3行でいうと

  • 文部科学省の最新のガイドラインは、2024年12月26日付の第2.0版。
  • 立場は、全国一律の禁止でも、全国一律の義務づけでもない。
  • 個人情報を入れない、AIの答えをそのまま自分の作品として出さない、など具体的な注意点が書かれている。
  • 先生は私用のアカウントや端末で使わない。小学生が直接使う場合は、より慎重な検討が必要。

この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式・一次資料を読んでまとめたものです。ガイドラインと関連資料の紹介であり、個別の学校や家庭での判断を代わりに決めるものではありません。法律にかかわる点は、学校や教育委員会の担当者、必要なら専門家に相談してください。僕らの考えは「見立てです。」と分けて書きました。

先に結論

何が起きているか(日付つき)
日付 できごと
令和5年(2023年)7月4日 文部科学省が、ガイドラインの暫定版(とりあえずの版)を公表
令和6年(2024年)7月 ガイドラインを見直すための検討会議が設けられた
令和6年12月26日 第2.0版を公表。暫定版を改訂したもの
2026年8月5日 令和8年度の「生成AIパイロット校」の一覧が、文部科学省の関連ページに掲載されている
2026年10月5日 国立情報学研究所(NII)などが、教育向けAIのシンポジウムを2026年11月25日に開くと案内

生成AIパイロット校は、令和5年度、6年度、7年度、8年度のものが、文部科学省の関連ページで確かめられました。学校で実際に試しながら、使い方や注意点を集める仕組みです。ただし、各校の成果の中身までは、僕らは読んでいません。

第2.0版の日付は、文部科学省の掲載ページと、ガイドライン本文のPDFの両方で確かめました。

公式・官公庁の原典:何が書いてあるか

基本の考え方

第2.0版は、生成AIを使うかどうかを一律に決めるのではなく、人間が中心にいること、そして、情報活用能力(情報を集めて、判断して、使う力)を育てることを土台にしています。AIの答えが正しいかを人間が判断できるようにすることが、前提とされています。

使うときに考える観点として、次の5つが挙がっています。

  1. 安全性を考慮した適正利用
  2. 情報セキュリティ
  3. 個人情報・プライバシー・著作権
  4. 公平性
  5. 透明性・説明責任(何をどう使ったかを説明できること)

先生が使う場合(校務)

校務(学校の事務や授業準備などの仕事)で、生成AIの仕組みと答えの確かさを先生自身が判断できるなら、前向きに使う価値がある、という書き方です。配布プリントや確認テストの案づくりが例に挙がっています。

ただし、次のような注意があります。

児童生徒が使う場合

発達段階を考えること、サービスの利用規約(年齢の制限や、保護者の同意が必要かどうか)を確認することが求められています。本文には、使ってよい例と、よくない例があります。

例
適切とされる例 AIの間違いを見つけて学ぶ。英会話の練習相手にする。
適切でないとされる例 情報モラル(ネット上での振る舞いの決まり)を学ぶ前に自由に使わせる。AIが作ったものを自分の作品として出す。テストで使う。先生による評価の代わりにする。

課題に使う場合は、使ったAIの名前、入力した指示、使った日を書いておく、という考え方が示されています。

著作権の注意

著作権法第35条は、授業の過程で著作物を複製して使うことを認めています。ただし、ガイドラインはこの範囲を「授業の中」と読んでいます。学校のホームページに載せる、コンテストに応募する、といった使い方は、この例外の外になる点に注意が必要です。

教育委員会の役割

教育委員会(市区町村や都道府県で学校を管理する役所)には、使い方を設計する役割が求められています。一律に禁止する、一律に義務づける、のどちらも避けること。利用規約を確認すること。サービスが今は無料でも、あとで有料になるかもしれないので、保護者の費用負担も考えること。こうした点が書かれています。

関連する動き

内閣府の事業(BRIDGE)として、国立情報学研究所、京都大学、大阪教育大学が「教育向けAIモデルの構築と人と協調するエージェントAI教育支援エコシステムの開発」に取り組んでいる、と国立情報学研究所のページに書かれています。文部科学省が主導する事業と説明されています。2026年11月25日のシンポジウムは、2026年10月5日付で案内されていました。

学校や家庭で確かめたい点(ガイドラインの記述から拾った一覧)

ガイドラインの記述を、確かめる項目の形に直したものです。ガイドライン自体にこの一覧があるわけではなく、僕らが拾い直しました。

くらしや仕事への影響

見立てです。第2.0版は「使ってよいか、だめか」を答えるのではなく、「使うなら何を確かめるか」の一覧に近いと思います。学校ごと、自治体ごとに判断が分かれる前提なので、同じ学年でも、隣の学校で決まりが違うことがありえます。

見立てです。保護者の側では、お子さんが使うAIの利用規約(年齢の制限など)を一度見ておくと、学校の決まりとの食い違いに気づきやすくなりそうです。ガイドライン自体が、規約の確認を求めています。

見立てです。先生の側では、「便利そうだから私用のアカウントで試す」が、いちばん起きやすい失敗に思えます。ガイドラインが、私用のアカウントや端末を使わないことを明記しているのは、そのためではないかと考えています。これは僕らの推測で、文書にそう書かれているわけではありません。

見立てです。「AIが作ったものを自分の作品として出さない」と「課題に使ったAIの名前と指示を書く」は、セットで読むと分かりやすいと思います。使うこと自体を止めるのではなく、どこまでが自分の考えで、どこからがAIの出力かを、あとから説明できる形にする、という方向に見えます。

気をつけること

出典

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