3行でいうと
- 公式のヘルプは、Free、Solo、Creator、Pro、Studio、Max、APIの従量課金のどれでも、作った曲の商用利用は許可されると説明しています。利用規約と利用ポリシーが条件です。
- 利用規約は、出力の権利をStability AIが利用者に譲る形で書いています。「法律が認める範囲で」という但し書きと、他人の権利を侵さない責任は利用者にある、という文が付いています。
- 学習データは、公式の製品ページが「fully licensed(すべて許諾)」と書き、研究ページは「licensed and Creative Commons」と書いています。モデルカードは、AudioSparxと、Freesoundの一部(CC系のライセンス)の内訳を示しています。
- 実在の人物を「〜風」と指名する文章は、生成の前に自動で止められる、と公式のヘルプが説明しています。
- 入力と出力は、プライバシーポリシーでは学習などに使われることがあり、設定でオプトアウトできると書かれています。やめるときは、規約に「いつでも解約できる」とあります。返金は限定的です。
この記事は、公式の資料を2026年10月23日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。金額、プラン名、条文の言い回しは、公式の表記を写しています。公式ページは要約の形で取得したため、読めなかった所と、ページ同士で食い違う所は、その旨を書きました。権利や契約の判断は、この記事ではしません。迷うときは、公式の規約を読み、必要なら専門家に確認してください。
先に結論
- 商用利用。 Webアプリの出力は、Freeでも有料でも商用利用が許可される、と公式のヘルプが書いています。公開モデルを自分で動かす場合は、Community Licenseが別に適用され、年間売上が100万米ドルを超える組織には別の契約が要ります。
- 権利の持ち主。 利用規約は、出力の権利を利用者に譲ると書き、公式の発表や比較記事も、出力は利用者のものという趣旨で書いています(原文の言い回しは再確認できていません)。ただし、同じような入力は似た結果を生みうるため、譲る範囲は「あなたの出力そのもの」に限る、と規約は書いています。
- 学習データ。 公式の説明には、言い回しの違いがあります。内訳は、モデルカードに数字で載っています(下の表)。
- やめるとき。 規約には、いつでも解約できる、返金は原則なし、とあります。サブスクリプションのクレジットは繰り越されません。
- 見立て(僕らの意見で、公式の推奨ではありません)。 仕事で使うなら、使う曲の生成日、プラン名、プロンプトを記録しておくと、あとで説明しやすいと思います。
前提:用語をそろえる
- 出力(Outputs)と入力(Inputs)。 公式の規約とポリシーの言葉で、できた音が出力、文章や音声が入力です。
- Community License。 公開モデルのための無料のライセンス。年間売上が100万米ドル未満の範囲で、商用利用が許されます。
- Enterprise License。 年間売上100万米ドル超の組織などのための契約。公式は、法的な補償(indemnification)が含まれると書いています。
- オプトアウト。 学習に使われないよう、自分で選ぶことです。
- クレジット。 生成で減る使用量の単位です。
①曲の権利と商用利用:プランごとの違い
| 使い方 | 公式の説明 | 公式のどこか |
|---|---|---|
| Webアプリ(Free、Solo、Creator、Pro、Studio、Max) | 商用利用は許可。利用規約と利用ポリシーが条件 | Stable Audio Commercial & Usage Licensing |
| API(従量課金) | 同上 | 同上 |
| Freeで作った曲 | 商用に使える。有料に変えなくてもよく、変えても扱いは変わらない | 同上 |
| 公開モデルを自分で動かす(3.0のSmall、Medium) | Community Licenseの対象。売上が100万米ドル未満なら商用の許諾に費用なし。商用では登録が要る | 同上、Community License Agreement |
| 売上が100万米ドル超 | Enterprise Licenseが必要。法的補償を含む | 3.0の発表、Licensing |
| 契約上の補償や個別の保護 | 公式の資料でEnterprise契約に含まれると書かれている | Stable Audio Commercial & Usage Licensing |
公式のヘルプが挙げる商用の例は、収益化した動画や配信、広告、ポッドキャスト、クライアント案件、アプリやゲームのBGM、配信サービスでの公開、素材集やサンプルパックとしての配布です。
