3行でいうと
- 公式の最初の例は「Weather Log」。毎朝8時に、ベルリンの天気を取り、1文の報告にして、表(Data table)に1行足す流れで、約15分とされています。
- 保存は自動、公開(Publish)は手動です。公式は、保存は1〜5秒ほどで自動、公開すると本番の実行は公開した版で動く、と書いています。
- 手で動かすのは「Execute workflow」と「Execute step」。トリガーがあるワークフローは、公開して初めて自動で動きます。有料プランの実行回数に数えられるのは、本番の実行だけです。
- AI Agentは、チャットモデルをつなぎ、ツールを少なくとも1つ足して使います。メモリーは、AI Agentにだけつなげます。
- 公式のページに書かれていない画面の経路やボタンの表記は、この記事では「確認できていない」と書きます。
この記事は、公式の資料を2026年10月25日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。手順は「公式の手順を順に並べたもの」で、「この記事の例」と書いたものは、公式の記載に合わせてこの記事で組んだ例で、動作は確かめていません。画面名・ノード名は公式の表記を引いています。画面の表記は版によって変わるので、手元の画面と照らして読んでください。
先に結論
- 公式が最初に案内している手順は「Build your first workflow」です。 他のアカウントもAPIキーもプログラミングも要らない、と公式が書いています。
- ノードの役割は、トリガー(いつ動くか)とアクション(何をするか)。 空のワークフローでは「Add first step」を押し、トリガーを選びます。
- AIの部品は「親のノード」と「子のノード」の形です。 公式は、AI Agentのような中心のノードを「root node」、そこに付くチャットモデルやメモリーやツールを「sub-node」と呼んでいます。
- ツールには、決めた操作を固定して渡す形と、MCPサーバーのように範囲を広く渡す形があります。 公式は、前者は制御しやすく、後者はエージェントが選ぶ分、制御しにくいと書いています(MCPは07・08)。
- 画面の通りに動かないときは、まず公式の「Common issues」を見ます。 AI Agentには、よくあるエラーが4つ書かれています(後の表)。
前提:用語をそろえる
- ワークフロー:n8nで作る、自動化の1本の流れです。
- ノード:流れの部品です。1つが1つの仕事をして、結果を次に渡します。
- トリガー:流れを始める特別なノードです。ノードの検索で、稲妻の印が付いています(公式の記述)。
- 式(expression):
{{ $json.city }}のように、{{ }}で囲んで、前のノードの値を差し込む書き方です。 - 実行(execution):ワークフローを1回動かすことです。「手動(Manual)」と「本番(Production)」があります。
- AI Agent:言語モデルを使って、どのツールを使うかを自分で決める部品です。公式は、連鎖(chain)は決まった順番で呼び、Agentは言語モデルが次の行動を決める、と区別しています。
- チャットモデル(Chat Model):AI Agentにつなぐ、言語モデルの部品です(OpenAI Chat Model、Anthropic Chat Modelなど)。
- メモリー(Memory):会話の履歴を保つ部品です。公式は、メモリーを使えるのはAI Agentで、連鎖では使えない、と書いています。
- ツール(Tool):AIが呼び出せる機能の部品です。
- ベクトルストア(Vector Store):文章を数値のベクトルにして入れ、意味の近さで探せるデータベースです。
- 埋め込み(Embeddings):文章をベクトルに変える部品です。公式は、n8nが対応するのはテキストの埋め込みだけ、と書いています。
たとえ話:台所の流れ作業
ワークフローは、台所の流れ作業に似ています。タイマー(トリガー)が鳴ったら、野菜を切る係(ノード)、炒める係(ノード)、盛りつける係(ノード)に、順に渡していきます。AI Agentは、「献立を見て、次に誰を呼ぶかを自分で決める料理長」にあたります。これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません。
最初の1時間にやる順番(この記事の案)
下は、公式のページに沿って、この記事が並べた順番の案です。公式がこの順番を示しているわけではありません。
| 目安 | やること | 使うページ・節 |
|---|---|---|
| 0〜20分 | Weather Logを作る | 場面1、公式「Build your first workflow」 |
| 20〜30分 | 手動の実行と、実行の履歴を見る | 場面2〜4 |
| 30〜40分 | 公開して、公開を外す | 場面5 |
| 40〜60分 | AI Agentに、チャットモデルとメモリーをつなぎ、チャットで話す | 場面6 |
ツール、ベクトルストア、人の承認は、そのあと(場面7以降)です。
場面1:最初のワークフロー「Weather Log」を作る
公式の「Build your first workflow」の手順です。公式は約15分と書いています。最後に出る文は、公式の例では「The temperature in berlin is 7.4°C. It's currently overcast.」のような形で、値は毎回変わります。
