3行でいうと

  • Makeの中から呼ぶ道は4つあります。AIモデルのアプリのモジュール(Anthropic Claude、Google Gemini AIなど)、MCP Clientアプリ(open beta)、AIエージェント「Run an agent」のMCPツール、そしてHTTPやWebhookなどの汎用の部品です。
  • AIの接続は、Make's AI Provider(キー不要。Freeでも使える)と、自分のAIプロバイダーの接続(APIキーを貼る)に分かれます。自分の接続では、公式の「AI providers and data zones in Make」が、「Make側のEU保証はなくなる」と書いています。
  • MCP Clientアプリには、「Call a tool」(ツール名を指定して動かす)と「Execute an action with AI」(AIが選んで動かす)があります。公式は、前者を、後者の前にサーバーを試すのに使う、と書いています。
  • 秘密の情報(APIキー、トークン)の置き場所について、公式のHTTPアプリの資料は、ヘッダーやクエリに書かず、認証用の専用の欄(キーチェーン)を使う、と書いています。
  • 外し方は、読んだページに書かれていないものが多くあります。書かれていた範囲を、後ろの表にまとめました。

この記事は、公式の資料を2026年10月25日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。

先に結論

前提:用語をそろえる

01、03、05、07と重なる用語は省きます。

たとえ話:手紙の出し方

Makeのシナリオを、事務所の担当者だと考えます。AIモデルのモジュールは、専門の相談窓口に電話で聞く方法、MCP Clientは、取引先の窓口(外のMCPサーバー)に、決まった様式の依頼書を出す方法、HTTPのモジュールは、様式のない相手に、宛名と中身を自分で書いて送る手紙です。電話や手紙の中身は、相手の側に渡ります。これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません。

連携1:AIモデルの会社をモジュールでつなぐ(Claude、Gemini、OpenAI)

接続の種類

03で、公式のCreditsの記事から3種類に整理しました。ここでは、データがどこへ行くかに絞ります。

接続の種類 使える範囲(公式の記載) 処理の場所(公式の「AI providers and data zones in Make」)
Make's AI Provider Freeプランでも使える(AIエージェントの手引き) 機能とモデルで違う(下の表)
自分のAIプロバイダーの接続 有料プランで使える(AIエージェントの手引き) 「Make側のEU保証はなくなる」。プロバイダーの既定の窓口に送られ、その経路は、プロバイダー側のアカウントやプロジェクトの設定に従う
アプリのSimple Text Prompt 接続も設定も要らない(AnthropicとGeminiの資料) 資料にこのモジュール個別の記載はありません。読んだ範囲では確認できていません

Make's AI Providerの処理の場所

公式のページの区分を、言い換えて並べます(確認日2026-10-25)。モデルの名前は変わるので、公式ページで確かめてください。

機能・モデル 処理の場所
Maia、Make AI Web Search、OpenAIのモデル ゾーンにかかわらず、常に米国
Anthropic Claudeのモデルの多く EUのゾーンなら、おもにEU(フランクフルト、チューリッヒ、ミラノ、ロンドンなど)
Anthropic Claudeの一部のモデル EUのゾーンでも米国(ページは、Opus 4.5、Fable 5、Fable 5.1を挙げる)
Sonnet 4.6、Opus 4.6 英国のBedrockのリージョン。EUだけにしたいときは、ほかのモデルを検討する、と書かれている
AI Content Extractorの多くのモジュール Microsoft Azure AI。EUのゾーンでも米国のゾーンでも、EUで処理

自分の接続の側では、EUでの処理が保証されるものとして、Microsoft Foundry、Amazon Bedrock(廃止予定の表示)、OpenAI互換のプロバイダー(エンドポイントしだい)が挙がっています。保証されないものとして、Anthropic、OpenAI、Google Gemini、Mistral、Cohere、Groq、xAIが挙がっています。Make AI Toolkit、Make AI Agent、MCP Clientは、設定した接続のとおりになる、とあります。

