3行でいうと

  • AIは、関数の名前や書き方を教えてくれる「先生役」に向いています。ただし、OpenAIの公式ヘルプも、AIの答えは自信ありげでも間違うことがあるので、大事なものは確かめるよう書いています。
  • 答え合わせの相手は、Microsoftの関数の公式ページです。構文と引数が並んでいて、AIの数式と見比べられます。
  • 最初は、答えが自分で分かる小さな表で動きを見ます。本物の名簿や給与表は貼らず、個人の情報は伏せます。

この記事は公式の文書を読んでまとめたもので、実際に使って確かめた記録ではありません。例の表と頼み方の文は僕らが作ったもので、公式のものではありません。数式の例は、Microsoftのページに載っているものを使っています。Excelにもともと入っているAI機能や、各社のAIでExcel作業を楽にする話は、別の記事で扱っています。この記事は「関数を教えてもらう」ところに絞ります。

先に結論

公式の文書を読んで言えることは、次の4つです。

  1. AIは先生役、公式ページは答え合わせ。 OpenAIのヘルプは、AIの出力を最初の下書きとして扱い、大事なことは確かめるよう書いています。関数なら、Microsoftの公式ページが確かめ先になります。
  2. 頼むときは、表の中身を言葉で書く。 何列目に何があるか、何を出したいか。これがないと、AIは想像で数式を書くしかありません。
  3. Excelのバージョンで、使える関数が違う。 新しい関数XLOOKUPは、Microsoftのページに対応する版が書かれています。古い版では使えないことがあります。
  4. 小さな表で、結果を確かめてから本番に使う。 数式が動くことと、正しいことは別です。

たとえ話:教えてくれる先輩と、取扱説明書

僕らのたとえです。公式の文書にあるものではありません。

職場で、Excelに詳しい先輩に「この表で、商品名から単価を出したいんですが」と聞いたとします。先輩は、さらっと数式を書いてくれます。たいていは合っていますが、先輩も人間なので、列の位置を勘違いすることはあります。そこで、手元の取扱説明書(公式ページ)を開いて、関数の書き方と照らします。

AIは、いつでも聞ける先輩です。公式ページは、取扱説明書です。両方を使うのが、最初の1回のコツです。

数式の基本を、公式ページで3つだけ確認する

Microsoftの「Excelの数式の概要」のページで読んだ基本です。

選んだセルの数式は、数式バーで見られます。

関数の説明を、公式ページで読む

AIが挙げてくる関数のうち、初心者が最初に出会いやすいものを3つ、公式ページで確かめました。

関数 何をするか(公式ページの説明の言い換え) 最初に気をつける点
IF 条件を調べて、当てはまれば1つの値、当てはまらなければ別の値を返す 文字は引用符で囲む。値の引数が欠けると、0が出ることがある
VLOOKUP 表の左端の列で値を探して、同じ行の別の列の値を返す 省略すると「近似一致」になる。探す列は左端でなければならない
XLOOKUP 探す範囲と、返す範囲を別々に指定して、一致した値を返す 使える版が限られる。見つからないときは #N/A が既定
公式ページに書かれていた、関数ごとの細かい点

2026年10月22日に読み直した内容です。

IF

  • 書き方は IF(条件, 当てはまるときの値, [当てはまらないときの値]) です。
  • ページの例に、=IF(C2>B2,"Over Budget","Within Budget")(予算を超えたら「超過」と出す)があります。
  • 文字は引用符で囲みます。TRUEとFALSEだけは、引用符が要りません。IFを入れ子にして、いくつもの比較ができます。
  • NAME? は、多くの場合、関数名のつづり間違いです。

VLOOKUP

  • 書き方は VLOOKUP(探す値, 表の範囲, 返す列の番号, [一致の種類]) です。列番号は、範囲の左端を1として数えます。
  • 一致の種類を省略すると、TRUE(近似一致)になります。近似一致は、左端の列が小さい順に並んでいる前提で、いちばん近い値を返します。並んでいないと、思わぬ値が返ります。ぴったり一致を求めるときは、FALSEと書きます。
  • ページの例に、=VLOOKUP("Fontana",B2:E7,2,FALSE) があります(「Fontana」を完全一致で探して、2列目を返す)。
  • 数値や日付は文字ではなく数値として入れること、前後の空白を取り除くこと、式を下にコピーするなら探す範囲を絶対参照にすることが、ページに書かれています。
  • エラーの原因として、#N/A(見つからない)、#REF!(列番号が範囲の列数より大きい)が挙げられています。