1-1. ワークフローを作る
- 左のメニューの「Personal」を選ぶ。
- 右上の「Create workflow」を選ぶと、キャンバスが開く。
- ワークフローの名前を
Weather Logにして、キャンバスのどこかを押す(保存される)。
1-2. トリガーを足す
- 「Add first step」を選び、「On a schedule」を選ぶ。
- ノードの詳細の画面で、「Trigger at Hour」を
8amにする。 - 左上のノード名を
Every day at 8amに変える。 - 右上の「x」で、キャンバスに戻る。
1-3. 天気を取る
- トリガーの後ろの「+」を選び、「Search nodes」に
httpと入れ、「HTTP Request」を選ぶ。 - 「URL」に次を入れる。
https://mockingbird.n8n.io/v1/weather/berlin
Mockingbirdは、公式のサンプルのAPIです。約40のヨーロッパの都市に対応し、ほかの都市はエラーになる、と書かれています。
3. ノード名を Get Berlin Weather にして、「Execute step」を選ぶ。
4. 出力に city、temp_c、condition があることを確かめる。
1-4. 報告の文を作る
- 「Get Berlin Weather」の後ろの「+」を選び、「Data transformation」から「Edit Fields (Set)」を選ぶ。
- 「Add Field」を選び、「Name」を
reportにする。 - 「Value」に、文字を打ちながら、左の入力のパネルから項目をドラッグする。ドラッグすると、「Value」が「Expression」のモードに変わる。最終的な式は次のとおりです(公式の例)。
The temperature in {{ $json.city }} is {{ $json.temp_c }}°C. It's currently {{ $json.condition }}.
- ノード名を
Format Weather Messageにして、「Execute step」を選ぶ。出力が、上の例のような文になる。
1-5. 表に保存する
- 「Personal」を選び、「Data tables」を選ぶ。
- 「Create data table」を選び、名前を
weather_dataにして「Create」を押す。 - 「Add Column」を選び、「Name」を
reportにして、もう一度「Add Column」を押す。 - 「Personal」>「Weather Log」を開き、「Format Weather Message」の後ろに「Data table」のノードを足し、操作を「Insert row」にする。
- ノード名を
Save Weather Reportにし、「Data table」でweather_dataを選び、「Mapping Column Mode」を「Map Automatically」にする。reportが、表の列と一致するので、自動で対応づけられる。
1-6. 試して、公開する
- 「Execute workflow」を選ぶ。
- 表
weather_dataを開き、新しい行に報告の文が入っているのを確かめる。 - キャンバスの上の「Publish」を選び、画面の案内に従う。毎日朝8時に動くようになる。
場面2:ノードの基本の操作
公式の「Work with nodes」「Connect nodes together」の記述です。
ノードを足す
- 空のワークフロー:「Add first step」を選ぶと、ノードのパネルが開く。トリガーを探して選ぶ。
- すでにあるワークフロー:「Add node」のコネクターを選ぶと、すべてのノードを検索・閲覧できるパネルが開く。
- 検索の結果で、稲妻の印があるのがトリガー、ないのがアクション(データの加工や外のシステムの操作)。
- 「On App Event」は、対応するサービスの一覧。すべてのサービスにトリガーがあるわけではなく、あれば、操作の一覧の一番上に出る。
ノードをつなぐ
ノードの右側の灰色の点か「Add node」の印を選び、矢印を、次のノードの左側の灰色の四角までスライドします。接続を消すには、接続の上にカーソルを置き、「Delete」のアイコンを選びます。
ノードの上のコントロール
ノードにカーソルを置くと、「Execute step」「Deactivate」「Delete」が出ます。コンテキストメニューには、Open node、Execute step、Rename node、Deactivate node、Pin node、Copy node、Duplicate node、Tidy up workflow、Convert node to sub-workflow、Select all、Clear selection、Delete node があります。
ノードの「Settings」タブ
| 項目 | 公式の説明 |
|---|---|
| Always Output Data | 出力がないとき、空のアイテムを返す。IFのノードで使うと、無限ループになりうる、と注意がある |
| Execute Once | 最初に受け取ったアイテムのデータで、一度だけ動く |
| Retry On Fail | 失敗したら、成功するまでやり直す |
| On Error | Stop Workflow(止める)/Continue(最後の有効なデータで次へ)/Continue (using error output)(エラーの情報を次に渡す) |
