3行でいうと

  • 長い資料を先に、質問や指示を最後に置く点は、AnthropicとGoogleの文書で一致している。
  • Anthropicは、例を3〜5個、XMLタグで区切ることを勧める。Googleは、例の書式をそろえることを勧める。
  • OpenAIのモデル別ガイドは、現在の題が「Using GPT-6」に変わっていた。GPT-5.6向けの記述は「前のモデル」の節にあり、短く保つ方向の助言と社内試験の数字が載っている。

この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は、公式の文書を読んでまとめたものです。数字や推奨は2026年10月22日に読んだ時点のもので、モデルの更新で変わることがあります。

先に結論

前提:用語

各社の推奨:何をどこに置くか

Anthropic(Claude)

Anthropicの概要ページは、プロンプトを磨く前に、(1)成功基準の定義、(2)その基準に照らして試す方法、(3)最初の下書き、の3つを用意するよう求めています。そのうえで、技法は「Prompting best practices」にまとまっています。

その中の主な推奨は次のとおりです。

Anthropicの文書にある、長い文脈の並べ方(公式の例)

公式文書の例を、短く整えたものです。公式文書の例です。この記事では、実行していません。

<documents>
  <document index="1">
    <source>q3_report.pdf</source>
    <document_content>...</document_content>
  </document>
</documents>

<examples>
  <example>...</example>
</examples>

<instructions>
  上の文書から売上の傾向をまとめ、先に該当箇所を引用すること。
</instructions>

並びは「資料、例、指示」の順です。文書では、質問を最後に置くと、複雑な複数文書の入力で、テストの中では応答の質が最大30%上がることがある、と書かれています。これはテストの数字で、効果の保証ではありません。

OpenAI

基本のガイドは、developerメッセージを、次の4つの区分で組み立てる形を示しています。

  1. Identity(目的・口調・目標)
  2. Instructions(してよいこと・いけないこと)
  3. Examples(入力と望ましい出力)
  4. Context(独自のデータなど)

文脈は「プロンプトの終わりのほうに置くのがたいてい最善」と書かれています。区切りは、Markdownの見出しや箇条書きで区分を示し、XMLタグで参考資料の始まりと終わりを示せる、とあります。

プロンプトキャッシュ(同じ前置きを再利用して安くする仕組み)への配慮も書かれています。何度も使う内容は、プロンプトの先頭に置く、という説明です。

見立てです。ここで、Anthropicの「資料は上」とOpenAIの「文脈は終わりのほう」は、一見ぶつかります。ただ、OpenAIの文はdeveloperメッセージの中の並びの話で、Anthropicの文は長い文書と質問の並びの話です。文書の言い方が違うだけで、同じ前提とは言えません。どちらも、実際に試して決めるのが無難だと思います。

Google(Gemini)

Googleの文書は、10月8日の読みでは、次の要素を挙げていました。システム指示、役割、文脈、指示とタスク、例、出力形式です(10月22日の取り直しでは、この列挙は要約に出ず、代わりに、複雑な指示を分けること、プロンプトをつなぐこと、結果をまとめることの節が見えました)。以下の項目は、10月22日にも確認できたものです。

新しいモデルほど「短く」:OpenAIのモデル別ガイド

OpenAIの「Using GPT-6」(URLはprompt-guidance-gpt-5p6のまま)は、これまでと向きが少し違います。10月8日に読んだときは「Prompting guidance for GPT-5.6 Sol」でしたが、10月22日に取り直すと、題が変わり、GPT-6(Astra、6.1 Sol、Luna)の説明が先頭に来て、GPT-5.6向けの助言は「前のモデル」の節に移っていました。次は、GPT-5.6の節で読めた内容です。

GPT-6の節で読めたのは、次の点です。

このガイドは、区切り記号(デリミタ)や例の置き方については、読んだ範囲では触れていませんでした。

Anthropicの文書にも、似た記述があります。Opus 5では、前のモデル向けに書いた「自分で検証し直せ」という指示が、過剰な検証につながることがあるので、書き直さずに外す、という注意があります(AnthropicのPrompting best practicesの、Opus 5の項目)。

3社の推奨を並べた表(僕らが整理したもの)
論点 Anthropic OpenAI Google
区切り XMLタグ。名前は一貫して分かりやすく Markdownの見出し、XMLタグ XML風かMarkdown。どちらか1つに統一
長い資料と質問の順 資料が上、質問が最後(2万トークン以上の入力) 文脈はdeveloperメッセージの終わりのほう。再利用する内容は先頭 文脈が先、質問が最後
例 3〜5個、多様に、<example>で囲む 多様な入力を見せる。ただしGPT-5.6の節は、重複した例は削って試し直す 必ず入れる。書式を完全にそろえる
役割 システムプロンプトに1文でもよい Identityの区分に入れる 役割を明示(<role>など)
出力形式 「してほしい形」で書く 必要な出力の形を残す 明示する
長さ 明確さを重視 短くする(GPT-5.6の節) 制約を明確に

この表は、各社の文書の記述を、僕らが並べたものです。各社の文書のモデル世代は同じではありません。

選び方の見立て

見立てです。3社の文書を重ねて読むと、次のような順番で整えるのが、無理が少ないと思います。

  1. 先に成功基準と、試す方法を決める。 Anthropicの文書もOpenAIの文書も、プロンプトの改善は測ってから、という立場です。
  2. 長い資料と質問を分ける。 資料は上、質問は最後。区切りは1種類で通す。
  3. 例は、数個の多様なものから。 書式をそろえる。重複した例は削って、試し直す。
  4. 規則は理由つきで。 「絶対」「必ず」は少なく。
  5. 新しいモデルに替えたら、足すより先に、削って試す。

つまずきやすい点

気をつけること

出典

更新履歴