3行でいうと

  • 2026年10月22日時点で、公式のGitHubが「最新」として載せているのはQwen3.8です。APIで借りるモデル名(qwen3.8-max、qwen3.7-plus、qwen3.8-flash など)と、Hugging Faceで重みが公開されているモデル名(Qwen3.8-27B など)は、別の一覧です。
  • APIの入口は2つあり、どちらも公式です。QwenCloud(docs.qwencloud.com)と、Alibaba Cloud Model Studio(help.aliyun.com)です。どちらも、OpenAI互換の書き方で呼べます。APIキーは、作った地域でしか使えません。
  • 公開された重みのライセンスは、同じQwen3.8の中でも3種類ありました。27B系はApache-2.0、2.4T-A95Bは「Qwen3.8-Max License」、Flash-Nextは「Qwen Community License 1.0」です。公式のREADMEも、モデルごとにライセンスのファイルを見るよう書いています。

この記事は、公式の資料を2026年10月22日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。運営者はQwenを入れていますが、使い心地はこの記事には書いていません。コマンド、モデル名、設定名は、公式の記載を写しました。公式の文章は要約の形で取得したため、ライセンスの条文は、言い換えと短い引用に限っています。契約や商用利用の判断は、自分でライセンスの原文を読み、必要なら専門家に確認してください。

先に結論

前提:用語をそろえる

モデルの種類

APIで借りるモデル(QwenCloudの「モデルを選ぶ」ページ)

分類 モデル名(公式の表記) 公式の説明
文章 qwen3.8-max 複雑な推論とコーディング向け
文章 qwen3.7-plus 性能・速度・コストのバランス
文章 qwen3.8-flash 速くて低コスト
他社のモデル deepseek-v4-pro-0813、deepseek-v4.1-flash-1017、kimi-k3、glm-5.3 同じAPIの書き方で呼べる
画像・動画の理解 qwen3.8-max、qwen3.7-plus、qwen3.8-omni-flash ―
画像の生成 qwen-image-3.0-pro、wan2.7-image-pro ―
動画の生成 wan3.0-video、wan3.0-video-prime など ―
音声 qwen-audio-3.0-tts-plus(読み上げ)、qwen-audio-3.1-asr-flash-streaming(認識)など ―
埋め込み・再ランク qwen3.7-text-embedding、text-embedding-v4、qwen3-rerank ―

利用できるモデルと価格は、リージョンごとに違う、と公式は書いています。リージョンを選んでから、公式の価格表(Model prices)を見る必要があります。また、この一覧のページには、各モデルの文脈の長さと、公開モデルかどうかは書かれていませんでした。QwenCloudのトップページには、Qwen3.8-Max と Qwen3.8-Flash が「1Mトークンの文脈」と載っています。

Alibaba Cloud Model Studioのほうの説明では、旗艦は Qwen-Max(複雑な作業向け)、Qwen-Plus(ほとんどの場面に推奨)、Qwen-Flash(低コスト・低遅延)で、より強い推論には qwen3.8-max が勧められています。DeepSeek、Kimi、GLMなどの他社のモデルも載っています。

公開されている重み(QwenLM/Qwen3.8のREADME)

モデル 公式が書く公開日 備考(公式の記載)
Qwen3.8-2.4T-A95B 2026年8月12日 全体2.4T、1回に約95Bが動くMoE。文字だけ(画像などは非対応)
Qwen3.8-27B 2026年8月14日 画像と文字(視覚エンコーダー付き)。文脈は標準で262,144トークン
Qwen3.6-35B-A3B、Qwen3.6-27B 2026年4月16日、22日 ―
Qwen3.5-397B-A17B ほか 2026年2月〜3月 9B、4B、2B、0.8Bの小さい版もある
Qwen3.8-Flash-Next READMEの一覧では未確認 Hugging Face上のコレクションに載っている。カードは「実験的なプレビュー」と説明

READMEは、Qwen3.8を「Qwen-Max級のオープンなモデル」と説明しています。そのほかにも、画像生成のQwen-Image、文字・音声・画像・動画を扱うQwen3-Omniなど、別系統の公開モデルがあります。この記事ではライセンスを確認していません。

