3行でいうと

  • 土台は、入力欄をクリックして、Push to talk のキーを押している間だけ話し、離すこと。整えた文字が、その時点で選ばれている入力欄に入ります(公式の「Starting your first dictation」)。
  • 「えーと」や言い直しを消す機能は「Backtrack」、句読点や大文字小文字を整える機能は「Smart Formatting」。どれくらい手を入れるかは、Auto Cleanup の「None」「Light」「Medium」で選びます(Mac と Windows)。
  • Dictionary は変な綴りを直し、Snippets は決まった文章を、決めた言葉で呼び出します。辞書は Mac、Windows、iOS、Android で、スニペットも同じ4つで使えます。
  • Command Mode は、既定でオフで、Settings → Experimental でオンにします。Free と期限切れのアカウントには、ショートカットを押しても反応しない、と公式は書いています。
  • Styles は英語のみ、Command Mode を呼ぶ話し言葉のきっかけも英語のみ、と公式は書いています。日本語で使うときの動きは、公式で確認できていません。

この記事は、公式の資料を2026年10月25日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。

手順は、公式の手順を順に並べたものです。「この記事の例」と書いた文は、公式の例ではなく、この記事で組んだ例です(動作は確かめていません)。画面の表記は更新で変わることがあるので、手元の画面と照らしてください。

先に結論

前提:用語をそろえる

たとえ話:口述筆記の秘書に、メモと符丁を渡す

秘書(Flow)に話すのが基本の使い方です。「えーと」を取り除くのは秘書の標準の仕事、取り除く程度は設定(Auto Cleanup)で変えます。辞書は「この人の名前はこう綴る」という名簿、スニペットは「『署名』と言われたらこの文面を書く」という符丁の表です。Command Mode は、書いた文章を見せて「これを丁寧に直して」と頼むことにあたります。これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません。

最初の1時間の順番(この記事の案)

順番 やること 使う手順
1 05・06の設定を終え、メモ帳などで短い一文を話す 場面1
2 数字や「新しい段落」などの合図を試す 場面2
3 Auto Cleanup を「Light」か「Medium」に切り替えて、違いを見る(Mac・Windows) 場面3
4 認識を外しやすい名前を、辞書に1つ入れる 場面4
5 署名など、よく打つ文面をスニペットに1つ入れる 場面5
6 余裕があれば、Command Mode か Transforms をオンにする 場面6、場面7

場面1:基本の音声入力(Mac・Windows)

公式ヘルプ「Starting your first dictation」の順です。

手順:押して話して離す(Push to talk)

  1. 書きたいアプリを開き、入力欄をクリックして、カーソルが見える状態にします。
  2. Push to talk のショートカットを押し続けて、話します(Mac は fn、Fn がない Mac は Ctrl+Opt、Windows は Ctrl+Win が初期。06の手順8の表を参照)。
  3. キーを離します。整えた文字が、その時点で選ばれている入力欄に入ります。
  4. 入った文字を読み、直してから送ります。

この記事の例(話す文):「明日の打ち合わせは三時からでお願いします」。日本語で整えられる程度は、公式で確認できていません。

手順:ハンズフリー

公式ヘルプ「Use Flow hands-free」の順です。

  1. 入力欄にカーソルを置きます。
  2. Hands-free のショートカットを押し(Mac は fn+Space、Windows は Ctrl+Win+Space)、音が鳴ってから話します。Push to talk を0.5秒以内に2回押す、または Flow Bar をクリックする方法でも始められます。
  3. もう一度同じショートカットを押すか、Flow Bar の停止(■)を押します。文字が入ります。
  4. 取り消すときは、X か Esc。取り消しの通知の「Undo」で、直前の文字を再試行できます。

始めて0.5秒以内にもう一度押すと、貼らずに取り消されます。処理中や再試行中は、ショートカットは無視されます。

場面1の続き:iPhone と Android

iPhone

  1. メモやメッセージの入力欄を開き、地球儀の長押しで Flow keyboard に切り替えます。
  2. マイクのボタン(か「Start」)を押して話し、チェックのボタンで終えます。X で取り消します。
  3. 整えた文字が入ります。「Start」は、Flow を開いてそこで録音する場合があります。

