3行でいうと

  • 「知識の期限」は、AIが学んだ情報の日付の区切りです。Anthropicの透明性ページは、その日付までの知識が最も広く確かだ、という意味で書いています。期限より後のことは、学んでいない可能性があります。
  • 期限は、モデルごとに違います。そして、会社によって、公式ページに書いてある所と書いていない所があります。Googleの開発者向けのモデル紹介ページは、読んだ2ページには期限が載っていませんでした。
  • 期限より新しいことは、AIが自分で調べる「検索」の機能に任せる、というのが3社の公式の説明に共通する考え方でした。ただし、検索つきの答えも、確かめる必要があります。

この記事は、公式の文書を読んでまとめたもので、これらのAIに質問して確かめたものではありません。ページの文章は要約を通して読んだため、原文のそのままの引用はせず、言い換えています。たとえ話と、「見立てです。」で始まる段落は僕らの考えで、公式の説明とは分けて書きました。

先に結論

公式ページを読んで言えることは、次の4つです。

  1. 知識には日付の区切りがあります。 Anthropicの透明性ページは、期限を、モデルの知識が、その日付までの情報や出来事について最も広く確かな日付、という意味で説明しています。
  2. 期限の書き方は会社ごとに違います。 OpenAIの開発者向けのモデル一覧には、主力の3モデルの期限が日付で載っています。AnthropicのモデルページとGoogleのモデルカードにも、月や年が載っています。一方で、Googleの開発者向けのモデル紹介ページには、読んだ範囲で期限の記載はありませんでした。
  3. 期限と公開日は別です。 読めた例では、期限は公開より数か月から約10か月前でした。公開されたばかりのモデルでも、公開日までの出来事を知っているわけではありません。
  4. 期限より後のことは、検索の機能で補う、が公式の考え方です。 3社とも、検索の機能は、最新の出来事や変わる情報のために使う、という趣旨で説明しています。

たとえ話:「去年の年鑑」を読んで話す人

僕らのたとえです。公式の文書にあるものではありません。

ある年の終わりに出た「年鑑」を、とても丁寧に読んだ人がいるとします。この人は、その年までの出来事や制度、数字にはくわしく、聞かれればすらすら答えられます。

ただし、年鑑が出たあとのことは、年鑑に書かれていません。「最近どうなった?」と聞かれても、年鑑に書いてあった最後の状態から話すことになります。本人は、そのあいだに変わったことを知らないので、古い話を現在の話として答えてしまうかもしれません。

そこで、手元にスマホを渡します。「最新のことは、これで調べてから答えてね」。これが、AIの検索の機能にあたります。スマホで調べれば、新しいことも答えられます。ただし、調べ方や、見つけたページが正しいかどうかは、別の問題です。

このたとえは、「学んだ時点」と「今」は別、と覚えるためのものです。

公式ページに書かれている「期限」

公式ページを読んで、2026年10月16日に確認できた範囲です。変わりやすい情報なので、必ず日付つきで読んでください。

会社 読めたページ 書かれていたこと(2026年10月16日確認)
OpenAI 開発者向けのモデル一覧 GPT-6 Astra と GPT-6.1 Sol は2026年4月30日、GPT-6 Luna は2026年5月18日。専門用のモデルには期限の表示がなかった。ページに日付の表示はなかった
Anthropic 開発者向けのモデル概要 Claude Fable 5.1、Opus 5.5、Sonnet 5.5、Haiku 5.5はいずれも「確かな知識の期限」が2026年6月
Anthropic 透明性ページ(Transparency Hub) 期限が載っていたもの:Opus 5は2026年5月、Fable 5・Mythos 5・Sonnet 5・Opus 4.8・Opus 4.7は2026年1月、Opus 4.6・Sonnet 4.6は2025年5月。Sonnet 5.5とOpus 5.5の概要表には、期限の行はなかった
Google Gemini 3 Proのモデルカード(PDF) 知識の期限は2025年1月。モデルの公開は2025年11月、文書の更新は2026年5月と表示
Google 開発者向けのモデル紹介(Gemini 3 Pro Preview、3.1 Pro Preview) 期限の記載なし。3.1 Pro Previewには「最新の更新」として2026年2月とあるが、これは知識の期限ではない

見てほしいのは、次の3点です。

見立てです。「新しいモデルなら、最近のことまで知っているはず」と思いがちですが、公式の表を見ると、公開と期限にはすき間があります。使う前に、期限を見るのが確実だと思います。

期限より新しいことは、どう扱うのか

公式の説明

OpenAI。 開発者向けのヘルプは、最近の出来事を知っているかどうかはモデルによって違う、と説明しています。期限は、モデル一覧のページで確かめるよう案内しています。そして、期限と今の間を埋めるものとして、APIの「Web Search」(インターネットの最新情報を使う機能)と「File Search」(自分のファイルやデータベースから探す機能)を勧めています。

Anthropic。 開発者向けの「ウェブ検索ツール」のページは、検索ツールを使うと、Claudeは知識の期限より後の最新の情報でも答えられる、と書いています。Claudeが検索するのは、最新のニュース、今の価格や統計、変わりやすい情報、調べるように頼まれたときなど。一方、確立した事実、算数、科学の基本、創作、会話の中の内容の分析、あいさつには、検索せず直接答える、とも書かれています。

Google。 開発者向けの「Google検索によるグラウンディング」のページ(2026年10月13日更新と表示)は、Geminiを検索につなぐと、知識の期限より後のことについても、現在の情報と出典つきで答えられる、と書いています。検索するかどうかは、モデルが質問を見て、検索で答えが良くなると判断したときです。答えには、使った検索語や、出典のリンクが付く、とあります。

3社の共通点は、「期限のあとのことは、AIの記憶ではなく、検索で補う」という設計です。

検索があれば解決、ではない

同じ公式ページが、検索の答えにも注意を書いています。

期限の数字を読むときの注意
  • 「期限」は、公式が決めた表示で、AIがその日までの情報をすべて知っているという保証ではありません。 Anthropicの透明性ページは、期限を、知識が「最も広く確か」な日付と説明しています。その日付より前の内容をすべて、同じ確かさで知っている、とは書いていません。

誤解されやすい点

「AIの最新モデルは、最新の情報を知っている」 最新のモデルでも、期限があり、公開日までを知っているわけではありません。上の表のとおりです。

「検索つきなら、いつも最新で正しい」 検索つきでも、間違うことがあります。AIが検索するかどうかは、AIの判断に任されている場合もあります(OpenAI、Anthropic、Googleの説明)。検索したかどうかや、出典は、答えの画面で確かめます。

今日からできること、やってはいけないこと

どれも、上の公式ページを土台にした、僕らの整理です。

今日からできること

やってはいけないこと

気をつけること

出典

更新履歴