3行でいうと

  • 手順を書けたのは、QwenCloud の API キー作成、環境変数、最初のAPI呼び出し、Qwen Code の導入と /auth、モデルカードにある推論サーバーの起動、の5つです。チャット(chat.qwen.ai)のサインイン手順は、読んだページに出ていませんでした。
  • API キーは、リージョンごとに別物です。作るときにリージョンを選び、コードの中のURLも同じリージョンに合わせます。合わないと認証エラーになる、と公式にあります。
  • Qwen Code は、インストール用スクリプト(Linux/macOS と Windows)、npm、Homebrew の入れ方が公式にあります。入れたあと qwen を起動し、/auth で接続先を選びます。
  • 公式ページ同士で書き方が違う所(Qwen Code のインストール用スクリプトが2種類ある、Qwen OAuth の扱い、VS Code 拡張の必要バージョン、など)は、どちらかに決めつけず併記しています。
  • ローカルで動かす手順は、vLLM、SGLang、Transformers、Docker Model Runner のコマンドを書きました。llama.cpp、Ollama、LM Studio は、読んだページにコマンドがありませんでした。

この記事は、公式の資料を2026年10月25日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。運営者はQwenを入れていますが、使い心地はこの記事には書いていません。手順は「公式の手順を順に並べたもの」です。コマンドや設定の例は、公式ページの内容を取得して写したもので、取得は要約を通した形です。記号や改行が崩れている可能性があります。システムに何かを入れる操作(インストール用スクリプトの実行、環境変数や設定ファイルの書き込み)は、公式ページの原文を見て写し、実行する前に中身を確かめてください。画面の表記は変わります。手元の画面と照らして読んでください。

先に結論

前提:用語をそろえる

たとえ話:入口が4つある建物

Qwen は、玄関が4つある建物のようなものです。チャットは正面玄関、APIは搬入口、Qwen Code は作業場への階段、ダウンロードして動かすのは部品を持ち帰って組み立てる方法です。入る玄関で、持っていく鍵(アカウント、API キー、ライセンス)が違います。

A. チャット(Qwen Studio):読めた範囲

B. QwenCloud のAPI:アカウントからキーの確認まで

以下は、QwenCloud の「First API call」「API keys」「Regions and endpoints」「Configure your API key」のページを順に並べたものです。

手順1:アカウントを作る

  1. QwenCloud のトップページ(qwencloud.com)を開き、GitHub かメールでサインインします(「First API call」の記載)。
  2. 01で書いたとおり、公式のFAQには、アリババクラウド国際版のメインアカウントだけが入れる、という記載があります。社内で使う場合は、誰のアカウントで作るかを先に決めてください。

手順2:リージョンを決める

  1. コンソールの右上にあるリージョンの選択で、呼び出したいリージョンを選びます(「API keys」「First API call」の記載)。
  2. 無料枠の対象はシンガポールだけです(01、04)。無料枠を使いたいときは、シンガポールを選ぶことになります。
  3. キーが使えるのは、そのリージョンのエンドポイントだけです。ほかのリージョンのエンドポイントに送ると、認証のエラーになります。

エンドポイントは、https://{リージョンID}.maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1 の形です。リージョンIDは、シンガポールが ap-southeast-1、北京が cn-beijing、フランクフルトが eu-central-1、香港が cn-hongkong、東京が ap-northeast-1、バージニアが us-east-1 です(Regions and endpoints のページの表。北京は cn-beijing.maas.qwencloudapi.com)。

手順3:API キーを作る

  1. コンソールで「API Keys」のページを開きます。
  2. リージョンの選択(右上)と、ワークスペースの切り替え(サイドバーの下)を確認します。
  3. 「Create API key」を押し、説明(description)を入れて、「Generate Key」を押します。
  4. 表示されたキーをコピーします。キーが表示されるのは1回だけで、ダイアログを閉じると、伏せ字の表示しか残りません。
  5. 「First API call」のページは、キーが sk-ws- で始まる、と書いています。いっぽう「API keys」のページには、キーの接頭辞の記載がありません。Qwen Code の認証のページは、従量課金のキーは sk- か sk-ws- で始まり、Token Plan のキーは sk-sp- で始まる、と書いています。ページごとに書き方が違うので、手元に出たキーの先頭は、画面で確かめてください。

