3行でいうと

  • 公式サイト(geminicli.com)のドキュメントは、ほぼ全ページの先頭に「Gemini CLIは2026年6月18日にAntigravity CLIに置き換えられた」と出しています。対象は「無料枠(unpaid tier)とGoogle Oneの利用者」と書かれています。始める前に、これを必ず読んでください。
  • ログイン方式は、公式の認証ページに3つ書かれています。Googleアカウントでのログイン、Gemini APIキー、Vertex AIです。ただし、Googleアカウントでのログインのうち、個人向けの階層は、Code Assistの公式ページで「2026年6月18日から使えない」と書かれています。
  • 入れ方は npm install -g @google/gemini-cli が基本です。Node.js 20.0.0以上が要ります。入れずに試すなら npx @google/gemini-cli です。
  • 毎回読ませる指示は GEMINI.md に書きます。/init で下書きを作れ、/memory show で読み込まれた内容を確かめられます。
  • 無料枠の数字は、公式の文書の中でも場所によって違います。「Googleアカウント1日1,000件」「APIキー1日250件(Flashのみ)」などの記載は、告知と合わない可能性があります。

この記事は、公式のドキュメント、GitHub、ブログを2026年10月24日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。運営者はGeminiを入れていますが、使い心地はこの記事には書いていません。コマンド、設定名、画面の項目名は、公式の記載を写したもので、動作確認はしていません。公式のページは要約の形で取得したため、引用は最小限にして、ほとんどは言い換えています。読めなかったページと、読んだ範囲では見つからなかったことは、そのつど書きました。

先に結論

今日どの方式で始めるか:3行の早見表

下の表は、公式の記載(ブログ、Code Assistのページ、認証ページ)を僕らが並べ直したものです。どの行も、始める前に最新の告知を確かめてください。

手元にあるもの 公式の記載から読めること 読む節
有料のGemini APIキー ブログが、Gemini CLIを続けて使える道として挙げている 方式2
組織のCode Assist Standard・Enterpriseのライセンス ブログが「変更なし」と書いている。Google Cloudのプロジェクトが要る 方式1
個人のGoogleアカウントだけ Code Assistのページは、Gemini CLIでも「Login with Google」は使えないと書いている。認証ページの表とは食い違う 告知の節、最初の10分の0分

前提:用語をそろえる

まず確かめる:2026年6月18日の告知

ここは、この記事の中でいちばん大事な所です。公式の資料の中で、書かれていることが場所によって違います。読めたものを順に並べます。

読めた告知

公式の場所 書かれていること 日付 確かさ
Google Developers Blog Gemini CLIはAntigravityに統合され、Antigravity CLIが新しいターミナルの体験になる。2026年6月18日に、Gemini CLIとCode Assistのエディタ拡張は、Google AI Pro、Google AI Ultra、無料のCode Assist for individualsの要求の受け付けをやめる。Standard、Enterpriseは変わらず、Gemini CLIは有料のGemini APIキーなどで引き続き使える 2026年5月19日 文書に書かれている
Code Assistの公式ドキュメント(consumer accountsのページ) 2026年6月18日に、エディタ拡張が個人向け、AI Pro、AI Ultraの受け付けをやめた。Gemini CLIでも「Login with Google」は使えない。Standard・Enterpriseは別の廃止スケジュール 最終更新2026年10月9日 文書に書かれている
geminicli.comのドキュメント(ほぼ全ページの先頭) 「Gemini CLI was replaced by Antigravity CLI on June 18th, 2026.」対象は、無料枠とGoogle Oneの利用者。「Gemini 4 Argon」というモデルには最適化されておらず、Antigravityを案内している 各ページに更新日あり 文書に書かれている
GitHubのREADMEとReleasesのページ 取得した範囲では、置き換えの告知は見つからなかった(Releasesのv0.55.1には、Antigravityの名前を含む別件の変更履歴が1件あった)。READMEは、Googleログインの無料枠(1分60件、1日1,000件)などを書き続けている。Releasesの最新の安定版はv0.55.1(8月11日付)と表示された READMEの日付は読めていない 書かれていない(置き換えの告知が)

