3行でいうと
- 手順を書けたのは、QwenCloud の API キー作成、環境変数、最初のAPI呼び出し、Qwen Code の導入と
/auth、モデルカードにある推論サーバーの起動、の5つです。チャット(chat.qwen.ai)のサインイン手順は、読んだページに出ていませんでした。 - API キーは、リージョンごとに別物です。作るときにリージョンを選び、コードの中のURLも同じリージョンに合わせます。合わないと認証エラーになる、と公式にあります。
- Qwen Code は、インストール用スクリプト(Linux/macOS と Windows)、npm、Homebrew の入れ方が公式にあります。入れたあと
qwenを起動し、/authで接続先を選びます。 - 公式ページ同士で書き方が違う所(Qwen Code のインストール用スクリプトが2種類ある、Qwen OAuth の扱い、VS Code 拡張の必要バージョン、など)は、どちらかに決めつけず併記しています。
- ローカルで動かす手順は、vLLM、SGLang、Transformers、Docker Model Runner のコマンドを書きました。llama.cpp、Ollama、LM Studio は、読んだページにコマンドがありませんでした。
この記事は、公式の資料を2026年10月25日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。運営者はQwenを入れていますが、使い心地はこの記事には書いていません。手順は「公式の手順を順に並べたもの」です。コマンドや設定の例は、公式ページの内容を取得して写したもので、取得は要約を通した形です。記号や改行が崩れている可能性があります。システムに何かを入れる操作(インストール用スクリプトの実行、環境変数や設定ファイルの書き込み)は、公式ページの原文を見て写し、実行する前に中身を確かめてください。画面の表記は変わります。手元の画面と照らして読んでください。
先に結論
- 入口を決める。 チャットはブラウザかアプリ、プログラムから呼ぶなら API キー、ターミナルなら Qwen Code、自分のマシンなら重みと推論サーバーです(01、04)。
- APIは、キーを作る前にリージョンを決める。 食い違うと認証エラーになる、と公式にあります。
- Qwen Code は、
/authで選ぶ4項目が最初の分かれ道。 - ローカルは、モデルカードのコマンドが出発点。 必要なGPUの量は、読んだページに明記がありませんでした。
前提:用語をそろえる
- ターミナル:文字でパソコンに命令する画面です(Windows は PowerShell かコマンドプロンプト〔CMD〕、macOS は「ターミナル」アプリなど)。
- CLI:ターミナルから使うツールです。Qwen Code は CLI です。
- API キー:APIを呼ぶための合言葉の文字列です。公式は、コードに直接書かず、環境変数などに入れるよう書いています。
- 環境変数:パソコンに覚えさせておく名前つきの値です。API キーをコードに書かずに渡すために使います。
- リージョン:APIが処理を受け付ける地域です。QwenCloud にはシンガポール、北京、フランクフルト、香港、東京、バージニアがあります。
- Node.js / npm:JavaScript の実行環境と、その部品の入れ物です。
- OpenAI互換:OpenAI社のAPIと同じ書き方で呼べることです。送り先は設定したURLです。
- オープンウェイト:モデルの重みのファイルが公開されていて、ダウンロードして使える形です。ライセンスはモデルごとに違います(01)。
- 推論サーバー:モデルを読み込んで、問い合わせを受け付けるプログラムです。vLLM や SGLang がこれにあたります。
- settings.json:Qwen Code の設定ファイルです。
たとえ話:入口が4つある建物
Qwen は、玄関が4つある建物のようなものです。チャットは正面玄関、APIは搬入口、Qwen Code は作業場への階段、ダウンロードして動かすのは部品を持ち帰って組み立てる方法です。入る玄関で、持っていく鍵(アカウント、API キー、ライセンス)が違います。
A. チャット(Qwen Studio):読めた範囲
- ウェブ。 chat.qwen.ai を開きます。読んだページの本文には、サインインの選択肢、モデルを選ぶ部分、ボタンの表記は出ていませんでした。説明文には、チャット、画像と動画の理解、画像の生成と編集、文書の処理、ツールの利用、音声と動画のチャット、アーティファクトが並んでいます。
