3行でいうと
- 3社のモデル名は、おおまかに「系列の名前」「版の数字」「段位や用途を表す言葉」の3つでできています。ただし、どの数字が何を意味するかを定義しているページは、読んだ範囲にありませんでした。
- 数字の大小だけでは、性能の優劣は分かりません。OpenAIの一覧では、Astraに近い性能と説明されるSolが「6.1」で、最上位とされるAstraが「6」です。Anthropicの選び方のページも、自分のプロンプトとデータで試して選ぶよう書いています。
- アプリの画面に出る名前と、開発者が使うAPIの識別子は、別のものです。同じ名前でも、場所によって呼び方が違うことがあります。
この記事は、公式の文書を読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。「見立てです。」で始まる段落は僕らの考えで、公式に書かれていることとは分けて書きました。モデルの一覧は、2026年10月16日に読んだ時点のものです。
先に結論
公式ページを読んで言えることは、次の4つです。
- 名前は3つの部品に分けられます。 系列の名前(Opus、Sonnet、Flashなど)、版の数字(5.5、3.8など)、そして用途や段位を示す言葉(Pro、Flash、liveなど)です。
- 3社とも、数字の意味を定義していません。 「この数字が上がったら何が変わるか」は、読んだページには書かれていませんでした。
- 数字は、同じ会社の中でも、段位をまたいで比べられません。 同じ一覧の中で、段位ごとに数字が違うことがあります。
- アプリの名前と、APIの識別子は別です。 比べるときは、どちらの話かを確かめる必要があります。
たとえ話:名前は「車の型式」に似ている
僕らのたとえです。公式のものではありません。
車には、「車種名」「年式」「グレード」があります。たとえば「〇〇 2026年式 上級グレード」。モデル名もこれに似ています。Sonnetは車種、5.5は年式のようなもの、Flashや Sol はグレードのようなものです。
ただし、年式の新しい車が、いつも上級グレードの古い車より高性能とは限りません。AIも、数字だけでは比べられません。
3社の名前を並べてみる
Anthropic(Claude)
Anthropicのモデル一覧ページには、現行の4つの系列が載っています。
| 名前 | API上のID | 公式の説明(言い換え) |
|---|---|---|
| Claude Fable 5.1 | claude-fable-5-1 | 難しい推論や、長く続く作業向け |
| Claude Opus 5.5 | claude-opus-5-5 | 長時間のコーディングや、知的な業務向け |
| Claude Sonnet 5.5 | claude-sonnet-5-5 | 速さと賢さの両立 |
| Claude Haiku 5.5 | claude-haiku-5-5 | 大量の処理、返事の速さが大事な用途向け |
IDは、一覧の例を見ると「claude-系列名-大きい数字-小さい数字」の形で、小数点がハイフンになっています(この一覧は、この形を規則としては書いていません)。別のページ(Model IDs and versioning)は、4.6以降の形式を「名前・大きい数字・(あれば)小さい数字」と示し、Sonnet 5やOpus 5のような大きな版は小さい数字を付けない、とも書いています。公式ページは、版の数字が何を意味するかも書いていません。ただ、Opus 5.5の移行案内が「Opus 5以前」の利用者向けに書かれていることから、5.5は5より新しい版だと分かります。
また、各モデルがどの系列かを示す「line」という欄がAPIの返事にあり、公式は「IDの文字を自分で分解せず、この欄を読むように」と助言しています。系列は今後増えるかもしれない、とも書いています。
OpenAI(ChatGPT)
OpenAIのモデル一覧ページで、主力として並んでいたのは3つです。
| 名前 | API上のID | 公式の説明(言い換え) |
|---|---|---|
| GPT-6 Astra | gpt-6-astra | もっとも高性能。難しい仕事向け |
| GPT-6.1 Sol | gpt-6.1-sol | Astraに近い性能を、より低いコストで。複雑な仕事向け |
| GPT-6 Luna | gpt-6-luna | 決まった種類の大量処理向け。効率重視 |
ここで目を引くのは、数字です。Astraに近い性能と説明されるSolが「6.1」で、最上位とされるAstraは「6」です。数字の大きいほうが上位、という読み方は成り立ちません。この一覧ページは、名前の付け方そのものは説明していませんでした。
ほかのIDの例として、ページには gpt-realtime-2.1-mini、gpt-5.6-cyber、gpt-image-2.5-sunburst、gpt-4o-mini-tts などがありました。末尾の mini や tts が何を表すかは、読んだページには書かれていません。
Google(Gemini)
Googleの一覧ページに並ぶモデルの識別子(モデルコード)は、小文字をハイフンでつないだ形で、「系列名・版・段位・任意の接尾辞」でできているように見えます(ページは、この形を正式な規則としては書いていません)。たとえば gemini-3.8-flash です。
段位として、Pro、Flash、Flash-Liteが出てきます。公式の説明から読み取ると、Proは複雑な推論やコーディング向けの最上位、Flashは速さと能力のバランス、Flash-Liteは速さと費用の安さ重視です。ただし、ページは段位の正式な定義は書いていません。Gemini 3.8 Flashの個別のページは、Flashを「自社でもっとも賢いFlash」と説明し、長い作業のソフトウェア開発やエージェント向けとしていますが、Flashや版の数字の決まりは書いていませんでした。
接尾辞には、-preview、-live、-tts(読み上げ)、-image(画像)、-transcribe(文字起こし)などがあります。用途を表すものです。
Geminiの「版のラベル」4種類(2026年10月16日に読んだ内容)
Googleのページは、モデルの状態を4つの言葉で区別しています。
| ラベル | 意味(公式の説明の言い換え) |
|---|---|
