3行でいうと

  • Flow Music自身の公式の連携として、今回読んだ資料で手順まで確認できたのは、①制作ソフト向けプラグイン(VST3/AU、macOSのみ)、②Googleアカウントとの接続とGoogle AI会員の特典、の2つです。
  • Flow Musicの公開API、MCPサーバーは、今回読んだ公式のページでは見つかりませんでした。「ない」と断定するものではありません。
  • 同じ系統の音楽モデルは、Gemini API(Google AI for Developers)で、lyria-3-clip-preview と lyria-3.5 として出ています。これはFlow Musicとは別の入口です。両者のアカウントやクレジットの関係は、公式の文書では確認できていません。
  • プラグインは、生成AIの音声を使うものやサンプルを使う楽器をまだ書き出せない、と公式のヘルプが書いています。
  • 文章のAIで考えた歌詞やコンセプトをFlow Musicに貼る、という使い方は、公式の連携ではありません。この記事の案として、別枠で書きます。

この記事は、公式の資料を2026年10月25日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。

先に結論

つなぎ口 公式の資料にあるか 書かれている範囲
制作ソフト向けプラグイン(Flow Instrument、Flow Effect) あり(ヘルプとGoogle公式ブログ) 手順、置き場所、限界、困ったときの確認点
Googleアカウントとの接続 あり(ヘルプ) ログイン、接続の削除、別アカウントの追加と切り離し
Google AI会員の特典 あり(ヘルプ) プランの対応(Plus → Starter など)
Gemini APIのLyria(別サービス) あり(Gemini APIの文書) モデル名、呼び出し方、制限。料金は読めていない
Lyria RealTime 取得に失敗 内容を書いていません
Flow MusicのAPI、MCP 今回読んだ範囲では見つからず ―
Believe(提携) あり(Google公式ブログ) 提携の事実のみ。手順なし

見立て(事実ではありません):プラグインは「Flow Musicの中で作った楽器やエフェクトを、制作ソフトに持ち出す道」で、「作った曲を制作ソフトに読み込む道」とは別だと、僕らは読みました。公式のヘルプの限界の書き方(生成AIの音声は書き出せない)から、そう読めます。

前提:用語をそろえる

連携1:制作ソフト(DAW)のプラグイン

出どころ:Googleのヘルプ「Use Flow Music instruments & effects in your DAW」と、2026年10月6日のGoogle公式ブログ(「export their custom Spaces as VST3/AU plugins」)。ブログは、この機能の要件、使えるプラン、地域を書いていません。

条件(公式のヘルプ)

手順1:Flow Musicで楽器かエフェクトを作る

  1. Macで、Google Flow Musicにサインインします。
  2. プロンプト欄に、楽器かエフェクトを頼みます。「plugin」か「VST」という語を入れる、とヘルプが書いています。公式の例は「Create a tape delay VST effect」です。
  3. できたら、サイドパネルの Use in DAW を選びます。
  4. Use in DAW が出ないときは、プロデューサーに「VSTプラグインにして」と頼む、とヘルプの「Tip」にあります。

入力例(この記事の例):

ゆっくり揺れるコーラスのVSTエフェクトを作って。

手順2:プラグイン本体を入れる(初回だけ)

プラグインは「Flow Instrument」と「Flow Effect」の2つが入ります。名前は変えられません。

  1. 「Use in your DAW」の窓で Download plugin を選びます。
  2. ダウンロードした .dmg を開きます。
  3. 中のファイルを、それぞれ対応するショートカットのフォルダへドラッグします。
  4. .component → Components
  5. .vst3 → VST3
  6. 求められたら、Macのパスワードを入れます(ヘルプの書き方は「If asked, enter your Mac password」)。

ショートカットが失敗する場合(ヘルプの記述):フォルダがないのが原因なら、次のフォルダを作って、やり直します。Finderで Shift + Command + G を押し、パスを貼ると開けます。

/Library/Audio/Plug-Ins/Components
/Library/Audio/Plug-Ins/VST3

渡る権限:システムのフォルダ(/Library/Audio/Plug-Ins/)に、ファイルを置きます。そのため、Macのパスワードを求められることがあります。入れるファイルの中身や署名の扱いは、今回読んだ公式のページには書かれていません。公式の画面(Flow Musicの「Use in your DAW」の窓)から取ったファイルかを確かめてから置いてください。

