3行でいうと

  • Qwen Studio(chat.qwen.ai とアプリ)のプライバシーポリシー、利用規約、利用ポリシーは、今回も本文を取得できませんでした(返ってきたのは検索用のメタ情報だけ)。「学習に使われるか」「履歴をどう消すか」「どこに保存されるか」は、この記事では言い切れません。
  • 読めた範囲では、入口ごとに公式の書き方がはっきり違います。QwenCloudのAPIは「モデルの学習のために入出力を保持しない」と書き、Alibaba Cloud Model Studioのサービス契約は、対話データを利用者の許可なくモデルの学習に使わない、と約束する条項(6.2.5)を持ちます。ところが同じ契約の5.2.2は、定額プランのうちToken Plan個人版とCoding Planについて、入力と出力を「サービス改善とモデル最適化」に使うことへの同意を求めています(チーム版は対象外)。
  • 保存と削除には、設定で動かせるものがあります。QwenCloudのResponses APIは store が既定でオン、Qwen Codeは会話の記録(general.chatRecording)と利用統計(privacy.usageStatisticsEnabled)が既定でオンです。公式の書き方どおりに切り替えられます。
  • 公式の文書どうしで書き方が食い違う点もあります(Responses APIの保存期間が「30日」と「IDは7日有効」など)。この記事は両方を並べ、どちらかに決めつけません。なお、Model Studioのサービス契約は、準拠法を中国本土の法律、紛争の裁判所を杭州市の裁判所と定めています(12.1、12.2)。

この記事は、公式の資料を2026年10月24日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。運営者はQwenを入れていますが、使い心地はこの記事には書いていません。コマンド、設定のキー、画面の項目名は、公式に書かれていたとおりに写したもので、動作確認はしていません。公式ページは要約として取得したため、引用は最小限にして言い換えています。規約の解釈や、個人情報・仕事の情報の取り扱いは、専門家や所属先の決まりに確認してください。この記事は法律の助言ではありません。

先に結論

前提:用語をそろえる

入口ごとの地図:公式に何が書かれていたか

2026年10月24日に読めた範囲を、1枚にまとめます。「確かさ」は、文書に書かれている/確認できず、の2段階です。

入口 適用される規約(公式の記載) 学習への利用 履歴・保存・削除 確かさ
Qwen Studio(Web・アプリ) Qwenの規約とプライバシーポリシー(qwen.ai/termsservice、qwen.ai/privacypolicy)。本文は取得できず 本文を読めておらず、分からない 本文を読めておらず、分からない 確認できず
QwenCloud API QwenCloudのプライバシーポリシー、利用規約、カスタマー契約。本文は「読み込み中」の殻しか取得できず 安全性のページに「モデルの学習のために入出力を保持しない」 入出力は要求の間だけメモリで処理。Responses APIは store 既定でオン 文書に書かれている(規約本文は確認できず)
QwenCloud Token Plan(チーム版) 同上 「会話データをモデルの学習に使わない」 ― 文書に書かれている
QwenCloud Token Plan(個人版) 同上。加えて、Model Studioのサービス契約5.2.2が個人版を名指しする(QwenCloudの利用者にこの契約が適用されるかは確認できず) チーム版FAQの比較表に「サービス改善とモデル最適化にデータを使う」。サービス契約5.2.2も、個人版の入力と出力を、その目的に使うことへの同意を求める プロンプトと出力は越境のデータ転送を伴う 文書に書かれている(個人版の概要ページには学習の記載なし)
Alibaba Cloud Model Studio Model Studioサービス契約(2026年9月2日施行と表示。契約の相手方は通義云启(杭州)信息技术有限公司、準拠法は中国本土の法律)。中国語の原文を要約として取得 対話データを、許可なくモデルの学習に使わない(6.2.5)。例外は5.2.2(Token Plan個人版とCoding Plan) 対話データの保持は、サービス提供に必要な最短の期間(6.2.5)。日数は書かれていない。終了や延滞のあとは、猶予期間を過ぎたら削除(6.2.7) 文書に書かれている(原文の全文ではなく要約で確認)
Qwen Code 使う認証方式の提供元の規約 Qwen Code自体はプロンプト・コード・回答を学習に使わない。Coding Planで入る場合は、提供元側のサービス契約5.2.2が関わる 会話の記録は既定でディスクに保存(設定で止められる) 文書に書かれている

