3行でいうと
- 入口は大きく4つです。ファイルをドラッグ&ドロップする、URL(YouTubeなど)を入れる、マイクやアプリの音声を録る、会議を自動で録音する。公式サイトがこの順に並べています。
- 出口は、字幕の
.srt.vtt、文章の.txt.md.pdf.html.docxなどです。話者分け、検索、編集、翻訳も公式サイトの機能の一覧にあります。 - 声での入力(ディクテーション)は、公式のヘルプに「どの文字入力欄にも」とあり、直接ダウンロード版だけの機能です。
- 会議の録音は「ベータ」と公式が書いています。大事な会議は手動の録音も、と勧められています。
- どの機能が無料で、どれがProかは、機能ごとに書き方がまちまちです。分かった範囲を表にしました。
この記事は公式の資料を2026年10月23日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。ヘルプの記事は要約の形で取得したため、「書かれていない」と言い切らず、「読んだ範囲では見つからなかった」と書いています。精度や速さの数字は載せていません。たとえ話は僕らのもので、公式の表現ではありません。
先に結論
- 一言でいうと、「音を渡すと、議事録の下書きが返ってくる」ツール。 渡し方(ファイル、URL、マイク、会議)と、返し方(字幕、文章)を選ぶのが、使い方の中心です。
- 有意義になりやすい場面(見立て)。 聞き返すのに時間がかかる長い音(インタビュー、講義、会議)です。公式のヘルプが紹介する場面も、インタビューの溜まった録音をまとめて処理する、会議の録音、YouTubeの文字起こし、フォルダーの自動処理が中心です。
- 注意点。 文字起こしは「下書き」です。公式の利用規約にも、100%正確とは限らない、という趣旨があります。大事な内容は、自分の耳で確かめる前提です。
前提:用語をそろえる
- バッチ(一括)処理:たくさんのファイルを、まとめて順に文字にすること。
- 話者認識(スピーカー・レコグニション):「誰が話したか」で文字を分けること。「Speaker 1」「Speaker 2」のように自動で名前が付きます。
- ウォッチフォルダー(監視フォルダー):指定したフォルダーに新しい音声ファイルが入ると、自動で文字にする仕組み。
- ディクテーション:声で、文字入力欄に文字を入れること。
- ベータ:公式が「試験中」と位置づけている段階。
- エクスポート:文字起こしの結果を、字幕や文書のファイルとして書き出すこと。
場面ごとの使い方
たとえ話をひとつ。MacWhisperは、「どんな音も聞き取って、ノートに書き写してくれる速記者」です。ただし速記者は、あなたのMacの机の上で働いていて(既定ではローカル処理)、頼んだときだけ外部の会社に相談に行きます(クラウド文字起こしやAI。03で扱います)。これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません。
| 場面 | 何をする | 公式のどこに書かれているか | 確かさ |
|---|---|---|---|
| 録音ファイルを文字にする | ファイルをドラッグ&ドロップ。入力の形式は mp3、wav、m4a、ogg、opus、mov、mp4 | 公式サイトの機能の一覧 | 書かれている |
| 溜まったインタビューをまとめて処理 | ホーム画面のボタン、「Open File…」で複数選択、または複数ファイルをドロップして、バッチの画面を開く。出力の形式は、複数同時に選べる | ヘルプ「How to use the Batch Transcription feature」 | 書かれている(URLファイルは未対応、Proかどうかはそのページには書かれていなかった) |
| YouTubeの動画を文字にする | アプリ上部の入力欄にURLを入れて、Returnキーを押す | ヘルプ「How to transcribe YouTube videos」(2025年7月更新と表示) | 書かれている(年齢制限のある動画、一部のライブ・地域限定の動画は不可) |
| オンライン会議を録音して文字にする | 設定の「Record Meetings」で自動通知をオンにする。会議を検知すると通知が出て、「Record」を押すと始まる | ヘルプ「Automatic Meetings Recordings with MacWhisper」 | 書かれている(ベータ) |
| 話者ごとに分ける | 対応するモデルで、話者が自動で分かれる。名前の変更、統合、色の変更ができる | ヘルプ「Automatic Speaker Recognition in MacWhisper」 | 書かれている(ディクテーションとポッドキャスト用には使えない) |
| 声で文字を入力する | 設定でショートカットを決めて、話す。AIのプロンプトで整える使い方もある | ヘルプ「How to use the Dictation feature」 | 書かれている(直接ダウンロード版だけ) |
| フォルダーに入れたら自動で文字にする | 「Watch Folder」の設定でフォルダーを登録 | ヘルプ「Automatically Transcribing Files in Watch Folders」 | 書かれている(Pro、ベータ) |
| 結果を翻訳する | 文字起こしや字幕の翻訳 | 公式サイトの機能の一覧、ヘルプ「Assistant」(30以上の言語、macOSのみ) | 書かれている(外部送信を伴う場合がある) |