「Googleアカウントでのログイン」について、公式の資料は割れています。geminicli.comの認証ページ(2026年9月18日更新)は、個人のGoogleアカウント(無料のCode Assist for individualsと、有料のAI Pro、Ultra)も「Sign in with Google」を選べる、と書いています。一方、Code Assistの公式ページ(2026年10月9日更新)は、「Login with Google」はGemini CLIでも使えない、と書いています。合っていない理由は、読んだ範囲では分かりません。

僕らの見立てです。日付が新しく具体的に「使えない」と書くCode Assistのページと、5月のブログを先に信じるのが安全です。認証ページの表には、告知より前の書き方が残っている可能性があります。ただし、公式がそう書いているわけではありません。個人のGoogleアカウントで始めたい人は、実際にログインの画面で通るかどうかを確かめる必要があります。

「無料枠(unpaid tier)」は何を指すのか

告知の先頭文は、対象を「unpaid tier and Google One users」としています。この「unpaid tier」が、Googleアカウントの無料枠だけを指すのか、無料のAPIキーも含むのか。読んだ範囲では、説明が見つかりませんでした。ブログは、Gemini CLIが続けて使えるものとして「有料のAPIキー」を挙げていて、無料のAPIキーには触れていません。認証ページと料金ページは、無料のAPIキーを方式として書き続けています。

つまり、無料のAPIキーでこれから始められるかどうかは、僕らには決められていません。

Antigravity CLIに移る場合の、読めた範囲

ブログには、Antigravity CLIは2026年5月19日から誰でもダウンロードできる、と書かれています(antigravity.google/download)。移行ガイドで読めたのは、次の点です。

Antigravity CLIのインストールとログインの手順、料金や上限は、移行ガイドには書かれておらず、読めていません。この記事は、Gemini CLIの入口に絞ります。

インストール:入れる前の条件と、方法

条件(公式のInstallationページ)

項目 公式の記載
OS macOS 15以降、Windows 11 24H2以降、Ubuntu 20.04以降
メモリ 気軽な利用は4GB以上。長いセッションや大きなコードベースは16GB以上
実行環境 Node.js 20.0.0以上
シェル Bash、Zsh、またはPowerShell
場所 Gemini Code Assistが使える地域にいること(一覧は公式ページ)
ネットワーク インターネット接続が必要

Cloud ShellとCloud Workstationsには、Gemini CLIが最初から入っている、と書かれています。トラブルシューティングのページにも、Node.jsは20以上と書かれていて、2か所で合っています。地域の一覧は、読めていません。

入れ方(READMEとInstallationページ)

方法 コマンド 公式のどこに書かれているか
npx(入れずに使う) npx @google/gemini-cli README、Installation
npm(全体に入れる) npm install -g @google/gemini-cli README、Installation、Quickstart
Homebrew(macOS・Linux) brew install gemini-cli README
MacPorts(macOS) sudo port install gemini-cli README
Anaconda(制限された環境向け) 下のコード README、Installation

Anacondaの場合の、公式の例は次のとおりです。

conda create -y -n gemini_env -c conda-forge nodejs
conda activate gemini_env
npm install -g @google/gemini-cli

動かすときは、gemini と打ちます。入れずに試すときは npx @google/gemini-cli です。Installationのページには、GitHubのmainブランチから直接動かす npx https://github.com/google-gemini/gemini-cli も載っています。これは、公開されたばかりの未検証の版を動かすことになるので、初心者には向きません(僕らの見立てです)。

3つのリリースの種類

READMEには、リリースが3種類あると書かれています。

種類 インストール 公式の説明
安定版(stable) npm install -g @google/gemini-cli@latest 毎週火曜のUTC 20:00に公開。前の週のプレビュー版に、修正を足したもの。標準はこれ
プレビュー(preview) npm install -g @google/gemini-cli@preview 毎週火曜のUTC 23:59に公開。十分に検証されておらず、不具合が入っている可能性がある
ナイトリー(nightly) npm install -g @google/gemini-cli@nightly 毎日UTC 0:00に、mainブランチから公開。検証待ちの問題がある前提で使う

