3行でいうと
- 入口は2つあります。公式がホストする「Dify Cloud」(cloud.dify.ai)と、自分のサーバーで動かす「Community Edition」(複数の部品をまとめて起動する仕組み「Docker Compose」を使う手順が基本、READMEは自己ホスト版として案内。料金ページは「Free」と表示)です。大きな組織向けには、問い合わせの「Enterprise」もあります。
- Dify Cloudの無料プランは「Sandbox」です。公式の料金ページ(2026年10月23日の表示)では、200 message credits、メンバー1人、アプリ5つ、ナレッジの文書50件などが上限です。クイックスタートの公式ドキュメントは、この200は「一度きり」で毎月は戻らない、と書いています。
- サインインの方法は、個人設定のドキュメントによると GitHub、Google、メールの確認コードの3つです。
- データは、プライバシーポリシーによると、LangGenius とその関連会社・委託先の施設がある国や地域(米国、オーストラリア、カナダ、中国、EEA、英国など)で処理されることがあります。AI利用データをモデルの学習には使わない、とも書かれています。クラウド版で保存地域を選べるかは、公式の資料では確認できていません。
- セルフホストなら、データは自分のサーバーに置かれます。ただし、READMEの最低条件は2 CPUコア・4 GiB RAMで、運用(更新やバックアップ)は自分で行います。
この記事は、公式の資料を2026年10月23日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。画面名やメニュー名は公式の表記を写しています。公式ページは要約の形で取得したため、読めていない部分は「公式の資料では確認できていない」「読んだ範囲では見つからなかった」と書き、引用は短くとどめています。
先に結論
- まずは Dify Cloud の Sandbox から触るのが入口。 公式のクイックスタートは Dify Cloud を使って説明しています。セルフホストにする場合は、同じ手順を自分のインスタンスでくり返す、と書かれています。
- 「クラウドか、自分のサーバーか」は、データの置き場と手間の交換。 クラウドは準備がいらず、セルフホストは自分で管理する分、手元に置けます(この言い方は僕らの整理です)。
- 公式は2つの顔を使い分けている。 公式サイトの紹介文は「The Platform for Production-Ready Agentic Workflows」、リポジトリのREADMEは「an open-source LLM app development platform」です。同じ製品について、ページによって言い方が違います。
- ライセンスは「オープンソース」と書かれているが、追加条件がある。 READMEは「Dify Open Source License」と呼び(LICENSEファイルの見出しは「Open Source License」)、Apache 2.0をもとに条件を足したものです(くわしくは04)。
- AIモデルは別に用意する。 Difyはモデルを提供する会社ではなく、OpenAIなどのモデルを「つなぐ」場所です(02、03で扱います)。
前提:用語をそろえる
- ワークスペース(Workspace):Difyでアプリやナレッジを作る作業場です。公式のドキュメントは、課金もワークスペース単位だと書いています。
- Studio:アプリを作る画面です。クイックスタートは「Studio」から「Create from Blank」を選ぶ手順を書いています。
- Workflow(ワークフロー)と Chatflow(チャットフロー):手順をつなげて作る2つの基本のアプリです。Workflowは1回で最初から最後まで走る処理、Chatflowは会話の1ターンごとに走る処理です(キー・コンセプトの公式ページより)。
- ナレッジ(Knowledge):自分の文書やデータを置いて、AIが引いて使えるようにする仕組みです。公式はRAG(検索で見つけた内容を材料にAIが答える仕組み)で説明しています。
- Marketplace / プラグイン(Integrations):モデルの接続先、ツール、データの取り込み元などを足す部品です(03で扱います)。
- message credits / AI credits:Dify Cloudが用意するモデルを使うときの利用枠です。ページによって「message credits」(料金ページ)と「AI credits」(モデルプロバイダーのドキュメント)の呼び方が混在しています。
「Dify」はどの製品か
最初に、どの製品の話かを確かめました。公式サイトとドキュメントに出てくる「Dify」は、LangGenius, Inc. の製品です。公式のドキュメントは、名前を「Do It For You」にちなむ、と書いています。検索では、同じ名前の別の製品を示す公式の資料は見つかりませんでした(検索結果にはリポジトリの複製が多く並びましたが、別製品ではないので、候補には入れていません)。LangGenius のプライバシーポリシーは、同社の製品として Dify(Cloud、Enterprise、Community)のほかに別の製品「Syncless」も挙げています。このガイドが扱うのは Dify のほうです。
どこで使えるか:3つの入口
| 入口 | 公式の説明 | 費用の表示 |
|---|---|---|
| Dify Cloud | 公式サイトとドキュメントは、公式がホストする管理されたサービスで、無料のSandboxプランがあると説明 | Sandboxは無料。有料はProfessionalとTeam |