| ターミナルから文字にする | mw transcribe 〜 のコマンド。結果は標準出力(ターミナルの画面にそのまま表示される形)へ |
ヘルプ「MacWhisper Command-Line Tool」 | 書かれている |
録音ファイルを文字にする
いちばん基本の使い方です。公式サイトには、ドラッグ&ドロップでの文字起こし、バッチ処理、話者認識、言いよどみ(「えー」など)の除去にあたる機能(公式サイトには、フィラーワード(「um」「uh」など)を自動で取り除く、という説明があります。機能の一覧には説明のない「auto cleanup」の項目もありますが、同じ機能かどうかはページから読み取れませんでした)、内蔵のエディタ、検索が挙がっています。ヘルプには、「Find And Replace in Transcriptions」(文字起こしの中の検索と置換)という記事の題名もあります(中身は読んでいません)。
出口の形式は、公式サイトによると、字幕の .srt と .vtt、文章の .txt .md .pdf .html .docx です。サイトの一覧には「.dote」という綴りも載っています。「.docx」の誤記とみられます(見立て)が、別の形式かどうかは確かめきれていません。
YouTubeなどのURLから
ヘルプでは、入力欄にURLを入れてReturnを押すだけ、と説明されています。公式サイトは「YouTubeと、オンラインの動画やメディアのURL」と書いていますが、ヘルプの記事が扱っているのはYouTubeだけで、ほかのサイトのURLについては、読んだ範囲では書かれていませんでした。他人の動画を文字にするときの、権利や規約の扱いも、そのページには書かれていません。
会議を録音する
ヘルプによると、対応が挙がっているのは Arc、Brave、Chime、Chrome、Discord、Edge、Firefox、Safari、Skype、Slack、Teams、Telegram、WhatsApp、Webex、Zoom です。FaceTimeは、macOSのプライバシーの制限で対象外です。設定の「Record Meetings」で、見張るアプリを選べます。通知は10秒で消えます。止めるときは、メインの画面の右下か、「Meeting Ended」の通知からです。終わった録音は履歴に入り、文字起こしを待ちます。
- 自分の名前と、ほかの参加者の既定の名前を設定できます。ただし、ほかの参加者は今のところ1人の話者としてまとめられ、人ごとの識別は計画中、と書かれています。
- 必要な許可は「Screen Recording」と「Microphone」です。
- 公式は、この機能を「ベータ」とし、まれな問題やデータ消失がある、と注意しています。大事な会議は手動で録音するよう勧めています。
- 参加者への通知や同意については、読んだ範囲では書かれていませんでした(01の「会議の録音に関する公式の注意」を参照)。
声で入力する(ディクテーション)
ヘルプの説明では、設定のショートカットを押して話すと、「any text field」(どの文字入力欄でも)に文字が入ります。ホーム画面から始めるのが、画面の案内があるので勧められています。AIのプロンプトを通すと、スペルや文法の整え、他の言語への翻訳、くだけた話し言葉を丁寧なメールの文面にする、といった使い方ができる、と書かれています。プロンプトは設定の「Dictation」で自分で書けます。アプリごとにプロンプトを変える「App-Specific Prompts」もあります。
- AI機能を使うには、自分のAIのAPIキーと、有効なProのライセンスが要る、と書かれています。このヘルプは2025年2月24日更新と表示され、書かれているのはOpenAIのAPIキーです。課金設定のあるAPIアカウントが要り、ChatGPTの月額プランとは別物、とも注意されています。AnthropicなどはまだSoon(近日)とあり、今の提供元の一覧(03)より古い書き方です。
-
そのページには、macOSの許可(マイクなど)、使える具体的なアプリ、使う文字起こしのモデルがローカルかクラウドか、対応言語、プライバシーの扱いは、書かれていませんでした。
-
別のヘルプ「Dictation not working in specific apps」には、標準的なmacOSの作り方に沿っていないアプリでは、文字入力欄を見つけられないことがある、と書かれています。回避策として、設定の「Advanced」にある「Allow dictation everywhere」をオンにして、入力欄の確認をやめさせる方法が挙がっています。うまくいかないアプリがあれば、アプリ名を添えてサポートにメールするよう書かれています。このページにも、具体的なアプリ名とmacOSの許可の説明は、読んだ範囲では見つかりませんでした。
- 「Global」という別の機能(ヘルプ「How to use the Global feature」)もあります。マイクから、ほかのアプリの上に浮かぶ小さな画面に文字にして、「Auto copy」でクリップボードにコピーできる、と書かれています。ProまたはSubscriptionが必要です。この記事は2024年9月12日更新と表示されていて、ディクテーションに置き換わったとは書かれていません。今のディクテーションとの関係は、読んだ範囲では分かりませんでした。
話者を分ける