初めての人は、安定版(@latest または、何も付けないとき)がいちばん安全です。これは、公式が安定版を標準としていることからの僕らの整理です。

更新とアンインストール

入れ方 コマンド(公式の表記)
npx macOS・Linux:rm -rf "$(npm config get cache)/_npx"。Windows(PowerShell):Remove-Item -Path (Join-Path $env:LocalAppData "npm-cache\_npx") -Recurse -Force
npm npm uninstall -g @google/gemini-cli
Homebrew brew uninstall gemini-cli
MacPorts sudo port uninstall gemini-cli

npxのキャッシュを消すコマンドは、ほかのnpxで動かしたパッケージのキャッシュも消える、と公式が書いています。設定フォルダの ~/.gemini を消す方法は、このページには書かれていませんでした。

ログイン方式:3つの道を比べる

公式の認証ページ(geminicli.com、2026年9月18日更新)が示している選び方の表です。

場面 方式 Google Cloudのプロジェクトは要るか 公式の記載の確かさ
個人のGoogleアカウント Googleでログイン 例外を除いて要らない 文書に書かれている(ただし上の告知と合わない)
会社・学校・Workspaceの利用者 Googleでログイン 要る 文書に書かれている
AI StudioのAPIキーを持つ人 Gemini APIキー 要らない 文書に書かれている
Vertex AIの利用者 Vertex AI 要る 文書に書かれている
ヘッドレス(人が画面の前にいない実行) Gemini APIキーまたはVertex AI APIキーは要らない。Vertex AIは要る 文書に書かれている

認証ページでは、個人のアカウントに、無料のGemini Code Assist for individualsと、有料のGoogle AI Pro、Ultraを含めています。組織のアカウントは、会社・学校・Workspaceを通した有料のライセンスで、Google AI Ultra for Businessも含まれる、と書かれています。

方式1:Googleでログイン

公式の手順は、gemini を動かし、「Sign in with Google」を選び、ブラウザで入る、です。認証情報は、パソコンの中に保存され、次回から使われます。ブラウザは、ターミナルと同じパソコンから届く場所で動く必要がある、と書かれています。

Google Cloudのプロジェクトが要る場合は、次のとおりです。

その場合の手順は、プロジェクトのIDを調べ、「Gemini for Cloud API」を有効にし、必要なIAMの権限を設定し、環境変数を設定する、です。公式の例は次のとおりです。

export GOOGLE_CLOUD_PROJECT="YOUR_PROJECT_ID"
gemini

PowerShellでは $env:GOOGLE_CLOUD_PROJECT="YOUR_PROJECT_ID" です。GOOGLE_CLOUD_PROJECT_ID という名前も使えると書かれていますが、CLIはまず GOOGLE_CLOUD_PROJECT を見ます。ページの中で2つの名前が混ざっているので、GOOGLE_CLOUD_PROJECT に揃えるのが無難です(これは僕らの見立てです)。権限の具体的な名前(IAMのロール)は、読めていません。

方式2:Gemini APIキー(Google AI Studio)

公式の手順は次のとおりです。

  1. Google AI Studio(aistudio.google.com/app/apikey)でキーを作る。READMEには、aistudio.google.com/apikey とも書かれています。
  2. 環境変数に入れる。macOS・Linuxは export GEMINI_API_KEY="YOUR_GEMINI_API_KEY"。PowerShellは $env:GEMINI_API_KEY="YOUR_GEMINI_API_KEY"。
  3. gemini を動かして、「Use Gemini API key」を選ぶ。

公式は、キーを機密の認証情報として扱い、無断で使われないよう守るように、と注意しています。ブログの記載では、続けて使えるのは「有料のGemini APIキー」です。無料のキーの扱いは、前の節のとおり、確認できていません。

方式3:Vertex AI

どの手順でも、次の2つの環境変数が要ります。

そのうえで、3通りの認証があります。いずれも、設定したあと gemini を動かして「Vertex AI」を選びます。

認証のしかた 向いている場面(公式の記載) 手順の要点
A. ADC(gcloud経由) Google Cloud CLIが入っている GOOGLE_API_KEY と GEMINI_API_KEY を外し、gcloud auth application-default login を実行
B. サービスアカウントのJSONキー 人が操作しない環境、CI/CD、ユーザー単位の認証やAPIキーの作成を制限している組織 サービスアカウントとキーを作り、「Vertex AI User」ロールを付け、GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALS にJSONの絶対パスを入れる
C. Google CloudのAPIキー キーで済ませたいとき GOOGLE_API_KEY="YOUR_GOOGLE_API_KEY" を設定