権利の持ち主については、利用規約(4a節)が、利用者が提出した内容の権利は利用者に残ると書いています。そして、規約を守ることを条件に、出力についてのStability AIの権利を利用者に譲る(assign)と書き、出力は「(法律が認める範囲で)あなたのもの」としています。ヘルプは、権利を侵さない責任は利用者にある、と書いています。公式のヘルプは、Webアプリの出力の権利の持ち主については、直接は書いていません。規約と他の公式ページの書き方に頼る形になります。
公開モデルのCommunity License Agreement(2024年7月5日更新と表示)は、次の点が書かれています。
- 研究と非商用は無料。年間売上が100万米ドル未満なら、商用も限定的に無料。
- 商用目的で使うなら、Stability AIへの登録が必要。
- 配るときは、ライセンスの写し、通知(Notice)ファイル、「Powered by Stability AI」の表示が求められる。
- 微調整(LoRAなど)は派生物。出力だけでは派生物にならない。
- この素材や出力で、基盤となる生成AIを作ってはいけない。
- 売上が100万米ドルを超えると、ライセンスは終わり、別の許諾を求める必要がある。
これは公開モデルの話で、Webアプリで作った曲の表示義務については、読んだ範囲では書かれていませんでした(ヘルプには、帰属表示の要件の記述が見つかりませんでした)。
②学習データと権利者:公式の説明
| 資料 | 書かれていること |
|---|---|
| 製品ページ(stability.ai/stable-audio) | Stable Audio 3.0は「fully licensed data」で学習 |
| 3.0の発表(5月20日付) | すべてのモデルが「fully licensed data」で学習。具体的なデータ元は書かれていない |
| 研究ページ(stable-audio-3) | 「licensed and Creative Commons data」。具体名なし |
| Medium のモデルカード | 約128万件。うち約80.6万件がAudioSparxの許諾、約47.3万件がFreesoundのCC-0、CC-BY、CC-Sampling+。Freesoundの音楽は、音楽判定のツールで選び、検出会社の確認で著作権のあるものを除いた |
| 比較記事(explainers) | 合計1,278,902件、うちAudioSparx 806,284件。Universal MusicとWarner Musicとの提携は、3.0の学習データとは別と書かれている |
| Stable Audio 2.0の発表(4月3日付) | AudioSparxの許諾データだけで学習。アーティストはオプトアウトできた |
| Stable Audio Open 1.0 | Freesound(約47.3万)とFree Music Archive(約1.4万)、CC0、CC BY、CC Sampling+ |
資料ごとに、「すべて許諾」「許諾とCC」「CC系の割合が大きい」という書き分けがあります。Mediumのモデルカードの内訳では、CCの録音の割合が約37%(473k/1.28M、僕らの計算)です。どれが正しいとは、この記事では判断しません。公式の言い回しの違いとして、そのまま並べました。モデルのサイズ(Small、Large)ごとの内訳は、読んだ範囲では見つかりませんでした。
③アップロードした音の扱い
- Webアプリのアップロード。 公式のヘルプで確認できたのは、MULTI-TRACKの「TEMPO + KEY」に付けるファイルだけです。音は生成には使われず、結果がそのテンポとキーに合うだけ、と書かれています。
- audio-to-audio(APIなど)。 手持ちの音を元に作り変える機能です。ヘルプ(2.5のAPI)は、アップロードした音の保存、保持、削除、学習への利用を書いていません。
- 著作権のある素材。 Stable Audio 2.5のPrompt Guideは、インペイント用のアップロードは、利用規約に従い、著作権のある素材を含まないこと、と書いています。2.0の発表は、利用規約がアップロードに著作権のある素材を含まないことを求め、内容認識で確認する、と書いています。
- プライバシーポリシー。 文章、画像、音声の入力を「Inputs」として一括で扱い、アップロード専用の別規則は書いていません。入力と出力は、モデルの学習、微調整、評価に使われることがあり、アカウント設定で止められる、とあります。
- オプトアウトの場所。 Platform APIには、データ学習の設定ページ(platform.stability.ai/account/overview)があります。Webアプリのどの画面にあるかは、公式の資料では確認できていません。すでに提出した分に遡るかも、書かれていませんでした。
- 共有ワークスペース。 共有の枠では、他の利用者や管理者が、入力と出力を見られることがある、と書かれています。
④他人の声やアーティストを真似ることへの制限
