で終わることがあり、「これを直して」と書けば実際に直す、と説明しています。コードの修正を例にした記述で、文章にも通じるかは僕らの見立てです。
  2. 変更点を見える形で出す機能があります。 ChatGPTのcanvasは変更の追加と削除を表示でき、Googleドキュメント内のGeminiは変更を「提案」として文書の中に出し、WordのCopilotは元の文の下に直した案を並べられます。
  3. 「理由」は、頼む側が書き添えるものです。 読んだ公式ページに、理由を出させる方法そのものは書かれていませんでした。ここは僕らの案です。
  4. 最後に読むのは自分です。 GoogleもMicrosoftも、受け入れる前に確かめるよう書いています。

たとえ話:赤ペンの先生と、清書をしてくれる人

僕らのたとえです。公式の文書にあるものではありません。

学校の作文で、先生が赤ペンで「ここは主語が抜けています」と書き込んでくれるのが「添削」です。元の文は残り、直された場所と理由が見えます。一方、清書をしてくれる人に「きれいにして」と渡すと、できあがりはきれいですが、どこをどう変えたのかは分かりません。

「直して」とだけ頼むのは清書係に渡すのに近く、赤ペン先生のようにしてほしいなら、そう頼む必要があります。

頼み方の組み立て:4つを決める

頼み方の基本は、同じ連載の「AIへの頼み方の基本」の記事にまとめています。Anthropicのヘルプは、事情を知らない人に頼むつもりで、目的や読む人などの背景を書くよう勧めています。それを添削に当てはめると、次の4つになります(組み立ては僕らの整理です)。

決めること 書き方の例(僕らの例)
何を直すか 「誤字と脱字だけ」「分かりにくい文を見つけて」「敬語を整えて」
どこまで直すか 「内容と文の順番は変えない」「1文ずつ、最小限で」
どう見せるか 「元の文、直した文、理由の順に、表で」
変えてはいけないもの 「数字、日付、人の名前、固有名詞はそのまま」

Anthropicのヘルプは、頼みごとを単純に、明確に書くことを4つのコツの最初に挙げています。「直して」の中身を具体的な言葉にする、というのはその当てはめで、僕らの整理です。

Microsoftのサポートページは、書く・変える・置き換える対象の文を引用符で囲むと、Copilotに伝わりやすいと書いています。

そのまま使える頼み方の例(僕らの例)

次の文章を添削してください。
・誤字、脱字、読みにくい文だけを直す。内容と順番は変えない。
・数字、日付、固有名詞は変えない。
・「元の文/直した文/直した理由」の3列の表で出す。
・直さなかった部分は書かなくてよい。
【文章】
……(ここに貼る)……

「提案だけ」にしたいときは、「書き直さず、直したほうがよい点の提案だけを出して」と書きます。直した全文がほしいときは、「直した全文を出して」と頼みます。どちらが欲しいかを言葉にするのがポイントです。

変更点を見えるようにするサービス側の機能

公式のヘルプに書かれている機能です。画面の名前は変わることがあるので、2026年10月16日に確認した内容として読んでください。

サービス 変更点を見る方法(公式ページに書かれていること)
ChatGPT(canvas) 文章用の「Suggest edits」で、文中にコメントが出ます。「Apply」でChatGPTが直します。「Show changes」で追加と削除を表示。矢印で前の版に戻れます。
Googleドキュメント(Gemini) 文章を選んで「Refine」。変更は文書内の提案として出て、1つずつ承認するか、「Accept all」「Reject all」でまとめて決めます。
Word(Microsoft Copilot) 文章を選んでCopilotに頼むと、案が出ます。「Replace」で置き換え、「Insert below」で元の下に挿入して見比べ、「Regenerate」で別の案。
3つの機能の細かい点(公式ページの内容)

ChatGPTのcanvas。 書く作業やコードの作業のための横のパネルです。「use canvas」と頼む、貼り付けてから「Open in canvas」を選ぶ、「/」から選ぶ、などで開きます。文章用のショートカットには、「Suggest edits」のほか、長さを変える「Adjust the length」、読む人のレベルを変える「Change reading level」、文法・分かりやすさ・一貫性を整える「Add final polish」があります。「Add final polish」はその場で本文を変え、「Suggest edits」は先に提案を出します。pro系のモデルではcanvasが使えない、とも書かれています。

Googleドキュメントの「Refine」。 「Rephrase」「Shorten」が表に出て、「More」の中に「Elaborate」「More formal」「More casual」「Bulletize」「Summarize」があります。使えるのは、対応するGoogle WorkspaceかGoogle AIのプランです。日本語でも同じように使えるかは、読んだページでは確かめられていません。

WordのCopilot。 口調の選択肢は一覧になく、頼みごとの中で書くとされています。Microsoft 365の契約や組織の設定によっては、Copilotが表示されないことがあるとも書かれています。

見立てです。3つに共通しているのは、AIの直しをすぐ確定させず、元の文が残る、または1つずつ決められるしくみです。添削では、この「確定する前に見る」がいちばん大切だと僕らは思います。

理由を出してもらう:僕らの案

「どこを、なぜ直したか」が分かると、次に自分で書くときの参考になります。読んだ公式ページには、理由を出させる方法そのものの説明はありませんでした。ただ、OpenAIのヘルプは、最初の頼みを出発点にして、返事を見て言い直すことを勧めています。理由が足りなければ、「直した理由も、1行ずつ付けて」と言い足せばよい、というのが僕らの案です。

注意点があります。AIが書く「理由」も、AIが作った文章の一つです。文法の規則の説明が、もっともらしいけれど間違っている、ということも起こりえます。参考として読み、気になる点は辞書や公的な資料で確かめてください。

誤解されやすい点

「添削を頼めば、元の意味のまま直してくれる」 そうとは限りません。GoogleとMicrosoftの公式ページは、AIの案を受け入れる前に確かめるよう書いています。直し方によって、言いたいことが変わることがあります。

「変更点が見えれば、正しい」 変更点が見えるのは、確かめやすくするためです。正しさを保証する機能ではありません。理由が付いていても同じです。

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