読み方の注意が2つあります。①QwenCloudについては、表の「学習に使わない」は公式のドキュメントやFAQの文で、利用規約・プライバシーポリシー・カスタマー契約の本文は今回も「読み込み中」の殻しか取得できませんでした。条文の言い回しが、ドキュメントの文より狭い(または広い)可能性は、確かめられていません。②Model Studioのサービス契約は、アドレスが terms.alicdn.com で、Alibaba Cloud Model Studioの「関連する契約」のページから案内されているものです。QwenCloudのカスタマー契約とは別の文書です。QwenCloudの利用者にこの契約が適用されるのかを書いた公式のページは、読んだ範囲では見つかりませんでした。

Qwen Studio(Webとアプリ):読めたこと、読めなかったこと

読めなかったページ

次のページは、取得をやり直しても、本文は取得できませんでした。

ページ 取得結果 確かさ
qwen.ai/privacypolicy、/termsservice、/usagepolicy 検索用のメタ情報(説明文、キーワード)だけ。本文は含まれていなかった 確認できず
chat.qwen.ai/legal-agreement/privacy-policy と .../terms-of-service それぞれ qwen.ai/privacypolicy、qwen.ai/termsservice へ転送(302) 文書に書かれている(転送先のみ)

言えるのは、Qwen Studioのポリシーと規約の本文の置き場所が qwen.ai の2つのアドレスだ、というところまでです。本文が返らない理由は、画面をブラウザで組み立てる作りのためではないか、と見ています(これは僕らの推測です)。

読めたこと

読めていないこと(書かないこと)

次の項目は、公式の資料を読めていないため、書きません。検索で見つかる解説記事は、公式ではないので使っていません。

自分でポリシーを開くときに探す語(僕らの整理です)

「train」「improve」(学習・改良に使うか、断る手段があるか)、「retain」「delete」(保存期間と消し方)、「transfer」「region」(国をまたぐ移転と保存場所)、「human review」(人が読む場合)、「governing law」(準拠法)。見つからなかった項目は「書かれていない」と記録します。

QwenCloud APIに入れた内容

APIは、読めたページが多い入口です。ただし、法務ページ(プライバシーポリシー、利用規約、カスタマー契約)の本文は、3つとも「読み込み中」の殻しか返らず、読めていません。以下は、ドキュメント(docs.qwencloud.com)の記載です。

学習・保存・ログ

QwenCloudの「Safety」のページの、データの保持と学習の節は、次の趣旨でした。

別のページとは食い違いがあります。Responses APIのリファレンスは、store の既定は true、false だと previous_response_id で参照できず、応答のIDは「7日間有効」と書き、保存期間そのものも30日という数字も載せていません。「30日」と「7日」は別の事柄(保存と参照)の可能性がありますが、公式が関係を説明したページは見つかりませんでした。30日を鵜呑みにせず、規約の本文か公式のサポートで確かめてください。

データ保護のページ(Data security & privacy)

同じドキュメントの「Data security & privacy」で読めたのは、通信はTLS 1.2以上、保存データ(APIキーとアカウント情報を含む)はAES-256で暗号化、ワークスペースとAPIキーは作成したリージョンにとどまり他へコピーされない、要求のデータは呼び出したエンドポイントのリージョンに保存される、全要求の入出力が自動で審査される、という点です。このページには、保存期間、学習への利用、削除の手続き、再委託先の事業者、認証名の記載は見つかりませんでした。

内容の審査:入れた内容は機械に読まれる

「Safety」のページによると、QwenCloudの全要求は、設定なしで自動の審査層を通ります。対象は、プロンプト、システムメッセージ、会話の履歴(画像・動画の生成では、ネガティブプロンプトと参照素材も)です。ブロックされるとHTTP 400で、data_inspection_failed(方針によるブロック)、ip_infringement_suspect(知的財産の侵害の疑い)、custom_role_blocked、faq_rule_blocked のいずれかが返ります。非同期の処理では、output.code に DataInspectionFailed が入ります。公式は、生のエラーメッセージを利用者にそのまま見せないよう勧めています。審査の記録がどれだけ残るのか、人が見る場合があるのかは、読んだ範囲では見つかりませんでした。

保存されたデータを消す(Conversations API)

QwenCloudのAPIリファレンスには、会話を削除する窓口があります(docs.platform.qianwenai.com のページ。認証に使うのは「Qwen Cloud」のAPIキー、と書かれています。発行元の表示そのものは、読んだ範囲では見つかりませんでした)。

