3行でいうと
- 要約の頼み方は、「誰のためか」「どのくらいの長さと形か」「貼った文章の範囲だけで」の3点を書くのが基本です。公式の文書は、長い資料は先に置き、頼みごとは最後に書くことを勧めています。
- 長すぎる文章は、AIが一度に見渡せる量を超えたり、細かい部分を見落としたりすることがあります。Googleの公式ヘルプは、大きすぎるファイルでは、答えに抜けが出ることがあると書いています。
- 要約は間違うことがあります。Anthropicの文書は、根拠の引用を出させる、「分からない」と言ってよいと伝える、といった減らし方を紹介していますが、なくなるわけではない、とも書いています。
この記事は、公式の文書を読んでまとめたものです。この記事は、これらのサービスに長い文章を貼って確かめたものではありません。頼み方の例文は僕らが作ったもので、公式のものではありません。たとえ話と「見立てです。」で始まる段落も、僕らの考えです。
先に結論
公式の文書を読んで言えることは、次の4つです。
- 頼み方は、型に沿って書きます。 Googleのヘルプは、役割・作業・背景・形式のうち、いくつかを書くよう勧めています。要約では「誰のために」「何文で、どんな形で」を足す、というのが僕らの整理です。
- 長い文章は先、頼みごとは最後に。 AnthropicもGoogleも、そう案内しています。
- 長すぎると、見落としが出ます。 上限を超えると、細かい部分が抜けることがある、とGoogleは書いています。
- 要約は、元の文章と見比べる前提で使います。 間違いを減らす頼み方はありますが、公式も、なくなるとは言っていません。
たとえ話:分厚い資料を机に広げて、新人に「3分で説明して」と頼む
僕らのたとえです。公式の文書にあるものではありません。
分厚い資料を机に広げて、新人に「3分で説明して」と頼むところを想像してください。新人は優秀ですが、あなたの事情を知りません。誰に説明するのか、何を知りたいのかが分からないと、無難な部分だけを拾います。資料が机に載りきらないほど多いと、端のほうは見落とします。そして、話が上手なので、うろ覚えの部分ももっともらしく話してしまいます。
だから、頼み方(誰に、何のために)、資料の量(机の広さ)、確かめ方(資料と照らす)の3つが大事になります。AIが人間のように「読んで理解している」のかは、読んだ資料には書かれていません。
最初の1回のやり方
画面の操作はサービスごとに違うので、順番だけを書きます。
- 要約したい文章をチャット欄に貼る。長いときは、文章が先、頼みごとは最後に書く。
- 頼みごとを書く(次の「頼み方の3点」)。
- 出てきた要約を元の文章と見比べる。数字、日付、名前はとくに見る。
- 足りなければ、「もう少し短く」「3つ目を詳しく」のように、直してほしい所を具体的に言い直す。
頼み方の3点
Googleの公式ヘルプ(Docsなどでの頼み方)は、頼みごとの4つの観点として、役割、作業、背景、形式を挙げています。全部は要らず、いくつか組み合わせればよい、とあります。作業は「要約する」のような動詞で始め、聞き手や目的も書くとよい、ともあります。例として、「3文で要約して」が紹介されています。
これを要約向けに並べ直すと、次の3点になります(並べ直しは僕らの整理です)。
| 書くこと | 何を書くか | 例 |
|---|---|---|
| 誰のため・何のため | 読む人と目的。背景にあたる | 「出張中の上司が、移動中にスマホで読む」 |
| 長さと形 | 文の数、項目の数、箇条書きか文章か | 「3つの箇条書きで。各1文」 |
| 範囲 | 貼った文章の中だけで答えること | 「貼った文章に書かれていないことは足さない。分からなければ『書かれていない』と書く」 |
僕らが作った例文です。
次の連絡メールを、出張中の上司が移動中に読みます。3つの箇条書きに要約してください。各項目は1文で、いつまでに何を決めるかが分かるように。メールに書かれていないことは足さず、日付や数字が書かれていない場合は「書かれていない」としてください。
3つ目の「範囲」は、Googleの開発者向け文書に、貼った文脈だけで答え、文脈にないときはそう伝えさせる書き方の例があります。Anthropicの文書にも、貼った資料だけを使わせる方法があります。
長さは、数で頼むのが基本のようです(Googleの例は「1文で」「3文で」)。ただ、数をぴったり守らせる仕組みは、読んだページに書かれていませんでした。見立てです。数は「お願い」で、守られないこともあると考え、そのときは「もう一度、3つにして」と言い直すのが現実的だと思います。
長い文章は、先に置く
AnthropicとGoogleの公式の文書は、ほぼ同じことを言っています。
- Anthropicは、2万トークンほど(かなり長い量)の資料では、長い文書を先に、質問と指示をあとに置くよう勧めています。質問を最後に置くと、答えの質が最大30%上がった、とテストの結果が書かれています(テストの設定は書かれていません)。
- Googleの開発者向け文書も、大きな文脈は先に全部置き、具体的な指示や質問を最後に書くよう案内しています。文脈のあとに「上の情報にもとづいて」のようなつなぎの言葉を入れるとよい、ともあります。
トークンとは、AIが文章を数える単位です。OpenAIのヘルプは、英語なら1トークンが約4文字、と説明しています。日本語の数字は、読んだページにありません。見立てです。英語と同じ数え方ではないはずなので、余裕を見たほうが安全だと思います。
長さの上限についての公式の記載
- Claude(ヘルプ「利用と長さの制限」、2026年10月16日確認): 一度のチャットで扱える情報の量(コンテキストウィンドウ)は、有料プランで、新しいモデルが最大100万トークン、ほかは50万か20万トークン、と書かれています。会話が上限に近づくと、コード実行の機能がオンのときは、古いやりとりが自動で要約されて続けられます。ただし、とても大きな最初のメッセージなどでは、上限にあたることもあります。そのときは、新しい会話を始めるか、プロジェクト機能を使う、とあります。無料プランの数字は、読んだページにありません。