APIの入口

QwenCloud(docs.qwencloud.com)

公式の「First API call」のページの手順は、次のとおりです。

  1. QwenCloud(home.qwencloud.com)にGitHubかメールで入り、アカウントを作る。
  2. 画面右上でリージョンを選び、「API Keys」ページで「Create API key」を押す。キーは sk-ws- で始まる。
  3. 環境変数 DASHSCOPE_API_KEY にキーを入れる。
  4. pip install openai(Pythonの場合)でSDKを入れる。
  5. base_url を自分のリージョンのアドレスにして呼ぶ。例のシンガポールは https://ap-southeast-1.maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1、モデルは qwen3.8-max です。

リージョンの一覧(公式の記載)は、シンガポール(ap-southeast-1。既定)、中国北京(cn-beijing)、ドイツ・フランクフルト(eu-central-1)、香港(cn-hongkong)、日本・東京(ap-northeast-1)です。パスは、OpenAI互換が /compatible-mode/v1、Anthropic互換が /apps/anthropic です。

リージョンの落とし穴(公式の記載)。 - APIキーは作ったリージョンの窓口でしか使えません。違うと、401の認証エラーになります。 - コンソールでリージョンを切り替えても、コードの base_url は変わりません。アドレスもキーも作り直します。 - シンガポールの推論は、中国本土の外のノードで動きます。フランクフルト、香港、東京には、中国本土を含む任意のノードで動く「Global」と、その地域内だけで動く範囲の2種類があります。 - バッチ、ファインチューニング、評価、デプロイは、シンガポールと北京だけです。無料枠とToken Planは、シンガポールだけです。

Alibaba Cloud Model Studio(help.aliyun.com)

公式ヘルプには、OpenAI互換の窓口として、次の形のアドレスが載っています。{WorkspaceId} に自分のワークスペースIDを入れます。

古いドメイン(dashscope系)は今も使えますが、できるだけワークスペース別のアドレスを使うよう案内されています。APIキーも環境変数 DASHSCOPE_API_KEY で、リージョンごとです。QwenCloudとModel Studioの関係は、僕らが読んだページには書かれていません。どちらのキーも別物と考えて、使う窓口のドキュメントを見てください。

Model Studioの互換APIで公式が書いている制限
  • ツール呼び出し(tools)は、stream=True と同時に使えません。公式の同じページは、ツール呼び出しに qwen-plus か qwen-max が必要と書いています。このページはQwen3.8より前の書き方が残っている可能性があるので、最新のモデルで同じかは確かめられていません。
  • n(複数の答え)が1より大きい値は qwen-plus のみで、tools と一緒なら1に固定されます。
  • temperature の範囲は0以上2未満、top_p は0より大きく1.0以下、と書かれています。
  • エラーは、400(不正な要求)、401(キーが違う)、429(回数の上限、または割り当てを超えた・支払いの滞り)、500、503です。

料金と無料枠(公式の表示、2026年10月22日に確認)

金額は、公式のページに載っているものだけを、日付つきで書きます。変わることがあります。最新は公式の料金ページを見てください。

公開された重みのライセンス

Hugging Faceのモデルカードの先頭(YAMLの欄)と、LICENSE ファイルで確かめました。同じQwen3.8の中でも違うので、モデルごとに見る必要があります。

モデル カードの license 欄 内容(公式のファイルの要約) 確かさ
Qwen3.8-27B apache-2.0 Apache License 2.0。商用利用の制限なし。ライセンスの写しの添付、変更の明示、特許の訴訟で特許許諾が終わる条項など 文書に書かれている
Qwen3.8-27B-FP8 apache-2.0 カードの欄のみ。ファイル本体は確認していない 文書に書かれている
Qwen3.6-27B、Qwen3.5-9B apache-2.0 カードの欄のみ。それぞれのファイルへのリンクがある 文書に書かれている
Qwen3.8-Flash-Next other(qwen-community-1.0) Qwen Community License 1.0(2026年のQwen著作権)。商用利用を含む使用・改変・配布を許すが条件がある(下に要約) 文書に書かれている
Qwen3.8-2.4T-A95B other(qwen3.8-max) Qwen3.8-Max License(2026年のQwen著作権)。条件がある(下に要約) 文書に書かれている
上記以外(Qwen3.8のFP8版以外の派生版、Qwen3-VL、Qwen3-Omni、Qwen-Imageなど) ― この記事では読めていない 確認できず

