3行でいうと
- チャット(Qwen Studio)の機能は、公式サイトの説明文に、チャット、画像と動画の理解、画像の生成と編集、文書の処理、ウェブ検索、ツールの利用、音声と動画のチャット、アーティファクトが挙げられています。個々の画面の使い方は、読んだ範囲では見つかりませんでした。
- 「Deep Research」は、公式のブログ(2025年11月18日)が、ふつうと高度の2つのモード、PDFや表計算や画像の読み込み、レポートやウェブページやポッドキャストの出力を説明しています。
- APIでは、モデルの一覧、思考の切り替え、関数呼び出し、ウェブ検索やコードの実行などの内蔵ツール、MCP(外部ツールとの接続の決まり)が、QwenCloud のドキュメントに書かれています。
- コーディングは、公式のターミナルのツール「Qwen Code」と、QwenCloud の月額の「Token Plan」を通じて使う道が書かれています(03、04で扱います)。
- 性能の比較や「最高水準」といった公式の自己申告は、ここには転記していません。この記事では、確かめていません。
この記事は、公式の資料を2026年10月23日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。運営者はQwenを入れていますが、使い心地はこの記事には書いていません。公式のページは要約の形で取得したため、読み切れていない所は「公式の資料では確認できていない」と書いています。画面の操作の手順は、公式の資料で確認できた範囲だけを書きました。
先に結論
- チャットで日常の調べものや資料づくりをするなら、Qwen Studio。 公式サイトの説明文は、ウェブ検索や文書の処理を挙げています。ただ、無料の範囲や上限は読めていません(01)。
- 長い調べものは、Deep Research。 公式のブログによると、複数のエージェントが計画、検索、執筆を分担します。
- 画像や動画を「読む」のと「作る」のは、別のモデル。 APIの一覧では、読む側は
qwen3.8-maxなど、作る側はqwen-image-3.0-proやwan3.0-videoが挙がっています。 - アプリに組み込むなら、APIのドキュメント。 関数呼び出し、ウェブ検索、コードの実行、PDFの理解などが、同じAPIの機能として並んでいます。
- 「できる」と書いてあっても、リージョンやプランで使えない場合がある。 バッチやファインチューニングはシンガポールと北京だけ、Token Plan と無料枠はシンガポールだけ、などの制限が公式にあります(04で表にします)。
前提:用語をそろえる
- マルチモーダル:文章だけでなく、画像、音声、動画も扱えること。
- 思考(thinking):答える前に、AIが考えを巡らせる機能。QwenCloud の資料では、
qwen3.8-maxは思考のオンとオフを切り替えられ、強さはreasoning_effortでxhigh、medium、lowから選ぶ、とあります(既定はxhigh)。 - 関数呼び出し(function calling):AIが、あなたのプログラムの関数を「呼んでほしい」と頼む仕組み。
- MCP(Model Context Protocol):AIと外部のツールをつなぐ共通の決まり。
- RAG:手元の資料を検索して、答えの材料にする使い方。そのための「埋め込み」と「再ランキング」のモデルが、QwenCloud の一覧に並んでいます。
- アーティファクト:チャットの横に、作った文書やページなどを別枠で表示する機能。
たとえ話:デパートの売り場
Qwen を、売り場の分かれたデパートにたとえます(これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません)。1階の「チャット売り場」が Qwen Studio です。2階の「画像・映像・音声売り場」と3階の「開発者の工房」が、APIです。地下の「材料売り場」が、自分で持ち帰れるオープンウェイトのモデルです。同じ「Qwen」の看板でも、売り場ごとに値段の付け方(無料、月額、従量)と、お客さんの荷物(データ)の預かり方が違います。
モデルの種類:QwenCloud の「モデルの選び方」より
| 分類 | モデル名(公式の表記) | 公式の説明 | 確かさ |
|---|---|---|---|
| 文章(Qwen) | qwen3.8-max |
複雑な推論とコーディング向け、最も高性能 | 文書に書かれている |
| 文章(Qwen) | qwen3.7-plus |
性能、速さ、費用のバランス型 | 文書に書かれている |
| 文章(Qwen) | qwen3.8-flash |
速くて安い | 文書に書かれている |
| 画像を読む | qwen3.8-max、qwen3.7-plus、qwen3.8-omni-flash |
視覚の理解 | 文書に書かれている |
| 画像を作る | qwen-image-3.0-pro、wan2.7-image-pro |
画像の生成 | 文書に書かれている |
| 動画を作る | wan3.0-video ほか |
動画の生成 | 文書に書かれている |
| 声を文字にする | qwen-audio-3.1-asr-flash-streaming、qwen-audio-3.1-asr-flash-filetrans |
ストリーミングの認識、ファイルの書き起こし | 文書に書かれている |
| 文字を声にする | qwen-audio-3.0-tts-plus |
音声合成 | 文書に書かれている |
| 声で会話する | qwen3.8-omni-flash-realtime、qwen-audio-3.1-realtime-plus |
音声から音声へ、認識と合成を分けずに会話 | 文書に書かれている |
| 検索の材料 | qwen3.7-text-embedding、qwen3-rerank ほか |
