3行でいうと
- AI Agentに、OpenAI Chat Model、Anthropic Chat Model、Google Gemini Chat Model、Ollama Chat Modelをつなぐときの認証情報は、前の3つがAPIキー、Ollamaがインスタンスの URL(任意でAPIキー)です。
- n8n Cloudの Starter と Pro(n8n 2.36.0以降)では、ノードで「Use Gateway credits」を選ぶと、自分のAPIキーなしで呼べます。リクエストの内容はモデルの会社に届きますが、利用者の身元やn8nのアカウント情報は渡らない、と公式が書いています。
- 自分の認証情報で呼ぶとき、n8nのAI規約は、顧客のデータが、利用者の設定に応じて、選んだ提供元に送られうると書いています。
- n8nから外のMCPサーバーを呼ぶ入り口は3つ。レジストリからの1クリック(AI Agentの「Tool +」)、MCP Client Toolノード、MCP Clientノードです。
- 外のMCPサーバーに渡るのは、ツールを呼ぶ内容です。どのツールを見せるかは「Tools to Include」で絞れます。
この記事は、公式の資料を2026年10月25日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。手順は「公式の手順を順に並べたもの」で、画面名・ノード名・設定名は公式の表記を引いています。設定例は、「公式の例の写し」か、「公式の記載に合わせて、この記事で組んだ例(動作は確かめていません)」のどちらかを、そのつど書きます。公式ページは要約の形で取得したため、記号や改行が崩れて読めた箇所は、組み直さずに「全文は公式ページで確認」と書いています。画面の表記は版によって変わるので、手元の画面と照らして読んでください。
先に結論
- n8nには、モデルをつなぐ形が2つあります。 AI Agentの子のノード(チャットモデル)としてつなぐ形と、アプリのノード(Anthropic、Google Gemini、OpenAIなど)で、1回ずつ「メッセージを送る」形です。この記事は、前者を中心にします。
- 認証情報は、「Credentials」の画面か、ノードの「credential」の欄から作ります。 保存すると、n8nが接続をテストします(公式の記述)。
- モデルの会社へは、プロンプトの内容が届きます。 どこへ何が渡るかは、つなぎ方によって違います(後の表)。
- 外のMCPサーバーは、n8nから見れば「ツールの束」です。 公式は、エージェントが選べる幅が広い分、制御しにくく、1回あたりの情報量も増える、と書いています。
- 公式に書かれていないことは、書きません。 たとえば、MCPのクレデンシャルを削除したときの、サーバー側の取り消しの手順は、読んだ範囲では見つかりませんでした。
前提:用語をそろえる
- 認証情報(Credentials):外のサービスにつなぐ鍵やログイン情報を、n8nの中に保管する仕組みです。
- APIキー:サービスから払い出される、合言葉の文字列です。漏れると、持ち主の名前で使われます。
- チャットモデルのノード:AI Agentにつなぐ、言語モデルの子のノード(sub-node)です。
- MCP(Model Context Protocol):AIのツールが、外のデータや機能につながるための共通の規格です。
- MCPサーバー/MCPクライアント:機能を出す側がサーバー、使う側がクライアントです。この記事では、n8nが「クライアント」になります。
- Gateway credits:n8n Cloudで、AIモデルなどを、自分のAPIキーなしで呼ぶための、前払いの残高です。
- ベースURL(Base URL):APIを呼ぶ先のアドレスです。
- Docker:アプリを、箱(コンテナ)に入れて動かす仕組みです(05)。
連携の地図
| 連携 | n8nの側の部品 | 認証 | 渡る先 | 手順の節 |
|---|---|---|---|---|
| OpenAI | OpenAI Chat Model、OpenAIノード、Embeddings OpenAI | APIキー(任意でOrganization ID) | OpenAI | A |
| Anthropic(Claude) | Anthropic Chat Model、Anthropicノード | APIキー | Anthropic | B |
| Google Gemini | Google Gemini Chat Model、Google Geminiノード | APIキー(Host) | C | |
| Ollama | Ollama Chat Model | Base URL(任意でAPIキー) | 自分が立てたOllama | D |
| Gateway credits | 対応するノードの「Use Gateway credits」 | なし(n8nの残高) | n8n経由でモデルの会社 | E |
| 外のMCPサーバー | レジストリの「MCP Servers」、MCP Client Tool、MCP Client | なし/Bearer/ヘッダー/複数ヘッダー/OAuth2 | そのMCPサーバーの運営者 | G |
| 人の承認 | Human review | 承認の経路ごと | 経路(Slackなど) | H |