READMEの注意。 Qwen3.8のREADMEのライセンスの節は、モデルの重みと一緒に公開されたライセンスのファイルを見るよう書いています。リポジトリ自体の表示はApache-2.0ですが、リポジトリのライセンスと重みのライセンスは別、と読めます(これは僕らの読み方です)。

独自ライセンスの要約(言い換え。条文は原文で確認してください)

Qwen3.8-Max License(2.4T-A95B)。 - 重み、設定ファイル、推論のコード、文書を、使う・複製・改変・配布・販売・ホスティング・ファインチューニング・派生物の作成まで許す、という広い許諾です。 - 「Model as a Service」(第三者にモデルの推論やファインチューニングを使わせる事業。他社のモデルへ要求を中継するだけのものは含まれない)か「AI Work Assistant」(主にAIによるコーディングやオフィス業務の支援を目的にした独立した製品)の事業を営む会社は、グループの収益が連続12か月で5,000万米ドルを超えるとき、商用に使う前にQwenから別のライセンスを得る必要があります。 - 月間利用者が1億人超、または月の収入が2,000万米ドル超の商用の製品・サービスは、利用者向けの画面にモデル名を目立つように出す必要があります(原文は「respective model name must be prominently displayed on the user interface」)。 - 社内で使うだけで、第三者にモデル、その出力、モデルの能力を提供しない場合は、別のライセンスを取る要件(上の2つ目の項目)の対象外です。モデル名の表示の条件には、同じ除外は書かれていません。 - 問い合わせ先として、model-business@notice.qwencloud.com が書かれています。準拠法の記載は、読んだ範囲では見つかりませんでした。

Qwen Community License 1.0(Flash-Next)。 - 使用・改変・配布・ホスティング・ファインチューニング・派生物の作成を、商用利用を含めて許します。 - 「モデルをサービスとして提供する事業」か「AIの業務アシスタント事業」を営む場合は、商用に使う前に別のライセンスが必要、と読めます。社内利用だけで、第三者にモデルや出力を提供しない場合は対象外です。LICENSEを2回取得して読んだ範囲では、この別ライセンスの条件に、収益などの金額の基準は見つかりませんでした(金額が出てくるのは、モデル名の表示の条件の月2,000万米ドルだけです)。Max Licenseにある連続12か月で5,000万米ドルの基準にあたるものがない形に読めます。条件が事業の種類だけで決まるのか、原文で確認してください。 - 月間利用者1億人超、または月の収入2,000万米ドル超の商用の製品では、画面にモデル名の表示が必要、というモデル名の条件は、Max Licenseと同じ書き方でした。

手元で動かす入口

公式のREADMEとモデルカードに書かれている動かし方は、次のとおりです(コマンドは要約からの写しなので、実行前に公式のカードで確認してください)。

必要なマシン。 27Bと2.4T-A95Bのカードは、どちらも、必要なGPUやメモリの大きさを書いていませんでした。READMEのサーバー起動例には、テンソル並列4といった複数GPU向けの指定が含まれます。家庭のパソコンで動くかは、公式の資料からは判断できません。2.4T-A95Bは、重みがBF16形式で2.4兆パラメーターと大きいものですが、必要な環境の数字はカードにありません。

既定の動き(カードの記載)。 27Bは「考える(thinking)」が既定でオンです。reasoning_effort は xhigh(既定)、medium、low。推奨のサンプリングは、考えるモードで temperature=1.0、top_p=0.95、top_k=20、presence_penalty=0.0 です。2.4T-A95Bは考えるモードを止められません。

気をつけること

出典