埋め込み、再ランキング | 文書に書かれている |
同じ表には、第三者のモデルも載っています(DeepSeek、Moonshot の kimi-k3、Zhipu の glm-5.3)。これらは Qwen のモデルではありません。QwenCloud の上で呼べる、という意味です。モデルの一覧と価格は、リージョンごとに違うと公式は注意しています。
場面1:チャットで調べる、読む、書く
- 公式の説明。 chat.qwen.ai のページの説明は、チャット、画像と動画の理解、文書の処理、ウェブ検索との連携、ツールの利用、音声と動画のチャットを挙げています。公式のドキュメントのトップは、リンク先を「Chat with Qwen (with Deep Research and Web Dev)」と書いています。
- 使えるモデル。
Qwen3.8-2.4T-A95Bのモデルカードに「Qwen Studio で Qwen3.8-Max とチャットできる」と書かれています。Studio 上でモデルを選ぶ画面の説明は、読んだ範囲では見つかりませんでした。 - 見立て。 まずは、手元の文書を貼って要約させる、メールの下書きを直させる、といった軽い使い方から始めるのが、入口としては無理がなさそうです。ただし、どこまで正確かは、この記事では確かめていません。
- どこに書かれているか。 chat.qwen.ai の説明文、Qwen documentation のトップ、
Qwen3.8-2.4T-A95Bのモデルカード(How to use の項)。
場面2:長い調べものを任せる(Deep Research)
- 公式の説明。 2025年11月18日の公式ブログ(Alibaba Cloud Community)は、次のように書いています。
- モードは2つで、日常の調べものの「ふつう」と、より時間と計算をかけて多段階の推論をする「高度」。
- PDF、表計算、画像を読み込んで、調べものに反映できる。
- レポートの長さ、段落の数、詳しさを調整できる。
- 複数のエージェントが、計画、検索、執筆を分担する。
- 出力は、従来のレポートに加え、ウェブページとポッドキャストをワンクリックで作れる。
- 入口。 ブログのリンクは、chat.qwen.ai の「deep research」の設定を指しています。
- API側。 検索結果に、Model Studio のドキュメントの「Qwen-Deep-Research」というページの題名が出ました。中身は読めていないので、API側で何ができるかは書きません。
- 見立て。 「調べて、出典つきのレポートにしてほしい」ときの入口に向きそうです。ただし、出典の確かさは、利用者が自分で確かめる必要があります。ブログは「幻覚を減らす」と書いていますが、これは公式の自己申告です。
- どこに書かれているか。 「Qwen DeepResearch: When Inspiration Becomes Its Own Reason」(Alibaba Cloud Community、2025-11-18)。
場面3:画像や動画を読ませる、作る
- 読ませる。 公式サイトの説明文に「画像と動画の理解」とあります。
Qwen3.8-27Bのモデルカードは、文章と画像を入力でき、動画(長い動画を含む)も理解し、出力は文章、と書いています。 - 作る。 公式サイトの説明文に「画像の生成と編集」とあります。APIでは
qwen-image-3.0-pro(画像)とwan3.0-video(動画)が一覧にあります。動画の料金は、1秒あたりで表示されています(04)。 - どこに書かれているか。 chat.qwen.ai の説明文、
Qwen3.8-27Bのモデルカード、QwenCloud の「Choose models」。
場面4:仕事の成果物を作る(アーティファクト、QwenWork、Qwen App)
- アーティファクト。 公式サイトの説明文に「artifacts」とあります。何を作れるかの細かい説明は、読んだ範囲では見つかりませんでした。
- QwenWork。 公式のプライバシーのページは、QwenWork を「テキスト、データ、グラフ、コード、プレゼンテーションや文書やウェブページなどのマルチメディアを作る製品」と説明しています。ウェブとデスクトップで、個人にも組織にも向く、とあります。
- Qwen App(中国向け)。 アリババの発表(2025年11月17日)は、1回の指示で、調査レポートと複数枚のPowerPointを作る例を挙げています。これは中国のユーザー向けのベータ版の話で、Qwen Studio で同じことができるかは、読んだ範囲では見つかりませんでした。
- どこに書かれているか。 「Privacy and Security - QwenWork」、「Alibaba Launches Qwen App to Boost its Consumer AI Efforts」。
場面5:コードを書かせる
- Qwen Code。 公式のGitHubのREADMEは、ターミナルで動くオープンソース(Apache-2.0)のコーディングのエージェントと説明しています。サブエージェント、エージェントのチーム、自動のメモリ、自動のスキル、MCPに対応し、デスクトップのアプリ、IDEのプラグイン(VS Code、Zed、JetBrains)、ヘッドレス、SDKとしても動く、とあります。起動は
qwenで、中で/authを実行します。 - Token Plan。 QwenCloud の月額の購読で、Claude Code、Cursor、Qwen Code、Codex、Qoder などのツールから、Qwen のモデルを呼べる、と書かれています(03、04)。
- Qwen3.8 のREADME。 コーディングの入口として、Qoder(エージェント型のコーディング)、Qwen Code を挙げています。