認証情報の作り方(共通)
公式の「Create and edit credentials」の記述です。
作る場所
- Credentialsの画面から:左のメニューの上の「Create」を選び、「credential」を選ぶ。または、「Overview」やプロジェクトの画面の右上の「Create」から「Credential」を選ぶ。
- プロジェクトが使える版では、個人のスペースか、アクセスできるプロジェクトかを選ぶ。Communityでは、個人のスペースに作る。
- つなぎたいアプリやサービスを選ぶ。
- ノードから:ノードを編集中に、認証情報のドロップダウンから新しく作る。
保存と名前
- 認証情報を保存すると、n8nがつながるかをテストする、と書かれています。
- 名前は、初期は「ノード名 account」の形です。名前を押すと変えられます。公式は、アプリやサービス、種類、用途が分かる名前を付ける案内をしています。
使える範囲を絞る:「Allowed HTTP Request Domains」
Web APIの多くの認証情報にある欄です。HTTP Requestのノードから、この認証情報をどこへ使えるかを決めます(専用のノードには効きません)。「All」「Specific Domains」(httpbin.org, api.github.com のようにコンマで区切る)「None」から選びます。認証情報が、決めた範囲外のURLに送られるのを防ぐ、と書かれています。
A:AI AgentにOpenAIをつなぐ
A-1. APIキーを取る(OpenAI側)
公式の「OpenAI credentials」の手順です。
- OpenAIのアカウントにログインするか、作る。
- OpenAIのプラットフォームの、APIキーのページを開く。
- 「Create new secret key」を選ぶ(名前は付けても付けなくてもよい)。
- キーをコピーする。
複数の組織に入っている場合だけ、「Organization ID」が要ります。OpenAIのプラットフォームの、組織の設定のページからコピーします。Organization IDを付けたリクエストは、その組織の契約の枠にカウントされる、と書かれています。
A-2. n8nに入れる
- AI Agentのノードの「+ Chat Model」から、「OpenAI Chat Model」を選ぶ。
- 認証情報の欄から新しく作り、「API Key」にコピーしたキーを入れる。必要なら「Organization ID」も入れる。
- 保存する。n8nが接続をテストする。
公式のOpenAIの認証情報のページには、BaseURLやカスタムヘッダーの欄の記載はありませんでした。
A-3. OpenAI Chat Modelの設定
| 項目 | 公式の説明 |
|---|---|
| Model | OpenAIから動的に読み込む。アカウントで使えるモデルだけが出る |
| Use Responses API | トグル。既定はオフ(Chat Completions API)。オンにすると Responses API |
| Built-in Tools | 「Use Responses API」がオンで、AI Agentのときだけ。Web Search、File Search、Code Interpreter |
| オプション | Frequency Penalty、Maximum Number of Tokens、Presence Penalty、Sampling Temperature、Timeout(ミリ秒)、Max Retries、Top P |
| Responses API専用のオプション | Conversation ID、Prompt Cache Key、Safety Identifier、Service Tier(Auto、Flex、Default、Priority)、Metadata(最大16組)、Top Logprobs(0〜20)、Output Format(Text、JSON Schema、JSON Object)、Prompt |
「Output Format」の説明で、公式は、JSON を出すなら JSON Schema が recommended と書いています。
A-4. 埋め込み(Embeddings)にも使う
「Embeddings OpenAI」のノードにも、同じ認証情報が使えます。オプションに「Base URL」があり、公式は、自分で動かすOpenAI互換のモデルに使う、と書いています(06の場面8)。
B:AI AgentにAnthropic(Claude)をつなぐ
B-1. APIキーを取る(Anthropic側)
公式の「Anthropic credentials」の手順です。前提は、Claudeが使える Anthropic Console のアカウントです。
- Anthropic Consoleで「Settings」>「API Keys」を開く。
- 「+ Create Key」を選ぶ。
- 「Name」を入れる(公式の例は
n8n-integration)。 - 「Copy Key」を選ぶ。
B-2. n8nに入れる
- AI Agentの「+ Chat Model」から「Anthropic Chat Model」を選ぶ。
- 認証情報を作り、「API Key」にキーを入れる。