| Community Edition(セルフホスト) | READMEは自己ホスト版(Community Edition)として案内。Docker Composeが基本の手順(公式ドキュメント) | 料金ページの表示は「Free」。非営利のプロジェクトなどが対象、とも書かれている |
| Enterprise | 料金ページは自己ホストの組織向けで、価格は個別見積もり(contact sales) | Custom |
公式のドキュメントには、このほかに「Dify Premium on AWS」というページもあります。AWSのAMI(EC2の起動イメージ)として提供され、AWS Marketplaceから申し込み、「Powered by Dify」の表示を外したり自分のロゴに替えたりできると書かれています。ページには価格が書かれていません。ドキュメントは、Cloudのプランでは資源が足りない場合や、Enterprise導入前の試行といった使い方を挙げています。
アカウントを作る(Dify Cloud)
- 公式のクイックスタートは、cloud.dify.ai で無料でサインアップする、と書いています。
- 公式の個人設定のページには、サインインの方法として「GitHub」「Google」「メールの確認コード」の3つが並びます。同じメールアドレスのアカウントは自動でひも付けられる、とも書かれています。パスワードについての記載は、そのページにはありませんでした。
- 画面の言語は、同じページに、英語、簡体字中国語、繁体字中国語の3つが挙げられています。日本語のドキュメントは別に用意されていますが(公式の索引に日本語のページ一覧があります)、画面の言語に日本語があるかどうかは、公式の資料では確認できていません。
- 年齢について、ドキュメントの個人設定のページには記載が見つかりませんでした。プライバシーポリシーは、サービスは18歳未満向けではない、と書いています。
- アカウントの削除は、個人設定のページには書かれていませんでした。規約には、アカウント設定から削除するか、メールで削除を依頼する方法があると書かれています(04で扱います)。
無料でどこまでか(Sandboxプラン)
公式の料金ページ(dify.ai/pricing、英語)のSandboxの欄を、表示のまま写します。2026年10月23日に確認しました。
| 項目 | 料金ページの表示(Sandbox) |
|---|---|
| 価格 | Free |
| Message credits | 200 |
| チームワークスペース | 1 |
| メンバー | 1 |
| アプリ | 5 |
| ナレッジの文書 | 50 |
| ナレッジの保存容量 | 50MB |
| ナレッジのリクエスト | 10回/分 |
| トリガーのイベント | 3,000(ワークフローごとにトリガーは最大2つ) |
| ログの保存 | 30日 |
| API | 5,000回/月 |
料金ページは、message credits を使い切ったら自分のAPIキーに切り替えられる、と書いています。公式のクイックスタートは、Sandboxの新しいアカウントには「一度きり」の200 AIクレジットがあり、毎月は更新されない、と書いています。一方、有料プランの表は「message credits/月」です。無料のSandboxでAIをたっぷり使い続けられる、とは読めません。
有料の「Professional」と「Team」の表示と、プランごとの違いは04で扱います。
データはどこにあるか
- クラウド版(Dify Cloud):プライバシーポリシー(2026年6月30日更新)は、データが、LangGenius やその関連会社、サービス提供者が施設を持つ国や地域で処理されることがある、と書いています。例として、米国、オーストラリア、カナダ、中国、EEA、英国が挙がっています。AWSを受け取り先の1つとして挙げていますが、AWSがどこにデータを置くかまでは書かれていません。保存する地域を、利用者が選べるかどうかは、読んだ範囲では見つかりませんでした。
- 何を集めるか:同じポリシーは、アカウント情報のほか、プロンプト、アップロードした文書やナレッジの内容、AIの出力、アプリの設定やワークフローを、内容データとして挙げています。
- AIの学習:ポリシーは、LangGenius は自社のモデルを学習させておらず、「we will not use your AI interaction data for model training」と書いています。自分のAPIキーを使う場合は、そのモデル提供会社との契約が、学習への利用を決める、とも書かれています。
- セルフホスト:データは自分のサーバーに置かれます。保存先の設定は、公式の「Environment Variables」のページに一覧があります。ファイルの保存先は
STORAGE_TYPE(既定はopendal)、ベクトルデータベース(文書の意味で検索するための保管庫)はVECTOR_STORE(既定はweaviate)、メインのデータベースはDB_TYPE(既定はpostgresql)で選びます。Docker Composeの場合、バックアップはdify/docker/volumesディレクトリ全体を取る、と「Storage & Migration」のページに書かれています。 - ログの中身:アプリのログには、ユーザーの質問、アプリの返答、ワークフローの入力と出力が残ります。公式のログのページは、ログには会話の全文が含まれ、機密の情報が入ることがある、と注意しています。
セルフホストの入口(Docker Compose)