- アプリ。 同じページに「Get the App」「Download App」の見出しと、QRコードで取り込むという案内があります。「いまのシステムには未対応」という趣旨の案内も出ていました。リンクは見当たりませんでした。
- サインインの方法、アカウントの作り方、設定画面の経路。 公式のページでは確認できていません。そのため、画面の順番の手順は書きません。01の「入手」の節にある App Store の情報が、確認できた入口です。
B. QwenCloud のAPI:アカウントからキーの確認まで
以下は、QwenCloud の「First API call」「API keys」「Regions and endpoints」「Configure your API key」のページを順に並べたものです。
手順1:アカウントを作る
- QwenCloud のトップページ(qwencloud.com)を開き、GitHub かメールでサインインします(「First API call」の記載)。
- 01で書いたとおり、公式のFAQには、アリババクラウド国際版のメインアカウントだけが入れる、という記載があります。社内で使う場合は、誰のアカウントで作るかを先に決めてください。
手順2:リージョンを決める
- コンソールの右上にあるリージョンの選択で、呼び出したいリージョンを選びます(「API keys」「First API call」の記載)。
- 無料枠の対象はシンガポールだけです(01、04)。無料枠を使いたいときは、シンガポールを選ぶことになります。
- キーが使えるのは、そのリージョンのエンドポイントだけです。ほかのリージョンのエンドポイントに送ると、認証のエラーになります。
エンドポイントは、https://{リージョンID}.maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1 の形です。リージョンIDは、シンガポールが ap-southeast-1、北京が cn-beijing、フランクフルトが eu-central-1、香港が cn-hongkong、東京が ap-northeast-1、バージニアが us-east-1 です(Regions and endpoints のページの表。北京は cn-beijing.maas.qwencloudapi.com)。
- リージョンIDなしの
maas.qwencloudapi.comは、シンガポールと同じ、と公式にあります。 - フランクフルト、香港、東京、バージニアは、ワークスペースを作るときに「デプロイの範囲」(Global か、その地域限定か)を選びます。作ったあとで変更できず、ベースURLは変わりません。シンガポールと北京は選べません。
- 北京は、バッチ、ファインチューニングなどに対応する一方、無料枠、Token Plan、アラートには対応しない、と公式にあります。モデルの一覧と価格も、リージョンで違います。
- 北京とシンガポールの区別は、Model Studio(アリババクラウドのヘルプ)側のURLにもあります。下のCで、そのページ内の食い違いを書いています。Qwen Code の
/authにある「China — 千問AI平台」は、D の手順4で別に書きます。
手順3:API キーを作る
- コンソールで「API Keys」のページを開きます。
- リージョンの選択(右上)と、ワークスペースの切り替え(サイドバーの下)を確認します。
- 「Create API key」を押し、説明(description)を入れて、「Generate Key」を押します。
- 表示されたキーをコピーします。キーが表示されるのは1回だけで、ダイアログを閉じると、伏せ字の表示しか残りません。
- 「First API call」のページは、キーが
sk-ws-で始まる、と書いています。いっぽう「API keys」のページには、キーの接頭辞の記載がありません。Qwen Code の認証のページは、従量課金のキーはsk-かsk-ws-で始まり、Token Plan のキーはsk-sp-で始まる、と書いています。ページごとに書き方が違うので、手元に出たキーの先頭は、画面で確かめてください。
1つのワークスペースで作れるキーは、最大20個です。
| キーの操作 | 公式の記載(「API keys」のページ) |
|---|---|
