3行でいうと

  • 入手の入口は2つです。公式サイトから Gumroad 経由で入れる「MacWhisper」(直接ダウンロード版)と、Mac App Store の「Whisper Transcription」。ディクテーション、会議の自動検知、すべてのAI提供元などは、直接ダウンロード版だけと公式のヘルプにあります。
  • 直接ダウンロード版の最低のmacOSは、読んだ範囲では見つかりませんでした。App Store版は表示が「macOS 15.0 or later」でした(確認日 2026-10-25)。
  • モデルは、アプリの中の「Manage Models」の画面から選んでダウンロードします。WhisperKit系のモデルは、M系列(Apple silicon)のMacだけで動き、Intelでは使えない、と公式にあります。
  • 許可(権限)について公式が名前を挙げているのは、会議の録音の「Screen Recording」と「Microphone」です。ただし、その許可を与える手順は、読んだヘルプには書かれていませんでした。
  • 設定のページ名は、公式が書く範囲で表にしました。画面の表記は版で変わるので、手元の画面と照らして読んでください。

この記事は、公式の資料を2026年10月25日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。

手順は「公式の手順を順に並べたもの」です。公式の記載を読んで、この記事で組んだ確認の流れには、そのつど「この記事の案(動作は確かめていません)」と書きました。公式のヘルプは要約の形で取得したため、「書かれていない」と言い切らず、「読んだ範囲では見つからなかった」と書いています。

先に結論

前提:用語をそろえる

どちらの版を入れるか

公式ヘルプ「MacWhisper & Whisper Transcription Difference」の内容を、項目ごとに並べます(確認日 2026-10-25)。

項目 直接ダウンロード版(MacWhisper) App Store版(Whisper Transcription)
入手先 Gumroad Mac App Store
どのテキスト欄にも入れるディクテーション あり 公式は「直販版だけ」の機能として挙げている
会議の検知と録音の案内 あり 同上(会議録音のヘルプにも、App Store版では使えないと書かれている)
AI提供元 すべて App Storeの制限で、選べる提供元が少ない
MDM(会社向けの一括設定) 対応 公式は「直販版だけ」の機能として挙げている
まとめ買い割引 あり(5、10、20、50ライセンスのまとめ買い。さらに多い数は support@macwhisper.com に連絡) 同上(直販版だけ)
コマンドライン連携(mw) あり 公式は「直販版だけ」の機能として挙げている
支払い 1回払いの個人用ライセンスで全機能 アプリ内課金(週・月・年の購読。任意でAssistantの購読)
ライセンスキー 「License Key Activation」は直販版でだけ有効 入力欄がなく、外部のライセンスキーは使えない

手順A:直接ダウンロード版を入れる(公式の記載の範囲)

公式サイト macwhisper.com の取得結果にあった内容を、順に並べます。画面での段階的なインストール手順は、サイトには書かれていませんでした。

  1. 公式サイト(macwhisper.com)を開きます。
  2. 無料で試すなら、サイトの「Download Free」にあたるリンク(Gumroadの商品ページ)に進みます。Proを買うなら、同じGumroadの別のリンクがあります。
  3. 公式サイトには、MacWhisperになりすました偽サイトがマルウェアを配ることがある、という注意があります。Gumroadでダウンロードを確認したあとに届くリンクからだけインストールする、App Storeの場合はそこから、と書かれています。
  4. ダウンロードしたあとの操作(ファイルの種類、アプリケーションフォルダーへの置き方、初回起動時のmacOSの警告など)は、読んだ公式ページには書かれていません。macOS一般の手順は、Appleの案内で確認してください。
  5. 公式サイトのFAQには「System Requirements」の項目名がありますが、取得できたサイト本文には最低のmacOSの記述が見つかりませんでした。購入や導入の前に、公式サイトで確かめてください。

Gumroadの商品ページは、取得できたのがほぼメタデータだけで、本文(購入の選択肢、ダウンロードの内容、動作環境)は読めませんでした。説明文には、OpenAIのWhisper、Qwen、NvidiaのParakeetのモデルで文字起こしをする、という趣旨があります。

手順B:Mac App Store版を入れる(公式の記載の範囲)

App Storeの掲載ページ(米国、確認日 2026-10-25)の表示です。

項目 表示
アプリ名 Whisper Transcription
開発元 Good Snooze
価格 無料(アプリ内課金あり)
必要なOS macOS 15.0 or later(ほかにiOS 18.0以降など)
サイズ 323.6 MB
バージョン表示 5.2.1(取得時点で「2d ago」と表示)
対応する形式(説明文) mp3、wav、m4a、mp4、mov
プライバシー表示(開発元の自己申告) 「Data Not Linked to You」として使用状況データ(分析目的)

