3行でいうと
- AIで下書きを作ること自体は、Googleの検索のガイドで禁止されていない。問題にされるのは中身の質と、順位を操る目的の大量作成。
- 出典は、AIの答えではなく、自分で開いて確かめた元の公式ページに置く。AIが出したリンクは読むまで出典にしない。
- 人の文章を引用するときは、公表済みであること、自分の文章が主で引用が従であること、出所の明示などの条件がある。
- Googleは、読者が「どう作られたのか」と思いそうな文章には、AIを使ったことを書くよう勧めている。
AIに下書きを頼むと、文章はすぐに出てきます。けれども、その中の数字や固有名詞、引用が本当に正しいかは、出てきた文章を見ただけではわかりません。
この記事は、AI各社のヘルプ、Googleの検索に関する公式ガイド、文化庁の資料を読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。法律の話は条文と公式資料の紹介で、個別の判断は専門家にお願いします。僕らの考えは「見立てです。」で始めて、事実と分けました。
先に結論
- AIで下書きを作ること自体は、Googleの検索のガイドでも禁止されていません。問題にされるのは「中身の質」と、「検索順位を操る目的で大量に作ること」です。
- 出典は、AIの答えではなく、AIの答えを自分で確かめた「元の公式ページ」に置きます。AIが出したリンクは、開いて読むまでは出典として使えません。
- 無料の範囲でも、下書きと推敲は試せます。ただし、使える回数には上限があります。
- 読者が「これはどうやって作られたのだろう」と思いそうな文章には、AIを使ったことを書いておく。Googleはこれを勧めています。
Googleの公式ガイドに書かれていること
Googleの検索の公式ブログ(2023年2月)と、「役立つ、信頼できる、人のための内容を作る」というガイド(2026年10月5日更新)には、AIで書いた文章の扱いが書かれています。
- AIを使うこと自体は、ガイドライン違反ではない。違反になるのは、検索順位を操作する目的でAIなどの自動化を使って文章を作る場合です。
- 「AIを使えば順位が上がる」わけではない。「それはただの文章」で、役に立ち、独自で、信頼できる要素があれば上位に出るかもしれず、なければ出ない、とあります。
- スパムの方針には「大量のページを、価値を足さずに作ること」が、「生成AIを使って」の場合も含めて挙げられています。
- 警戒すべき兆候として、「他の人が言っていることを、ほとんど価値を足さずにまとめているだけ」「多くの話題について、広く自動化して文章を作っている」などがあります。
- 出典や引用については、「他の情報源に基づくとき、ただコピーや言い換えをするだけでなく、十分な価値と独自性を足しているか」が問われます。品質を見る人向けの説明には、他の情報源に帰属を示したりクレジットを付けたりしても、独自の努力の代わりにはならない、とあります。
誰が書いたか(Who)、どう作ったか(How)、なぜ作ったか(Why)を考えるよう、ガイドは勧めています。
- Who:読者が誰が書いたかわかるか。必要な所に著者名があるか。AI生成の顔写真や架空の名前、偽りの経歴で、専門家が書いたように見せることは「欺き」で、信頼を下げる、とあります。
- How:AIや自動化を使ったことが、読者にわかるか。「AI利用の説明は、読者が『どうやって作られたの?』と思いそうな内容に、合理的に期待される場面で付ける」とされています。なお、AIを著者として表記することは、おそらく最善の方法ではない、という記載は、2023年2月のGoogleのブログにあるものです(10月22日はブログの本文が読めず、今回確かめられていません。ガイドのページには、AIを著者名にする話は見つかりませんでした)。
- Why:読者の役に立つために作っているか。検索順位のためだけなら、方針に反します。
使える道具の候補
文章を書くのに使えそうな4つを、公式ページで確かめた範囲で並べます。
| 道具(運営) | 文章づくりに関わる、公式の記載 | 出典の扱い |
|---|---|---|
| ChatGPT(OpenAI) | 無料でも、ウェブ検索、ファイルや画像の送信が使える | 検索を使うと「出典つきの回答」になる。ヘルプは、リンクを自分で開いて確かめるよう勧めている |
| Claude(Anthropic) | 無料プランに、ウェブ検索、ファイルの作成、Artifacts(作ったものを並べて見せる機能)がある | ウェブ検索の結果の出典を見直すよう、ヘルプが書いている |
| Gemini(Google) | Canvasという機能が、AIプランなしで使える機能の表にある。文章づくりへの向き不向きは、公式の説明を読めていません | 答えに「Sources」ボタンが出ることがある。出ない答えもある |
| Copilot(Microsoft) | 無料の基本機能。文章作成、翻訳、ウェブ調べ | ウェブを調べて、出典つきで要約すると説明されている |
出典つきの答えが出る機能でも、「出典がある」ことと「正しい」ことは別です。次の節で、確かめ方を書きます。
最初の1回のやり方:下書きから公開まで
公式に書かれていることと、僕らの想定を分けながら、順に書きます。
1. 自分で3行を決める
見立てです。AIに頼む前に、「誰に、何を、なぜ書くか」を3行で決めておくと、出てきた文章が自分の記事から外れたとき、気づきやすいと思います。Googleのガイドの「Who・How・Why」に近い考え方です。
2. 下書きは「構成案」から頼む
見立てです。最初は本文ではなく、見出しの案を頼むのがよいと思います。事実を書かせないぶん、間違いが入りにくいからです。本文を頼むときは、数字や固有名詞の所は「【要確認】」と書かせると、あとで拾いやすくなります。
3. 事実を全部拾って、確認表を作る
下書きから、数字、日付、固有名詞、製品の名前、引用、法律の条文、リンクを拾います。表にするなら、次の列です。