| 説明の編集 | できる |
| 無効にする/有効に戻す | 状態のスイッチで切り替え。無効のキーは、すべてのリクエストを拒否。戻せば、すぐに使える |
| 削除 | キーが永久に無効になり、元に戻せない。使っているリクエストは、すぐに失敗する |
| 費用を見る | キーごとの費用の内訳を見られる |
| Token Plan のキーのリセット | 新しいキーが作られ、古いキーはすぐに無効になる |
公式は、キーをフロントエンドやモバイル、ブラウザのコードに入れないこと、開発・テスト・本番でキーかワークスペースを分けることも書いています。
手順4:環境変数に入れる
「Configure your API key」のページの手順です。変数の名前は DASHSCOPE_API_KEY です。YOUR_DASHSCOPE_API_KEY は、手順3のキーに置き換えます。
macOS(zsh):
echo "export DASHSCOPE_API_KEY='YOUR_DASHSCOPE_API_KEY'" >> ~/.zshrc
source ~/.zshrc
macOS(bash): 書き込む先を ~/.bash_profile にします。Linux(bash): 書き込む先を ~/.bashrc にします。
現在のターミナルだけ(一時的):
export DASHSCOPE_API_KEY="YOUR_DASHSCOPE_API_KEY"
確かめる:
echo $DASHSCOPE_API_KEY
Windows(PowerShell、永続):
[Environment]::SetEnvironmentVariable("DASHSCOPE_API_KEY", "YOUR_DASHSCOPE_API_KEY", [EnvironmentVariableTarget]::User)
PowerShell の一時的な設定は $env:DASHSCOPE_API_KEY = "YOUR_DASHSCOPE_API_KEY"、確かめるのは echo $env:DASHSCOPE_API_KEY です。
Windows(CMD): 永続は setx DASHSCOPE_API_KEY "YOUR_DASHSCOPE_API_KEY"、確かめるのは echo %DASHSCOPE_API_KEY% です。
公式の注意は、永続の設定は新しく開いたターミナルやアプリで有効になること、sudo は環境変数を引き継がない(sudo -E を使う)こと、サービスとして動かすアプリはサービスの設定に変数を入れて再起動すること、です。
手順5:SDK を入れて、最初の1回を呼ぶ
Python:
pip install openai
hello_qwen.py を作ります。公式の例の写しです(シンガポールのURL)。
import os
from openai import OpenAI
client = OpenAI(
api_key=os.getenv("DASHSCOPE_API_KEY"),
base_url="https://ap-southeast-1.maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1",
)
completion = client.chat.completions.create(
model="qwen3.8-max",
messages=[
{"role": "user", "content": "Hello! Tell me a fun fact about AI."}
]
)
print(completion.choices[0].message.content)
実行は python hello_qwen.py です。
curl(macOS/Linux):
curl -X POST https://ap-southeast-1.maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1/chat/completions \
-H "Authorization: Bearer $DASHSCOPE_API_KEY" \
-H "Content-Type: application/json" \
-d '{
"model": "qwen3.8-max",
"messages": [
{
"role": "user",
"content": "Hello! Tell me a fun fact about AI."
