3行でいうと
- GPUでAIを動かすときは、専用メモリ(VRAM)にモデルが収まるかが分かれ目。仕様表でまず見る行だと考える。
- デスクトップ版GeForce RTX 50は8GBから32GB。5060 Tiには16GB版と8GB版がある。
- RTX 5090は消費電力575W、システム全体の電力の目安は1,000W。電源も買う前の確認点。
- 円の公式価格は、読んだNVIDIAとAMDのページになく、価格欄はすべて確認できていない。
この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書を読んでまとめたものです。僕らの考えは、段落の頭を「見立てです。」として分けて書きます。MacのメモリとAIの関係は、同じ日に出す「AIを使うMacはメモリで選ぶ」にまとめました。
先に結論
- GPUにはグラフィック専用のメモリ(VRAM、ブイラム)がついています。AIのモデルをGPUで動かすときは、モデルがこの中に収まるかどうかが分かれ目です。公式の仕様表で、いちばん先に見る行はここだと考えます。
- NVIDIAの公式ページを読むと、デスクトップ版のGeForce RTX 50シリーズのメモリは、5050から5090まで8GBから32GBに分かれます。名前が似ていても、5060 Tiには16GB版と8GB版があります。
- 電力と電源も、買う前の確認点です。RTX 5090は、NVIDIAの表で消費電力575W、システム全体の電力の目安は1,000Wです。
- 円の公式価格は、読んだNVIDIAとAMDのページにはありませんでした。この記事の価格欄は、すべて「確認できていません」です。
何が変わったか
AIの道具(OllamaやLM Studioなど)が広がり、GPUの説明に「AI」という言葉が並ぶようになりました。NVIDIAのGeForce RTX 50シリーズのページには、「RTX AI PC」という項目があり、LM StudioやAnythingLLMのようなツールで、AIをPCの中で、完全にプライベートな環境で動かせる、と書かれています。Windows ML、Ollama、PyTorchなどでも性能を引き出せる、という説明もあります。
AMDは、Radeon AI PRO R9700のページで「ローカルでのAIの推論に向く、32GBのビデオメモリ」とうたっています。NVIDIAのDGX Sparkのページは「ローカルのAIエージェント向け」の機械で、128GBのメモリを積んでいます。
用語を整理します。
- VRAM:GPUのすぐそばにある専用のメモリです。GPUカードでは、この量がカードごとに決まっていて、あとから増やせません。
- 統合メモリ:CPUとGPUが同じメモリを分け合う形です。AppleのMacや、AMDのRyzen AI Max+、NVIDIAのDGX Sparkがこの形です。大きなメモリを積めるのが特徴です。
- TGP:GPUが使う電力の公式の目安です(Total Graphics Power)。
仕様(公式、2026年10月22日に読み直し。RTX 5080とRTX 5070の個別ページだけは10月8日に読んだまま)
NVIDIA GeForce RTX 50シリーズ(デスクトップ用)
NVIDIAの日本語の比較ページと英語の各製品ページの2か所で、メモリ、消費電力、システム電力が一致しました。
| モデル | GPUメモリ | メモリの幅 | AI TOPS | TGP | システム電力の目安 | 補助電源 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| RTX 5090 | 32GB GDDR7 | 512ビット | 3352 | 575W | 1,000W | 8ピン4本、または600W以上のPCIe Gen 5ケーブル1本 |
| RTX 5080 | 16GB GDDR7 | 256ビット | 1801 | 360W | 850W | 8ピン3本、または450W以上のケーブル1本 |
| RTX 5070 Ti | 16GB GDDR7 | 256ビット | 1406 | 300W | 750W | 8ピン2本、または300W以上のケーブル |
| RTX 5070 | 12GB GDDR7 | 192ビット | 988 | 250W | 650W | 8ピン2本、または300W以上のケーブル |
| RTX 5060 Ti | 16GB版と8GB版 GDDR7 | 128ビット | 759 | 180W | 600W | 8ピン1本、または300W以上のケーブル |
| RTX 5060 | 8GB GDDR7 | 128ビット | 614 | 145W | 550W | 8ピン1本、または300W以上のケーブル |
| RTX 5050 | 8GB GDDR6 | 128ビット | 421 | 130W | 550W | 8ピン1本、または300W以上のケーブル |
注意点が3つあります。
- 「システム電力の目安」は、NVIDIAの脚注によると、Ryzen 9 5900XのPCを基準にした最小要件です(日本語の比較ページの脚注。英語の個別ページ(RTX 5090、5080)の脚注では、基準はRyzen 9 9950Xとなっていました)。電力要件はシステム構成によって異なる場合がある、と書かれています。
- デスクトップ版のメモリの帯域幅(1秒に運べるデータ量)は、読んだNVIDIAのページには載っていませんでした。表に入れていません。