| 書いてあったこと | 元のページ(公式) | ページを開いて確かめたか | 確認日 |
|---|---|---|---|
4. AIの出典を、自分で開く
各社の公式ヘルプに書かれている、確認の方法です。
- OpenAI:ChatGPTは、存在しない出典を作る場合がある。引用、データ、技術情報、外部の文書への言及は、必ず確かめる。重要なときは、検索機能を使って、リンクを直接開いて確かめる。
- Anthropic:Claudeは、本物らしく見えて事実でない引用を出すことがある。ウェブ検索の結果を使うときは、出典を見直す。元のサイトには、AIがまとめたときに落ちた大事な文脈があることがある。
- Google:Geminiの答えにはSourcesというボタンが出ることがあり、右側に関連リンクの一覧が開く。出ない答えもある。引用した文章へのリンクが出るのは、多くの文章を引用した場合に限る、とも書かれています。
見立てです。この3社の説明を合わせると、「AIが示したリンクが実在するか」「リンク先に、本当にその内容が書いてあるか」の2段階で確かめる必要があると思います。
5. 数字は、2か所で確かめる
見立てです。数字、日付、金額、条文番号は、別のページか、別の聞き方で2回確かめます。僕らのこのサイトでも、この手順にしています。Googleは、健康、お金、暮らしの安全のように人生に大きく影響する話題では、特に正確さと専門家の合意との一致が求められる、と書いています。
6. 出典の置き方
見立てです。僕らがこのサイトで使っている形を例にします。記事の最後に「出典」の節を作り、次の形で並べます。
- [ページ名(運営者、確認日)](URL)
ポイントは3つです。
- 実際に開いて読んだページだけを載せる。AIが出したリンクを、読まずに載せない。
- 運営者と確認日を書く。ページは、あとで書き換わることがあるからです。
- 公式のページ(運営会社、官公庁、公式ドキュメント)を優先する。AIの答えそのものは、出典に載せない。
本文の中でも、数字や引用の近くに「(OpenAIのヘルプによる)」のように書くと、読者が、どこまでが事実で、どこからが書き手の考えかがわかります。
7. 人の文章を引用するとき
文化庁の「著作権テキスト(令和8年度版)」には、引用(著作権法第32条)の条件があります。
- すでに公表された著作物であること。
- 公正な慣行に合致すること。引用する必然性があること、かぎ括弧などで引用部分が明確であること。
- 引用の目的上、正当な範囲内であること。自分の文章が主、引用が従であること。必要最小限の量であること。
- 出所を明示すること。
出所の明示は第48条で定められていて、「合理的と認められる方法及び程度」で、とあります。AIが出した文章の中に、見覚えのある言い回しがあるときは、元の文章を探して、引用として扱うか、書き直すかを決めてください。
8. 公開前に、似ていないか調べる
文化庁の「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和6年7月31日)は、AIの生成物を使う前に、既存の著作物と似ていないかを確認するよう勧めています。方法の例は、インターネット検索です。また、作品名やキャラクター名など特定の固有名詞をAIへの指示に入れると、既存の著作物を知っていたと推測される材料になり、著作権侵害の要件のひとつ「依拠性」が認められやすくなる、とあります。さらに、あとで説明できるよう、生成に使った指示文も残しておくよう勧めています。
9. AIを使ったことを書く
Googleの考えに沿うと、「この記事は、下書きをAIで作り、事実は公式のページで確かめて書き直しました」のような一文が、末尾にあるとよいと思います。見立てです。文言は僕らの例で、公式にひな形はありません。
AIで書いた文章は、誰のものか
- OpenAIの利用規約(2026年1月1日発効)は、法律が許す範囲で、出力をあなたが所有し、OpenAIが持つ権利があればあなたに譲る、と書いています。ただし、出力は他の人にも似た形で出ることがある、とも注意しています。
- Anthropicの消費者向け規約は、規約を守ることを条件に、出力についての権利を譲る、としています。また、出力を確かめずに頼らないよう書いています。
- 日本の著作権法での扱いは、また別の話です。文化庁のテキストは、AIへの指示が「表現に至らないアイデア」にとどまる場合は、生成物に著作物性は認められないと考えられる、と説明しています。一方、人が創作的表現といえる加筆・修正をした部分は、通常、著作物性が認められると考えられる、ともあります。
見立てです。この2点から、AIの文章をそのまま載せるより、自分で書き直した文章のほうが、自分の文章として扱いやすいと思います。ただし、権利の個別の判断は、僕らにはできません。専門家に相談してください。
無料でどこまで使えるか
| 道具 | 無料で書かれていること | 数字が公式にあるもの |
|---|---|---|
| ChatGPT | 日常のテキストの会話は、乱用防止の制限つきで制限なし。ファイルや画像の生成には別の上限 | ファイルの送信は1日3回まで |
| Claude | 無料は$0。プロジェクトは最大5つ | 1日の回数は確認できていません |
| Gemini | AIプランなしでも使える。上限は標準で、5時間ごとに回復し、週の上限もある | 一度に読める量は32,000トークン。Canvasは無料の列に印がある |
| Copilot | 無料の基本機能がある | 無料の上限の数字は書かれていません |
Claudeの有料プランは、Proが年払いで月あたり$17(年$200を前払い)、月払いで$20です。2026年10月22日に読み直した内容で、変わることがあります。
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よくある失敗
- AIが出したURLを、確かめずに載せる。存在しないページや、内容が違うページの場合があります。