| Notes、Display note in flow | ノードにメモを付ける。キャンバスに副題として表示もできる |
場面3:手で動かして確かめる
公式の「Create and run workflows」と「Understand executions」の記述です。
- 「Execute Workflow」を選ぶと、ワークフローが手動で動く。トリガーがないワークフローも、これで動かせる。
- 1つのノードだけ動かすときは、そのノードの「Execute step」を選ぶ。
- 手動の実行は、有料プランの実行回数に数えられない。数えられるのは、トリガーやスケジュールやポーリングで始まる本番の実行だけ、と公式は書いています。
場面4:実行の履歴を見て、失敗を直す
公式の「Debug executions」の手順です。
- ワークフローを開き、「Executions」のタブを選ぶ。
- 見たい実行を選ぶ。
- 失敗した実行なら「Debug in editor」、成功した実行なら「Copy to editor」を選ぶ。
- 実行のデータが、今のワークフローにコピーされ、最初のノードに固定(pin)される。
使える範囲は、公式の記述で、n8n Cloudの全プラン、セルフホストの Registered Community、Business、Enterprise です。無料の Community では使えません(05の「Registered Community」で登録できます)。どの実行が一覧に出るかは、ワークフローの設定で決まります。
実行を残す設定
右上の「Workflow menu」(3つの点)から「Settings」を開くと「Workflow settings」が出ます。公式の項目は、Execution order、Error Workflow (to notify when this one errors)、This workflow can be called by、Timezone、Save failed production executions、Save successful production executions、Save manual executions、Save execution progress、Timeout Workflow、Redact production execution data、Redact manual execution data、Estimated time saved、Custom span attributes です。「Execution order」では、公式が「v1 (recommended)」と書く表記で、複数の枝を、上から順に1本ずつ最後まで動かします。
場面5:保存と公開
公式の「Save and publish workflows」の記述です。
- 保存:自動です。編集中に、1〜5秒ほどで保存され、手動の保存ボタンはありません。編集の内容は、下書きのままです。
- 公開:ワークフローを本番に出し、特定の版に固定します。本番の実行は、下書きではなく、公開した版で動きます。
- 「Publish」ボタン:キャンバスの上にあります。公開されていない変更があるときだけ押せます。ショートカットは
Shift+pです。 - 公開のダイアログ:版の名前は、初期はUUIDです。名前と説明を付けられます。
- 公開すると起こること:WebhookやFormのトリガーが、本番のURLを使う。スケジュールが決めた時刻に動く。つないだアプリの出来事で動く。
- 公開は非同期:ボタンは、n8nが結果を確かめるまで「Publishing」と表示されます。
- 一部だけ失敗したとき:「Published, partial」では、新しい版は動いているが、一部のトリガーが有効にならなかった。ホバーすると、どれかが見える。もう一度公開すると、やり直せる。
- 公開を外す:「Publish」の隣の矢印(ショートカット
Cmd/Ctrl+u)、「Workflows」の一覧、版の履歴のページから。 - 版の名前を付ける(Cloudの Pro と Enterprise、セルフホストの Business と Enterprise):「Publish」の隣の矢印(
Cmd/Ctrl+s)から「Name version」。 - 版の履歴:ヘッダーの履歴のアイコンから開く。前の版に戻すことや、別の版の公開ができる。前の版に戻しても、本番の実行には影響しない、と書かれています。
- 同時の編集:1人しか編集できず、ほかの人は読み取り専用になります。
- 確認:「Workflows」の一覧のカードに、公開済みの印が出る。
また、公式の「Create and run workflows」は、新しいワークフローは、最初は公開されていないこと、トリガーやWebhookのノードから始まるワークフローは、公開しないと自動では動かない(公開前は手動のみ)ことを書いています。
場面6:AI Agentを、チャットで動かす
ここから、AIの部品です。以下の手順は、公式のノードのページの記述から、この記事が組んだ例です(動作は確かめていません)。
6-1. 部品をそろえる
AI Agentのページは、AI Agentは、チャットモデルとツールをつないで作る、と書いています。n8n 1.82.0から、AI Agentのノードは、すべて「Tools Agent」として動き、エージェントの種類の設定は非推奨です。
この記事の案の構成は、次のとおりです。