- 必要なら「Add Custom Header」をオンにして、「Header Name」と「Header Value」を入れる(公式の記述)。「Base URL」の欄は、公式のページで確認できませんでした。
B-3. Anthropic Chat Modelの設定
| 項目 | 公式の説明 |
|---|---|
| Model | 補完を作るモデル。公式のページは「Claude」「Claude Instant」と書いている(古い記述のようです。実際に選べるものは、手元のノードの一覧で確かめてください) |
| Maximum Number of Tokens | 使うトークンの上限。補完の長さを決める |
| Sampling Temperature | 乱数の度合い。高いほど多様だが、事実と違うことを言う危険が上がる |
| Top K、Top P | 次のトークンの候補の絞り方 |
| Prompt Caching | システムのプロンプト、ツールの定義、会話の履歴を、リクエストの間で保存する。「Disabled」(既定)、「5 Minutes」、「1 Hour」 |
B-4. アプリのノード「Anthropic」を使う形
公式の「Anthropic」のページは、アプリのノードの操作として、Document(Analyze Document)、File(Upload File、Get File Metadata、List Files、Delete File)、Image(Analyze Image)、Prompt(Generate Prompt、Improve Prompt、Templatize Prompt)、Text(Message a Model)を挙げています。対応していない操作は、HTTP Requestのノードで、「Authentication」を「Predefined Credential Type」にし、サービスに Anthropic を選び、認証情報を選ぶ形で呼べる、と書かれています。
C:AI AgentにGoogle Geminiをつなぐ
C-1. APIキーを取る(Google側)
公式の「Google Gemini (PaLM) credentials」の手順です。前提は、Google Cloudのアカウントと、Google Cloudのプロジェクトです。
- Google AI Studioの「API Key」のページ(
https://aistudio.google.com/apikey)を開く。 - 「Create API Key」を選ぶ。
- 「Create API key in new project」か「Create API key in existing project」を選ぶ(後者は既存のプロジェクトを選ぶ)。
- 作られたキーをコピーする。
C-2. n8nに入れる
- AI Agentの「+ Chat Model」から「Google Gemini Chat Model」を選ぶ。
- 認証情報を作る。「Host」は、既定の
https://generativelanguage.googleapis.com、「API Key」にコピーしたキーを入れる。 - 保存する。
公式は、関連するノードは、カスタムのホストやプロキシに対応しておらず、Hostはこの値でなければならない、と書いています。また、Google Gemini Chat Modelのページは、プロキシが要るなら、Gemini向けのリバースプロキシを自分で立て、認証情報の「Host」をそのアドレスに変える方法を挙げています。
C-3. Google Gemini Chat Modelの設定
「Model」は、Gemini APIから動的に読み込まれ、アカウントで使えるモデルだけが出ます。オプションは、Maximum Number of Tokens、Sampling Temperature、Top K、Top P、Safety Settings(Geminiの安全フィルターの調整)です。
C-4. アプリのノード「Google Gemini」を使う形
操作は、Audio(Analyze Audio、Transcribe a Recording)、Document(Analyze Document)、File Search(Create/Delete/List File Search Store、Upload to File Search Store)、Image(Analyze Image、Generate an Image、Edit Image)、Media File(Upload Media File)、Text(Message a Model)、Video(Analyze Video、Generate a Video、Download Video)です(公式のページの一覧)。
D:AI AgentにOllamaをつなぐ
Ollamaは、自分のパソコンやサーバーでモデルを動かす仕組みです。n8nは、その呼び先を認証情報の「Base URL」で指します。
D-1. n8nに入れる
公式の「Ollama credentials」の記述です。前提は、Ollamaのインスタンスを作って動かしていることです(セットアップは、公式がOllama側の「Quick Start」を案内しています)。
- AI Agentの「+ Chat Model」から「Ollama Chat Model」を選ぶ。
- 認証情報を作る。