- NVIDIAの各製品ページの価格欄は、読んだ時点では「Starting at $XXX.XX」という仮の表示のままでした。発売日の欄には、年の書かれていない日付(RTX 5060 Tiが「4月16日」、RTX 5050が「7月後半」)が残っていました。価格は確認できていません。
NVIDIA GeForce RTX 50シリーズ(ノートPC用)
ノートPC用は、同じ名前でもデスクトップ用とは別物です。NVIDIAの日本語ページには、次の表がありました。
| モデル | GPUメモリ | メモリ帯域幅 | GPUの電力(GPUサブシステム) |
|---|---|---|---|
| RTX 5090 Laptop | 24GB GDDR7 | 896GB/s | 95〜150W |
| RTX 5080 Laptop | 16GB GDDR7 | 896GB/s | 80〜150W |
| RTX 5070 Ti Laptop | 12GB GDDR7 | 672GB/s | 60〜115W |
| RTX 5070 Laptop | 8GB GDDR7 | 384GB/s | 50〜100W |
| RTX 5060 Laptop | 8GB GDDR7 | 384GB/s | 45〜100W |
| RTX 5050 Laptop | 8GB GDDR7 | 384GB/s | (電力欄は5060まで。5050の値は確認できていません) |
デスクトップのRTX 5090は32GB、ノートPCのRTX 5090 Laptopは24GBです。ノートPCは、機種を選ぶ前に、GPUの「Laptop」の表記とメモリ量を見てください。
AMDの製品
AMDの英語の製品ページから、読めた数字です。
| 製品 | メモリ | 帯域幅 | 電力 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Radeon RX 9070 XT | 16GB GDDR6 | 最大640GB/s | 304W(標準のボード電力)、電源は750W以上を推奨 | 補助電源は8ピン2本 |
| Radeon AI PRO R9700 | 32GB GDDR6 | 640GB/s | 300W(ボード電力)、電源は750W以上を推奨 | AMDは「ローカルのAI推論向け」と説明。ECC(誤り訂正)はLinuxのみ |
| Ryzen AI Max+ 395 | 最大128GB LPDDR5x(256ビット、LPDDR5x-8000) | 表に帯域の記載なし | 既定55W、設定で45〜120W | 統合GPUはRadeon 8060S(40コア)。NPUは最大50 TOPS、全体で最大126 TOPS |
Ryzen AI Max+ 395のページには、メモリのうちGPUに割り当てられる量が書かれていませんでした。確認できていません。当サイトの前の記事では、報道を元に書いた数字がありますが、公式の数字ではありません。
NVIDIA DGX Spark
NVIDIAの日本語ページによると、DGX SparkはGB10 Superchipを積み、128GBのLPDDR5x(CPUとGPUで共有する統合メモリ)、メモリ帯域幅は273GB/s、チップの設計電力(TDP)は140Wです。NVIDIAは、最大2,000億パラメータのモデルを扱える、と説明しています。2台をつなぐと最大4,050億パラメータ、とも書かれています。価格は、日本語ページに載っておらず、確認できていません。10月8日に読んだときは「登録して発売時に通知を受け取る」という表示がありました。10月22日に読み直すと、この表示と登録フォームはページの下のほうに残っていましたが、上のほうにはNVIDIAマーケットプレイスにつながる「今すぐ購入する」のボタンがあり、国内の販売パートナーの一覧も出ていました。同じページで販売の段階の表示がそろっていないため、日本で今買えるのか、在庫の状況は、ページからは確かめられませんでした。
動かす道具の側の条件
ここは、AIの道具の公式文書にも条件があります。Ollamaの公式の「Hardware support」ページから読めたことです。
- NVIDIA:計算能力(Compute Capability)5.0以上、ドライバーのバージョン550以上(計算能力5.0〜6.2の古いカードは570以上、と10月22日の版にはあります)。対応表にRTX 5060、5060 Ti、5070、5070 Ti、5080、5090が載っていました。RTX 5050は、この表には載っていませんでした。載っていないから動かない、とは限りません。確認できていないだけです。
- AMD:Linuxでは、RX 9070 XT、9070、9060 XTなどと、Radeon AI PRO R9700、Ryzen AI Max+ 395が載っています。一方、Windowsの表に載っているのはRX 7000番台(7900 XTX、7900 XT、7900 GRE、7800 XT、7700 XT、7600 XT、7600)とRadeon PROの一部でした。別の仕組み(Vulkan)による対応も書かれていて、Windowsではほとんどのメーカーのドライバーに入っている、という説明です。
- Apple:Metalで対応。Macの話は別の記事に書きました。
見立てです。Radeonの9000番台でWindowsを使う人は、買う前にOllamaの対応表と、使うつもりの道具の最新の説明を、必ず見直したほうがよいと思います。道具の対応は短い間隔で変わります。