公式は、iPhone にはハンズフリー用のショートカットはなく、タップで操作する、と書いています。電話の着信や、ヘッドホン・Bluetooth の接続の変化で、録音は止まります。

アプリを開かずに始めたいときの、公式の「Flow Shortcuts」(Action Button、Back Tap、Control Center)の内容は、08で扱います。

Android

  1. 入力欄を押して、画面のキーボードを出します。
  2. 画面の端の Flow Bubble を押して話し、チェック(Done)を押します。入力は自動で行われます。
  3. 押し続けて話し、離して送る方法もあります。この方法では、録音中に取り消しの操作は出ません(公式)。

Android の1回の上限は、約3分59秒で振動して警告し、約4分59秒で止まって文字にします。

場面2:話し方の合図と、言い直し(Smart Formatting と Backtrack)

公式ヘルプ「How do I use Smart Formatting & Backtrack」の内容です。Mac、Windows、iOS、Android で書かれています。

手順:合図の言葉を使う

  1. いつもどおり、Push to talk で話し始めます。
  2. 句読点や改行を決めたいところで、次の言葉を話します(公式の表)。
入れたいもの 話す言葉(公式の表記)
句点 "period" または "full stop"
そのほかの句読点 "comma"、"question mark"、"exclamation point"、"colon"、"semicolon"
ダッシュ "em-dash"、"em dash"、"emdash"
改行 "new line"、"next line"、"line break"、"skip a line"
新しい段落 "new paragraph"、"start a new paragraph"
  1. リストにしたいときは、「one… two…」のような数字や、「first… second…」のような順序の言葉を話します。リストが自動で作られます。

公式は、句読点はほとんど自動で入り、ダッシュの名前は記号にならないことがある、改行と段落は自然な間のところで効きやすく、Smart Formatting の設定に関わらず動く、と書いています。これらの合図が日本語の話し言葉で動くかどうかは、公式で確認できていません。

手順:言い直し(Backtrack)の動き

  1. 話しながら、言い直しの言葉("actually"、"scratch that"、"never mind" など)を入れるか、言いたかったことをもう一度言います。
  2. 公式の例:「Let's do coffee at 2 actually 3.」は、「Let's do coffee at 3.」になります。
  3. 「I actually enjoyed the movie.」のように、言い直しではない文は残されます。

公式の別の記事(Starting your first dictation)は、「actually」だけの合図では足りず、あいまいな言い直し、途中で終わった断片、文中の「never mind」は残される、と書いています。入った文字は読んで確かめてください。

設定

場面3:整えの程度と文体を選ぶ(Auto Cleanup と Styles)

手順:Auto Cleanup(Mac・Windows、Beta)

公式ヘルプ「Auto Cleanup: control how much Flow edits your dictation」の順です。

  1. Hub を開きます。
  2. 「Style → Auto Cleanup」へ進みます。
  3. 「None」「Light」「Medium」のカードのどれかを押します。カードの例で違いを見られます。
  4. 次の音声入力から変わります。再起動は要りません。
レベル 公式の説明
None 手を入れない。言い淀み、言い直し、言い間違いも含めた生の文字を貼る
Light 言い淀みを消し、文法を直す。レベルが未設定のときの初期
Medium 意味を保ちながら、分かりやすさと短さのために言い換えることがある
High 選べなくなった。選んでいた人には Medium と表示される

戻したいとき:Home の最近の音声入力の「…」から「Undo AI edit」で、整える前の文字に戻せます。音声入力の直後なら、Cmd+Z(Mac)か Ctrl+Z(Windows)でも戻せます。Command Mode の音声入力と、認識されたAIアプリへの音声入力では、整えない仕様、とも書かれています(公式)。

手順:Styles(アプリの種類ごとの文体)

公式ヘルプ「How to setup Flow Styles」の順です。公式は、Styles は英語のみで効く、と書いています。

  1. Mac と Windows は、Hub の左の「Style」を開きます。Android は下のバーの「Style」、iOS は「Style」のタブです。
  2. 案内の帯が出たら、案内の設定を始め、「Personal messages」「Work messages」「Email」「Other」を「Next」で進みます。
  3. カテゴリのタブを選び、スタイルのカードを押します。Mac と Windows は押すとすぐ保存され、「Save」はありません。iOS と Android は「Save」を押します。
スタイル 効くカテゴリ 公式の説明
Formal. すべて 大文字小文字と句読点
Casual すべて 大文字小文字あり、句読点は少なめ
very casual Personal のみ 大文字小文字なし、句読点は少なめ
Excited! Work、Email、Other 感嘆符が増える