- 名指しの禁止(自動チェック)。 ヘルプ「Why Was My Prompt Flagged?」は、実在の人物(アーティスト、ミュージシャン、著名人)を「〜風」と指名する文章を、生成の前に自動で止めると説明しています。創作のつもりでも対象です。目的は、実在の人物のスタイルの複製、AI作品を実在のアーティストの作品と見せること、肖像や権利の懸念を防ぐこと、と書かれています。対処は、人名を外して、ジャンル、時代、楽器、テンポ、音作りで言い換えることです。
- 利用ポリシー。 声や肖像の専用の項目はありません。「同意や正当な権利のない他人へのなりすまし」を禁じ、誤情報を禁じ、AIの出力を人の作品と偽るような誤解を招くことを禁じています。知的財産やプライバシーの権利の侵害も禁じています。
- 声そのもの。 公式のガイドは、3.0は主にインストゥルメンタル向けで、聞き取れる歌声を目的にしていないと書いています。声をまねる機能は、読んだ範囲では見つかりませんでした。
- 公開モデルの場合。 利用ポリシーは、自前運用や第三者のプラットフォーム経由の使い方にも適用される、と書かれています。名指しの自動チェックが公開モデルにも働くかは、公式の資料では確認できていません。
保存場所とバックアップ
- セッション。 自動で保存されると、公式のヘルプが書いています。保存先や保存期間は、ヘルプには書かれていません。
- 書き出し。 MIXDOWN(ステレオ1本)、STEMS(トラックごと)、共有リンクがあります。ファイル形式(WAV、MP3)は、読んだ範囲では確認できていません。比較記事は、クレジットはダウンロードを制限しないと書いています。
- レガシーのライブラリ。 2026年8月より前の古いライブラリは「安全で、使い続けられる」と書かれ、「Use Legacy Stable Audio」から開けます。
- 見立て。 大事な曲は、ステムとミックスを自分の機械に書き出して持っておくと安心です。
プラン(公式の表示のまま、確認日2026年10月23日、米ドル、月払い)
| プラン | 月額 | 毎月のクレジット |
|---|---|---|
| Creator | $12/month | 660 |
| Pro | $30/month | 1,800 |
| Studio | $90/month | 6,000 |
| Max | $199/month | 14,000 |
- 新規アカウントに50クレジット。サブスクリプションのクレジットは繰り越されません。追加のクレジットパックは、期限なしと書かれています(金額は未記載)。
- 比較記事は、同じ金額に別の名前(Solo、Session、Producer、Studio)を付けています。
- 古いプランは、$11.99が660、$29.99が1,800、$89.99が6,000クレジットに換算されます。新規購入と変更はできません。
- APIは、1クレジット0.01米ドル。Stable Audio 3.0と2.5は1回8クレジット(0.08米ドル)。
- 税、年払い、日本円の表示は、確認できていません。
やめるとき
- 解約。 利用規約(7節)は、繰り返しの料金は解約するまで自動で課され、いつでも解約できる、と書いています。「Manage Your Subscription」のヘルプは、製品のロゴをクリックし、購入時のメールでログインして管理する、と書いています(Stability AIの製品全体向けのヘルプで、Brand Studio、Stable Assistant、Stable Audioそれぞれの管理リンクが載っています。解約の手順そのものは、このページには書かれていません)。解約後にクレジットとアクセスがどうなるかは、Stable Audioについては読めていません。
- 返金。 規約は、支払いは法律が求める場合を除き返金されないと書いています。ヘルプ「Refund Policies」は、返金は裁量で、次の3つの条件を挙げています。①友人や家族の誤購入、または自分にも知人にも身に覚えのない請求、②請求から48時間以内の申請、③使用量が月の許可量の2%未満。ページは②と③を「and」でつないでいますが、全部必要とは明記していないため、サポートに確認してください。審査は手作業で、返答の目安は2〜3営業日、返金はStripe経由で銀行に届くまで5〜10営業日が目安と書かれています。不正の兆候があれば、断る、または日割りの返金になることがあるとも書かれています。
- クレジットの期限。 規約は、2026年9月30日(規約の施行日)以降に発行された未使用のサービスクレジットは、購入または付与から1年で失効し、返金も譲渡もできない(別の定めがある場合を除く)と書いています。ヘルプは、追加パックは期限なし、と書いています。この2つは食い違って見えます。
- アカウントと内容の削除。 プライバシーポリシーは、削除の請求ができる、オンラインの請求フォームがあると書き、おおむね1か月以内の返答を目指すとしています。規約は、解除時にStability AIが内容を消すことがある、1年を超えて使われないアカウントは終了されることがある、と書いています。