- 「出典つき」の表示で安心して、本文の数字を確かめない。
- 大量に作って公開する。Googleのスパム方針は、価値を足さずに大量のページを作る行為を挙げています。
- 架空のプロフィールや、AIが作った顔写真で、専門家が書いたように見せる。Googleは、これを欺きだと書いています。
- AIに「本の要約」を書かせて、そのまま載せる。要約の公開は、別に確認が必要です(読書メモの記事で触れています)。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書を読んでまとめたもので、手順は文書から組み立てた想定です。
- Googleの検索に関する説明は、検索結果の仕組みの話です。ブログの順位が上がる、下がると約束するものではありません。この記事では、Googleの検索で順位がどうなるかを確かめていません。
- 出典の置き方(形式、位置)と、AI利用を書く文言は、僕らが考えた例です。公式のひな形ではありません。
- 引用や著作物性の話は、条文と文化庁の資料の紹介です。個別の判断は専門家に相談してください。
- OpenAIとAnthropicの規約は、読んだ時点のものです。Anthropicの消費者向け規約は2025年10月8日発効、OpenAIの規約は2026年1月1日発効と、どちらも10月22日に読み直したページに表示されていました。更新されている可能性があります。
- ChatGPTのファイル送信1日3回は、10月22日にもFile Uploads FAQで読めました(3時間あたり80ファイルまで、とも書かれています)。無料プランのFAQには回数の数字がなく、別の公式ページでの裏取りはできていません。
- Googleの2023年2月のブログは、10月22日には本文が読めず、この記事のブログに由来する記載(AIの著者表記など)は10月8日に読んだ内容のままです。
- 文化庁の「著作権テキスト(令和8年度版)」は、10月22日には資料の一部しか読めず(著作物の定義などは確かめられました)、引用(第32条)や出所の明示(第48条)の説明は読み直せていません。e-Gov法令検索も、条文の中身が読めませんでした。この部分は10月8日に読んだ内容のままです。
- 無料の範囲や上限は、変わりやすいです。
- AIの答えは、間違うことがあります。公開前に、日付、金額、固有名詞、引用を自分の目で確かめてください。
出典
- Google Search's guidance about AI-generated content(Google Search Central Blog、2023年2月8日付、2026年10月8日確認)
- Creating helpful, reliable, people-first content(Google Search Central、2026年10月5日更新、2026年10月22日確認)
- Spam policies for Google web search(Google Search Central、2026年10月22日確認)
- Does ChatGPT tell the truth?(OpenAI Help、2026年10月22日確認)
- ChatGPT Free Tier FAQ(OpenAI Help、2026年10月22日確認)
- File Uploads FAQ(OpenAI Help、2026年10月22日確認)
- Terms of use(OpenAI、2026年10月22日確認)
- Plans & pricing(Claude、2026年10月22日確認)
- Claude is providing incorrect or misleading responses. What's going on?(Claude Help Center、2026年10月22日確認)
- Consumer Terms of Service(Anthropic、2026年10月22日確認)
- Gemini Apps limits & upgrades for Google AI subscribers(Gemini Apps Help、2026年10月22日確認)
- View related sources from Gemini Apps(Gemini Apps Help、2026年10月22日確認)
- Microsoft Copilot for individuals(Microsoft、2026年10月22日確認)
- 著作権テキスト 令和8年度版(文化庁、2026年10月8日確認)
- AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス(文化庁、令和6年7月31日、2026年10月22日確認)
- 著作権法(e-Gov法令検索、2026年10月8日確認)
更新履歴
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2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
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2026年10月22日 公式の資料を読み直して、次の点を直しました。
- 前:AIを著者として表記するのは最善でない、とガイドに書かれている → いま:それは2023年2月のGoogleブログの記載で、今回は確かめられず、ガイドには見つからなかった
- 前:ChatGPTのファイル送信1日3回はヘルプ1ページを2回読んで確認 → いま:10月22日もFile Uploads FAQで読め、3時間あたり80ファイルまでとも書かれていた
- 前:規約の発効日はAnthropicの2025年10月8日だけを記載 → いま:OpenAIの規約は2026年1月1日発効と、どちらも読み直したページに表示
- 一部の出典は読めなかったため、その部分は前のままです。