ページは、各リクエストにどのデータの項目が含まれるかは、一覧にしていない、と書いています。

手順:Anthropic Claudeのモジュールを置く

接続の作り方は、05の手順6です。そのあとの手順は、次のとおりです。

  1. シナリオにAnthropic Claudeのモジュールを置きます。
  2. 接続を選びます(まだなければ「Create a connection」で、「API Key」を貼って「Save」)。
  3. 使うモジュールを選びます。公式の資料にある、接続が要るもの:「Create a Prompt」(Skillsの機能も使える)、ファイルの「List Files」「Get a File」「Download a File」「Upload a File」「Delete a File」、Skillの管理、「Make an API Call」。「Download a File」は、Claudeが作ったファイルだけです。
  4. モデルを選びます。「Create a Prompt」と「Simple Text Prompt」では、使えるモデルの一覧が違い、ページには、モデルごとのクレジットの表があります。
  5. 動かして、出力を見ます。

注記(公式の資料より):Anthropicの規約で、あるモデル(Fable)では、データが30日保存され、その間、ログにアクセスされうる、と書かれています。一部のモデルは、サイバー、生物、フロンティアLLM、推論の抽出といった種類の依頼を断ることがあり、断られた実行にも課金されます。Freeプランや試用では、使えるモデルが限られます。

手順:Google Gemini AIのモジュールを置く

  1. シナリオに「Google Gemini AI」のモジュールを置きます。
  2. 接続を選びます(作り方は05)。
  3. 使うモジュールを選びます。接続が要るもの:「Generate a response」「Upload a file」「Generate an image」「Generate a video」「Extract structured data」「Make an API call」。
  4. 動かして、出力を見ます。「Simple text prompt」は、出力に使ったトークンが出る、とあります。

OpenAI

OpenAIのモジュールの接続と手順のページは、読めていません。読んだOpenAI関連のページは、07のとおり、MakeのツールボックスをOpenAI側につなぐものです。OpenAIのモデルは、Make's AI Providerでは常に米国で処理される、という区分は上の表のとおりです。

渡るデータ、外し方

連携2:MCP Clientアプリ(外のMCPサーバーを、シナリオから呼ぶ)

公式のアプリ資料「MCP Client」(open beta)に沿った内容です。ヘルプの「Introduction to MCP」は、MakeをサーバーとしてAIアプリが呼ぶ話が中心で、このアプリ(Makeがクライアントになる話)には触れていませんでした。「Make AI Web Search, MCP client and MCP server improvements」は、このアプリに「Execute an action with AI」のモジュールが加わった、と書いています。

接続を作る

  1. シナリオに、MCP Clientアプリのモジュールを置きます。
  2. 「Create a connection」を押し、次を入れます。
欄 公式の説明
Connection name 任意
MCP Server 検証済み(verified)のサーバーの一覧から選ぶか、「+ New MCP Server」
URL 一覧から選ぶと自動で入る。ないサーバーは、遠隔のサーバーのURLを入れる。Make自身のサーバーは https://mcp.make.com。一覧にないサーバーのURLを探す先として、ページは「PulseMCP」を挙げている
そのほかの欄 サーバーが求めるもの(一部のURLに、自分の値で置き換える部分がある。Datadog、Keboola、Shopify Storefront、WooCommerceなど)
  1. 認証は、サーバーによって次のいずれかです。
  2. OAuth: 対応しています。サーバーによっては、サーバー側の設定に、リダイレクトURI https://www.make.com/oauth/cb/mcp を足す必要があります。
  3. APIキーまたはアクセストークン: 手でURLを入れたサーバーでは、「API Key / Access token」の欄に入れます。
  4. なし: 認証が要らないサーバーなら、認証の手順は飛ばします。
  5. 「Save」を押し、求められたら認証します。

トランスポートは、ページに書かれていません。URLの末尾が /sse のものと /mcp のものがありますが、意味の説明はありません。verifiedサーバーの一覧は、更新されるので、古いことがある、とあります。

モジュール

モジュール 種類 欄 公式の説明
Call a tool Search Connection、Tool Name、Arguments サーバーのツールを、名前を指定して動かす。必須・任意の入力を、Argumentsに割り当てる。ページは、「Execute an action with AI」の前にサーバーを試すのに使う、と書く
Execute an action with AI Action Connection、Tools、Connection type、AI Provider Connection、Model、Task、Disable system prompt AIが、必要なツールを選んで動かす。「Connection type」は、Make's AI providerか、自分のOpenAIのアカウント。「Disable system prompt」を「Yes」にすると、Makeの既定のシステムプロンプトが外れ、自分のプロンプトを「Task」に書く