XLOOKUP

  • 書き方は XLOOKUP(探す値, 探す範囲, 返す範囲, [見つからないときの値], [一致の種類], [探し方]) です。
  • 返す範囲が、探す範囲の左右どちらにあっても使えます。列番号を数える必要がありません。
  • 一致の種類を省略すると完全一致、見つからないときの値を省略すると #N/A です。
  • 探し方に「二分探索」(2か-2)を選ぶと、データが並べ替えてあることが前提で、並べ替えていないと間違った値が返ります。
  • 使える環境として、Microsoft 365、Excel 2024、Excel 2021、iPad・iPhone・Android版のExcelが書かれています。Excel 2016と2019は、ページの冒頭の対象欄には出ていますが、注記では使えないと書かれていて、記載が食い違っているように読めます。どちらが正しいかは、僕らには確認できていません。

最初の1回のやり方

公式ページの内容と、OpenAIのヘルプの注意をもとに、僕らが組み立てた手順です。

1. 小さな練習用の表を作る。 たとえば、A列に商品名、B列に単価の表を、5行ほど作ります。答えが自分で分かる程度の大きさにします。

2. 表の中身と、やりたいことを書いて頼む。 僕らの例です。

Excelで、商品の単価表を使っています。
A列に商品名、B列に単価が入っています(2行目から6行目)。
D2に商品名を入れると、E2に単価が出るようにしたいです。
使うExcelのバージョンは〇〇です。
関数の名前と、それが何をするものかも、初心者向けに教えてください。

「バージョン」を書く理由は、XLOOKUPのように、版で使える関数が違うからです。分からなければ「分からない」と書いてかまいません。頼み方の一般的なコツは、別の記事で扱っています。

3. 出てきた数式を、セルに入れる。 先頭が「=」になっているかを見ます。

4. 公式ページで、関数名と引数を確かめる。 AIが「VLOOKUP」と言ったなら、MicrosoftのVLOOKUPのページを開いて、引数の数と順序が合っているかを見ます。とくに最後の「一致の種類」が、FALSE(完全一致)になっているかを見てください。単価表のようにぴったり一致させたい場面で省略(近似一致)すると、意外な値が返ることがあります。

5. 答えが分かっている行で、確かめる。 商品名を入れて、出てきた単価が、表と同じか。1行だけでなく、上の行、下の行、表にない商品名でも見ます。表にない商品名でどうなるか(#N/A)も、公式ページに書かれた動きと合っているか、確かめます。

6. 分からない所は、そのまま聞き返す。 「この$記号は何?」「この数式を、部品に分けて説明して」と聞けます。

誤解されやすい点

「数式がエラーなく動けば、正しい」 動くことと、正しいことは別です。VLOOKUPは近似一致が既定のため、並べ替えていない表では、エラーを出さずに別の値を返すことがある、と公式ページに書かれています。

「新しい関数ほどよい」 XLOOKUPは、公式ページでVLOOKUPと比べながら説明されていて、返す範囲を探す範囲の左右どちらにも置けるため、列番号を数えなくてよい便利な関数です。ただし、使える版に条件があります。自分や、ファイルを渡す相手のExcelの版で動くかを、先に確かめる必要があります。

「ファイルを渡せば、AIが全部やってくれる」 OpenAIのヘルプには、ExcelやCSVのファイルを渡してデータを分析する機能が書かれています。ただ、大きく複雑なファイルは、すべてを分析できないことがあり、AIが選ぶ計算の方法が意図と違うこともある、とあります。関数を1つ教わる使い方は、ファイルを渡さなくても始められます。

今日からできること/やってはいけないこと

できること

やってはいけないこと

見立てです。最初の1回は、関数を覚えるというより、「AIの数式を、公式ページと自分の目で確かめる習慣」をつける回だと思います。

気をつけること

出典

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