Cのキーを使うと「API keys are not supported by this API...」のようなエラーが出る場合は、組織がAPIキーを制限している可能性があるので、AかBを使う、と書かれています。READMEの例では、Vertex AIのキーの場合は、GOOGLE_API_KEY に加えて GOOGLE_GENAI_USE_VERTEXAI=true を設定する書き方でした。認証ページの手順には、この変数は出ていません。2つのページで書き方が違うので、どちらが今の標準かは、読んだ範囲では決められていません。

環境変数を、毎回打たなくて済むようにする

公式が挙げている方法は2つです。

方法 公式の記載 気をつける点
シェルの起動ファイル ~/.bashrc、~/.zshrc、~/.profile に export の行を足し、source ~/.bashrc で読み込む。PowerShellは $PROFILE そのシェルから動かしたすべてのプロセスが、キーや認証ファイルのパスを読める、と公式が注意している
.env ファイル プロジェクトのフォルダ、またはホームの .gemini/.env。CLIは、今いる場所から上へたどって最初に見つかった .env を読み、そのあと ~/.gemini/.env(Windowsは %USERPROFILE%\.gemini\.env)を見る 見つかった最初の1つだけを使い、複数のファイルは混ぜない

.env は、1行に1つ 名前=値 を書くファイルです。たとえば、ホームの ~/.gemini/.env に次の1行を書きます(形は僕らの例で、公式のページにそのままのコード例があったわけではありません)。

GEMINI_API_KEY="YOUR_GEMINI_API_KEY"

プロジェクトの .env にキーを書くと、Gitで共有したときにキーも出てしまうおそれがあります。置くなら、ホームの ~/.gemini/.env のほうが安全です(僕らの見立てです)。

Google Cloudの上で動かす場合、ヘッドレスの場合

どの方式で、どの規約が適用されるか

公式の利用規約のページ(2026年4月10日更新)は、方式ごとに適用される規約を分けています。個人のGoogleアカウントはGoogleの利用規約とCode Assist for individualsのプライバシー通知(AI Pro、UltraはGoogle One追加利用規約も)。Code AssistのStandard、EnterpriseとVertex AIのキーはGoogle Cloudの規約とプライバシー通知。Gemini APIキーは、無料なら「Unpaid Services」、有料なら「Paid Services」の部分です。このページは、学習に使われるかどうかを方式ごとには書いていません。それぞれの規約を読む必要があります。利用統計は、設定で止められると書かれています(プライバシーポリシーとの関係は読めていません)。また、第三者のソフトを通してGemini CLIのOAuthでサービスに入ると、規約違反でアカウントの停止につながりうる、とあります。無料のAPIキーの入出力が改善に使われうる点は、前のガイド(03)に書いたとおりです。

無料枠の公式の記載:場所ごとの数字を並べる

ここは、公式の資料のどれを見るかで、数字が変わります。取得できた範囲を、日付つきで並べます。

公式の場所 方式 無料の上限の記載 更新日など
geminicli.com「Quota and pricing」 Googleアカウント(Code Assist for individuals) 1ユーザー1日あたり、モデルへの要求が最大1,000件。モデルはGemini CLIが選ぶ 2026年6月18日更新(先頭に告知あり)
同じページ Gemini APIキー(無料) 1ユーザー1日あたり250件。Flashモデルのみ 同上
同じページ Vertex AIのExpress Mode 90日間は課金なしで使える。上限とモデルはアカウントごとに違う 同上
GitHubのREADME Googleでログイン 1分あたり60件、1日1,000件。Gemini 3のモデルと、100万トークンのコンテキストを挙げている 日付は読めていない
同じREADME Gemini APIキー 1日1,000件(Gemini 3、FlashとProの混合) 同上
同じREADME Vertex AI 請求先アカウントがあれば、より高い上限。無料枠の記載は読んだ範囲では見つからなかった 同上

