3行でいうと
- 翻訳(DeepL Translator)は、テキスト、文書ファイル、画像を訳します。公式のヘルプが挙げる機能は、テキストと文書と画像の翻訳、文体の指定(formality)、用語集などをまとめた「カスタマイズハブ」、辞書、言い換えの候補、訳文の保存です。
- 文書ファイルは、Word、PowerPoint、PDF などを、元のレイアウトを保ったまま訳せる、と公式サイトは書いています。上限は、プランとファイルの種類で違います。
- 文章を整える DeepL Write は、翻訳とは別の製品です。綴りと文法の修正に加え、言い換えや文体の候補を出します。日本語も対象です。
- 日本語への翻訳では、「です・ます」(polite)と「だ・である」(plain)を選べます。ただし、公式のヘルプによると、この機能は有料版(DeepL Pro)が必要です。
- 会議の通訳字幕や音声の通訳は DeepL Voice、自分のアプリに組み込むなら API です。有料の Translator プランには、1人あたり月30分の Voice が含まれる、とヘルプにあります。
この記事は、公式の資料を2026年10月23日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。画面名やメニュー名は公式の表記を写しています。公式ページは要約の形で取得したため、読めていない部分は「公式の資料では確認できていない」「読んだ範囲では見つからなかった」と書き、引用は短くとどめています。
先に結論
- 「訳す」ツールと「整える」ツールは別。 翻訳は Translator、同じ言語の文章を直すのは Write です。プランも別で、Write の有料版は「Write Pro」というアドオンです(料金ページの表示)。
- 一番ふつうの使い方は、読めない文章を訳して理解すること。 公式のTranslatorのページは、テキストと文書ファイルを入れて訳す機能を、最初に挙げています。
- 用語と文体をそろえる機能は、仕事で使うときに効く。 用語集(glossary)や日本語の文体の指定は、同じ文書の中で言葉がぶれないようにする機能です(見立て)。
- 無料版と有料版で、できることが分かれる。 用語集の数、ファイルの件数と大きさ、文体の指定、訳したファイルの編集などは、プランで違います。
- AIの訳は、読み手として確かめる前提で使う。 AIの訳は、固有名詞や数字を使う人が確かめる前提で使うのが安心です(見立て)。
前提:用語をそろえる
- Translator:翻訳の製品です。ウェブ、アプリ、拡張機能などから使います。
- Write:同じ言語の文章を整える製品です。
- Voice:音声のリアルタイム翻訳の製品です。
- 用語集(glossary):単語や言い回しの訳を指定しておく機能です。
- 文体の指定(formality):訳文の丁寧さ(形式)を選ぶ機能です。日本語では polite(敬体、です・ます)と plain(常体、だ・である)を選びます。
- スタイルルール(style rules)/スタイルプロファイル(style profiles)/翻訳メモリ(translation memory):チームで訳し方をそろえるための機能で、公式のヘルプでは「Customization Hub」にまとめて説明されています。
- API:プログラムからDeepLを呼び出す仕組みです。
たとえ話:通訳者と、赤ペンの先生と、用語表
DeepLの製品を、職場の人にたとえます。Translatorは「通訳・翻訳の担当者」、Writeは「文章を直してくれる赤ペンの先生」、Voiceは「会議室の同時通訳ブース」です。用語集は、担当者に渡しておく「社内用語表」、文体の指定は「この文書はです・ます調で」という指示書にあたります。担当者は上手でも、社内用語表を渡さなければ、社内だけで通じる言葉は一般的な訳になるかもしれません。表を渡す手間が、用語集です(これは僕らのたとえで、公式の説明ではありません)。
機能と使い方の場面
場面1:読めない文章を訳す(テキスト翻訳)
- 何ができるか:テキストを入れて、別の言語に訳します。言い換えの候補を選ぶ「alternatives」、一部の言語ペアでの辞書表示もあります。
- 公式のどこに:Translatorのページは「Translate texts & full document files instantly」と書いています。ヘルプの「About DeepL Translator」は、機能として、テキスト翻訳、文書翻訳、画像翻訳、文体の指定、カスタマイズハブ、辞書、alternatives、訳文の保存を挙げています。
- 言語:ヘルプの言語一覧は114言語で、日本語を含みます。中国語は簡体字と繁体字、英語は米国と英国、ドイツ語はドイツとスイスなど、一部の言語には訳し分けの選択があります。
場面2:文書ファイルを、レイアウトを保ったまま訳す(文書翻訳)
- 何ができるか:PDF、Word(.docx)、PowerPoint(.pptx)などのファイルをドラッグ&ドロップで入れて訳します。
- 公式のどこに:Translatorのページは、文書の翻訳は「元の書式とレイアウト」を保つと書き、PDF、Word、PowerPointを挙げています。ヘルプの「File formats」には、形式ごとの上限の表があります。
- 知っておくこと:ヘルプによると、基本のアカウントでは、Word、PowerPoint、PDFが「5MB・10万文字」まで、BusinessとAPIのGrowthでは「100MB・100万文字」までです。Excelは基本のアカウントとIndividualでは使えません。形式が公式の仕様をきちんと満たしていないファイルは訳せません。訳したファイルの編集は、有料のDeepL Proが必要です。複数のファイルを一度に入れるのは、ウェブとデスクトップアプリでできます。
- ベータの形式:ヘルプは、PNG、JPG、RTF、YAML、Markdown、ODT、Excelのマクロ付き(.xlsm)などを「ベータ」と呼び、機能と品質に制限があり、月のファイル数には数えない、と書いています。購読のない利用者は、画像を月に1枚訳せる、とも書かれています。