カテゴリは、音声入力したアプリで決まります。メールのアプリは「Email」で、挨拶や結びの文、改行が入ります。デスクトップでは、AIアシスタントとターミナルは、仕事・個人のメッセージアプリと認識されなければ、「Other」です(公式)。

場面4:辞書に単語を入れる(Dictionary)

公式ヘルプ「Teach Flow your words with the dictionary」の順です。Mac、Windows、iOS、Android で使えます。

手順:手で入れる

  1. 左のサイドバー(Mac と Windows)か、下のバー(iOS と Android)で「Dictionary」を開きます。iOS は、ほかのアプリで音声入力して Flow に戻るまで、開けません。
  2. 「Add new」(Mac と Windows)か「+」(iOS と Android)を押します。
  3. 単語やフレーズを入れ、「Add word」(Mac と Windows)、「Save」(iOS)、「Add」(Android)を押します。
  4. その単語を含む文を話して確かめます。違う綴りが返るなら、訂正を足します。

この記事の例:認識を外しやすい人名や製品名を1つ入れます。

手順:違う綴りの訂正を足す(Mac・Windows・iOS)

  1. 新しい項目を足すとき、「Correct a misspelling」をオンにします。
  2. Flow が出してしまう間違った綴りを入れます。
  3. 保存します。公式は、大文字小文字や言い方に関わらず、単語全体に一致して置き換わり、出力は保存した大文字小文字になる、と書いています。長いフレーズが優先され、個人の項目が共有の項目より優先されます。

決まり

場面5:スニペットで決まった文面を呼ぶ(Snippets)

公式ヘルプ「Create and use snippets」の順です。個人のスニペットは、公式によると Basic を含むすべてのプランで使えます。

手順:作る

  1. サイドバーの「Snippets」(Mac と Windows)か、「Snippets」のタブ(iOS と Android)を開きます。
  2. 「Add new」か「+」を押します。
  3. 「Snippet」の欄に、話す合図の言葉を入れます。
  4. 「Expansion」の欄に、入れたい文面を入れます。
  5. 「Add snippet」(Mac と Windows)、「Save」(iOS)、「Add」(Android)を押します。

公式は、「my email signature」のような特徴のある合図がよく、「thanks」のようなありふれた語は避けるように、と書いています。

手順:使う

  1. いつもどおり、音声入力を始めます。
  2. 合図の言葉を、単独か文の中で話します。展開された文面に置き換わります。

  3. 合図は大文字小文字を区別せず、展開した文面は保存した大文字小文字のままです。個人とチームで合図が同じなら、個人が優先されます。

  4. デスクトップの展開は静的で、今日の日付のような変数は使えません。
  5. デスクトップでは、太字、斜体、箇条書き、番号つきの箇条書き、リンクが使えます。リンクは Cmd+K(Mac)か Ctrl+K(Windows)で入れます。
  6. 合図は60文字まで。展開は、デスクトップが4,000文字まで。取り込みは3MB、1,000項目まで。
  7. 展開しないときは、合図をはっきり全部話し、綴りの間違いを直し、Mac と Windows では Flow を再起動します(公式)。
  8. iOS で、個人のスニペットの編集に失敗すると、元の項目が消えることがある、と公式は書いています。編集の前に長押しして「Copy」で文面を控えてください。

場面6:Command Mode で文章を直す(Mac・Windows)

公式ヘルプ「How to use Command Mode」の順です。iOS は、話し言葉で検索は開けるが、文字をその場で直す動きは動かない、と書かれています。

手順:オンにする

  1. Settings → Experimental を開きます。
  2. Command Mode をオンにします。既定はオフです。
  3. 公式は、対象のアカウントは、有効または支払い遅延中の個人の購読、期限内の試用、有効・試用中・支払い遅延中の企業向けの購読、と書いています。Free と期限切れのアカウントは、ショートカットを押しても反応も通知もありません。プランの理由で断られると、「Flow commands only available on Flow Pro」と出ます(公式の記載)。