| 部品 | ノード | 役割 |
|---|---|---|
| 入口 | Chat Trigger | チャットの入力で、ワークフローを始める |
| 中心 | AI Agent | ツールを選んで答える |
| 言語モデル | OpenAI Chat Model、Anthropic Chat Model、Google Gemini Chat Model、Ollama Chat Modelなど | AI Agentの子のノード(認証情報の作り方は07) |
| 記憶 | Simple Memory | 会話の履歴を保つ。AI Agentの子のノード |
| 道具 | 場面7のツール | AI Agentの子のノード。少なくとも1つ要る |
6-2. 手順
- 新しいワークフローで、「Add first step」から「Chat Trigger」を選ぶ。
- 後ろに「AI Agent」のノードを足す。
- AI Agentの「Chat Model」のコネクター(「+ Chat Model」)を選び、使うモデルのノードを選ぶ。認証情報は、そのノードで作る(07)。
- 「Memory」のコネクターを選び、「Simple Memory」を足す。
- 「Tool」のコネクターを選び、ツールを足す(場面7)。
- キャンバスの下の「Chat」を選び、入力欄に話しかける。公式の「Let your AI call an API」の手順に、「キャンバスの下の Chat を選び、入力する」とあります。
6-3. Chat Triggerの設定
公式の「Chat Trigger」の記述です。
| 項目 | 公式の説明 |
|---|---|
| Make Chat Publicly Available | オフのとき、手動のチャットの画面からだけ使える。作っている間はオフにし、公開するときにオンにする、と書かれている |
| Mode | 「Hosted Chat」(n8nのチャット画面)/「Embedded Chat」(自分で画面を作る。「Chat URL」のURLを呼ぶ) |
| Authentication | 「None」(誰でも使える)/「Basic Auth」(全員が1つのユーザー名とパスワードを共有)/「n8n User Auth」(n8nにログインした人だけ) |
| Initial Message(s) | 最初に出る文。Hosted Chatだけ |
| Load Previous Session | 以前の会話を読み込む。「Off」以外にしたら、Chat TriggerとAI Agentを、同じメモリーにつなぐ |
| Response Mode | 「When Last Node Finishes」/「Using Response Nodes」/「Streaming response」 |
| Allowed Origin (CORS) | 許可するオリジンの一覧。既定の * はすべて許可 |
チャットの1通ごとに、ワークフローが1回動き、実行を1回使う、と書かれています。
6-4. AI Agentの「Prompt」の設定
公式の「Common issues」には、プロンプトの出どころの設定に関する記述があります。
- 「Connected Chat Trigger Node」:前のChat Triggerの入力(
chatInput)を、そのままプロンプトにする。 - 「Define below」:「Text」の欄に、固定の文や、ほかのノードの値を使った式を書く。
場面7:AI Agentに「ツール」を足す
公式の「How tools work」の記述です。ツールは、AIが追加で使える道具で、n8nには、組み込みのツールのノード(WikipediaやSerpAPIなど)と、レジストリのMCPサーバーがあります。特に使いどころの多いものは、次の3つと書かれています。
| ツール | 公式の説明 |
|---|---|
| Call n8n Workflow Tool | n8nのワークフローを、ツールとして呼ぶ |
| Custom Code Tool | 書いたコードをエージェントが動かす |
| HTTP Request Tool | ウェブサイトやAPIからデータを取る |
7-1. 別のワークフローをツールにする
公式の「Call n8n Workflow Tool」の記述です。
- 呼ばれる側のワークフローを作り、最初のノードに「Execute Sub-workflow Trigger」(検索では「When Executed by Another Workflow」の名前で出る)を置く。「Input data mode」は、「Define using fields below」「Define using JSON example」「Accept all data」から選ぶ。
- AI Agentの「Tool」のコネクターから「Call n8n Workflow Tool」を足す。
- 「Description」に、いつこのツールを使うかを書く。
- 「Source」を選ぶ。「Database」は、ワークフローを一覧から選ぶかIDを入れる。「Define Below」は、ワークフローのJSONを貼る。
- 「Database」で、呼ばれる側が入力の項目を決めているときは、「Workflow Inputs」で「Refresh」を押して項目を読み込む。各項目は、固定の値、式、AIが決める値(「Let the model define this parameter」のボタン)、
$fromAI()の式のどれかにできる。