- 「Base URL」:Ollamaのインスタンスの URL。既定は
http://localhost:11434。環境変数OLLAMA_HOSTを設定しているなら、その値。 - 「API Key」(任意):認証つきの遠隔のプロキシにつなぐときの Bearer トークン。
Authorizationヘッダーで送られる。空でよい。Open WebUIのようなプロキシでは要る、と書かれています。 - n8nをローカルで動かしていて、つながらないときは、
localhostの代わりに127.0.0.1を試す、と書かれています。
D-2. 置き方ごとのBase URL(公式の「Common issues」)
| 構成 | Base URLなどの設定 |
|---|---|
| Ollamaだけ Docker | ポートを公開し、http://localhost:11434。公式の例:docker run -d -v ollama:/root/.ollama -p 11434:11434 --name ollama ollama/ollama |
| n8nだけ Docker(Ollamaはホスト) | Linuxでは、n8nの起動に --add-host host.docker.internal:host-gateway を付け、Base URLを http://host.docker.internal:11434 にする。Docker Desktopはこの対応づけを自動で行う。Ollamaは、ホストの 0.0.0.0 で待ち受ける必要がある |
| 別々のコンテナ | 両方を、ユーザー定義のブリッジネットワークにつなぎ、http://<ollamaのコンテナ名>:11434 にする。既定のブリッジはコンテナ名を解決せず、ENOTFOUND になりうる。コマンドは docker network create n8n-ollama、docker network connect n8n-ollama <ollamaのコンテナ名>、docker network connect n8n-ollama <n8nのコンテナ名> |
| 同じコンテナ | http://localhost:11434。特別な設定はいらない |
エラー Error: connect ECONNREFUSED ::1:11434 は、マシンがIPv6を使い、OllamaはIPv4で待ち受けているときに出る、と書かれていて、Base URLを http://127.0.0.1:11434 にするのが直し方です。OllamaをHTTP/HTTPSのプロキシの後ろに置く場合、HTTP_PROXY や HTTPS_PROXY が効かないことがある、とも書かれています。
D-3. Ollama Chat Modelの設定
公式のページは、「Model」の例として Llama2 系の名前を挙げ、ほかのモデルは「Ollama Models Library」を見るよう書いています。オプションは、Sampling Temperature、Top K、Top P です。ここでも、実際に選べるモデルは、手元のノードで確かめてください。
E:自分のAPIキーなしで呼ぶ「Gateway credits」(n8n Cloud)
公式の「Gateway credits」と「Use Gateway credits」の記述です。
E-1. 条件
- n8n CloudのStarterとPro。Cloud Enterpriseとセルフホストでは使えません。
- n8n 2.36.0以降。
- 無料トライアルでも使えますが、トップアップ(追加)は有料プランにアップグレードしてからです。
E-2. 手順
- ノードのパネルで、「Included in n8n」のセクションに並ぶ、対応するノードを選ぶ。
- ノードの認証情報の欄で、「Use Gateway credits」を選ぶ。残高が、選択肢の横に出る。
- ノードの残りを設定して、動かす。n8nがゲートウェイを経由して呼び、残高から引く。
- 自分の認証情報に戻すときは、「Use my own credential」を選ぶ(ノードごとに選べる)。
E-3. 決まり
- 残高は、1つのCloudインスタンスに1つで、全員で共有します。
- 残高がゼロになると、Gateway creditsを使うノードは止まります。自分の認証情報を使うノードは影響を受けません。
- トップアップは、有料プランで、手動か自動。トップアップを行う画面の場所は、読んだページには明記がありません。残高と使った量の推移は、Cloud consoleの「Gateway credits」のページで見られる、と書かれています。
- トップアップの分は、購入から12か月で失効します。返金は、法律で必要な場合を除き、しません。
- 全員分を止めるには、オーナーが、Cloud consoleの「Instance settings」>「Runtime」でオフにし、「Save and restart」を選びます。再起動中の状態や、オフにしたあとノードの選択肢がどう変わるかは、読んだページに書かれていません。
- 対応するモデルやサービス(OpenAI、Anthropic、Google Geminiなど)と料金は、公式の「service pricing」のページが一覧とされています。この記事では、そのページは読んでいません。
E-4. 渡るデータ