- どこに書かれているか。 「qwen-code」のREADME、「Token Plan」のページ、「QwenLM/Qwen3.8」のREADME。
場面6:声を扱う
- 公式の説明。 QwenCloud の一覧に、ストリーミングの音声認識、ファイルの書き起こし、音声合成、音声から音声への会話が分かれて載っています。公式は「正確さを重視するなら専用の認識モデル、柔軟さならLLM型」と書き分けています。
- チャット側。 公式サイトの説明文に「音声と動画のチャット」とあります。操作は読んだ範囲では見つかりませんでした。
- 料金。 音声合成は1万文字あたり(中国語の1文字は2文字に数える)、認識は音声の1秒あたり、と公式にあります(04)。
場面7:自分のアプリに組み込む(API)
- APIの形。 QwenCloud の資料は「すべてのモデルが同じAPIを共有し、
modelを変えるだけ」と書いています。OpenAI互換のクライアントから使え、Anthropic のメッセージAPIの形でも呼べます(03)。 - 機能の一覧。 ドキュメントの目次に、構造化された出力、思考、バッチ処理、ストリーミング、非同期のタスク、関数呼び出し、MCP、ウェブ検索、ウェブの取得、コードの実行(サンドボックス)、画像検索、PDFの理解が並んでいます。
- ウェブ検索。 公式の目次の説明は「リアルタイムのウェブのデータで答えの根拠を作る」です。料金は1,000回あたりで、リージョンによって違います(04)。
- 見立て。 試す順番としては、公式がすすめる
qwen3.7-plusで最初の呼び出しを成功させ、そこから関数呼び出しやウェブ検索を足していくのが、手戻りが少なそうです。 - どこに書かれているか。 「Introduction」「Choose models」、ドキュメントの索引(llms.txt)。
場面8:自分の環境で動かす(オープンウェイト)
- 公式の説明。 Qwen3.8 のREADMEは、ローカルでの使い方として Hugging Face Transformers、llama.cpp、MLX、Unsloth を挙げ(ただし llama.cpp と MLX は Qwen3.5 系の対応として書かれ、Qwen3.8 での対応の明記は、読んだ範囲では見つかりませんでした)、サーバーとして動かす方法として SGLang、vLLM、TokenSpeed を挙げています。OpenAI互換のAPIが
http://localhost:8000/v1に立つ、とあります。 - 大きさの目安。
Qwen3.8-27Bは約270億パラメータ、Qwen3.8-2.4T-A95Bは合計2.4兆(1トークンあたり950億が動く)です。後者は文章のみの入力で、思考をオフにできない、とモデルカードにあります。 - ライセンス。 モデルごとに違います(01の表)。
- どこに書かれているか。 「QwenLM/Qwen3.8」のREADME、各モデルカード。
気をつけること
- 機能の一覧は、入口ごとに別。 APIで使える機能(関数呼び出しなど)が、チャット画面でも使えるとは限りません。逆も同じです。公式の資料では、対応表は見つかりませんでした。
- 名前と版が速く変わる。 公式の表には
qwen3.8-max、qwen3.7-plus、qwen3.6-flashのように世代の違うモデルが混在します。非推奨になったモデルは、呼ぶと403のAccessDeniedが返る、と QwenCloud の資料にあります。 - ブログの日付に注意。 Deep Research の説明は2025年11月のものです。いまのチャット画面の機能と同じかは、読み切れていません。
- 公式の比較表は自己申告。 他社のモデルとの優劣は、ここでは扱っていません。
- 第三者のモデルは別の話。 QwenCloud の上に並ぶDeepSeek、Kimi、GLM のモデルは、Qwen の機能ではありません。料金やデータの扱いが同じとは限りません。
出典
- Qwen(Qwenチーム、Alibaba、chat.qwen.ai、確認日 2026-10-23)
- Qwen documentation(Qwenチーム、確認日 2026-10-23)
- QwenLM/Qwen3.8 README(QwenLM、GitHub、確認日 2026-10-23)
- Qwen DeepResearch: When Inspiration Becomes Its Own Reason(Alibaba Cloud Community、2025-11-18、確認日 2026-10-23)
- Alibaba Launches Qwen App to Boost its Consumer AI Efforts(Alibaba Cloud Community、2025-11-17、確認日 2026-10-23)
- Introduction(QwenCloud Docs、確認日 2026-10-23)
- Choose models(QwenCloud Docs、確認日 2026-10-23)
- QwenCloud Docs 索引 llms.txt(QwenCloud、確認日 2026-10-23)
- Token Plan(QwenCloud Docs、確認日 2026-10-23)
- Privacy and Security - QwenWork(Alibaba Cloud Documentation、確認日 2026-10-23)
- qwen-code(QwenLM、GitHub、確認日 2026-10-23)
- Qwen3.8-27B モデルカード(Qwen、Hugging Face、確認日 2026-10-23)
- Qwen3.8-2.4T-A95B モデルカード(Qwen、Hugging Face、確認日 2026-10-23)
- What is Alibaba Cloud Model Studio(Alibaba Cloud、確認日 2026-10-23)