- Gemini(ヘルプ「ファイルのアップロード」、2026年10月16日確認): 標準のコンテキストウィンドウは、Google AI ProまたはUltraで100万トークン(文章で約1,500ページ、と書かれています)。上限を超えると、内容の見落としや、大きなファイルに散らばったつながりの取りこぼしが出ることがある、とあります。「アップロードが大きすぎて最良の結果が出ないかもしれません」という趣旨のメッセージが出ることもあります。対策は、小さなファイルにするか、有料プランで広げることです。
- ChatGPT: 貼り付けの長さの上限は、読んだ公式ページに見つかりませんでした。OpenAIのヘルプは、上限はモデルごとに違うので、各モデルの文書で確かめるよう書いています。
要約を確かめる:間違いの見つけ方
AIの要約は、元の文章にない内容が混ざることがあります。Anthropicの「ハルシネーション(もっともらしい間違い)を減らす」文書には、頼み方で減らす方法が並んでいます。僕らの言葉で言い換えます。
- 「分からない」と言ってよい、と伝える。 資料に答えがないときは、その旨を言うよう許可すると、作り話が減ることがある、とあります。
- 先に、元の文章から引用を抜き出させる。 2万トークンを超えるような長い資料では、まず関係する部分をそのまま抜き出させ、それをもとに作業させる。引用が見つからなければ、そう言わせる。
- 要約の各項目に、根拠の引用をつけさせる。 引用が見つからない項目は、取り下げさせる。
- 同じ頼みを何回か出して、答えを比べる。 答えがぶれるところは、怪しいと見る。
この文書は、これらで大きく減らせるが、完全にはなくならないので、大事な情報は必ず確かめるように、とも書いています。
見立てです。読む側に役立つのは、「根拠の引用をつけて」と頼むことだと思います。元の文章で該当箇所を探して、本当に書いてあるか確かめられるからです。ただし、引用そのものが元と違うこともあり得ます。確かめる手間は、なくなりません。
Googleの開発者向け文書は、大きな作業は小さく分け、別々の部分に別々の作業をして、あとで結果をまとめる進め方を紹介しています。要約に当てはめると、章ごとに要約してもらい、その要約を貼って全体をまとめてもらう形になります。当てはめはこの記事の見立てで、効き目は確かめていません。
誤解されやすい点
「貼ったものは、全部読んでくれている」 Googleのヘルプは、大きなファイルでは細かい部分の見落としが出ることがあると書いています。全部読んだ、という保証ではありません。
今日からできること、やってはいけないこと
どれも、公式の文書に書かれたことを土台にした、僕らの整理です。
今日からできること
- 貼る順番を、文章が先、頼みごとが最後にする。
- 「誰が読むか」「何項目か」「貼った文章の範囲だけで」を、頼みごとに入れる。
- 数字、日付、名前は、元の文章と見比べる。
- 気になる項目は、「この項目の根拠になる部分を、元の文章から抜き出して」と聞く。
やってはいけないこと
- 要約を、確かめずに、そのまま人に送る。とくに、日付、金額、人の名前が入るもの。
- 他人の個人情報や、会社の秘密を含む文章を、よく考えずに貼る。OpenAIのヘルプ(モデル改善への利用のページ)には、個人向けプランでは内容が学習に使われることがあり、設定でオフにできる、とあります。別の記事(AIに入れてはいけない情報)も見てください。
- 契約書や診断書のように、判断が重い文章を、要約だけで済ませる。助言ではなく、確かめる手間は省けない、という話です。
気をつけること
- この記事は、2026年10月16日に読んだ公式ページのまとめです。この記事では、ChatGPT、Claude、Geminiに文章を貼って確かめていません。上限や画面は、変わりやすいです。
- ページは、WebFetchという道具で、要約した形で読みました。公式の文章は言い換えて書いています。原文の細かな言い回しは確かめていません。
- Anthropicの文書の「最大30%」は、書かれた設定でのテスト結果で、日常の使い方でそうなるとは限りません。
- ClaudeとGeminiの上限は、有料プランの数字です。無料プランの数字は、読んだページにありません。ChatGPTの貼り付けの上限は、確かめられていません。
- 更新日は、Claudeのヘルプが「今週」とだけ表示されるなど、正確な日付が分からないページがあります。
- 例文と、章ごとの要約の進め方は、僕らの整理です。公式の文書にそのまま書かれたものではありません。
出典
- Long context prompting tips(Claude Platform Docs、2026年10月16日確認)
- Reduce hallucinations(Claude Platform Docs、2026年10月16日確認)
- How do usage and length limits work?(Claude Help Center、2026年10月16日確認)
- What are tokens and how to count them?(OpenAI Help Center、2026年10月16日確認)
- How your data is used to improve model performance(OpenAI Help Center、2026年10月16日確認)
- Prompt design strategies(Gemini API、Google AI for Developers、2026年10月16日確認)
- Learn about prompts for Gemini in Docs, Sheets, Slides, Vids & Forms(Google Docs Editors Help、2026年10月16日確認)
- Upload & analyze files in Gemini Apps(Gemini Apps Help、2026年10月16日確認)
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者がやっていないと読める書き方 → いま:主語を記事にして、「この記事は、実際にやって確かめた記録ではありません」と書きました。運営者が使っているものを、使っていないと読ませないための直しで、内容や数字は変えていません。