DELETE /conversations/{conversation_id}

conversation_id(例は conv_xxx)は必須です。公式のPythonの例は次のとおりです(動作確認はしていません。公式のページには、curlの例は載っていませんでした)。

import os
from openai import OpenAI

client = OpenAI(
  api_key=os.getenv("DASHSCOPE_API_KEY"),
  base_url="https://dashscope-intl.aliyuncs.com/api/v2/apps/protocols/compatible-mode/v1",
)

result = client.conversations.delete("conv_xxx")
print(result)

成功すると、次の形のJSONが返ります(deleted は成功したかどうかの真偽値、object は常に conversation.deleted)。

{
  "deleted": true,
  "id": "conv_xxx",
  "object": "conversation.deleted"
}

ベースURLがファイルの削除の例(次の節)と違う点に注意してください。APIキーはリージョンごとのものなので、キーを作ったリージョンの窓口に向けます(Files APIの例にある公式のコメントによります)。ページは、削除で何が消えるのか、サーバー側にどれだけ残るのか、Safetyのページの「30日保存」との関係を、書いていません。

保存されたデータを消す(Files API)

同じくQwenCloudのAPIリファレンスに、アップロードしたファイルを消す窓口もあります。

DELETE /files/{file_id}

認証はQwenCloudのAPIキー、file_id(例は file-batch-xxx)が必須です。公式のPythonの例は次のとおりです(動作確認はしていません。curlの例は載っていませんでした)。

import os
from openai import OpenAI

client = OpenAI(
  api_key=os.getenv("DASHSCOPE_API_KEY"),
  # Singapore (ap-southeast-1). For another region, replace ap-southeast-1 in the URL.
  # API keys are region-specific.
  base_url="https://ap-southeast-1.maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1",
)

result = client.files.delete(
  "file-batch-xxx"
)
print(result.model_dump_json())

公式のコメントは、シンガポール(ap-southeast-1)以外のリージョンでは、URLの ap-southeast-1 の部分を置き換えること、APIキーはリージョン専用であることを書いています。成功すると object(値は file)、deleted(真偽値)、id を含むJSONが返ります。ページは、消えるのが指定したファイルだけなのか、そのファイルを参照するバッチなどに影響するのか、バックアップに残るのか、取り消せるのか、保存期間は何日か、を書いていません。

APIキーの削除と停止

QwenCloudの「API keys」のページは、従量課金のキーについて、削除(取り消せず、そのキーでの要求は即座に失敗する)、無効化(要求を拒否するが、再び有効にすればすぐ戻る)を挙げています。従量課金のキーに「ローテーション」の操作はなく、漏れた・使わないキーは削除して作り直すのが推奨、と書かれています。Token Planのキーは「リセット」で作り直し、古いキーはすぐ使えなくなります。キーはワークスペースごとに20個まで、フルのキーは作成時に一度だけ表示されます。キーを消しても、すでに保存された会話やファイルが消える、とはどこにも書かれていません(キー、会話、ファイルは別の対象として扱われている、と読めます。これは僕らの読み方です)。

文脈キャッシュ:短時間、手元の外に残るもの

「Context cache」のページ(QwenCloud。Alibaba Cloud側にも同じ趣旨のページがあります)によると、速く・安くするために入力の一部が一時的に保存されます。明示キャッシュは5分(ヒットで5分にリセット)、暗黙キャッシュは決まった期間がなく、長く使われないものが定期的に消され、セッションキャッシュ(ヘッダー x-dashscope-session-cache: enable、Responses APIのみ)は5分です。明示・暗黙はアカウントごと、モデルごとに分かれ、共有されません。Alibaba Cloud側のページは、学習に使うか、手動で消せるか、には触れていません(期限切れを待つ形に読めます)。

リージョンとデータの行き先

QwenCloudの「Regions and endpoints」は、リージョンが「要求を受ける場所とデータが保存される場所」を決めると書き、推論の場所は別にデプロイ範囲で決まる、と書きます。フランクフルト、香港、東京、バージニアは、ワークスペースの作成時にGlobal(中国本土を含む任意のノードで動く可能性)か地域内かを選べ、あとから変えられません。シンガポールの推論は中国本土の外のノードです。Globalの推論時にプロンプトや出力の保存先がどうなるかは、はっきり書かれていません。Alibaba Cloud側のページは、リージョンが「アクセスの入口とデータの保存場所」を決め、静的なデータは選んだリージョンに残る、と少し踏み込んで書いています。どちらの記載が自分の窓口に当てはまるかは、使う窓口のドキュメントで確かめてください。