注意:「Database」を選んだ場合、呼ばれる側のワークフローは、手動のテストの画面の外で動かすときは、公開されている必要があります。そうでないと、「Workflow is not active and cannot be executed」のエラーになる、と書かれています。
7-2. AIにツールの引数を決めさせる:$fromAI()
公式の「Let AI specify tool parameters with $fromAI()」の記述です。
{{ $fromAI('key', 'description', 'type', defaultValue) }}
keyだけが必須です。1〜64文字で、英数字、アンダースコア、ハイフンだけ使えます。typeはstring、number、boolean、json。既定はstringです。- 手順:AI Agent(Tools Agent)につないだツールを開き、引数の欄に
{{ $fromAI('key') }}を入れる。 - もう1つの方法:引数の欄の右端の星のアイコンのボタンを押すと、AIが式を自動で入れる。自分で決めるには、欄の「X」を押す。星を押すと、手で入れた値が上書きされる。
$fromAI()が使えるのは、AI Agentにつないだツールだけで、Custom Code Toolなどには使えません。
公式の例:
$fromAI("numItemsInStock", "Number of items in stock", "number", 5)
7-3. 公式の例「Let your AI call an API」
公式のチュートリアルで、チャットのエージェントが、外部のAPIから「やることの提案」を取る例です(このチュートリアルが使うAPIは、n8nの外のサービスです。ページは、ワークフローのJSONを読み込んで使う形で、いくつかのノードの付箋に「Set your credentials」とあり、認証情報の設定が要ります)。
構成は、Chat Trigger → AI Agent(Text に ={{ $json.chatInput }}、maxIterations を 10)、子に OpenAI Chat Model(モデル gpt-4)、Simple Memory、そして「Call n8n Workflow Tool」(名前 activity_tool)。呼ばれる側は、Execute Workflow Trigger → Basic LLM Chain(言語モデルの出力を、Structured Output Parserで整える)→ HTTP Request → Edit Fields (Set) です。キャンバスの下の「Chat」に、「Hi! Please suggest something to do. I feel like learning something new.」と入れて試します。このチュートリアルの構成は、AI Agentのバージョンが古い(v1.1)ものです。手元の版で、同じ名前のノードが同じ形かを確かめてください。
場面8:ベクトルストアを使う(Simple Vector Store)
公式の「Retrieve relevant context」と「Simple Vector Store」の記述です。
8-1. 入れる(ingest)
- データを取るノードを足す。
- 「Vector Store」のノード(公式の例は「Simple Vector Store」)を足し、操作を「Insert Documents」にする。「Memory Key」に、入れる先の名前を入れる。「Clear Store」は、既定でオンで、入れる前に、そのキーの中身を消す。
- 「埋め込みモデル」を選ぶ。公式は、小さいモデルは速くて安く、大きいモデルは長い文書や複雑な文書に向く、と書く。たとえば「Embeddings OpenAI」には、「Model」「Base URL」「Batch Size」「Strip New Lines」「Timeout」のオプションがあります。
- 「Default Data Loader」を足して、内容を小さな塊に分ける。分け方は、「Character Text Splitter」「Recursive Character Text Splitter」(公式が、ほとんどの場合に recommended と書く)「Token Text Splitter」。
- 必要なら、塊ごとにメタデータを付ける。
8-2. 探す(retrieve)
- エージェント経由:AI Agentの「Tool」に、ベクトルストアを足す。操作は「Retrieve Documents (As Tool for AI Agent)」。「Name」「Description」「Memory Key」「Limit」を入れる。入れたときと、同じ埋め込みモデルをつなぐ。
- 直接:ベクトルストアのノードで「Get Many」を選び、「Prompt」に検索の文、「Limit」に件数を入れる。
8-3. Simple Vector Storeの注意(公式)
- 中身は、n8nのメモリーの中だけにあります。再起動で消え、メモリーが足りなければ消されることもあります。
- メモリーのキーは全体で共有で、インスタンスのユーザーは、ワークフローのアクセス制御に関係なく、キーを選べば読めます。
- 公式は、開発での使用を勧めています。
- セルフホストの
N8N_VECTOR_STORE_MAX_MEMORYとN8N_VECTOR_STORE_TTL_HOURSの既定は -1(無効)。Cloudでは、100MBと7日に決まっています。