| Stable | 特定の版に固定されていて、通常は変わらない。本番で使うなら、これが基本 |
| Preview | 2週間以上の予告で非推奨になりうる |
| Latest | 「いちばん新しい版」を指す別名。指す先を変える前に、2週間の予告がメールで来る |
| Experimental | 本番向きではない |
例として、stable は gemini-3.6-flash、preview は gemini-2.5-flash-preview-09-2025、latest は gemini-flash-latest が挙がっています。同じページは、この名前の決まりは「2025年9月時点」のもので、古いモデルでは違うことがある、と断っています。
数字の大きさで比べられない理由
読んだページから、数字で比べにくい理由が2つ見えました。
- 段位が違えば、数字も別々に進む。 OpenAIの一覧ではSolが6.1でAstraが6。Googleの一覧でも、3.8 Flash、3.6 Flash、3.5 Flash-Liteが並んでいます。段位ごとに、新しくなる時期がずれているのが分かります。
- 公式が、数字の大小で選ぶことを勧めていない。 Anthropicの選び方のページは、版の大きさには触れず、自分のプロンプトとデータで試して選ぶ、としています。また、モデルを替える前に「努力の度合い」(どれだけ考えさせるか)の設定を調整するほうが、よい手段のことが多い、という趣旨も書いています。
見立てです。名前の数字は「いつごろの世代か」の目安として読み、「どれが良いか」は、段位の説明と自分の用途で決めるのが安全だと思います。
アプリの名前と、APIの識別子は別
ChatGPTのヘルプ(読んだ時点で「6日前に更新」と表示)によると、モデルのメニューでは、GPT-6が「Latest」に替わります。考える深さは「Thinking」のスライダーで選び、Instant、Medium、High、Extra High、Proの段階があります。GPT-6の場合、InstantからExtra HighまではGPT-6 Solが動かし、ProはGPT-6 Proが動かして、その土台はGPT-6 Astraだと書かれています。FreeとGoのプランでは、InstantとThinkにGPT-5.6 Lunaが使われる、ともあります。
つまり、画面の「Instant」などは考える深さの段階で、モデル名とは別の層の話です。さらに、このヘルプは、アプリの名前とAPIの識別子の対応表を載せていません。APIで使えるのは、GPT-5.6のSol、Terra、Lunaと書かれていました。アプリの名前は、そのままAPIで使えるとは限りません。
誤解されやすい点
「数字が大きいほど賢い」 上で見たとおり、OpenAIの一覧がその反例です。段位をそろえて比べるのが基本です。
「Proは、AIの名前だ」 ChatGPTのヘルプでは、Proは考える深さの段階です。ただ、モデル名にも「GPT-6 Pro」があり、同じ言葉が違う意味で使われています。
「同じ名前なら、いつまでも同じ動きをする」 Anthropicのページによると、IDの中身(モデルの重み)は、そのIDが存在する間は変わりません。ただ、周辺の仕組みは変わりうるので、小さな違いは出ます。古い世代の短い別名(日付なしの名前)は、最新の日付つき版を指すことがあります。ただ、4.6以降の日付なしのIDは別名ではなく、その版そのものだと書かれています。詳しくは、同じ連載のモデルの退役と更新の記事を見てください。
今日からできること、やってはいけないこと
どれも、上の公式ページを土台にした、僕らの整理です。
今日からできること
- 知らない名前を見たら、その会社の公式のモデル一覧ページで、名前・ID・説明を確かめる。記事やSNSの書き方より、公式の一覧を優先する。
- 比べるときは、同じ段位どうしで比べる(Sonnet同士、Flash同士など)。
- 画面の名前と、開発者向けAPIの名前は別かもしれない、と考えて読む。
やってはいけないこと
- 数字だけを見て、上位・下位を決めつける。
- 名前の決まりを、別の会社にもそのまま当てはめる。3社で、段位の言葉もIDの形も違います。
気をつけること
- 一覧は、2026年10月16日に読んだ公式ページのものです。モデルは入れ替わりが早く、名前や一覧は変わりやすいです。Googleは、名前の決まりが2025年9月時点のものだと断っています。
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。アプリの画面の説明は、ヘルプページの文章を読んだものです。
- ページは要約を通して読んでいます。言い回しや細かい注記は、原文で確かめていません。
- 版の数字がどう決まるか、OpenAIのmini、pro、codex、nanoなどの接尾辞が何を意味するかは、読んだページに説明がなく、確認できていません。
- OpenAIに日付つきのスナップショット(版の固定)があるかは、読んだページでは確認できませんでした。
- 段位の説明のうち、Geminiの「Pro・Flash・Flash-Lite」の位置づけは、公式の記述から僕らが読み取ったものです。公式が正式に定義したものではありません。
出典
- Models overview(Claude Platform Docs、Anthropic、2026年10月16日確認)
- Model IDs and versioning(Claude Platform Docs、Anthropic、2026年10月16日確認)
- Choosing a model(Claude Platform Docs、Anthropic、2026年10月16日確認)
- Models(OpenAI API Docs、2026年10月16日確認)
- GPT-6 Luna(OpenAI API Docs、2026年10月16日確認)
- GPT-5 in ChatGPT(OpenAI Help Center、2026年10月16日確認)
- Gemini models(Gemini API Docs、Google、2026年10月16日確認)
- Gemini 3.8 Flash(Gemini API Docs、Google、2026年10月16日確認)
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