手順3:制作ソフトの側で見つける

  1. 制作ソフトを開きます。
  2. プラグインが出ないときは、プラグインのスキャンを有効にして、再スキャンします。ヘルプにある、Ableton Liveの例:
  3. Settings > Plug-Ins を開きます。
  4. Use Audio Units v2 と Use VST3 Plug-Ins System Folders を有効にします。
  5. Rescan を選びます。
  6. メーカー名(manufacturer)の Google Flow Music の下に、Flow Instrument と Flow Effect があります。
  7. Flow Instrument か Flow Effect を、トラックに追加します。

ほかの制作ソフト(Logic Pro、FL Studioなど)での、スキャンを有効にする具体的な画面は、ヘルプに書かれていません。各ソフトの説明で確かめてください。

手順4:楽器・エフェクトを読み込む

  1. 「Use in your DAW」の窓で Download [名前] を選び、.fmx ファイルを取ります。
  2. .fmx ファイルを、制作ソフトの中の Flow Instrument か Flow Effect の窓にドラッグします。

あとで同じものを使い直す

  1. Macで、Google Flow Musicにサインインします。
  2. 左の Spaces を選びます。
  3. Plugins フィルターを選びます。
  4. 使いたいプラグインの横で More > Use in DAW を選びます。
  5. 手順4と同じ、ダウンロードとドラッグで読み込みます。

渡るデータ

流れ 公式の資料に書かれていること
Flow Musicの側へ プライバシーノーティスは、アップロード、生成物、機能の使用情報、フィードバック、会話の保存を書く。楽器やエフェクトを頼むやりとりがこれに当たるかを含め、プラグイン専用の扱いの記述は確認できていない
手元へ プラグイン本体(.dmg)と、楽器・エフェクトごとの .fmx がダウンロードされる
制作ソフトの側 制作ソフトの中でプラグインを動かしたとき、データがGoogleへ送られるかどうかは、公式の文書では確認できていない

外し方

うまくいかないときの確認点

症状 公式のヘルプの確認点
ショートカットへのドラッグが失敗する フォルダがなければ、上の2つのパスを作る
制作ソフトに出ない /Library/Audio/Plug-Ins/Components と /Library/Audio/Plug-Ins/VST3 にファイルがあるか。AU/VST3のスキャンを有効にして再スキャン。制作ソフトによっては再起動が必要
Flow Instrument/Flow Effect が二重に出る、古い版が読み込まれる ユーザーのフォルダ ~/Library/Audio/Plug-Ins/VST3 と ~/Library/Audio/Plug-Ins/Components にある Flow*.vst3 と Flow*.component をすべて削除。/Library/Audio/Plug-Ins/ 側のコピーは残す。再スキャン
Use in DAW が出ない プロデューサーにVSTプラグインにするよう頼む
Plugins フィルターが出ない アカウントによっては、まだ使えない
サンプルを使う楽器、生成AIの音声を使うものが書き出せない 現在は対応していない、とヘルプが書く

連携2:Googleアカウントとの接続、Google AI会員の特典

出どころ:Googleのヘルプ「Get started with Google Flow Music」と「Manage your AI credits & Google Flow Music subscription plan」。

設定する画面と手順

したいこと 手順(公式のヘルプ)
ログインして認可する flowmusic.app > 左上の Login > Continue with Google > アカウントを選ぶ > Continue > 認可の画面 > Continue。ログインし直すたびに認可が必要
Google AIの会員特典を使う 初回ログインの認可の画面で、Google One benefits のチェックボックスを自分で選ぶ
別のGoogleアカウントを足す 左下のユーザー名 > Account settings > Connected accounts > Connect
つないだアカウントを外す 左下のユーザー名 > Account settings > 外すアカウントの横の Disconnect。つないであるのが1つだけだと外せない
Googleアカウント側から全部外す myaccount.google.com > Third-party apps and services > 「Google Flow Music」 > Delete all connections you have with Google Flow Music > Confirm

Google AI会員とFlow Musicのプランの対応(ヘルプ)

Google AI会員 受けられるFlow Musicのプランの特典
Google AI Plus Starter
Google AI Pro Plus
Google AI Ultra Member

プランの機能と価格は、公式の料金ページ(flowmusic.app/pricing)にあります。数字は変わるので、ここでは書きません。

渡るデータと権限

外し方

上の表の「Googleアカウント側から全部外す」が、公式のヘルプに書かれた外し方です。外したあとの曲の扱い(残るか消えるか)は、ヘルプには書かれていません。

連携3:Gemini APIのLyria(プログラムから音楽モデルを呼ぶ)

