3行でいうと
- Googleの面接準備の記事は、模擬面接の方法のひとつとしてAIを挙げ、Geminiの声の機能(Gemini Live)で、面接のやり取りとフィードバックを練習する例を紹介しています。
- 声で練習できる機能は、ChatGPT、Gemini、Claudeにあります。ただし、音声の保存期間、利用の上限、対応する端末は、サービスごと・プランごとに違います。
- AIの講評は、本物の面接官の評価ではありません。履歴書の内容など個人の情報は、伏せて入れます。
この記事は公式の文書を読んでまとめたもので、実際に使って確かめた記録ではありません。AIへの頼み方の文は僕らが作った例で、公式のものではありません。「見立てです。」で始まる段落は僕らの考えで、公式に書かれたこととは分けています。
先に結論
公式の文書を読んで言えることは、次の4つです。
- 面接準備に、AIは「模擬面接の相手」として使える、とGoogleが紹介しています。 Googleの記事は、友人や指導者、録画と並べて、AIの道具を選択肢に入れています。
- 練習は3段階に分けられます。 想定される質問を出す、声か文字で答える、答えを振り返る。
- 声の機能は、保存の扱いが各社で違います。 ChatGPTは、条件つきで音声を30日間保存します。Claudeは、会話の文字起こしを履歴に残します。Geminiは、終了後に文字起こしが出ます。
- AIの講評は、練習の材料です。 本番の合否を予想するものではありません。
たとえ話:リハーサルに付き合ってくれる友人
僕らのたとえです。公式の文書にあるものではありません。
面接の前に、友人に面接官役を頼んで、何度か練習する人がいます。友人は、質問を投げて、答えを聞いて、「今の話、結果が分かりにくかったよ」と言ってくれます。AIは、夜中でも付き合ってくれる友人のようなものです。ただし、友人は、その会社の面接官ではありません。「こう聞かれるかも」を一緒に考えてはくれますが、本番で何を聞かれるか、どう評価されるかは知りません。
3段階で考える
1. 質問を出してもらう
Googleの面接準備の記事(2025年12月11日公開)は、質問を4種類に分けています。
- 「自己紹介をしてください」のような質問。記事は、30〜60秒で、技能と応募先との相性を伝えるよう勧めています。
- 行動についての質問(「困難を乗り越えた経験は」など)。
- 状況や技術についての質問(「こういう場面ではどうしますか」)。
- 強みと弱み、数年後の姿、のような一般的な質問。
記事は、求人の説明書きにある仕事の内容と必要な技能を読んで、聞かれそうな質問を予想することも勧めています。ここは、AIに手伝ってもらいやすい作業です。求人の文を貼って、「この仕事の面接で聞かれそうな質問を出して」と頼む、という使い方ができます(僕らの提案です。この頼み方が公式に書かれているわけではありません)。
2. 声か文字で、答える
練習の形は、文字のやり取りと、声のやり取りがあります。声の機能は次のとおりです。
| サービス | 公式ヘルプに書かれていたこと | 保存・学習の扱い |
|---|---|---|
| ChatGPT(OpenAI) | 設定の「Voice」に、Live、Advanced、Standardの3つのモードがある。Freeは、Liveが限定的に使える | Live・Advancedの音声は、文字起こしと一緒に30日間保存。音声は、本人が許可しない限り学習に使われない(文字起こしは別の設定) |
| Gemini(Google) | 声で会話でき、割り込める。用途に会話のリハーサルが挙げられている。このページはAndroid版の説明で、iPhone・iPad版は別ページになっている | 終了すると文字起こしが出る。データの扱いは、別のプライバシーのページを参照とある |
| Claude(Anthropic) | 全プランで、スマートフォン、パソコン、ウェブから使える。ベータ版。多くの言語に対応するが、英語以外はベータ | 文字起こしが履歴に残る。声のデータの学習への使われ方は、このページには書かれていない |
声の機能の、公式ヘルプの細かい点(2026年10月22日に読み直した時点)
ChatGPT Voice(OpenAIのヘルプ)
- Liveの利用時間は、プランごとに24時間あたりの上限があります。たとえばPlusは3時間、と書かれています。Freeは「限定的で、変わることがある」とだけ書かれています。
- Standardは、声を文字にしたあと、音声を削除します。
- 音声や動画は、設定でオプトイン(自分で許可)しない限り、学習に使われません。ただし、「Improve the model for everyone」がオンだと、文字起こしなどが学習に使われることがあります。
- 文字起こしは、逐語ではないと書かれています。背景の雑音や、ほかの人の声で、割り込みが起きることもあります。ヘッドホンや、静かな部屋が役立つとあります。
Gemini Live(Geminiのヘルプ)
- 他の人を録音したり、会話に参加させたりするときは、許可を得るよう書かれています。
- このページには、Gemsは使えないとも書かれています。ページに更新日の記載はなく、iPhone・iPad版は別ページなので、自分の端末で使えるかは、そちらで確かめる必要があります。
Claudeの音声モード(Claudeのヘルプ)
- 「ハンズフリー」(自然な間で返事)と「押して話す」の2つがあります。静かな場所では前者、騒がしい場所では後者が向く、と書かれています。
- 声の言語は、設定の中の音声の言語の欄で選びます。画面の表示言語を変えても、声の言語は変わらない、と書かれています。
- 音声での会話も、通常の利用上限に数えられます。
3. 答えを振り返る
Googleの記事は、行動についての質問に、STAR法で答えるよう勧めています。STARは、状況(Situation)、課題(Task)、行動(Action)、結果(Result)の頭文字です。記事は、結果は、測れる成果か、そこで学んだことを書くよう勧めています。
振り返りの頼み方の例です(僕らの例です)。