ほかのベクトルストア(Pinecone、Qdrantなど)は、公式のノードの一覧に並びます。この記事では、ノードごとの設定は読んでいません。
場面9:ツールの実行の前に、人の承認を挟む
公式の「Human-in-the-loop for tools」の手順です。
- AI Agentの「Tools」のコネクターを選ぶ。
- 「Human review」のセクションで、承認の経路を選び、認証情報や設定を入れる。
- 承認が要るツールを、「Human review」のコネクターにつなぐ。
- 必要なら、確認の文を書く。
$tool.name(ツールのノード名)と$tool.parameters(AIが決めた引数)が使える。 - システムのプロンプトに、どのツールが承認制か、断られたときにどうするかを書く。
動き:エージェントが、承認が要るツールを呼ぶと、ワークフローが止まり、確認する人は「Approve」か「Deny」を選びます。承認の経路は、公式の記述で、Chat(n8n内蔵)、Slack、Discord、Telegram、Microsoft Teams、Gmail、WhatsApp Business Cloud、Google Chat、Microsoft Outlook です。
場面10:n8n Assistantで作らせる(Preview)
公式の「Build your first workflow」は、最後に、n8n Assistant(Previewで、変わりうる)で同じ流れを作る方法を載せています。左のメニューの「n8n Assistant」を選び、プロンプトを入れ、各ステップを承認します。同じ時刻に2つのワークフローが動かないよう、先に元のワークフローで「Published」を押して「Unpublish」します。05で触れたとおり、npmの入れ方ではAssistantは使えません。
会話の記憶(メモリー)の使い方
- Simple Memory:公式は、「Session Key」(メモリーを保存するキー)と「Context Window Length」(考慮する前のやり取りの数)が設定できると書いています。
- 注意:キューモードで、本番のワークフローに使わない。同じワーカーに届くとは限らないため、と書かれています。
- 外のメモリー:公式の「How memory works」は、Motorhead、Redis Chat Memory、Postgres Chat Memory、Xata、Zep のノードを挙げています。
- Chat Memory Manager:メモリーのノードを直接足せないとき、メモリーの管理をもっと細かくしたいとき、利用者の発言のようなメッセージを差し込みたいときに使う、と書かれています。
- 連鎖には使えない:公式の「How memory works」は、AI Agentのノードはメモリーを使えるが、連鎖(chain)は使えない、と書いています。ノード名ごとの対応は、そのページには書かれていません。
よくあるエラー(AI Agentの公式の記述)
| エラー | 原因と直し方 |
|---|---|
Error: 400 Invalid value for 'content': expected a string, got null. |
プロンプトの入力に、空(null)がある。「Define below」なら、「Text」の式がすべて値を返すか確かめる。「Connected Chat Trigger Node」なら、chatInput の空を取り除く |
Error in sub-node Simple Memory |
古い版のSimple Memoryを使っている(コピーしたワークフローやテンプレートに多い、と書かれています。以前の名前についての記述は、読んだ公式ページでは確認できていません)。ノードを消して、足し直す |
A Chat Model sub-node must be connected |
チャットモデルがつながっていない。ノードの「+ Chat Model」から選ぶ |
No prompt specified |
プロンプトを前のノードから自動で取る設定になっている。「Prompt」を「Define below」に変えて、文を入れる |
また、AI Agentのページは、AI Agentのバージョン1は、n8n 3.0で削除される予定なので、最新版に更新するよう書いています。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。公式の資料を読んだ範囲です。「この記事の案」の構成は、公式の記載に合わせた例で、動作は確かめていません。
- 公式のページに書かれていなかったもの(HTTP Request Toolのノードのページは取得できず、ノード単体の説明はHTTP Requestのノードのページの「ツールとして使うときのオプション」に限りました。Webhookの試し方は09)は、書いていません。
- 公式のノードのページには、古い選択肢のまま残っている記述があります(たとえば、Anthropic Chat Modelのページは「Claude」「Claude Instant」、Ollama Chat Modelのページは「Llama2」などの名前を挙げていました)。実際に選べるモデルは、手元のノードの一覧を見てください。
- Simple Vector Storeは、公式が開発向きと書くものです。再起動で中身が消えます。
- AI Agentに、取り消せない操作のツールを渡すときは、公式が用意する「Human review」を検討できます(場面9)。
- n8n AssistantとAgentsなどは、公式が「Preview」と書き、変わりうると明記しています。
- 実行の回数や上限の数字は、変わります。公式の料金ページで確かめてください(02、04)。
出典
- Build your first workflow(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Create and run workflows(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Save and publish workflows(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Workflow components(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Work with nodes(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Connect nodes together(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Understand executions(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Debug executions(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Configure workflow settings(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Schedule Trigger(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- HTTP Request(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Integrate AI(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- LangChain in n8n(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- What agents do(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- How tools work(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- How memory works(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Store and search data with vectors(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Retrieve relevant context(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- AI Agent(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- AI Agent common issues(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Chat Trigger(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Simple Memory(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Call n8n Workflow Tool(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Execute Sub-workflow Trigger(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Let AI specify tool parameters with $fromAI()(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- MCP servers(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Tutorial: Let your AI call an API(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Simple Vector Store(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Embeddings OpenAI(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- Human-in-the-loop for tools(n8n Docs、確認日 2026-10-25)
- AI examples(n8n Docs、確認日 2026-10-25)