Ollamaの公式のFAQには、モデルがGPU1枚に収まるなら、そのGPUに読み込み、そのほうが性能が出やすい、と書かれています。収まらないと、複数のGPUに分けるか、CPU側のメモリに逃げます。ollama ps というコマンドで、モデルがGPUとCPUのどちらに載っているか(「100% GPU」「48%/52% CPU/GPU」など)を見られます。
また、会話の長さの設定(コンテキスト長)の初期値は4,096トークン(AIが一度に見られる文字数の目安の単位)で、増やすとメモリも増えます。同時に処理する数を増やしても、必要な量が増えます。モデルの大きさだけでなく、使い方でも必要なメモリが変わる、ということです。
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向く人・向かない人
見立てです。公式の仕様表から考えると、次のようになります。
- 16GBのGPU(RTX 5080、5070 Ti、5060 Ti 16GB版、RX 9070 XT):小さめから中くらいのモデルを、速く動かしたい人向きです。当サイトの前の記事の目安で、ファイルの大きさがメモリの半分から6割に収まるなら余裕があります。
- 8GBのGPU(RTX 5060、5050、5060 Ti 8GB版、ノートPCのRTX 5070以下):小さいモデルが中心になります。AIが目的なら、買う前に、動かしたいモデルのファイルが入る大きさかを確かめてください。
- 24GBから32GB(RTX 5090、5090 Laptop、Radeon AI PRO R9700):大きめのモデルを載せたい人向きです。電力、電源、置き場所の準備が要ります。RTX 5090は575W、システムの目安は1,000Wです。
- 統合メモリの機械(Ryzen AI Max+、DGX Spark、Mac):メモリの量を優先したい人向きです。ただし、帯域幅はGPUカードのほうが太い場合があります。DGX Sparkの273GB/sは、ノートPCのRTX 5070以下の384GB/sより低い値です。この値の差が使い心地にどう出るかは、この記事では確かめていません。
- 向かない人:AIを時々チャットで使うだけの人です。サービスのほうが手軽です。
買う前の確認点
- 動かしたいモデルのファイルの大きさを調べ、GPUのメモリの量と比べる。
- 同じ名前でメモリ違いの製品に注意する(5060 Tiの16GB版と8GB版)。
- デスクトップとノートPCの違いを確認する。名前に「Laptop」がつくかどうか。
- 電源ユニット(PCの電気を作る箱)の容量と、補助電源のコネクターの本数を確かめる。
- 使うつもりの道具の対応表(Ollamaなど)に、そのGPUが載っているかを見る。
- 価格は、販売店で確かめる。この記事で読んだ公式ページには、円の価格が見つかりませんでした。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。数字はNVIDIA、AMD、Ollamaの公式ページに書かれていたものです。
- AI TOPSの値は、NVIDIAの表の値をそのまま写しました。NVIDIAのAI TOPSと、Windowsの「Copilot+ PC」の基準に出てくるNPUのTOPSが、同じ条件の数字かどうかは、読んだページでは分かりません。比べないでください。
- デスクトップ版GPUのメモリ帯域幅は、NVIDIAの該当ページで確認できませんでした。
- Ryzen AI Max+ 395のGPU割り当て量、DGX Sparkと各GPUの円の価格は、確認できていません。
- NVIDIAの製品ページには、発売日や価格の欄に古い表示や仮の表示が残っているところがあります。最新の状況は販売店で確認してください。
- Ollamaの対応表は、載っていないものが必ず動かない、という意味ではありません。逆に、載っていても、構成によっては問題が出る可能性があります。
- 他社の製品との優劣は、この記事では断定していません。
出典
- GeForce RTX 50 シリーズ グラフィックス カード(NVIDIA日本、2026年10月22日確認)
- GeForce グラフィックス カード比較(NVIDIA日本、2026年10月22日確認)
- GeForce RTX 5090(NVIDIA、2026年10月22日確認)
- GeForce RTX 5080(NVIDIA、2026年10月8日確認)
- GeForce RTX 5070 ファミリー(NVIDIA、2026年10月8日確認)
- GeForce RTX 5060 ファミリー(NVIDIA、2026年10月22日確認)
- GeForce RTX 50 シリーズ ノート PC(NVIDIA日本、2026年10月22日確認)
- NVIDIA DGX Spark(NVIDIA日本、2026年10月22日確認)
- AMD Radeon RX 9070 XT(AMD、2026年10月22日確認)
- AMD Radeon AI PRO R9700(AMD、2026年10月22日確認)
- AMD Ryzen AI Max+ 395(AMD、2026年10月22日確認)
- Hardware support(Ollama Docs、2026年10月22日確認)
- FAQ(Ollama Docs、2026年10月22日確認)
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