注意点です。

APIの料金や無料の上限のモデルごとの数字は、前のガイド(03)にまとめました。ここでは、読めた数字だけを載せ、確かめられない数字は書いていません。

GEMINI.md:毎回の説明を省く

前のガイド(04)に、GEMINI.mdの仕組みの概要は書きました。ここでは、実際に作って使う手順に進みます。公式のgemini-mdのページと、メモリ管理のチュートリアルによると、次のとおりです。

どこに置くか、どう読まれるか

場所 公式の説明
~/.gemini/GEMINI.md 全体用。すべてのプロジェクトの既定の指示
プロジェクトのフォルダと、その親のフォルダの GEMINI.md プロジェクト固有の指示
ツールが触ったファイルやフォルダと、その親(信頼されたルートまで)にある GEMINI.md 必要になったときにだけ読み込まれる(JIT)。部品ごとの指示を、必要なときに見つけるため

見つかったファイルは、すべてつなげて、毎回のプロンプトと一緒に送られます。CLIの画面の下には、読み込まれたコンテキストファイルの数が出る、と書かれています。チュートリアルの例では、プロジェクトのルートの ./GEMINI.md と、サブフォルダの ./src/GEMINI.md が挙がっています。

作る

  1. プロジェクトのルートに、GEMINI.md という名前のファイルを作る。
  2. Markdownで指示を書く。チュートリアルの例は「スタイルはTailwind CSSを使い、独自のCSSは書かない」という趣旨の1行です。
  3. 新しいセッションを始めると、自動で読み込まれる。

下書きを作らせるには、/init です。コマンド一覧に、現在のフォルダから、プロジェクト用の GEMINI.md を作る、と書かれています。

公式のgemini-mdのページにあるサンプルは、次のとおりです(TypeScriptのライブラリ向け。コピーして、自分のプロジェクトに合わせて書き換えられます)。

# Project: My TypeScript Library

## General Instructions

- When you generate new TypeScript code, follow the existing coding style.
- Ensure all new functions and classes have JSDoc comments.
- Prefer functional programming paradigms where appropriate.

## Coding Style

- Use 2 spaces for indentation.
- Prefix interface names with `I` (for example, `IUserService`).
- Always use strict equality (`===` and `!==`).

一般的な指示(既存のコードスタイルに従う、JSDocを付ける、適切なら関数型を好む)と、コードスタイル(2スペース、インターフェース名の頭に I、=== と !==)に分けて書いています。「具体的に書くほど守られやすい」といった書き方のコツは、読んだ公式ページには見つかりませんでした。

確かめる、読み直す、分ける

「覚えて」と頼む方法もあります。チュートリアルによると、設定ファイルなしに、チャットで「constをletより優先して使うのが好み、と覚えて」のように頼むと、エージェントが適切なメモリのMarkdownファイルを書き換え、次のセッションから読み込まれます。このメモリファイルの正確な場所は、このページには書かれていませんでした。

コマンドの書き方に、公式のページ同士で違いがあります。コマンドリファレンスのページは /memory list|refresh|show と書いていて、reload は載っていません。チートシートとチュートリアル、gemini-mdのページは /memory reload と書いています。どちらが今の動作と合うのかは、この記事では動作を確かめていないので、決められていません。動かなかったら、もう一方を試すことになります。

書かれていないこと

最初の10分でやること

公式に書かれている手順を、僕らが並べ直したものです。順番や「練習用のフォルダで」という進め方は、僕らの整理です。根拠は括弧に書きました。

0分:どの道で始めるかを決める。 有料のGemini APIキー、Google Cloudのプロジェクト、組織のCode Assistのライセンスのどれかがあれば、この記事の方式で進めます。個人のGoogleアカウントしかない場合は、ログインが通らない可能性が高いので(上の告知)、手順4で確かめます。通らなければ、ブログのAntigravity CLIの案内を読みます。

1分:環境を確かめる。 node -v でNode.jsが20.0.0以上か見ます。Code Assistが使える地域かも、公式の一覧で確かめます(Installation)。

2分:入れる。 npm install -g @google/gemini-cli(Quickstart)。試すだけなら npx @google/gemini-cli。gemini -v で版が出れば成功です(FAQ)。「command not found」はPATHの問題の可能性がある、と公式にあります(Troubleshooting)。