}
]
}'
- 期待される結果。 公式ページには、出力の例が載っていません。コードから読み取れるのは、モデルの返答の文章が表示される、ということだけです。
- Node.js の例も公式にあります。Windows の PowerShell 用の curl は、取得できた範囲では中身が見えませんでした。公式ページで確認してください。
- 公式は、リージョンを切り替えても、コードの中のURLとキーは自動では変わらない、と注意しています。
C. Alibaba Cloud Model Studio:キー作成の手順
「Get an API key」のページ(アリババクラウドのヘルプ)の手順です。QwenCloud とは別の入口で、関係は読んだページに書かれていません(01)。
- アリババクラウドのアカウント、または
administratorか API キーのページの権限を持つ RAM ユーザーで入ります。 - Model Studio の「API Key」のページを開き、右上でリージョンを選び、「Create API Key」を押します。
- ダイアログで、ワークスペース(公式は既定のワークスペースを recommended と表記)、説明(任意、200文字まで)、権限(「All」〔公式は recommended と表記〕か、IPの許可リストと使えるモデルを決める「Custom」)を決め、「OK」を押します。
- キーと「API Host」を、すぐにコピーかダウンロードします。平文のキーは、ダイアログを閉じると見られなくなります。
-
米国(バージニア)は手順が少し違い、コンソールでリージョンを切り替えてから「API Key」を選びます。また、米国(バージニア)では、キーの無効化とリセットが使えません。
-
キーはリージョンごとに別で、ほかのリージョンでは使えません。
- Token Plan と Coding Plan には
sk-sp-で始まる専用のキーがあります。このページが扱う従量課金のキーの接頭辞は、更新の前後でsk-とsk-wsに分かれる、と書かれています(米国は対象外)。 - キーは、削除するまで期限が切れません。最長1800秒の一時キーも作れる、と書かれています。
- OpenAI互換のベースURL(互換のページ)は、
https://{WorkspaceId}.<リージョン>.maas.aliyuncs.com/compatible-mode/v1の形です。同ページの一覧では、北京の行がシンガポールのホスト(ap-southeast-1)になっている一方、移行の注記にはcn-beijingを使う書き方があります。ページ内で食い違うので、北京を使うときは、コンソールと公式で確かめてください。QwenCloud 側の北京はcn-beijing.maas.qwencloudapi.comで、ドメインが別です。 - 以前のドメイン(
dashscope.aliyuncs.comなど)は残っているが、ワークスペース別のドメインを使うように、と互換のページは書いています。
D. Qwen Code:導入から最初の接続まで
Qwen Code は、ターミナルで動くコーディング用のエージェントです(Apache-2.0、公式のGitHubのREADME)。ここでは、導入と接続までを書きます。使い方は06、ほかのツールとの組み合わせは07です。
手順1:入れる
公式のREADMEとQuickstartの「Quick Install」は、次のとおりです。
Linux / macOS:
curl -fsSL https://qwen-code-assets.oss-cn-hangzhou.aliyuncs.com/installation/install-qwen-standalone.sh | bash
Windows(PowerShell):
irm https://qwen-code-assets.oss-cn-hangzhou.aliyuncs.com/installation/install-qwen-standalone.ps1 | iex
インストール後は、ターミナルを開き直します(環境変数を反映させるため、と公式にあります)。
npm(Node.js 22 以上):
npm install -g @qwen-code/qwen-code@latest
Homebrew(macOS、Linux):
brew install qwen-code
- Overview のページには、スクリプトは、環境に合うスタンドアロンの圧縮ファイルがあればそれを使い、なければ npm に切り替える(その場合は Node.js 22 以上が要る)、とあります。オフラインでは、リリースの圧縮ファイルをダウンロードし、
--archive PATHを付けて実行します。SHA256SUMSは圧縮ファイルの隣に置きます。 - スクリプトを
| bashや| iexで流す形の導入は、内容を確認せずに実行する形です。システムに入れる操作なので、上のコマンドも、公式ページの原文を見て写し、中身を先に読むかどうかを自分で決めてください。 - 公式ページ同士の違い(インストール用スクリプトが2種類)。 README と Quickstart は、