1つのワークスペースで作れるキーは、最大20個です。

キーの操作 公式の記載(「API keys」のページ)
説明の編集 できる
無効にする/有効に戻す 状態のスイッチで切り替え。無効のキーは、すべてのリクエストを拒否。戻せば、すぐに使える
削除 キーが永久に無効になり、元に戻せない。使っているリクエストは、すぐに失敗する
費用を見る キーごとの費用の内訳を見られる
Token Plan のキーのリセット 新しいキーが作られ、古いキーはすぐに無効になる

公式は、キーをフロントエンドやモバイル、ブラウザのコードに入れないこと、開発・テスト・本番でキーかワークスペースを分けることも書いています。

手順4:環境変数に入れる

「Configure your API key」のページの手順です。変数の名前は DASHSCOPE_API_KEY です。YOUR_DASHSCOPE_API_KEY は、手順3のキーに置き換えます。

macOS(zsh):

echo "export DASHSCOPE_API_KEY='YOUR_DASHSCOPE_API_KEY'" >> ~/.zshrc
source ~/.zshrc

macOS(bash): 書き込む先を ~/.bash_profile にします。Linux(bash): 書き込む先を ~/.bashrc にします。

現在のターミナルだけ(一時的):

export DASHSCOPE_API_KEY="YOUR_DASHSCOPE_API_KEY"

確かめる:

echo $DASHSCOPE_API_KEY

Windows(PowerShell、永続):

[Environment]::SetEnvironmentVariable("DASHSCOPE_API_KEY", "YOUR_DASHSCOPE_API_KEY", [EnvironmentVariableTarget]::User)

PowerShell の一時的な設定は $env:DASHSCOPE_API_KEY = "YOUR_DASHSCOPE_API_KEY"、確かめるのは echo $env:DASHSCOPE_API_KEY です。

Windows(CMD): 永続は setx DASHSCOPE_API_KEY "YOUR_DASHSCOPE_API_KEY"、確かめるのは echo %DASHSCOPE_API_KEY% です。

公式の注意は、永続の設定は新しく開いたターミナルやアプリで有効になること、sudo は環境変数を引き継がない(sudo -E を使う)こと、サービスとして動かすアプリはサービスの設定に変数を入れて再起動すること、です。

手順5:SDK を入れて、最初の1回を呼ぶ

Python:

pip install openai

hello_qwen.py を作ります。公式の例の写しです(シンガポールのURL)。

import os
from openai import OpenAI

client = OpenAI(
  api_key=os.getenv("DASHSCOPE_API_KEY"),
  base_url="https://ap-southeast-1.maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1",
)

completion = client.chat.completions.create(
  model="qwen3.8-max",
  messages=[
    {"role": "user", "content": "Hello! Tell me a fun fact about AI."}
  ]
)

print(completion.choices[0].message.content)

実行は python hello_qwen.py です。

curl(macOS/Linux):

curl -X POST https://ap-southeast-1.maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1/chat/completions \
  -H "Authorization: Bearer $DASHSCOPE_API_KEY" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{
    "model": "qwen3.8-max",
    "messages": [
      {
        "role": "user",
        "content": "Hello! Tell me a fun fact about AI."
      }
    ]
  }'

C. Alibaba Cloud Model Studio:キー作成の手順

「Get an API key」のページ(アリババクラウドのヘルプ)の手順です。QwenCloud とは別の入口で、関係は読んだページに書かれていません(01)。

  1. アリババクラウドのアカウント、または administrator か API キーのページの権限を持つ RAM ユーザーで入ります。
  2. Model Studio の「API Key」のページを開き、右上でリージョンを選び、「Create API Key」を押します。
  3. ダイアログで、ワークスペース(公式は既定のワークスペースを recommended と表記)、説明(任意、200文字まで)、権限(「All」〔公式は recommended と表記〕か、IPの許可リストと使えるモデルを決める「Custom」)を決め、「OK」を押します。
  4. キーと「API Host」を、すぐにコピーかダウンロードします。平文のキーは、ダイアログを閉じると見られなくなります。
  5. 米国(バージニア)は手順が少し違い、コンソールでリージョンを切り替えてから「API Key」を選びます。また、米国(バージニア)では、キーの無効化とリセットが使えません。