手順C:ライセンスとProの扱い

  1. 無料で使い始める。 公式サイトに、MacWhisper Free(月0ユーロ、「free forever」)と、Pro(1ライセンス、1回払い)があります(01参照)。
  2. 直販版のライセンスキーを入れる場所。 公式ヘルプ「Your license is disabled」のページには、ライセンスキーを入れる画面名やボタンは書かれていませんでした。設定の中に「Pro」のページがあることだけが、後述の「ライセンスを外す」の記載から分かります。
  3. 台数の目安。 同じページに、個人用ライセンスは「自分の端末向けで、ソフトな上限は3台」とあります。
  4. 別のMacへ移すとき。 ページの手順は、古いMacで設定の「settings > pro > remove license」の順に進んでライセンスを外し、新しいMacで有効にする、です(ページの表記のまま)。
  5. 想定外に無効になったとき。 ページは、support@macwhisper.com への連絡を案内しています。
  6. 更新情報。 同ページに、2025年12月の更新として、再販されたライセンスの報告を受けてライセンスの規約をより厳しく適用し始めた、より良い仕組みを準備中、という趣旨の記述があります。
  7. App Store版。 ライセンスキーの入力欄がなく、購読(アプリ内課金)で有効にする形です(差の表を参照)。

ライセンスキーをなくした場合の記事(「I've lost my license key, now what?」)と、「Pay Wall Error」の記事は、題名だけを確認し、中身は読んでいません。

手順D:モデルを選んでダウンロードする

公式ヘルプ「Switching to a WhisperKit model」の内容です。

  1. アプリのメニューから Manage Models の画面を開きます。ページは画面の写真で示していて、メニューの階層は文字では書かれていません(手元の画面と照らしてください)。
  2. モデルの一覧を WhisperKit で絞り込みます。
  3. モデルをダウンロードします。ページには「The Turbo model is a great choice for many Macs!」という一文があります(「recommend」の語は使われていません)。Turbo のほかに、モデル名はそのページに挙がっていません。
  4. ダウンロードしたモデルを有効にします。ボタンや設定の名前は、ページには書かれていません。
  5. 初めて使うときは、モデルをMacに合わせて準備する読み込みの時間があります。大きなモデルでは数分かかることがあり、2回目以降はかなり速くなる、と書かれています。

この手順で押さえる点 - WhisperKitは、公式が「より良い結果、とくに無音や音楽の混ざる長いファイルで、より速い」と説明する新しいエンジンです。 - WhisperKitのモデルは、M系列のMacだけで動きます。Intel搭載のMacでは使えません。 - IntelのMacで速さが足りないときは、公式ヘルプ「Transcription Is Slower Than Expected」が、クラウド文字起こしの提供元に切り替える方法を挙げています(07の「クラウド文字起こし」を参照)。 - モデルの保存先(ディスクのどこか)、モデルごとの容量や必要なメモリは、読んだヘルプには書かれていません。メモリについては、今回この記事のために読んだページに記述が見つからなかったため、ここでは扱いません(01の記述は、公式ページで確かめ直してください)。 - コマンドラインからモデルを選ぶときは、mw models list で一覧を見て、mw models select <モデルのID> で選びます。ヘルプには、モデルがまだ無いときは失敗するので、先にアプリでダウンロードするように、とあります(詳しくは07)。

許可(権限):公式が書く範囲

場面 公式が挙げる許可 許可の与え方
会議の自動録音 Screen Recording(画面収録)と Microphone(マイク) ヘルプには「やり方は説明していない」と読み取れる書き方。読んだ範囲では手順なし
ウォッチフォルダーの通知 通知の許可 通知を拒否したことがあれば、「System Settings > Notifications」で許可し直す、とヘルプにある
ディクテーション ヘルプには、許可についての記述が見つからなかった 読んだ範囲では記載なし
マイクからの録音、アプリの音声の録音 公式サイトに機能として載っているが、必要な許可の記述は、読んだ範囲では見つからなかった 読んだ範囲では記載なし
コマンドライン(mw)のインストール macOSがパスワードを聞くことがある、と書かれている 公式ヘルプ「MacWhisper Command-Line Tool」

設定画面の地図:公式のヘルプに出てくるページ名

ヘルプに出てきた設定の場所を、まとめます。経路の書き方は、ヘルプの文章のままです。ヘルプの記事ごとに「Settings」「Preferences」の表記が揺れています。