リクエストは、n8nのゲートウェイから、n8n自身のアカウントで、モデルの会社に送られます。モデルの会社は、リクエストの内容(プロンプトなど)を受け取りますが、利用者の身元やn8nのアカウントの情報は受け取らない、と公式は書いています。
F:モデルを組み合わせる、AIアプリの部品とのつなぎ分け
公式の「Integrate AI」は、n8nでは、複数のモデルを1つのワークフローで組み合わせられる、と書いています。チャットモデルは、AI Agentなどの親のノードごとに、子のノードとして付けます。そのため、ノードごとに、モデルも認証情報も選べると読めます(この読みは、記述の範囲でのこの記事の解釈です)。
各チャットモデルのノードのページの注記によると、チャットモデルなどの子のノードで式を使うと、式は、いつも最初の入力アイテムに解決され、アイテムごとには処理されません。たとえば {{ $json.name }} は、5件あっても最初の名前を返します。
G:n8nから外のMCPサーバーを呼ぶ
n8nの側がMCPの「クライアント」になる形です。外のAIからn8nを呼ぶ「サーバー」の形は、08にあります。Webhookは09にあります。
G-1. 入り口の違い
| 入り口 | 公式の説明 |
|---|---|
| レジストリ(AI Agentの「Tool +」の「MCP Servers」) | ノードのパネルに並ぶサーバーを、1クリックでAI Agentにつなぐ。サインインすると、MCPの認証情報が自動で作られる |
| MCP Client Tool | AI Agentにつなぐ版。外のMCPサーバーのツールを、エージェントが呼ぶ。レジストリにないサーバーも、URLと認証情報でつなげる |
| MCP Client | 外のMCPサーバーのツールを、ワークフローの普通の1ステップとして動かす |
G-2. レジストリから、AI Agentにつなぐ
公式の「MCP servers」の手順です。
- AI Agentのノードの「Tool +」を押し、ツールのパネルを開く(エージェントの管理の画面では「Add Tool」)。
- NotionやLinearのようなサービス名で検索するか、「MCP Servers」のセクションを開いて、一覧を見る。
- サーバーを選び、求められたらサインインする。
- 「Tools to include」で、「すべて」、選んだものだけ、選んだもの以外のすべて、のいずれかを選ぶ。
レジストリは頻繁に変わるので、一覧は手元のパネルで見る、と書かれています。サーバーによっては、提供元の側で準備が要ります。たとえば Databricks Genie One は、管理者がOAuthのスコープを足す必要があり、Supabase は Supabase OAuth2 の認証情報の設定が要る、と書かれています。レジストリに、Cloudとセルフホストのどちらで使えるかは、そのページには書かれていませんでした。
G-3. MCP Client Toolを、自分で設定する
公式の「MCP Client Tool」の記述です。
- AI Agentの「Tool」のコネクターから、「MCP Client Tool」を足す。
- 「SSE Endpoint」に、つなぎたいMCPサーバーのSSEのエンドポイントを入れる。
- 「Authentication」を選ぶ。選択肢は、「None」、Bearer、ヘッダー(generic header)、「Multiple Headers Auth」、「OAuth2」。複数のヘッダー(たとえばAPIキーとユーザー名)が要るサーバーは、「Multiple Headers Auth」で、各ヘッダーを「Name」と「Value」の組として入れる。
- 「Tools to Include」を選ぶ。「All」(すべて見せる)、「Selected」(選んだものだけ。「Tools to Include」の欄が出る)、「All Except」(選んだものを除く。「Tools to Exclude」の欄が出る)。
認証の種類ごとの認証情報の項目は、HTTP Requestの認証情報(公式の「HTTP Request credentials」)に準じます。
| 認証情報の種類 | 項目(公式の表記) |
|---|---|
| Bearer auth | 「Bearer Token」。名前を Authorization、値を Bearer <token> にしたヘッダー認証と同じ働き |
| Header auth | 「Name」、「Value」 |
| OAuth2(generic) | 「Grant Type」(Authorization Code、Client Credentials、PKCE)、「Authorization URL」、「Access Token URL」、「Client ID」、「Client Secret」、任意で「Scope」など |
ページ同士の食い違いがあります。MCP Client Toolのページは「SSE Endpoint」という設定名だけを挙げ、「Server Transport」の設定は書いていません。一方、MCP Clientのノードのページは「Server Transport」と「MCP Endpoint URL」を挙げています。どの通信方式に対応するかは、ページ間で書き方が違います。手元のノードの画面で確かめてください。
G-4. MCP Clientノードを、普通の1ステップとして使う