QwenCloudの定額プラン(Token Plan)のデータ

前のガイド(02)に書いたとおり、チーム版のFAQには「会話データをモデルの学習に使わない」とあります。今回読み直すと、同じFAQの比較表は、チーム版を「学習に使わない約束」、個人版を「サービス改善とモデル最適化にデータを使う」と書いていました。FAQはこの2つを調整していません。個人版の概要ページは、プロンプトと出力が越境のデータ転送を伴うこと、リージョンがシンガポールだけで推論はGlobalであること、法令の遵守は利用者の責任であることを書き、学習と保存期間には触れていません。

この割れの手がかりが、次の節のModel Studioのサービス契約5.2.2です。Token Plan個人版(チーム版を除く)とCoding Planの入力と出力を、サービス改善とモデル最適化に使うことへの同意を求めており、比較表と向きが合います。ただし、この契約がQwenCloudにそのまま適用されるかを書いた公式のページは見つかっておらず、「解けた」とは言えません。個人の開発に定額プランを使うときは、入れる内容に気をつけます(僕らの見立てです)。

Alibaba Cloud Model Studioに入れた内容

「Security certifications and privacy notice」と「FAQ」のページで読めたことです。

「学習に使わない」と書く一方で、保存された呼び出しデータをいつ・どう消せるかは、このページにはありません。サービス契約の条項は次のとおりです。

Model Studioのサービス契約(2026年9月2日施行と表示)

Alibaba Cloud Model Studioの「関連する契約」のページは、5つの契約を案内しています(サービス契約、推論のSLA、サービス別の規約、オープンソースモデルの規約、第三者モデルの契約一覧)。その1つ目の「サービス契約」(terms.alicdn.com 上の文書)を、今回読めました。中国語の原文で、WebFetchの要約として取得したため、以下は条項番号つきの言い換えです。原文の全文を読み切ったわけではなく、条文の解釈は専門家に確認してください。

条項 読めたこと(言い換え) 確かさ
冒頭 契約の名称は「阿里云百炼服务协议」。施行日は2026年9月2日と表示。「我们」は通義云启(杭州)信息技术有限公司(1.1)。ウェブ上で受け入れる、またはAPIなどの連携で使うことで効力が生じる 文書に書かれている
6.2.1、6.2.2 利用者が入力・保存・処理する「客户业务数据」には、利用者が完全な管理権を持つ。利用者は、その権利と、含まれる個人情報についての同意を用意する責任を負う 文書に書かれている
6.2.4 利用者が入れたデータとサービスが生んだデータを、利用者の指示の実行のほかには、許可なく使ったり開示したりしない。利用者はデータを削除・変更できる。バックアップはすぐには消えないことがあり、削除したデータは復元できない 文書に書かれている
6.2.5 対話データは、サービスの提供に必要な最短の期間だけ保持する。許可なく、対話データを自社のモデルの学習に使わない 文書に書かれている
5.2.2 Token Plan個人版(チーム版を除く)とCoding Planの利用中に入力した内容とモデルの出力を、サービス改善とモデル最適化のために保存・利用することを、利用者が同意し授権する。利用をやめれば将来の授権は終わるが、すでに授権された内容には及ばない 文書に書かれている
6.2.8 データは、利用者が選んだ百炼のサービスとモデルサービスが置かれた国または地域で処理する。中国本土の外のサービスを選ぶと、データが国外に出る可能性があり、越境のための手続きは利用者(データの管理者)の責任 文書に書かれている
6.2.9 第三者のモデルAPIを選ぶ場合、データの処理(保存、削除、内容のフィルタリングを含む)と、利用の形(アクセスと推論の場所)は、利用者とその第三者の事業者の契約による 文書に書かれている
6.2.7、3.2.11 サービス期間の満了、途中の終了、延滞のあと、猶予期間(適用される製品の規約などで決まる)を過ぎたら、キャッシュやバックアップを含め、顧客のデータをすべて削除する。猶予期間のあとに保持・書き出し・返却をする義務は負わない。削除したデータは復元できない 文書に書かれている
12.1、12.2 契約の成立から紛争解決まで、中国本土の法律を適用する。紛争は協議し、解決しなければ杭州市西湖区人民法院に訴えることができる 文書に書かれている