手順:使う

  1. 直したい文章のある入力欄にフォーカスを置き、直す範囲があれば選びます。
  2. Command Mode のショートカットを押し続けます(Mac は Fn+Ctrl、Fn がない Mac は Cmd+Ctrl+Option、Windows は Ctrl+Win+Alt が初期)。
  3. 指示を自然な言い方で話します。「Hey Flow」のような前置きや決まった言い回しは要りません。
  4. キーを離すと実行されます。

この記事の例(公式の例ではない。公式の記事には具体的な例文が載っていません):文章を選んで「もっと短くして」「丁寧な言い方に直して」。日本語の指示で動くかは、公式で確認できていません。ホットキーは、どの言語でも使えます。一方、話し言葉で呼び出すきっかけの言葉は、英語のみです。

返ってくるもの

送られるもの

公式は、入力欄の中身と選んだ文字が、あなたの指示とともに送られる、と書いています。選択を直接読めないときは、コピーして読もうとする、とも書かれています。

うまくいかないとき

症状 公式の確認点
押しても何も起きない アカウントの対象か、最初の設定が音声入力できる段階まで進んでいるか。マイクのテストの窓が開いていれば Esc で閉じる
「Transcript currently processing」 前の処理が終わるのを待ってから押す
貼られない 既存の文字と、フォーカスされた入力欄があるか
「Command Mode Servers Are Busy」 サーバーが混んでいた。結果は返らず、何も貼られていない

場面7:Transforms で選んだ文章を書き換える(Mac・Windows・iOS)

公式ヘルプ「Rewrite text with Transforms and custom prompts」の順です。公式は、デスクトップは Beta と書いています。組織の管理者だけがオフにできるという点は、この記事の再確認では確かめられず、公式で確認できていません。どのプランに含まれるかは、読んだ記事に記載が見つかりませんでした。

手順:オンにする

  1. Hub の「Transforms」のタブを開きます。
  2. 「Try it out」を押し、見本のメール文を選び、デモに出るショートカットを押します。
  3. 見本の文が置き換わると、「Turn on Transforms」が押せます。

Notetaker だけで最初の設定をした人は、この端末で音声入力の設定を終えないと、このタブは開きません。「Opt in」のスイッチで、ショートカットが働くかが決まります。

手順:使う

  1. ほかのアプリで、書き換えたい文を選びます。
  2. 書き換えのショートカットを押します。その場で置き換わります。
  3. 結果を見るには、Flow Bar の「Done. See changes」か、View Diff を使います。「Undo」で、直近の書き換えを戻せます。
動作 Mac Windows
Polish Opt+1 Win+Alt+1
Prompt Engineer Opt+2 Win+Alt+2
View Diff Opt+O Win+Alt+O

選択がなければ、読める入力欄の中身が使われ、欄が空なら過去60秒の音声入力が使えます。デスクトップの入力は1〜3,000語、iOS の Polish は10〜3,000語です。「Prompt Engineer」は、バラバラに話した考えを、構造のあるAIへの指示文にします(公式)。

場面8:Scratchpad にメモする(Mac・Windows)

公式ヘルプ「Use and organize notes in Scratchpad」の順です。iPhone には、別の「Flow Notes」があります(この記事では読んでいません)。

  1. 開く:既定のショートカットは、Mac が Opt+S、Windows が Win+Alt+S。
  2. 新しいメモ:Scratchpad のページで「+」を押し、文を打つか、マイクか Push to talk のキーで話し、緑のチェックで入れます。X で取り消します。
  3. 並べ方:1つの窓に5タブまで。タブ名のダブルクリックで名前を変えます(100文字まで)。メモのカードにマウスを置くと、Edit、Pin/Unpin、Delete が出ます。
  4. 版の履歴:保存したメモの時計のボタンで、以前の版に戻せます(50版まで、確認なし)。
  5. 削除は、元に戻せません。
  6. 同期:サインインしていれば、自動で同期します。手で更新するには、Settings → Data and Privacy → Sync notes。

場面9:履歴を見る、やり直す

気をつけること

出典