手順:呼んでみる

  1. 接続を作ります。
  2. 「Call a tool」を置き、「Tool Name」のドロップダウンから、ツールを1つ選びます。「Arguments」を割り当てます。
  3. 「Run this module」(06)で動かします。サーバーのツールが、必須・任意の入力と一緒に一覧に出ます。
  4. うまくいったら、「Execute an action with AI」に替えます。「Tools」で、AIに使わせるツールを選びます。ページは、作業に関係ないツールを外すと結果がよくなる、と書いています。
  5. 「Task」に、してほしいことを書きます。

渡るデータ、権限、外し方

連携3:エージェント(Run an agent)に、MCPのツールを持たせる

06の場面6の手順4に、MCPサーバーの足し方があります。ここでは、データの面を補います。

  1. 「Run an agent」のモジュールで、プラスのアイコンにカーソルを重ね、「Add MCP」を押します。
  2. 「Connection」を選びます(MCP Clientアプリの接続と同じ形)。
  3. 「Tools」で、使うツールを選びます(「Select All」もあります)。公式は、ツールを絞ると、高いトークン使用を減らせる、と書いています。
  4. 保存します。

  5. 渡るデータ。 エージェントが選んだツールの入力が、外のMCPサーバーに送られます。AIプロバイダー(Make's AI Providerか、自分の接続)には、エージェントの指示と、ツールの情報が渡ります。旧版のAIエージェントの手引きは、システムのプロンプト、各ツールの名前と説明、シナリオの入出力の名前と説明が、AIプロバイダーに送られる、と書いています(旧版のページの記載で、現行の版も同じかは、読んだ範囲では確認できていません)。

  6. 別のシナリオを道具にする場合。 「Call a scenario」は、呼ばれるシナリオが「On demand」で、エージェントにデータを返すなら、最後に「Return outputs」のモジュールが要る、とあります。
  7. 外し方。 道具を一時的に外すのは、右クリックの「Disable tool」(戻すのは「Enable tool」)です。完全に外す手順は、読んだページに書かれていません。

連携4:HTTPアプリ(専用のモジュールがない相手を呼ぶ)

公式のアプリ資料「HTTP」に沿った内容です。現行はバージョン4で、バージョン3はドロップダウンから、「HTTP (legacy)」は古いアプリです。

モジュール

モジュール 公式の説明
Make a request 任意のサーバーにHTTPリクエストを送る。GET、HEAD、POST、PUT、PATCH、DELETE、OPTIONS
Download a file URLからファイルを取る
Resolve URL リダイレクトをたどり、最後のURLを返す

設定の主な欄(Make a request)

欄 公式の説明
URL https:// で始まる、完全なアドレス
Method HTTPの動詞
Headers User-AgentやCache-Controlなど、追加の情報。認証と内容の種類は、ここに書かない
Query parameters キーと値の組。おもにGETとDELETE
Body content type application/JSON、multipart/form-data、application/x-www-form-urlencoded、Custom
Parse response 出力を構造にして、1回動かしたあとに欄を割り当てられるようにする
Timeout 1〜300秒
Return error if HTTP request fails 4xxと5xxの応答で、シナリオを止める
Allow redirects 最大10回まで

そのほか、ページネーション(オフセット、ページ、URL、トークン)、TLS(なし、サーバー証明書、相互TLS)、プロキシ、Cookieの共有、圧縮の要求の設定があります。

認証の入れ方

限りと注意

渡るデータ、外し方

連携5:Webhook(外のプログラムやAIが、Makeに送る)

06の場面5で書いた内容に加えて、つなぎ方の面を整理します。

Webhookの認証がページにない点(僕らの見立て):URLを知っている相手が、データを送れる作りだと読めます。公式のドキュメントに、別の守り方があるかは、読んだ範囲では確認できていません。受け取ったデータをAIに渡す流れでは、中身を信用しない前提で、シナリオを組む必要があります。

連携6:Make API(プログラムから、Makeを操作する)