さっきの私の答えを、STARの4つに分けて整理してください。
どの部分が足りないか、聞いた人が分かりにくい所はどこか、教えてください。
結果の部分は、数字を入れるとしたら何が考えられるか、質問の形で聞いてください。
最後の一文は、AIに答えを作らせるのではなく、自分で思い出すための質問にさせるためです。AIが数字をそれらしく作ってしまうと、本当のことでなくなります。
面接官役の頼み方
AIへの頼み方の公式ページ(AnthropicとOpenAI)が共通して書くのは、はっきり頼むこと、背景を書くこと、返事を見て直すことです。Anthropicの開発者向け文書は、AIに役割を1文で与えるだけでも違いが出る、としています。これを面接に当てはめた例です(僕らの例です)。
あなたは、〇〇業界の会社の面接官です。
私は、△△の仕事に応募する人です。求人の説明は次のとおりです。
(求人の文を貼る)
質問は1回に1つだけしてください。私が答えたら、次の質問に進んでください。
5問終わったら、全体の講評をください。
「1回に1つだけ」は、本番に近づけるための僕らの工夫です。公式に書かれた指示ではありません。うまくいかなければ、「もう少し厳しく」「質問を短く」と、返事を見て直します。
誤解されやすい点
「AIが褒めたから、本番も大丈夫」 AIの講評は、本物の面接官の評価ではありません。見立てです。AIは、頼まれた役割に沿って答えるので、褒める役の頼み方をすれば、褒めると思います。「厳しめに」と頼むなど、頼み方で講評が変わることは、頭に置いてください。
「声で練習すれば、いつでも同じように使える」 声の機能は、端末やプランで、使える範囲が違います。GeminiのヘルプのこのページはAndroid端末向けの説明で、iPhone・iPad版は別のページです。ChatGPTのFreeは、限定的です。使える見込みは、自分のスマートフォンで、公式のページを開いて確かめてください。
「録音は残らない」 ChatGPTの声は、30日間保存されうると書かれています。Claudeは、文字起こしが履歴に残ります。履歴の扱いは、各社の設定で確かめてください。
今日からできること/やってはいけないこと
できること
- まず、文字のやり取りで、自己紹介を30〜60秒の長さで言えるかを、AIに見てもらう。
- 志望先の求人の文を貼って、聞かれそうな質問を出してもらう。
- 行動についての質問には、STARの4つに分けて答えを書く。
- 余裕があれば、声で1回だけ通しで練習する。
やってはいけないこと
- 履歴書や職務経歴書を、氏名、住所、連絡先、前の職場の実名つきで、そのまま貼らない。個人情報保護委員会は、入力した個人情報が機械学習に使われることがあると注意し、利用規約やプライバシーポリシーを確認して判断するよう書いています。
- 前の職場の内部の情報(取引先、数字など)を、答えの材料として入れない。
- 公共の場所で、他の人の声が入る状態で声の練習をしない。Geminiのヘルプも、他人を録音するときは許可を得るよう書いています。
気をつけること
- 数字や機能は、2026年10月22日に読み直した公式ページのものです(AIへの頼み方の公式ページのうち、ClaudeのヘルプとOpenAIのヘルプの2件は、10月16日に読んだままです)。声の機能の上限、対応端末、保存の期間は、変わることがあります。
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。面接の練習として、どの程度役に立つかは、読んだ資料からは分かりません。
- Googleの「面接準備」の記事は、AIを使った練習を選択肢のひとつとして紹介しているだけで、効果の数字は書いていません。
- Googleの面接練習の道具「Interview Warmup」そのもののページは、読めませんでした。道具の内容は確認できていません。
- 厚生労働省の「公正な採用選考」のページも、読めませんでした。面接で聞かれてよいこと、よくないことの線引きは、この記事では扱っていません。
- 日本語での練習の質は、読んだ資料では確かめられていません。Claudeのヘルプは、多くの言語に対応し、英語以外はベータと書いています。
- 日本の就職活動で、AIの利用が採用側にどう受け止められるかは、確認していません。応募先が求める条件がある場合は、それに従ってください。
- この記事は、就職や転職の助言ではありません。公式の資料を読んだ範囲でのまとめです。
出典
- How to Prepare for an Interview(Grow with Google、2025年12月11日公開、10月22日確認)
- ChatGPT Voice(OpenAI Help Center、10月22日確認)
- Gemini Live(Gemini Apps Help、Google、10月22日確認)
- Using voice mode(Claude Help Center、Anthropic、10月22日確認)
- My prompt isn't giving me a helpful answer(Claude Help Center、Anthropic、10月16日確認)
- Prompting best practices(Claude Platform Docs、Anthropic、10月22日確認)
- Prompt engineering best practices for ChatGPT(OpenAI Help Center、10月16日確認)
- 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について(令和5年6月2日、公表資料PDF)(個人情報保護委員会、10月22日確認)
更新履歴
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2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
-
2026年10月22日 公式の資料を読み直しました。書いてあることに変わりはありませんでした。