これはGoogle Flow Musicの窓口ではなく、Googleが同じLyriaという音楽モデルの系統を、開発者向けに別の入口で出しているものです。Flow Musicのアカウント、曲、クレジットとのつながりは、公式の文書に書かれていません。出どころ:Gemini APIの文書「Generate music with Lyria 3.5」、「API key」、「Libraries」。

公式の文書で確認できたこと

項目 内容
モデル Lyria 3 Clip(lyria-3-clip-preview):30秒、MP3。Lyria 3.5(lyria-3.5):曲全体、およそ2分前後(プロンプトで調整)、MP3(WAVも指定可)
音質 どちらも44.1kHzステレオ
呼び出し方 Interactions API(interactions.create)。REST:POST https://generativelanguage.googleapis.com/v1beta/interactions
認証 ヘッダー x-goog-api-key: $GEMINI_API_KEY
入力 テキスト。どちらのモデルも画像を受け付け、1回のリクエストで最大10枚。各画像は image の部品として、mime_type とbase64の data を持たせて渡す
出力 steps のリスト。model_output に、歌詞や構成の text と、base64の audio が入る。output_audio/output_text という近道がある
制限 1回の指示で完結する(会話で直す編集は未対応)。同じ指示でも結果は変わる。Lyria 3 Clipは常に30秒
安全 すべてのプロンプトが安全フィルターを通る。特定のアーティストの声、著作権のある歌詞を求める指示は止められる。出力にはSynthIDの透かしが入る
料金 その文書には金額が書かれていない。Gemini APIの料金ページは全文を読めておらず、読めた範囲の価格表にLyriaはなかった(ナビには「Lyria 3.5 & Lyria Clip」の項目名がある)
無料枠 今回読んだ範囲では確認できていない
別製品 リアルタイム配信はLyria RealTime(文書は今回取得に失敗)

プロンプトの書き方(Gemini APIの文書):歌詞は [Verse]、[Chorus]、[Bridge] のようなタグで区切る。時間の範囲を使う書き方(公式の例は [0:00 - 0:10] Intro の形)で、構成や楽器の入りを決める。ボーカルなしにするなら「Instrumental only, no vocals」のような語を入れる。言語はプロンプトの言語に従う。Lyria 3.5では長さをプロンプトで書く。

手順(公式の順序に沿って)

  1. APIキーを用意する。 Google AI Studio のAPI Keysのページ(aistudio.google.com/apikey)で、キーを作るか表示します。鍵の扱いについて、公式は次を書いています:パスワードと同じに扱う。Gitなどに入れない。ウェブ・モバイルのアプリに直接書かない。本番では秘密情報の管理サービスを使う。課金のアラートを設定する。漏れたら新しいキーを作って切り替え、古いキーを無効にする。
  2. 環境変数 GEMINI_API_KEY を設定する。 ライブラリは GEMINI_API_KEY か GOOGLE_API_KEY を読みます(両方あると GOOGLE_API_KEY が優先)。
  3. macOS(zsh):~/.zshrc に export GEMINI_API_KEY=<YOUR_API_KEY_HERE> を足し、source ~/.zshrc
  4. Linux/macOS(bash):~/.bashrc に同じ行を足し、source ~/.bashrc
  5. Windows:「環境変数」を開き、新規で名前 GEMINI_API_KEY、値にキー。OKのあと、新しいターミナルを開く
  6. ライブラリを入れる。
pip install google-genai
npm install @google/genai

公式のLibrariesの文書は、旧ライブラリ(google-generativeai、@google/generativeai)が2025年11月30日付で非推奨になった、と書いています。Music generationの文書は、SDKのインストール手順を載せていません。

  1. 呼ぶ。 公式の文書の最小の例に出る主な行は、次のとおりです。今回は要約を介して読んだため、例の全文は写していません。全文は公式ページで確認してください。
model="lyria-3-clip-preview",
input="A short instrumental acoustic guitar piece.",
generated_audio = interaction.output_audio

client.interactions.create(...) の引数として model と input を渡し、返ってきた interaction から output_audio(base64の音声)や output_text(歌詞や構成の文)を取る、という作りです。クライアントの作り方(genai.Client() など)とJavaScriptの書き方は、今回の取得では公式の文書の記述を確認できていません。公式ページで確かめてください。