3分:練習用のフォルダを作って入る。 大事なファイルがない新しいフォルダにします。Gemini CLIは、ファイルを書き、コマンドも動かせるからです(僕らの整理)。

4分:ログインする。 - APIキー:export GEMINI_API_KEY="..." を設定して gemini を動かし、「Use Gemini API key」を選びます(Authentication)。 - Googleアカウント:gemini を動かし、「How would you like to authenticate for this project?」で「1. Sign in with Google」を選び、アカウントを選んで「Sign in」を押します(Quickstart)。会社・学校のアカウントは、プロジェクトの設定が要ることがあります。 - あとで方式を変えるときは、/auth のダイアログを使います(コマンド一覧)。

5分:確認を読みながら1つ頼む。 承認モードの標準は default です(Configuration)。--yolo(-y)はチートシートで非推奨とされ、--approval-mode=yolo が示されています。最初は使いません(僕らの見立て)。Quickstartの例は、ファイル名の変更、リポジトリを読んで説明、CSVの結合、テストを書く、などです。実行の前に許可を求められ、「Allow once」を選べる、とあります。例は可能性の紹介で、結果はモデルや環境で変わる、と公式が断っています。

6分:@ でファイルを見せる。 @<パス> で中身をプロンプトに入れられます。Gitで無視されるファイルは、標準で除外されます(コマンド一覧)。

7〜8分:/init で GEMINI.md を作る。 できた内容を読んで直し、/memory show で読み込まれた内容を確かめます。

9分:使用量を見て終わる。 /stats model で使用量と上限を見ます(Quickstart)。/quit で終わります(--delete を付けると、そのセッションの履歴と一時ファイルも消える、とコマンド一覧にあります)。

この手順を、動かして確かめたものではありません。

最初に覚えるコマンド

公式のチートシートとコマンド一覧から、始めに役立つものを選びました。

書き方 意味(公式の記載の要約)
gemini 対話型で始める
gemini -p "質問" 対話せずに1回だけ質問する(ヘッドレス)
gemini -r "latest" 直近のセッションを続ける
gemini update 最新版に更新する
--approval-mode <モード> default、auto_edit、yolo、plan のどれか
-s, --sandbox サンドボックスの中で動かす
/init GEMINI.md の下書きを作る
/auth 認証方式を切り替える
/stats [session\|model\|tools] 使用量、モデルの使用量と上限、ツールの使用量
/memory GEMINI.md の確認と読み直し(上の食い違いを参照)
/restore ツールが動く前のファイルの状態に戻す。IDなしだと一覧を出す。チェックポイントを設定している場合だけ使える、とコマンド一覧にある
/plan 読むだけのプランモードにする
/quit 終了する
!コマンド シェルのコマンドを直接動かす。手元のパソコンのシェル(bash、Windowsはpowershell.exe)でそのまま動く

モデルの別名は、チートシートに auto(gemini-2.5-pro または gemini-3-pro-preview)、flash(gemini-2.5-flash)などと書かれていました。このページの更新日は2026年5月1日で、モデル名は変わりやすいので、いま使える名前は公式の表示で確かめてください。

安全のための最初の3つ

前のガイド(04)で、承認モードやポリシーエンジンの全体像を書きました。ここでは、始める前に押さえたい3つに絞ります。

1. Trusted Folders(フォルダを信頼するか)

公式のページ(2026年4月23日更新)によると、これは、プロジェクトのフォルダを承認してから、そのプロジェクト固有の設定を読み込む安全機能です。Trusted foldersのページは「標準ではオフ」とし、ユーザーの settings.json に次のように書くと有効になる、と説明しています。一方、設定リファレンスは既定値を true としていて、どちらが今の動作かは、読んだ範囲では決められていません。次の1行を自分で書いて有効にしておくのが確実です。

{ "security": { "folderTrust": { "enabled": true } } }

有効にすると、「Trust folder」(このフォルダを信頼)、「Trust parent folder」(親と、その下すべてを信頼)、「Don't trust」(制限された安全モード)から選びます。選ぶ前に、そのフォルダにあるコマンド、MCPサーバー、フック、スキル、設定の上書きの一覧と警告が出ます。