05の手順7で作ったトークンで、プログラムからMake自身を操作できます。読んだのは、スコープの考え方だけです。

この記事の案:組み合わせの例

以下は、公式の記載に沿って組んだ案です。この記事で考えたもので、動作は確かめていません。公式の手順は、各連携の節のとおりです。

案 どの画面・どこに 渡るもの 権限 外し方
A:ClaudeからMakeを呼び、Slackに下書きを出す Make:On demandのシナリオ(入力、Return output、説明)。Claude:Connectors→Browse connectors→Make Claudeがシナリオの入力に値を渡す。Makeは出力を返す。Slackには、下書きだけを送る 同意画面で、まず「Run your scenarios」だけを選ぶ(07) Claudeの「Configure」でツール別の許可を変える。接続の削除は、記載が見つからない
B:ChatGPTから、ツールボックスで選んだシナリオだけを呼ぶ Make:MCP Toolboxes→Create。ツールの「Behavior」を「Read only」(クライアントへの注釈で、書き込みを実際に止める設定とは書かれていない)。「Restrict access by IP address」 選んだシナリオの入力と出力だけ ツールボックスのキー。人ごとに別のキー ツールボックスのキーの「X」、またはツールボックスの「Delete」
C:Make内のエージェントが、外のMCPサーバーの一部のツールを使う Run an agent→Add MCP→Connection→Tools(必要なものだけ) エージェントが選んだツールの入力が、外のサーバーに渡る 外のサーバーの同意画面とスコープ 「Disable tool」。完全に外す手順は、記載が見つからない
D:Geminiを、自分のキーで、流れの途中に入れる Google AI StudioでAPIキー→Makeの「Google Gemini AI」の接続 プロンプトとマッピングしたデータが、Geminiに渡る。EUの処理は保証されない(自分の接続) AI Studioのプロジェクトの権限 AI Studio側でキーを消す(見立て)

案Aの「下書きだけ送る」は、公式のAIエージェントの手引き(03)にある、出力を人が確かめてから次へ進める、という考え方に合わせたものです。

渡るデータ:まとめ

つなぎ方 データの行き先 公式の記載の有無
Anthropic、Gemini、OpenAIのモジュール(自分の接続) そのプロバイダー。EU保証はなし 書かれている(data zonesのページ)。項目の一覧は書かれていない
Make's AI Provider Makeが処理し、モデルごとの場所へ 書かれている。OpenAIは常に米国
MCP Client つないだ外のMCPサーバー 書かれている(接続の仕組みのみ)。先方での扱いは、書かれていない
エージェントのMCPツール 同上。AIプロバイダーにも指示とツール情報 旧版のページの記載を含む
HTTP 呼んだ先 書かれている
Webhook(受ける側) Makeのキューとログ(ログは3日) 書かれている

外し方:読んだ範囲のまとめ

対象 読んだ範囲でわかること
AIモデルの接続 記載が見つからない
MCP Clientの接続 記載が見つからない。AIに使わせるツールは、「Tools」で選び直せる
エージェントの道具 「Disable tool」で一時的に外す。完全に外す手順は記載が見つからない
HTTPの認証情報 キーチェーンに保管。削除の手順は記載が見つからない
Webhook キューの項目の削除は、「Delete selected」「Delete all」。Webhook自体の削除は、読んだページに書かれていない
APIトークン 作成とスコープは05。失効は記載が見つからない

うまくいかないとき

症状 確かめること(公式の記載から)
MCP Clientの接続で認証に失敗する OAuthなら、サーバー側にリダイレクトURI https://www.make.com/oauth/cb/mcp が登録されているか。キーを入れる形のサーバーは、「API Key / Access token」の欄を確かめる
サーバーのツールが出ない URLが正しいか。一部のURLの置き換えの部分を自分の値にしたか。一覧が古い可能性がある(ページの記載)
AIが関係ないツールを選ぶ 「Tools」で、作業に関係ないものを外す(ページの記載)。「Call a tool」で、先に1つずつ試す
トークンの使用が多い MCPのツールを絞る(公式の記載)。AnthropicはAIエージェントでツール用のシステムプロンプトを含み、クレジットが増える(公式の記載)
AnthropicやGeminiの呼び出しが断られる AnthropicはFree・試用で使えるモデルが限られる。一部のモデルは、特定の種類の依頼を断り、断られても課金される(公式の記載)
HTTPのリクエストが断られる HTTPSか。証明書が検証できるか(自己署名は断られる)。タイムアウトは1〜300秒
エージェントが時間切れになる 「Step timeout」は、空なら300秒(06)

気をつけること

出典