- 料金ページの表示:ファイル翻訳の件数は、無料版が月1件(最大5MB)、Individualが月3件(各30MBまで)、Teamが月20件、Businessが月100件(各100MBまで)です。
場面3:画像や画面の文字を訳す
- 何ができるか:写真やスキャンした画像、画面の一部に写る文字を訳します。
- 公式のどこに:ヘルプのTranslatorの機能に「画像翻訳」があり、デスクトップアプリの記事の一覧には、画面キャプチャで訳す機能が挙がっています。ヘルプには「Translate text in images with DeepL for Windows」や、モバイルで画像の文字を訳す記事の題名があります。これらの記事の本文は今回読めていません。一方、ヘルプの「File formats」は、画像(PNG、JPG)は「ベータ」の形式で、サイズは全プランで3MBまで、購読のない利用者は月に1枚まで、と書いています。
場面4:決まった言葉は決まった訳にする(用語集)
- 何ができるか:「この言葉はこう訳す」と登録して、訳文に反映させます。
- 公式のどこに:料金ページは、用語集の数を、無料版が1個(言語ペアごとに5語)、Individualが1個(同5語)、Teamが5個(同1,000語)、Businessが無制限(フェアユース)と表示しています。ヘルプの「Download a glossary」は、用語集をCSVでダウンロードでき、あとで再びアップロードして使える、と書いています。この機能は、読んだ記事の中ではDeepL Pro Advanced、Ultimate、Team、Business、Enterpriseが対象とされていました。Individualが対象かどうかは、その記事からは読み取れませんでした。
- 使いどころ:製品名、社内の略語、人名の表記など、毎回同じにしたい言葉に向きます(見立て)。
場面5:日本語の文体を選ぶ(です・ます/だ・である)
- 何ができるか:日本語への翻訳で、polite(敬体)か plain(常体)かを指定します。
- 公式のどこに:ヘルプの「About formality: plain and polite tones in Japanese」。politeは、文末が「です・ます」で、目上の人や仕事のメールに向く。plainは、文末が「だ・である」で、友人との会話のほか、論文や報道にも向く、と説明されています。公式は、plain/politeは formal/informal とは同じでなく、plainを選んでもくだけた訳になるとは限らない、と注意しています。
- 条件:日本語への翻訳だけで、韓国語から日本語は対象外です。ヘルプは、plain/politeにはDeepL Proが必要、と書いています。APIでは
formalityというパラメータで指定します。
場面6:自分の文章を整える(DeepL Write)
- 何ができるか:綴り、文法、句読点を直し、より流れのよい自然な言い回しを提案します。単語や文の言い換えの候補、文体や口調(tone)の選択もあります。
- 公式のどこに:Writeのページは、「Corrections only」と「Styles」の編集モード、変更箇所を見せる「Show changes」を挙げています。ヘルプの「Use DeepL Write」は、ウェブとデスクトップで、左に入力し、右に改善版が出て、変更は緑で示される、と書いています。モバイルでは「Improve text」をタップします。読み上げ(Listen)の機能もあります。
- 言語:ヘルプのWriteの記事は、中国語、英語(英国・米国)、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語(ポルトガル・ブラジル)、スペイン語を挙げています。英国英語と米国英語の書き換えは、現在この2つのみ、とも書かれています。
- 無料版の上限:ヘルプは、アカウントなしで一度に1,500文字、DeepL Pro(Translator)のプランで一度に2,000文字、Write Proは無制限、と書いています。
- スタイルルール:Writeのページは、スタイルルールによるカスタマイズをPro機能と表示しています。
場面7:会議や対面の会話を、その場で通訳する(DeepL Voice)
- 何ができるか:オンライン会議の音声の通訳(voice-to-voice)とリアルタイムの字幕、対面の会話の通訳です。
- 公式のどこに:Voiceのページは、Microsoft Teams、Zoom Meetings、Google Meetでの会議に対応し、対面の会話はiOS、Android、ウェブで使える、40言語以上に対応する、と書いています。ヘルプの「DeepL Voice languages」は、話す側(入力)・声の出力・字幕のいずれの表にも日本語が入っていて、いずれも DeepL 自身のモデルによる、と載せています。声の出力の一部の言語は外部の事業者が担当すると書かれていますが、日本語はその一覧には入っていません。
- 料金との関係:ヘルプは、有料のTranslatorプラン(Individual、Team、Business、Enterpriseなど)には、1人あたり月30分のVoiceが追加費用なしで含まれる、と書いています。分は人ごとで、繰り越しはなく、超過の課金もありません。無料のTranslator、APIプラン、Voice専用プランは対象外です。Teamsでの Voice for Meetings は、「any business plan」で動くが、Voice for Meetings の購読が必要、とVoiceのページにあります。
場面8:チームで訳し方をそろえる
- 何ができるか:共有できるスタイルルール、翻訳メモリ、スタイルプロファイル、チームの管理画面と利用状況の分析、SSO(1回のログインで複数のサービスに入れる仕組み)など。