install-qwen-standalone.sh(Windows は.ps1)を Quick Install として載せています(Quickstart は recommended と表記)。QwenCloud のドキュメントの「Qwen Code」のページは、別のスクリプトを案内しています。macOS/Linux はinstall-qwen.shに--source bailianを付ける形、Windows は管理者として開いたcmdでinstall-qwen.batを取得して--source bailianを付けて実行する形です。どちらも同じ配布元ホスト(qwen-code-assets.oss-cn-hangzhou.aliyuncs.com)のURLですが、コマンドの全文は公式ページの原文を見て写してください。2種の違いの説明は、読んだページにありませんでした。この記事は、どちらかに決めつけません。 - アンインストールは、公式の「Uninstall」のページにあります。npm 経由なら
npm uninstall -g @qwen-code/qwen-code、スタンドアロンなら、専用のアンインストール用スクリプト(uninstall-qwen-standalone系)です。スタンドアロンのアンインストールでは、設定(~/.qwen)は残る、とあります。Homebrew のアンインストールは、そのページに記載がありませんでした。
手順2:入ったか確かめる
- 新しいターミナルを開きます。
qwen --versionを実行します(QwenCloud のページに、この確認の書き方があります)。qwenが見つからないときは、ターミナルを開き直します。それでも見つからないときは、つまずきの表を見てください。
手順3:接続先を選ぶ(/auth)
- 作業するフォルダへ移ります。
cd /path/to/your/project qwenを実行します。初回は、認証の設定を促されます。あとから設定し直すときは、セッションの中で/authを実行します。/authのメニューには、公式のAuthenticationのページによると、次の4つが並びます。
| 選ぶ項目 | その下の選択 | 公式の記載 |
|---|---|---|
| QwenCloud | Token Plan か Standard API Key。続けて、プラットフォームを「China — 千問AI平台」か「International — QwenCloud」から選ぶ | Authentication のページが「the recommended official setup」の趣旨で書く |
| Alibaba ModelStudio | Coding Plan、Token Plan、Standard API Key | Coding Plan と Token Plan は、リージョンも聞かれる |
| Third-party Providers | DeepSeek、Grok、MiniMax、Z.AI、Kimi、Idealab、ModelScope、OpenRouter、Requesty から選び、API キーを入れる | 組み込みの提供元 |
| Custom Provider | ローカルのサーバー、プロキシ、未対応の提供元(OpenAI、Anthropic、Gemini、その他の互換エンドポイント) |
-
公式ページ同士の違い:Alibaba ModelStudio の下の選択は、Authentication のページが Coding Plan、Token Plan、Standard API Key の3つ、Quickstart が Token Plan と Standard API Key の2つと書いています。
-
手順を選び、キーを入れます。QwenCloud の従量課金なら、Standard API Key を選び、リージョン(またはプラットフォーム)を選んで、B の手順3のキーを入れます。Token Plan のキーは別のキーです(04)。
-
設定できたら、
/doctorで認証と環境を確かめます(Quickstart の記載)。 -
Qwen OAuth(qwen.ai アカウントでのログイン)の扱い。 Quickstart は「2026年4月15日に終了」、Authentication のページは「無料枠は終わり、
/authの項目から選べない。保存済みのトークンがしばらく動いても、新しいリクエストは拒否される」という趣旨で書いています。プライバシーのページは、認証方法の一覧に Qwen OAuth を残しつつ「free tier discontinued 2026-04-15」と付記しています。README のインストールの節は、Qwen OAuth に触れていません。ページごとに書き方が違うので、手元の/authの画面で確かめてください。 - 画面の文言は、手元で変わっている場合があります。
手順4:設定ファイルで接続する(画面を使わない場合)
CI やコンテナでは、/auth の代わりに、環境変数か settings.json を使う、と Authentication のページにあります。
置き場所(Settings のページ):
| 範囲 | 場所 |
|---|---|
| ユーザー | ~/.qwen/settings.json(Windows は C:\Users\<ユーザー名>\.qwen\settings.json。QwenCloud のページの記載) |
| プロジェクト | プロジェクトのルートの .qwen/settings.json |
| システム | Linux は /etc/qwen-code/settings.json、macOS は /Library/Application Support/QwenCode/settings.json、Windows は C:\ProgramData\qwen-code\settings.json |