この記事で組んだ例(動作は確かめていません)

上の公式の主な行に、ファイルへの保存を足した組み合わせです。genai.Client() の部分は、ライブラリの案内(google-genai)に合わせた、この記事の推測を含みます。公式の文書は音声がbase64で届くと書いていますが、output_audio の型(文字列かバイト列か)は公式ページで確かめてください。

import base64
from google import genai

client = genai.Client()  # GEMINI_API_KEY を環境変数から読む
interaction = client.interactions.create(
    model="lyria-3-clip-preview",
    input="A short instrumental acoustic guitar piece.",
)
with open("clip.mp3", "wb") as f:
    f.write(base64.b64decode(interaction.output_audio))
print(interaction.output_text)

RESTは、公式の文書が示すアドレスとヘッダーを使います。本文のJSONの形(model と input)は、Pythonの引数名からこの記事で組んだもので、公式のRESTの例の本文は今回確認できていません。この記事の例(動作は確かめていません):

curl -X POST "https://generativelanguage.googleapis.com/v1beta/interactions" \
  -H "x-goog-api-key: $GEMINI_API_KEY" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{"model": "lyria-3-clip-preview", "input": "A short instrumental acoustic guitar piece."}'

渡るデータと権限

外し方

うまくいかないときの確認点

症状 確認点(公式の記述に基づく)
認証で失敗する 環境変数 GEMINI_API_KEY(または GOOGLE_API_KEY)が、そのターミナルで見えているか。両方あると GOOGLE_API_KEY が優先される。Windowsは新しいターミナルを開く
曲が止められた 特定のアーティストの声や、著作権のある歌詞を求めていないか。公式は、安全フィルターが止めると書く
会話で直せない 現在の版は1回の指示で完結する。直すには、プロンプトを書き直して新しく生成する
結果が毎回違う 同じ指示でも変わると公式が書く
30秒で終わる Lyria 3 Clipは常に30秒。曲全体は Lyria 3.5
古いライブラリで動かない 旧パッケージは非推奨。新しい google-genai/@google/genai を使う

連携4:文章のAIとFlow Musicを組み合わせる(この記事の案)

この節は、公式の連携の説明ではなく、この記事の案です。公式の資料が書いている手順は、次の2点だけです。Flow Musicのプロンプト欄に文章を書いて Send を押すこと、Add > Image で画像をヒントとして付けられること。

やり方(この記事の案) 公式の資料との関係 渡るデータ
別のチャットAIで歌詞やコンセプトを考え、その文章をFlow Musicのプロンプト欄に貼る 公式の連携ではない。プロンプト欄に文章を入れること自体は、公式の手順の範囲 チャットAI側のサービスには、そこへ入力した内容が渡る。Flow Music側には、貼った文章が渡る
別の画像AIで作った絵を、Add > Image で付ける Add > Image は公式の手順。別のAIで作った画像であることは、公式の文書に関係がない 画像がFlow Music(Google)に渡る
Gemini APIで作った音を、手元で使う 公式の連携ではなく、別サービスの出力 連携3のとおり

注意:Flow Musicの内部は、2026年2月24日のGoogle公式ブログが「Gemini、Lyria 3、Veo、Nano Banana」のモデルを使うと書いています。つまり、Google側のAIはすでに中で使われています。外のAIとFlow Musicを直接つなぐ公式の窓口(APIやMCP)は、今回読んだ範囲では見つかっていません。

連携5:パートナー(Believe)

2026年5月6日のGoogle公式ブログは、Believe が Believe/TuneCore の関係者に Flow Music を提供し、選ばれた人が毎週Googleの製品チームと会う、と書きます。設定する画面、渡るデータ、外し方は書かれていません。配信の仕組みや権利の取り決めも、その記事には書かれていませんでした。

外し方・やめ方の一覧

連携 公式の資料に書かれた外し方 書かれていないこと
Googleアカウントとの接続 myaccount.google.com > Third-party apps and services > Google Flow Music > Delete all connections > Confirm 外したあとの曲の扱い
複数のアカウントの1つ Account settings > Connected accounts > Disconnect(1つだけのときは不可) ―
プラグイン 重複・古い版の対処のみ(Flow*.vst3、Flow*.component の削除) 通常のアンインストール
Gemini APIのキー 新しいキーに切り替えたあと、古いキーを無効にする 画面の経路
Space Spaces > More > Delete space プラグインとの関係

気をつけること

出典