公式のドキュメントとREADMEから、手順の骨組みを写します。細かい点は、公式の手順で確かめてください。
- 必要な環境:2 CPUコア以上、4 GiB RAM以上。Docker Composeは2.24.0以上。macOSのDocker Desktopでは、仮想CPU2つ以上、メモリ8 GiB以上をDockerに割り当てる、とドキュメントにあります。
- 手順:リポジトリを取得し、
dockerディレクトリで.env.exampleを.envにコピーし、docker compose up -dで起動します。ドキュメントは、openssl rand -base64 32で作ったトークンをDIFY_AGENT_LOCAL_SANDBOX_AUTH_TOKENに設定する手順も書いています(これがないと、エージェント用のバックエンドとサンドボックスが起動しない、とあります)。 - 初期設定:ブラウザで
http://localhost/installを開いて、管理者のアカウントを作ります。 - 更新:Docker Composeの手順のページは、1つの更新コマンドは示さず、リリースごとのアップグレードの手順に従う、と書いています。一方、「Storage & Migration」のページには、Dockerの場合
docker compose pullのあとdocker compose up -dという手順も載っています。リリースごとの案内とあわせて確かめてください。.env.exampleと.envの差を見ることも勧められています。 - Kubernetesなど:READMEは、Helm、Terraform、AWS CDKなどの案内を、コミュニティが作ったものとして挙げています。公式のEnterpriseのページは、Helmチャートと、AWS・GCP・Azure用のTerraformモジュールを、Enterpriseの機能として挙げています。
最初に決めること
僕らの見立てで、最初に決めたいことを順に並べます。これは公式の手順ではありません。
- クラウドか、セルフホストか。 試すだけならクラウドのSandboxが早い、と僕らは考えます(見立て)。社内のデータを扱うなら、先に「データがどこで処理されるか」をプライバシーポリシーで確かめたほうが安心です。
- どのAIモデルをつなぐか。 Dify Cloudの公式クレジットで動くものか、自分のAPIキーか。キーは、そのモデル提供会社との契約や課金になります。
- 1人か、チームか。 Sandboxはメンバー1人です。チームで使うなら有料プランが前提になります(04)。
- 作ったアプリの公開範囲。 公式のWebアプリ設定のページは、Webアプリは初期状態で公開(URLを知っていれば誰でも開ける)と書いています。社内向けなら、公開前に確認が必要です。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。公式のドキュメント、料金ページ、README、規約、プライバシーポリシーを読んだ範囲です。
- 公式のページ同士で、表現や内容が食い違うところがあります。たとえばREADMEには、Sandboxの特典として「200 free GPT-4 calls」と書かれていますが、ドキュメントと料金ページは「credits」の表現です。READMEの記述が古い可能性がありますが、公式の資料では確認できていません。
- 料金は変わりやすいので、申し込む前に公式の画面で確かめてください。料金ページは、税が別にかかることがある、と書いています。
- GitHubのリリースの一覧は、読んだ時点で最新が v1.17.1(9月10日)と表示されていましたが、公式のドキュメントには1.18.0以降の説明(
.ifpkg形式など)が出てきます。バージョンの食い違いは確認できていません。 - Dify の画面の英語表記が多く、日本語の画面があるかは確認できていません。
- 規約やライセンスの解釈は、必要なら専門家や公式に確認してください。この記事は法律の助言ではありません。
出典
- Dify(LangGenius、確認日 2026-10-23)
- Dify Pricing(LangGenius、確認日 2026-10-23)
- Dify Pricing(Markdown版、LangGenius、確認日 2026-10-23)
- langgenius/dify README(GitHub、確認日 2026-10-23)
- Dify Docs 入口(Dify Docs、確認日 2026-10-23)
- 30-Minute Quick Start(Dify Docs、確認日 2026-10-23)
- Key Concepts(Dify Docs、確認日 2026-10-23)
- Use Dify(Dify Docs、確認日 2026-10-23)
- Personal Settings(Dify Docs、確認日 2026-10-23)
- Web App Settings(Dify Docs、確認日 2026-10-23)
- Logs(Dify Docs、確認日 2026-10-23)
- Deploy Dify(Dify Docs、確認日 2026-10-23)
- Storage & Migration(Dify Docs、確認日 2026-10-24)
- Dify Premium on AWS(Dify Docs、確認日 2026-10-23)
- Dify Enterprise(LangGenius、確認日 2026-10-23)
- Privacy Policy(LangGenius、確認日 2026-10-23)
- Terms of Service(LangGenius、確認日 2026-10-23)