公式の「MCP Client」の記述です。
| 項目 | 公式の説明 |
|---|---|
| Server Transport | MCPサーバーのエンドポイントが使う通信方式 |
| MCP Endpoint URL | 外のMCPサーバーのURL。公式の例は https://mcp.notion.com/mcp |
| Authentication | 「None」で、認証なしで接続。「Multiple Headers Auth」など |
| Tool | 動かすツール。外のMCPサーバーから、一覧を取ってくる |
| Input Mode | 「Manual」(引数を1つずつ入れる)、「JSON」(引数をJSONオブジェクトで入れる。入れ子に向く) |
| Convert to Binary(オプション) | 画像や音声を、バイナリにする。オフなら、base64の文字列で返る |
| Timeout(オプション) | ツールの呼び出しを待つ時間(ミリ秒) |
G-5. 渡るデータ
外のMCPサーバーに渡るのは、ツールを呼ぶときの内容(ツールの名前と引数)で、それに付く認証の情報です。送り先の扱いは、そのMCPサーバーの運営者の規約によります。公式は、組み込みのツールは、操作とパラメーターを固定でき、モデルが埋めるのは空けた項目だけなのに対し、MCPサーバーは、ツールと引数をエージェントが自由に選ぶ分、制御しにくく、1回の呼び出しの情報量も増える、と書いています。
G-6. 外し方
- AI Agentから外すには、ワークフローで、MCP Client Toolのノードを消す(または「Deactivate」)。これは、ノードの操作の一般の説明(06の場面2)からの読みです。
- 見せるツールを減らすには、「Tools to Include」を「Selected」にするか、「All Except」で除く。
- 自動で作られたMCPの認証情報をどう削除するか、また、相手のサービス側での取り消しは、読んだ範囲では記載が見つかりませんでした。相手のサービスの設定を見てください。
H:人の承認を挟む
06の場面9に、公式の手順を載せました。AI Agentの「Tools」のコネクターの「Human review」で、承認の経路(Chat、Slack、Discord、Telegram、Microsoft Teams、Gmail、WhatsApp Business Cloud、Google Chat、Microsoft Outlook)を選び、取り消せない操作のツールをその後ろにつなぎます。
渡るデータの整理
| つなぎ方 | 渡る先 | 公式の記述 |
|---|---|---|
| 自分のAPIキーで、OpenAI/Anthropic/Geminiのチャットモデル | 選んだモデルの提供元 | n8nのAI規約は、「Customer Data may be transmitted to such providers pursuant to Customer's configuration」と書き、各提供元の規約と取り扱いの確認は、顧客の責任としている(最終更新2026年7月6日) |
| Gateway credits | n8nのゲートウェイ経由で、モデルの会社 | リクエストの内容は届く。身元やn8nのアカウント情報は届かない |
| Ollama | 自分が立てたOllama(またはBase URLの先) | 認証情報のBase URLが指す先に届く。遠隔のプロキシを指すなら、そのプロキシの運営者にも届く(これは構成からの読みで、公式の文ではありません) |
| 外のMCPサーバー | そのサーバーの運営者 | ツールを呼ぶ内容と認証の情報 |
| n8nのAI機能(Assistantなど) | n8n | AI規約は、顧客の内容と出力を、機械学習のモデルの学習に使わない、と書いている |
うまくいかないときの確認点
| 症状 | 確認すること(公式の記述から) |
|---|---|
| 「A Chat Model sub-node must be connected」 | AI Agentに、チャットモデルがつながっていない。「+ Chat Model」から選ぶ |
| 認証情報を保存してもエラー | 保存時にn8nが接続をテストする。キー、Host、Base URLを見直す |
| Geminiのキーが通らない | 「Host」は https://generativelanguage.googleapis.com のままか。カスタムのホストは非対応 |
| OllamaにつながらないでDocker | 上の表(D-2)。コンテナ名の解決、host.docker.internal、ENOTFOUND、ECONNREFUSED ::1:11434 を見る |
| Gateway creditsの選択肢が出ない | 条件(Cloud の Starter か Pro、2.36.0以降、オーナーがオフにしていない)を見る。ノードの対応状況も見る |
| Gateway creditsのノードが止まる | 残高がゼロ。トップアップするか、「Use my own credential」に切り替える |
| MCPのツールが多すぎる、意図しないツールが見える | 「Tools to Include」を絞る |
| 式が、アイテムごとに変わらない | 子のノードの式は、最初のアイテムに解決される(公式の記述) |