優先順位は、低い順に、既定値、システムの既定、ユーザー、プロジェクト、システム、環境変数(.env から読まれる場合もある)、コマンドラインの引数、とあります。設定の文字列の中では、$VAR_NAME か ${VAR_NAME} で環境変数を参照できます。
QwenCloud の従量課金の例(QwenCloud の「Qwen Code」のページの写し。シンガポール。ほかのリージョンは ap-southeast-1 を変え、そのリージョンのキーを使う):
{
"env": {
"DASHSCOPE_API_KEY": "YOUR_API_KEY"
},
"modelProviders": {
"openai": [
{
"id": "qwen3.7-plus",
"name": "[QwenCloud] qwen3.7-plus",
"baseUrl": "https://ap-southeast-1.maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1",
"envKey": "DASHSCOPE_API_KEY",
"generationConfig": {
"extra_body": {
"enable_thinking": true
}
}
}
]
},
"security": {
"auth": {
"selectedType": "openai"
}
},
"model": {
"name": "qwen3.7-plus"
},
"$version": 3
}
modelProvidersはモデルと接続先、envはキーの置き場(平文で、優先順位は最も低い)、security.auth.selectedTypeは起動時に使うプロトコル、model.nameは既定のモデルです。model.nameはmodelProvidersのどれかのidと合わせる、と書かれています。- キーの置き場の優先順位は、高い順に、コマンドラインのフラグ、システムの環境変数、
.env、settings.jsonのenvです。 - Token Plan の設定例は、QwenCloud の「Qwen Code」のページの原文を見てください(キーは
QWENCLOUD_TOKEN_PLAN_API_KEY、URLはtoken-plan.maas.qwencloudapi.comの形、とあります)。 - 北京/シンガポール、China/International の区別。 QwenCloud のAPIは、リージョンごとのドメインです(シンガポール
ap-southeast-1、北京cn-beijing。B の手順2)。Qwen Code の Authentication のページは、/authの QwenCloud で「China — 千問AI平台」を選ぶ場合の従量課金のURLをhttps://maas.qianwenaiapi.com/compatible-mode/v1、「International — QwenCloud」をhttps://maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1と載せています(Token Plan は、China がtoken-plan.maas.qianwenaiapi.com、International がtoken-plan.maas.qwencloudapi.com)。China のドメインと、北京リージョンのドメイン(cn-beijing.maas.qwencloudapi.com)の関係は、読んだページに書かれていません。キーも、それぞれの側で作ったものを使います。 - 環境変数だけで済ませる書き方も、Authentication のページにあります(OpenAI互換なら
OPENAI_API_KEY、OPENAI_BASE_URL、OPENAI_MODEL)。同ページは、国際版の従量課金のURLとしてhttps://maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1(リージョンIDなし)を載せています。QwenCloud の Regions のページには、これはシンガポールと同じ、とあります。 - 設定を変えたら、
/modelでモデルを切り替えられます。新しいモデルを足すときは、modelProvidersに書いて Qwen Code を再起動する、と QwenCloud のページにあります。 /authで入れたキーの保存先は、Authentication のページに書かれていませんでした。ログアウトの操作も、記載が見つかりませんでした(qwen authのコマンドは削除された、とあります)。キーを消したいときは、環境変数、.env、settings.jsonから外す形になりますが、これは公式が確認している手順ではありません。
手順5:更新する
- スタンドアロンの導入は、導入のコマンドをもう一度実行します(Troubleshooting のページの記載)。npm なら
npm install -g @qwen-code/qwen-code@latestです。 general.enableAutoUpdateの既定はtrue、と Settings のページにあります。
手順6(任意):エディタと組み合わせる