ヘルプによると、WhisperKit系のモデルのうち「Speaker Recognition」の緑のバッジが付いたもの(ローカル)と、ElevenLabs、Deepgram(クラウド)で使えます。MacWhisper 12.0以降が必要です。1人の話を2人に分けてしまうことがあり、手作業で統合する必要がある、とも書かれています。対応言語や精度は、そのページには書かれていませんでした。
フォルダーの自動処理(ウォッチフォルダー)
新しい音声が入ると、自動で文字にして、選んだ形式で書き出します。自動をオフにすると、見つかったことの通知が出て、アプリで手動で始められます。公式は「ベータ」としています。対応する音声の形式、ファイルの大きさの上限は、そのページには書かれていませんでした。
ターミナルから使う(コマンドライン)
ヘルプによると、mw というコマンドが、MacWhisperのアプリと同じモデルと設定を使って、音声や動画を文字にします。mw transcribe meeting.m4a --format srt > meeting.srt のように、字幕の形式で書き出したり、フォルダーごと処理したりできます。AIのエージェント(コーディング用のAI)から使って、時刻付きの構造化された文字起こしを得る使い方も、公式のヘルプに書かれています(03で扱います)。
無料とProの目安(公式の書き方)
| 機能 | 公式のヘルプなどの書き方 |
|---|---|
| ウォッチフォルダー | Proが必要 |
| 外部サービスとの連携(Zapierなど) | Proが必要 |
コマンドラインの json md html avid |
Proが必要。txt srt vtt csv は無料 |
| ディクテーションのAIプロンプト | 自分のAPIキーとProのライセンスが必要 |
| ディクテーション | App Store版にはない。無料かProかは、読んだ範囲では書かれていなかった |
| バッチ処理、YouTube、話者認識、会議録音 | そのページにはProかどうか、書かれていなかった |
公式サイトの機能の表は、取得した結果では、無料の列とProの列を確かに分けられませんでした。購入や無料での利用の前に、公式サイトの表で確認してください。
気をつけること
- 読んだ範囲の限界。 ヘルプには、更新日が2025年のものも、日付の読めないものもあります。機能の名前や対応サービスが、今のアプリと違っている可能性があります。
- モデルによって、できることが違う。 話者認識はモデルを選びますし、WhisperKitはM系列のMacだけです。
- 日本語での使い勝手。 公式サイトに「100以上の言語」とあり、日本語を含む一覧もありますが(iOS版のヘルプ)、Mac版で日本語がどう動くか、言いよどみの除去が日本語でも効くか、といった細かい点は、公式の資料では確認できていません。
- 他人の声と、他人の動画。 会議や動画を文字にするときの同意や権利は、自分で確認してください。この記事は法律の助言ではありません。
- AIやクラウドを足すと、データの行き先が増える。 詳しくは03と04で扱います。
出典
- MacWhisper(公式サイト、確認日 2026-10-23)
- How to use the Batch Transcription feature(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- How to transcribe YouTube videos(MacWhisper Support、2025年7月15日更新と表示、確認日 2026-10-23)
- Automatic Meetings Recordings with MacWhisper(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- Automatic Speaker Recognition in MacWhisper(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- How to use the Dictation feature(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- How to use the Global feature(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- Automatically Transcribing Files in Watch Folders(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- Assistant(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- MacWhisper Command-Line Tool(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- Integrating MacWhisper with other services(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- MacWhisper for iOS(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- Terms of Service - MacWhisper(公式サイト、2024年3月14日更新と表示、確認日 2026-10-23)