  6. キーはリージョンごとに別で、ほかのリージョンでは使えません。

  7. Token Plan と Coding Plan には sk-sp- で始まる専用のキーがあります。このページが扱う従量課金のキーの接頭辞は、更新の前後で sk- と sk-ws に分かれる、と書かれています(米国は対象外)。
  8. キーは、削除するまで期限が切れません。最長1800秒の一時キーも作れる、と書かれています。
  9. OpenAI互換のベースURL(互換のページ)は、https://{WorkspaceId}.<リージョン>.maas.aliyuncs.com/compatible-mode/v1 の形です。同ページの一覧では、北京の行がシンガポールのホスト(ap-southeast-1)になっている一方、移行の注記には cn-beijing を使う書き方があります。ページ内で食い違うので、北京を使うときは、コンソールと公式で確かめてください。QwenCloud 側の北京は cn-beijing.maas.qwencloudapi.com で、ドメインが別です。
  10. 以前のドメイン(dashscope.aliyuncs.com など)は残っているが、ワークスペース別のドメインを使うように、と互換のページは書いています。

D. Qwen Code:導入から最初の接続まで

Qwen Code は、ターミナルで動くコーディング用のエージェントです(Apache-2.0、公式のGitHubのREADME)。ここでは、導入と接続までを書きます。使い方は06、ほかのツールとの組み合わせは07です。

手順1:入れる

公式のREADMEとQuickstartの「Quick Install」は、次のとおりです。

Linux / macOS:

curl -fsSL https://qwen-code-assets.oss-cn-hangzhou.aliyuncs.com/installation/install-qwen-standalone.sh | bash

Windows(PowerShell):

irm https://qwen-code-assets.oss-cn-hangzhou.aliyuncs.com/installation/install-qwen-standalone.ps1 | iex

インストール後は、ターミナルを開き直します(環境変数を反映させるため、と公式にあります)。

npm(Node.js 22 以上):

npm install -g @qwen-code/qwen-code@latest

Homebrew(macOS、Linux):

brew install qwen-code

手順2:入ったか確かめる

  1. 新しいターミナルを開きます。
  2. qwen --version を実行します(QwenCloud のページに、この確認の書き方があります)。
  3. qwen が見つからないときは、ターミナルを開き直します。それでも見つからないときは、つまずきの表を見てください。

手順3:接続先を選ぶ(/auth)

  1. 作業するフォルダへ移ります。cd /path/to/your/project
  2. qwen を実行します。初回は、認証の設定を促されます。あとから設定し直すときは、セッションの中で /auth を実行します。
  3. /auth のメニューには、公式のAuthenticationのページによると、次の4つが並びます。
選ぶ項目 その下の選択 公式の記載
QwenCloud Token Plan か Standard API Key。続けて、プラットフォームを「China — 千問AI平台」か「International — QwenCloud」から選ぶ Authentication のページが「the recommended official setup」の趣旨で書く
Alibaba ModelStudio Coding Plan、Token Plan、Standard API Key Coding Plan と Token Plan は、リージョンも聞かれる
Third-party Providers DeepSeek、Grok、MiniMax、Z.AI、Kimi、Idealab、ModelScope、OpenRouter、Requesty から選び、API キーを入れる 組み込みの提供元
Custom Provider ローカルのサーバー、プロキシ、未対応の提供元(OpenAI、Anthropic、Gemini、その他の互換エンドポイント)

手順4:設定ファイルで接続する(画面を使わない場合)

CI やコンテナでは、/auth の代わりに、環境変数か settings.json を使う、と Authentication のページにあります。

置き場所(Settings のページ):

範囲 場所
ユーザー ~/.qwen/settings.json(Windows は C:\Users\<ユーザー名>\.qwen\settings.json。QwenCloud のページの記載)
プロジェクト プロジェクトのルートの .qwen/settings.json
システム Linux は /etc/qwen-code/settings.json、macOS は /Library/Application Support/QwenCode/settings.json、Windows は C:\ProgramData\qwen-code\settings.json