VS Code の拡張と JetBrains の設定は、07に書きました。VS Code の必要バージョンは、公式ページ同士で書き方が違います(Qwen Code のドキュメントは 1.96.0 以上、QwenCloud のページは 1.85.0 以上)。デスクトップ版(Qwen Code Desktop)は、QwenCloud のページが GitHub の Releases から取る、と書いています。
E. 自分のマシンで動かす:モデルカードにある手順
対象は、Hugging Face の Qwen3.8-27B のモデルカード(Apache-2.0)と、QwenLM/Qwen3.8 のREADMEです。重みは、Hugging Face と ModelScope で公開されています。
手順の前に確かめること
- ライセンス。 モデルごとに違います(01)。27Bは Apache-2.0 です。
- 計算機の条件。 27Bのカードには、必要なGPUメモリの記載が見つかりませんでした。Docker の例の
--gpus allから、GPU を使う前提に読めます(これは僕らの見立てで、公式の条件ではありません)。 - バージョン。 カードは、フレームワークは最新版を、と書き、番号は載せていません。
- モデルの大きさ。 27Bは、ビジョンエンコーダーを備えた因果言語モデルで、層の構成に Gated DeltaNet と Gated Attention が出てきます。文脈は262,144トークン(YaRNで100万まで)、とあります。
手順1:推論サーバーを起動する(公式のコマンド)
vLLM(モデルカード):
pip install vllm
vllm serve "Qwen/Qwen3.8-27B"
SGLang(モデルカード、pip):
pip install sglang
python3 -m sglang.launch_server \
--model-path "Qwen/Qwen3.8-27B" \
--host 0.0.0.0 \
--port 30000
Docker Model Runner(モデルカード):
docker model run hf.co/Qwen/Qwen3.8-27B
Transformers(README):
transformers serve Qwen/Qwen3.8-27B --port 8000 --continuous-batching
- READMEには、vLLM、SGLang、TokenSpeed の起動例もあります。たとえば vLLM は、ポート8000、
--tensor-parallel-size 4、--max-model-len 262144、--reasoning-parser qwen3、--enable-auto-tool-choice、--tool-call-parser qwen3_coderを付けた形です。--tensor-parallel-size 4は、GPUを4基に分ける指定です。READMEは、必要なGPUの数を条件として書いていません。 - SGLang の Docker 版の例もモデルカードにあります(
--gpus all、--shm-size 32g、--ipc=host、HF_TOKENを渡す形)。全文は原文で確かめてください。 - README は、上の各コマンドが、
http://localhost:8000/v1にOpenAI互換のAPIを立てる、と書いています(SGLangのモデルカードの例は、ポート30000です)。
手順2:llama.cpp、Ollama、LM Studio、MLX
- モデルカードには、llama.cpp、Ollama、LM Studio のコマンドがなく、Hugging Face でコミュニティの量子化版を探す、という趣旨の案内だけがあります。
- README は、llama.cpp が Qwen3.5 系(文章と画像)に対応し、末尾が GGUF のモデルを探す、MLX は
mlx-lm(文章だけ)とmlx-vlm(画像と文章)が Qwen3.5 系に対応し、末尾が MLX のモデルを探す、と書いています。コマンドはありません。 - README のこの2つの記述は Qwen3.5 系についてで、Qwen3.8 が対応しているかどうかは、README に書かれていません。
- 量子化版は公式の配布ではありません(03)。入手元の確認は、各自で必要です。
- この記事は、これらのツールの具体的な手順を書きません。公式の手順が見つからなかったためです。
手順3:起動したか確かめる
README とモデルカードの書き方から組んだ確認の例です(この記事の例。動作は確かめていません)。サーバーを起動したターミナルとは別のターミナルで、次を実行します。
curl -X POST "http://localhost:8000/v1/chat/completions" \
-H "Content-Type: application/json" \
--data '{
"model": "Qwen/Qwen3.8-27B",
"messages": [{"role": "user", "content": "Hello"}]
}'
- モデルカードの画像つきの例は、同じ形のURLに
modelとmessagesを送っています。ポートは、起動のコマンドに合わせて変えます。 - 返事が出れば、サーバーが受け付けています。06に、このサーバーを呼ぶ手順があります。
つまずきと直し方