設定の場所 何が入っているか(公式の記載) 詳しくは
Settings > Record Meetings Automatic Meeting Notifications のスイッチ、見張るアプリ、自分の名前、ほかの参加者の既定の名前 06
Settings > Dictation ディクテーションのショートカットとAIのプロンプト、App Specific Prompts 06、07
Settings > Advanced Downmix to Mono、Allow dictation everywhere、WhisperKit の項目、Command-Line Tool のインストール/アンインストール この記事、07
Settings > AI Services AIの提供元の追加、編集、複製、削除 07
Settings > Integrations Zapier、Make.com、n8n、Custom Webhook、Obsidian(バージョン13.6以降、Pro) 07
Settings の Watch Folder Settings ウォッチフォルダーの追加、Auto-Transcribe Watch Folder、Add Export Format 06
Settings > Pro 「remove license」の項目(ライセンスを外す) この記事
クラウド文字起こしの設定ページ 提供元ごとのAPIキーの追加 07

最初の動作確認:この記事の案(動作は確かめていません)

ここは公式の手順ではなく、上の公式の記載をつなげて、この記事で組んだ確認の順番です。

  1. 版を確認する。 直販版かApp Store版かを、アプリの名前(MacWhisper か Whisper Transcription か)で見分けます。
  2. モデルを1つ用意する。 「Manage Models」で、WhisperKitのモデルを1つダウンロードして有効にします(M系列のMacの場合)。
  3. 短い音声を1つ入れる。 公式サイトによると、対応する入力は mp3、wav、m4a、ogg、opus、mov、mp4 で、ドラッグ&ドロップで文字にします。短い自分の録音を使うと、結果を聞き比べやすくなります。ドロップのあとに押すボタンの名前は、読んだヘルプには書かれていません(06)。
  4. 結果が空のとき。 次の「つまずきと直し方」の表を見ます。
  5. コマンドラインを使うなら。 設定のインストールのあと、mw version でつながりを確かめます(ヘルプの確認方法)。
  6. 会議の録音を使うなら。 Automatic Meeting Notifications をオンにして、画面収録とマイクの許可の画面に迷ったら、macOS側の案内を確認します。

つまずきと直し方:公式のヘルプにある範囲

症状 公式のヘルプの原因と直し方(順番どおり) 出どころ
文字起こしが遅い(IntelのMac) 原因:機械学習の専用部品がなく、端末内の処理がかなり遅い。直し方:クラウド文字起こしの提供元に切り替える 「Transcription Is Slower Than Expected」
文字起こしが遅い(M系列のMac) 原因:以前にクラッシュして互換モードに切り替わっていることがある(とくにM1に多い、とある)。直し方:Settings → Advanced → WhisperKit を開き、「Disable all GPU usage」がオフか確認する。Pro、Max、Ultraのチップでさらに速くしたい場合は、同じ画面で VAD をオン、Concurrent Workers を 64、Text Decoder を GPU にする(任意) 同上
「文字起こしは終わったが、テキストがない」 原因:音声が短すぎる、またはデコードが正しくなかった。直し方:Settings > Advanced の Downmix to Mono を、オンまたはオフに切り替える。それでも直らなければ support@macwhisper.com に連絡 「Transcription finished without any text」
「File could not be opened」 原因:対応する形式でもファイルのエンコードが理由のことがある。直し方:ファイルを support@macwhisper.com に送って原因を調べてもらう 「File could not be opened」
「Your license is disabled」 原因:多くの端末で有効にした可能性(ソフトな上限は3台)、または不正が検出された。直し方:別のMacへ移すなら settings > pro > remove license で外してから新しいMacで有効にする。想定外なら support@macwhisper.com に連絡 「Your license is disabled」
ディクテーションが一部のアプリで動かない 原因:標準的なmacOSの作り方に沿っていないアプリで、文字入力欄を見つけられない。直し方:Settings > Advanced の「Allow dictation everywhere」をオン(文字入力欄の確認を飛ばして、どのアプリでも動くようにする、とある)。それでも直らなければ、アプリ名を添えて support@macwhisper.com に連絡 「Dictation not working in specific apps」
会議の通知が出ない ヘルプの確認点:Automatic Meeting Notifications がオンか、アプリが Observed Applications に入っているか、MacWhisperと会議のアプリを再起動する 「Automatic Meetings Recordings with MacWhisper」
mw が「command not found」 /usr/local/bin を PATH に追加する 「MacWhisper Command-Line Tool」
ウォッチフォルダーの通知が来ない 通知を拒否していた場合、System Settings > Notifications で許可し直す 「Automatically Transcribing Files in Watch Folders」

次の記事は、題名だけ確認でき、中身は読んでいません。内容は書きません。「Pay Wall Error: Resource unavailable at url」「Repetitions in transcripts」「Chinese Simplied and Traditional Troubleshooting」「My camera stutters in Zoom or Teams during a live meeting transcription」。

たとえ話

インストールと初期設定は、新しい速記者を机に迎える準備に似ています。道具(アプリ)を受け取り、使う筆(モデル)を選んで机に置き、会議室に入る許可(マイクと画面収録)をもらう、という順番です。これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません。

気をつけること

出典