- 公式のどこに:料金ページは、Teamに共有のスタイルルールリスト5個、チーム管理、分析とレポート、SSO(50人以上)を、Businessに共有スタイルルールリスト20個、翻訳メモリ、ユーザープロビジョニング(SCIM)、ドメインキャプチャを挙げています。ヘルプのFeaturesの一覧には、これらの機能の記事の題名があります(本文は今回、ほとんど読めていません)。
場面9:過去の訳を見直す(翻訳履歴)
- 何ができるか:過去の翻訳を見て、編集して、再利用します。
- 公式のどこに:ヘルプの「About the translation history feature」。デスクトップとモバイルのアプリだけで、ウェブ版にはありません。端末の中に保存され、DeepLは見られない、と書かれています(保存期間は04)。
場面10:自分のアプリや仕組みに組み込む(API)
- 何ができるか:テキストの翻訳(
/v2/translate)、文書の翻訳(/v2/document)、Writeによる文章の改善、用語集やスタイルルールの管理、リアルタイムの音声翻訳(WebSocket)など。 - 公式のどこに:開発者向けドキュメントの「Translate」の概要と「Write API」「Voice API」のページ。翻訳のモデルは
model_typeで、latency_optimized(既定、速さ優先)とquality_optimized(品質優先)を選べる、と書かれています。Write APIについて、開発者向けドキュメントは API Pro の購読が必要と書き、ヘルプは Growth と Pro のAPIにWriteが含まれ、Developer と無料のAPIプランには含まれないと書いています。対象言語に日本語が入っています。くわしくは03と04で扱います。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。公式の資料を読んだ範囲です。訳の品質(上手か下手か)についての評価は、このガイドでは扱いません。
- 上限や機能は、プランと入口(ウェブ、アドイン、アプリ)で違います。たとえばWordのアドインでは、無料のアカウントで、Translatorは1日3,000文字、Writeは1日2,000文字まで、とヘルプにあります。
- ヘルプの記事は、一部、古いプラン名(Pro Advanced、Ultimateなど)で書かれています。現在のプランへの当てはめは、料金ページを基準にしてください。
- 文書翻訳のベータの形式は、公式が「機能と品質に制限がある」と書いています。仕事の文書にはまず小さなファイルで試すのがよい、と僕らは考えます(見立て)。
- DeepL Writeの有料版について、料金ページは「アドオン」、ヘルプは「バンドル(組み合わせ)が必要」と書いています。表現が違うので、申し込む画面で確かめてください。
- 機密や個人情報を含む文章を入れるときは、先に04のデータの扱いを読んでください。
出典
- DeepL Translator(DeepL、確認日 2026-10-23)
- DeepL Write(DeepL、確認日 2026-10-23)
- DeepL Voice(DeepL、確認日 2026-10-23)
- DeepL Pro 料金ページ(DeepL、確認日 2026-10-23)
- About DeepL Translator(DeepL ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- DeepL Translator languages(DeepL ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- File formats(DeepL ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- Download a glossary(DeepL ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- About formality: plain and polite tones in Japanese(DeepL ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- About DeepL Write(DeepL ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- Use DeepL Write(DeepL ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- DeepL Voice minutes included with paid DeepL Translator plans(DeepL ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- About the translation history feature(DeepL ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- Features カテゴリ(DeepL ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- About DeepL desktop apps(DeepL ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- Get started: DeepL for Microsoft Word(DeepL ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- Translate overview(DeepL API ドキュメント、確認日 2026-10-23)
- Understanding Model Types(DeepL API ドキュメント、確認日 2026-10-23)
- Write Quickstart(DeepL API ドキュメント、確認日 2026-10-23)
- DeepL Voice API(DeepL API ドキュメント、確認日 2026-10-23)