| 症状 | 考えられる原因(公式の記載) | 直し方(公式の記載) |
|---|---|---|
| APIが401で認証エラーになる | キーのリージョンと、送り先のリージョンが違う。Token Plan のキーと従量課金のキーの取り違え | 同じリージョンのキーとURLに合わせる。Token Plan は専用のURLとキーを使う |
| 環境変数を入れたのにキーが読めない | 開いたままのターミナルは、永続の設定を読み込んでいない | ターミナル、IDE、アプリを開き直す |
qwen が見つからない |
インストールが完了していない、または PATH に入っていない | スタンドアロンは、インストールをやり直して新しいターミナルを開く。npm は、npm のグローバルの bin ディレクトリを PATH に入れる |
会社のネットワークで証明書のエラー(unable to get local issuer certificate など) |
ファイアウォールがTLSの通信を検査している | export NODE_EXTRA_CA_CERTS=/path/to/your/corporate-ca.crt(Troubleshooting のページ) |
| 認証の失敗のあと、画面が出ない | security.auth.selectedType が settings.json に残っている |
その項目を、~/.qwen/settings.json か ./.qwen/settings.json から消して再起動 |
気をつけること
- 運営者は Qwen を入れていますが、使い心地はこの記事には書いていません。 この記事の手順は、公式の手順を順に並べたものです。動作を確かめた記録ではありません。
- 取得は要約を通している。 コマンドや設定は、取得した内容から写したものです。インストール用スクリプトの実行、環境変数や設定ファイルの書き込みは、システムに作用します。原文を見て写し、Token Plan の設定の全文も原文で確かめてください。署名キーやリポジトリの登録は、この記事では扱っていません。
- 読めなかった、読み切れなかった所。 chat.qwen.ai はサインインやモデルの選択の記載が出ず、Qwen Studio の規約とプライバシーポリシーは読めていません(01)。Qwen Code の Settings のページは、後半の約3万字を読んでいません。QwenCloud の Token Plan のクイックスタートと、エラーコードのページは読んでいません。
- キーの扱い。 キーは表示が1回だけです。公式は、フロントエンドとモバイルのコードに入れないことを書いています。ターミナルに貼ると履歴に残る点は、この記事の補足で、公式の記載ではありません。
- データの行き先。 APIも Qwen Code も、入力した内容は、設定した接続先に送られます。Qwen Code 自体は、プロンプト、コード、応答をモデルの学習に使わない、と公式の文書にあります。つないだ先の扱いは、先の規約によります(04)。
出典
- First API call(QwenCloud Docs、確認日 2026-10-25)
- API keys(QwenCloud Docs、確認日 2026-10-25)
- Regions and endpoints(QwenCloud Docs、確認日 2026-10-25)
- Configure your API key(QwenCloud Docs、確認日 2026-10-25)
- Qwen Code(QwenCloud Docs、確認日 2026-10-25)
- Get an API key(Alibaba Cloud Model Studio、確認日 2026-10-25)
- OpenAI compatibility(Alibaba Cloud Model Studio、確認日 2026-10-25)
- qwen-code README(QwenLM、GitHub、確認日 2026-10-25)
- Qwen Code Overview(Qwen Codeドキュメント、確認日 2026-10-25)
- Qwen Code Quickstart(Qwen Codeドキュメント、確認日 2026-10-25)
- Qwen Code Authentication(Qwen Codeドキュメント、確認日 2026-10-25)
- Qwen Code Settings(Qwen Codeドキュメント、確認日 2026-10-25)
- Qwen Code Troubleshooting(Qwen Codeドキュメント、確認日 2026-10-25)
- Qwen Code Uninstall(Qwen Codeドキュメント、確認日 2026-10-25)
- Qwen Code Visual Studio Code(Qwen Codeドキュメント、確認日 2026-10-25)
- Qwen Code: Terms of Service and Privacy Notice(Qwen Codeドキュメント、確認日 2026-10-25)
- Qwen3.8-27B モデルカード(Qwen、Hugging Face、確認日 2026-10-25)
- QwenLM/Qwen3.8 README(QwenLM、GitHub、確認日 2026-10-25)
- Qwen(Qwenチーム、Alibaba、chat.qwen.ai、確認日 2026-10-25)