この表から言えることと言えないことを分けます。

サービス別の規約:体験画面(モデルの試用)の注意

「サービス別の規約」(help.aliyun.com の bailian-service-notes)の第III節は、モデルの試用で入れた内容と返答を「利用者のコンテンツ」とまとめ、「あなたのコンテンツを収集する」と書いています。入力に個人情報を入れると収集され、生成された出力に現れることがある、という警告もあります。削除の規定は、声の複製の試用で元の録音を処理のあとに削除し保存も利用もしない、という1点だけでした。試用で生成した内容は、モデルの性能の評価のためにだけ使え、第三者に渡したり配ったりしてはいけない、とも書かれています。

学習データの透明性のページ(2026年10月11日更新と表示)

「Qwen & Wan Training Data Transparency and Governance」のページは、モデルの学習データの出どころを4種類(公開のインターネットデータ、契約にもとづく第三者のデータ、委託先のラベル付けデータ、自社モデルの合成データ)と書き、Model Studioは「明示的な同意なしに、顧客の業務データをモデルの開発や改良に使わない」という趣旨を書いています。前半はモデルの作り方の説明で、利用者が入れた内容の扱いではありません。後半は契約の6.2.5と5.2.2の構造(同意があれば別)と向きが合っています。

Qwen Code:手元のターミナルに残るもの、送られるもの

Qwen Codeは、ここまでの入口と違い、設定ファイルでデータの流れを自分で調整できる道具です。公式ドキュメントから、次の3点を整理します。

1. どの規約が適用されるか

公式の「Terms of Service and Privacy Notice」の表のとおりです。

認証方式 提供元 利用規約・プライバシーの持ち主
Qwen OAuth Qwen AI qwen.ai/termsservice と qwen.ai/privacypolicy。公式は、無料枠は2026年4月15日に終了した、と書いている
Alibaba Cloud Coding Plan Alibaba Cloud Alibaba Cloudの規約とプライバシーポリシー(中国向けのコンソールと国際のコンソールの2つが挙がっている)。Model Studioのサービス契約5.2.2は、Coding Planの入力と出力をサービス改善とモデル最適化に使うことへの同意を求めている(この契約がCoding Planの国際のコンソールにも適用されるかは確認できず)
APIキー 自分で選んだ提供元 提供元の規約。Qwen Codeは、提供元が集める以上のデータは集めない、と書かれている
Vertex AI Google Cloud Google Cloudの規約とプライバシー

公式は、「Qwen Code自体は、プロンプト、コード、回答をモデルの学習に使わない」と書いています。ただし、提供元(QwenやAlibaba Cloudなど)が学習に使うかどうかは、その提供元のポリシーによる、とも書いています。Qwen OAuthの学習への利用は「Qwenのプライバシーポリシーによる」とだけあり、そのポリシー本文は、先に書いたとおり読めていません。Coding Planについては、前の節のとおり、Model Studioのサービス契約に、入力と出力をサービス改善とモデル最適化に使うことへの同意を求める条項(5.2.2)があります。「Qwen Code自体は学習に使わない」と「提供元は使うことがある」は、両立する書き方です。

QwenCloudの「Qwen Code」のページには、つなぐ手順があります。Token Planは、~/.qwen/settings.json の env に QWENCLOUD_TOKEN_PLAN_API_KEY を置く方法(チーム版は /auth の「Subscription Plan」から「QwenCloud Token Plan」を選ぶ方法もあります)で、従量課金は /auth の「Use your own API Key」か、settings.json の env に DASHSCOPE_API_KEY を置く方法で入ります。このページ自体に、データの扱いの記載はありませんでした。どの課金の形で入るかで根拠になる文書が変わる、という整理は僕らの見立てです。

2. 利用統計・会話の記録・ログの設定

公式の設定のページ(Qwen Code Configuration)の、プライバシーに関わるキーです。約12.6万字のうち、先頭10万字と、そのあとの続きを読みました(続きの最後の表の行は途中で切れていました)。

キー 型 既定値 役目(公式の説明の要約)
privacy.usageStatisticsEnabled 真偽値 true 利用統計の収集
general.chatRecording 真偽値 true 会話の履歴をディスクに保存。オフにすると --continue と --resume も使えなくなる。再起動が必要
general.cleanupPeriodDays 数値 30 ~/.qwen/file-history/ とセッションのデバッグログの保存日数。0 は約1時間
model.enableOpenAILogging 真偽値 false OpenAI形式のAPIの要求と応答をJSONファイルに記録
model.openAILogRetentionDays 数値 7 その記録ファイルの保存日数(記録の場所は model.openAILoggingDir、既定は現在のフォルダの logs/openai)