信頼しないフォルダでは、プロジェクトの .gemini/settings.json と .env が読み込まれず、拡張機能の導入・更新・削除ができず、ツールの自動承認が無効になり(必ず確認が出る)、MCPサーバーはつながらず、独自の .toml コマンドも読み込まれません。結果は ~/.gemini/trustedFolders.json に保存され、現在のフォルダの信頼は /permissions で変えられます。人が答えられないヘッドレスやCIで信頼されていないフォルダを開くと、FatalUntrustedWorkspaceError で終了します。避けるには --skip-trust か、環境変数 GEMINI_CLI_TRUST_WORKSPACE=true で、そのセッションだけ信頼します。

他人が作ったプロジェクトを開くときは、確認を読んで、迷ったら信頼しないのが安全です(僕らの見立てです)。

2. 承認モード

チートシートでは、--approval-mode は default、auto_edit、yolo、plan の4つです。設定ファイルの general.defaultApprovalMode は、標準が "default" で、"default"、"auto_edit"、"plan" を受け付け、YOLOはコマンドラインからしか有効にできない、と書かれています。同じ設定リファレンスには、security.disableYoloMode(標準は false)という設定があり、「YOLOモードを、フラグで有効にされても無効にする」という趣旨の説明です。共有の環境でYOLOを使わせたくないときの手がかりになります(使い方の例は読めていません)。前のガイド(04)は、承認モードを autoEdit と書きました。Policy Engineのページがそう書いていたためです。今回読んだチートシートと設定のページは auto_edit です。新しい書き方に合わせて、04の書き方は、こちらを優先してください。

3. サンドボックス

公式のページ(2026年7月17日更新)によると、有効にする方法は、フラグ -s または --sandbox、環境変数 GEMINI_SANDBOX=true(または docker、podman、sandbox-exec、runsc、lxc)、settings.json の tools の下の "sandbox": true です。優先順位はこの順です。なお設定リファレンスは、tools.sandbox を「Legacy full-process sandbox execution environment」(古い、プロセス全体のサンドボックス)と説明し、値は真偽値、サンドボックスのプロファイルのパス、明示的なコマンドのどれか、標準は未設定(undefined)と書いています。標準の状態は明記されておらず、「次の方法で有効にする」という書き方から、標準ではオフと読めます(僕らの読みです)。方法には、macOSのSeatbelt、Docker・podman(既定のイメージは ghcr.io/google/gemini-cli:latest)、gVisor(Linux)、LXC(Linuxで実験的)などがあります。公式は、サンドボックスは「リスクを減らすが、すべてを防ぐわけではない」という趣旨で、GUIのアプリは動かないことがある、とも書いています。

つまずいたとき(公式のTroubleshootingより)

症状 公式の説明
gemini が見つからない インストールが正しくないか、PATHに入っていない。npmの全体用の実行ファイルの場所をPATHに入れ、npm install -g @google/gemini-cli@latest を実行
「You must be a named user on your organization's Gemini Code Assist Standard edition subscription…」 多くは GOOGLE_CLOUD_PROJECT か GOOGLE_CLOUD_PROJECT_ID が設定されているとき。個人は両方を外す(.bashrc、.zshrc、.env も確認)。組織の人は、管理者に購読への追加を頼む
「Failed to sign in… not currently available in your location」 その地域では使えない。Code Assistの対応地域を確認
「Request contains an invalid argument」 WorkspaceやGmailにひもづくGoogle Cloudのアカウントでは、無料枠を有効にできないことがある。GOOGLE_CLOUD_PROJECT を設定するか、AI StudioのAPIキーを使う
証明書のエラー(UNABLE_TO_GET_ISSUER_CERT_LOCALLY など) ファイアウォールがTLSを検査している可能性。まず NODE_USE_SYSTEM_CA=1。だめなら NODE_EXTRA_CA_CERTS に会社のルートCAのパスを指定

プロキシの設定手順と、429(上限超過)の対処は、このページには見つかりませんでした。ページの先頭にも「無料枠とGoogle OneはAntigravity CLIに置き換えられた」という告知があり、ログインで失敗したときは、まずこれを確認します。

気をつけること

出典