優先順位は、低い順に、既定値、システムの既定、ユーザー、プロジェクト、システム、環境変数(.env から読まれる場合もある)、コマンドラインの引数、とあります。設定の文字列の中では、$VAR_NAME か ${VAR_NAME} で環境変数を参照できます。

QwenCloud の従量課金の例(QwenCloud の「Qwen Code」のページの写し。シンガポール。ほかのリージョンは ap-southeast-1 を変え、そのリージョンのキーを使う):

{
  "env": {
    "DASHSCOPE_API_KEY": "YOUR_API_KEY"
  },
  "modelProviders": {
    "openai": [
      {
        "id": "qwen3.7-plus",
        "name": "[QwenCloud] qwen3.7-plus",
        "baseUrl": "https://ap-southeast-1.maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1",
        "envKey": "DASHSCOPE_API_KEY",
        "generationConfig": {
          "extra_body": {
            "enable_thinking": true
          }
        }
      }
    ]
  },
  "security": {
    "auth": {
      "selectedType": "openai"
    }
  },
  "model": {
    "name": "qwen3.7-plus"
  },
  "$version": 3
}

手順5:更新する

手順6(任意):エディタと組み合わせる

VS Code の拡張と JetBrains の設定は、07に書きました。VS Code の必要バージョンは、公式ページ同士で書き方が違います(Qwen Code のドキュメントは 1.96.0 以上、QwenCloud のページは 1.85.0 以上)。デスクトップ版(Qwen Code Desktop)は、QwenCloud のページが GitHub の Releases から取る、と書いています。

E. 自分のマシンで動かす:モデルカードにある手順

対象は、Hugging Face の Qwen3.8-27B のモデルカード(Apache-2.0)と、QwenLM/Qwen3.8 のREADMEです。重みは、Hugging Face と ModelScope で公開されています。

手順の前に確かめること

手順1:推論サーバーを起動する(公式のコマンド)

vLLM(モデルカード):

pip install vllm
vllm serve "Qwen/Qwen3.8-27B"

SGLang(モデルカード、pip):

pip install sglang
python3 -m sglang.launch_server \
    --model-path "Qwen/Qwen3.8-27B" \
    --host 0.0.0.0 \
    --port 30000

Docker Model Runner(モデルカード):

docker model run hf.co/Qwen/Qwen3.8-27B

Transformers(README):

transformers serve Qwen/Qwen3.8-27B --port 8000 --continuous-batching

手順2:llama.cpp、Ollama、LM Studio、MLX

手順3:起動したか確かめる

README とモデルカードの書き方から組んだ確認の例です(この記事の例。動作は確かめていません)。サーバーを起動したターミナルとは別のターミナルで、次を実行します。

curl -X POST "http://localhost:8000/v1/chat/completions" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  --data '{
    "model": "Qwen/Qwen3.8-27B",
    "messages": [{"role": "user", "content": "Hello"}]
  }'

つまずきと直し方

症状 考えられる原因(公式の記載) 直し方(公式の記載)
APIが401で認証エラーになる キーのリージョンと、送り先のリージョンが違う。Token Plan のキーと従量課金のキーの取り違え 同じリージョンのキーとURLに合わせる。Token Plan は専用のURLとキーを使う
環境変数を入れたのにキーが読めない 開いたままのターミナルは、永続の設定を読み込んでいない ターミナル、IDE、アプリを開き直す
qwen が見つからない インストールが完了していない、または PATH に入っていない スタンドアロンは、インストールをやり直して新しいターミナルを開く。npm は、npm のグローバルの bin ディレクトリを PATH に入れる
会社のネットワークで証明書のエラー(unable to get local issuer certificate など) ファイアウォールがTLSの通信を検査している export NODE_EXTRA_CA_CERTS=/path/to/your/corporate-ca.crt(Troubleshooting のページ)
認証の失敗のあと、画面が出ない security.auth.selectedType が settings.json に残っている その項目を、~/.qwen/settings.json か ./.qwen/settings.json から消して再起動

気をつけること

出典