設定ファイルは、ユーザー用が ~/.qwen/settings.json、プロジェクト用が .qwen/settings.json、システム用がLinuxの /etc/qwen-code/settings.json などです。次の例は、上の表のキーと、メモリの節の memory オブジェクトの形から僕らが組み立てたもので、公式の例そのものではなく、動作確認もしていません。

{
  "privacy": { "usageStatisticsEnabled": false },
  "general": { "chatRecording": false, "cleanupPeriodDays": 7 },
  "model": { "enableOpenAILogging": false, "openAILogRetentionDays": 7 },
  "memory": { "enableManagedAutoMemory": false }
}

3. 利用統計と、テレメトリー(観測データ)は別のもの

公式の「Terms of Service and Privacy Notice」は、利用統計の収集は任意で、設定で制御できると書いています。集める対象は匿名のテレメトリー(実行したコマンド、性能の指標)、エラーとクラッシュのデータ、機能の利用の傾向で、コード、プロンプト、モデルの回答、個人情報は集めないとされています。この設定は、Qwen Code自身の収集だけを止め、AI提供元が集めるものには影響しません。

別に、開発者向けの「Telemetry」のページには、自分の観測用の送り先へデータを出す仕組みがあります。telemetry.enabled(QWEN_TELEMETRY_ENABLED)の既定は false、送り先 telemetry.otlpEndpoint の既定は手元の http://localhost:4317 です。注意は2つ。telemetry.logPrompts の既定は true で、テレメトリー(telemetry.enabled)を有効にすると、プロンプトの内容とAPIの要求・応答の文もテレメトリーのログに入ります。telemetry.includeSensitiveSpanAttributes を true にすると、会話の全履歴、ファイルの内容、シェルの出力が送り先に送られます(既定は false)。会社のコードを扱うなら、送り先の管理者まで確認が要ります。利用統計の設定(privacy.usageStatisticsEnabled)とテレメトリーの設定の関係は、読んだ範囲では説明が見つかりませんでした。

4. 会話の履歴・メモリ:どこに残り、どう消すか

Qwen Codeは、会話のあいだに覚えたことを、手元のファイルに残せます。公式の「Memory」のページの表は、次のとおりです。

種類 場所
個人用のQWEN.md ~/.qwen/QWEN.md(全プロジェクト共通)
プロジェクトのQWEN.md プロジェクトのルートの QWEN.md(gitにコミットされる)
個人のプロジェクトメモ .qwen/QWEN.local.md(gitには入れない)
自動メモリ ~/.qwen/projects/<project>/memory/(自分、プロジェクトごと)
チームメモリ リポジトリの中の .qwen/team-memory/(gitで共有。既定でオフ)

見る・直す・消す方法は、次のとおり書かれています。見るには /memory を実行して「Open auto-memory folder」を選びます(メモリはふつうのMarkdownファイル)。消すには /forget <text> で一致する項目を消すか、ファイルを直接消します。/dream は掃除をその場で走らせます。自動保存と掃除の設定は、/memory で切り替えるか、~/.qwen/settings.json(全プロジェクト)か .qwen/settings.json(そのプロジェクト)の "memory" オブジェクトの中に enableManagedAutoMemory と enableManagedAutoDream を書きます。自動メモリは既定でオンで、掃除は十分なセッションがたまると1日1回、裏で自動で動く、と書かれています(enableManagedAutoDream の既定値そのものは、個別には書かれていませんでした)。チームメモリ(memory.enableTeamMemory)とチームのgit同期(memory.enableTeamMemorySync)は、既定でオフです。公式の例は次の形です(動作確認はしていません)。

{
  "memory": {
    "enableManagedAutoMemory": true,
    "enableManagedAutoDream": true
  }
}

自動メモリを残したくないときは、同じ形で enableManagedAutoMemory の値を false にする、と読めます(false の例そのものは公式には載っておらず、型から読んだ僕らの整理です)。