- 年齢。 音声サービスは13歳以上。18歳未満は保護者の許可と監督が要ります。
気をつけること
- 資料の食い違い。 プラン名(Creator系とSolo系)、無料プランの有無、クレジットの期限、同時トラック数が、資料によって違います。契約前に最新の画面で確かめてください。
- 「商用利用できる」は「権利の問題が起きない」ではない。 公式のヘルプも、他人の権利を侵さない責任は利用者にあると書いています。公式の資料で補償が書かれていたのは、Enterprise契約だけでした。
- 公開モデルと、Webアプリは別の規則。 同じStable Audioでも、ライセンスの根拠が違います。
- 未確認。 公式の料金ページと、よくある質問のページは読み込めませんでした。Webアプリでのオプトアウトの場所、アップロードの上限と保存、書き出し形式、解約後のクレジットの扱いは、公式の資料では確認できていません。
- 規約の解釈。 規約は改定されます。プライバシーポリシーは2026年9月30日施行と表示されていました。国や使い方で扱いが変わるので、専門家に確認してください。
出典
- Stable Audio Commercial & Usage Licensing(Stability AI Knowledge Base、確認日 2026-10-23)
- Stable Audio Subscription Plans and Credits(Stability AI Knowledge Base、確認日 2026-10-23)
- Legacy Subscribers & Existing Accounts(Stability AI Knowledge Base、確認日 2026-10-23)
- Why Was My Prompt Flagged?(Stability AI Knowledge Base、確認日 2026-10-23)
- Refund Policies(Stability AI Knowledge Base、確認日 2026-10-23)
- Manage Your Subscription(Stability AI Knowledge Base、確認日 2026-10-23)
- Which Type of License Do I Need?(Stability AI Knowledge Base、確認日 2026-10-23)
- Opt-out of Data Training for Platform API(Stability AI Knowledge Base、確認日 2026-10-23)
- Stable Audio 2.5 Prompt Guide(Stability AI Knowledge Base、確認日 2026-10-23)
- Tips for using the Stable Audio 2.5 Audio-to-Audio API(Stability AI Knowledge Base、確認日 2026-10-23)
- Terms of Service(Stability AI、確認日 2026-10-23)
- Privacy Policy(Stability AI、2026年9月30日施行と表示、確認日 2026-10-23)
- Acceptable Use Policy(Stability AI、確認日 2026-10-23)
- Stability AI Community License Agreement(Stability AI、2024年7月5日更新と表示、確認日 2026-10-23)
- Stability AI License(Stability AI、確認日 2026-10-23)
- Stable Audio 3.0(Stability AI、確認日 2026-10-23)
- Stable Audio 3.0 の発表(Stability AI、5月20日付、確認日 2026-10-23)
- Introducing Stable Audio 3 & SAME(Stability AI、5月20日付、確認日 2026-10-23)
- Introducing Stable Audio 2.0(Stability AI、4月3日付、確認日 2026-10-23)
- Stable Audio vs. competitors(Stability AI explainers、確認日 2026-10-23)
- stable-audio-3-medium モデルカード(Stability AI、Hugging Face、確認日 2026-10-23)
- stable-audio-open-1.0 モデルカード(Stability AI、Hugging Face、確認日 2026-10-23)
- How to use Stable Audio(Stability AI Knowledge Base、確認日 2026-10-23)
- Pricing(Stability AI docs、確認日 2026-10-23)