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。公式の資料を読んだ範囲です。
- 公式のノードのページには、古い選択肢のまま残る記述があります(Anthropic Chat Modelの「Claude Instant」、Ollama Chat Modelの「Llama2」など)。選べるモデルは、手元の画面で確かめてください。
- APIキーは、漏れると持ち主の名前で使われます。n8nの外に貼らない、必要がなくなったら、提供元の画面でキーを取り消す、といった扱いは、各提供元の説明で確かめてください。この記事では、提供元の側の取り消しの画面は、読んでいません。
- 料金や、利用の上限は、提供元ごとに違い、変わります。この記事では、数字を書いていません。
- 「公式が recommended と書く」と表記した項目は、公式の言葉の引用で、この記事の評価ではありません。
- MCPクライアントの「Server Transport」と「SSE Endpoint」のように、公式ページ同士で書き方が違う所は、どちらかに決めつけず、並べています。
- 規約や契約の解釈は、必要なら専門家や公式に確認してください。この記事は法律の助言ではありません。
出典
- Create and edit credentials(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- OpenAI credentials(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Anthropic credentials(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Google Gemini (PaLM) credentials(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Ollama credentials(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- OpenAI Chat Model(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Anthropic Chat Model(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Google Gemini Chat Model(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Ollama Chat Model(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Ollama Chat Model common issues(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Anthropic(アプリのノード)(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Google Gemini(アプリのノード)(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Embeddings OpenAI(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Gateway credits(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Use Gateway credits(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- MCP servers(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- MCP Client Tool(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- MCP Client(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- HTTP Request credentials(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Integrate AI(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Human-in-the-loop for tools(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Tutorial: Let your AI call an API(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- AI Agent(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- AI Terms(n8n、最終更新 2026-07-06、確認日 2026-10-25)