公式のMemoryのページが書いている、プライバシーに関わる注意も、そのまま重要です。

会話の履歴を操作するコマンドは、公式の「Commands」のページに載っています。/resume(前の会話を再開)、/clear(会話履歴を消して文脈を空ける)、/delete(前のセッションを削除)、/export(履歴をhtml、md、json、jsonlで書き出す)です。注意として、/doctor memory --snapshot が出すヒープのスナップショットには、プロンプト、ファイルの内容、APIキー、ツールの結果が入りうるので、共有する前に中身を確かめるよう、公式が書いています。セッションのログの置き場所は、読んだ範囲では明記が見つかりませんでした(/status paths で表示できる、とだけ書かれています)。

手元で動かす場合

前のガイド(02)で書いたとおり、公開されている重みは、自分のパソコンやサーバーで動かせます。この記事では、新しい公式の資料は読んでいません。僕らの見立てとして、手元で動かすと、入れた文章は自分の環境の中で処理されるので、アリババ側のサービスの規約は、その使い方には直接かかわらないはずです。ただし、モデルのライセンスは別の話で、ホスティングして他の人に使わせる場合は、ライセンスの条件が効いてきます(02を参照)。

最初の10分でやること

公式に書かれていた設定や手順を、順に並べます(動作確認はしていません)。「僕らの整理です」と書いたところは、公式の推奨ではありません。

  1. どの入口を使うかを決める。 Webとアプリ、QwenCloud、Model Studio、Qwen Codeのどれか。入口が決まると、見る規約が決まります(先の表)。
  2. Qwen Studioを使うなら、アカウントを作る前に qwen.ai/privacypolicy を、自分のブラウザで開いて読む。 僕らは本文を読めていません。上の「探す語」の一覧を使い、メモを残します(僕らの整理です)。
  3. Qwen Codeなら、~/.qwen/settings.json を開き、privacy.usageStatisticsEnabled と general.chatRecording の既定値が true であることを確認して、必要なら false にする。 chatRecording をオフにすると、--continue と --resume が使えなくなります。
  4. Qwen Codeの認証方式を確かめる。 起動時の選択か /auth のどれで入っているか(QwenCloudのページには settings.json に環境変数を置く方法もあります)。方式ごとに、規約の持ち主が違います。
  5. Model StudioかToken Planを使うなら、自分がどの契約の下にいるかを確かめる。 Token Plan個人版とCoding Planは、サービス契約5.2.2で、入力と出力をサービス改善とモデル最適化に使うことへの同意が求められています。チーム版は対象外と書かれています。仕事の内容を入れるなら、チーム版か、従量課金かを選ぶ、という整理は僕らの見立てです。
  6. APIで会話を保存したくないなら、Responses APIの store を false にする。 既定は true です。保存を止めても、メタデータ(トークン数、時刻、要求のID)が記録される、と公式に書かれています。store の説明は、Responses APIのリファレンスでは「このセッションで生成した応答を保存するかどうか」で、false だと保存されず、あとの呼び出しで previous_response_id から参照できなくなります。公式の基本の呼び出し例は次のとおりです(store を含まない形で、動作確認はしていません)。
import os
from openai import OpenAI

client = OpenAI(
  api_key=os.getenv("DASHSCOPE_API_KEY"),
  base_url="https://ap-southeast-1.maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1",
)

response = client.responses.create(
  model="qwen3.8-max",
  input="What can you do?"
)
print(response.output_text)

この呼び出しに store=False を足す形は、パラメーターの説明から僕らが組み立てたもので、公式の例そのものではありません。複数ターンで previous_response_id を使う設計なら、store=false と両立しない点(参照できなくなる)を先に決めておきます。 7. リージョンを選ぶ前に、データの置き場所の要件を確認する。 地理の範囲を限ったデプロイ範囲があるリージョン(フランクフルト、香港、東京、バージニア)では、ワークスペースを作るときに範囲を選びます。あとから変えられません。 8. APIキーは、環境変数などに置き、ソースコードに書かない。 QwenCloudの公式は、開発用と本番用でキーを分け、定期的に作り直すよう書いています。 9. Qwen Codeのメモリを見直す。 /memory で自動メモリのフォルダを開き、秘密が入っていないか確かめます。チームメモリを使う場合は、リポジトリに入ることを前提にします。.qwen/QWEN.local.md は .gitignore に自分で足します。 10. 入れてはいけない内容の線引きを、自分のメモに書く(僕らの整理です)。 パスワード、APIキー、他人の個人情報、会社の秘密。入口の規約を読み終えるまでは、入れない。

気をつけること

出典