3行でいうと

  • コードからの連携の中心は、Gemini APIの interactions.create です。モデルは lyria-3.5(安定版)と lyria-3-clip-preview(プレビュー)。キーは環境変数に入れ、制限をかけられます(05のD)。
  • 文章のAIと組み合わせる例は、公式のAI Studioのサンプルにあります。動画をGeminiが見てプロンプトを書き、Lyriaが曲を作る、というものです(公式のブログ、2026年3月25日付)。
  • DAWへの連携は、Flow Musicで作ったプラグイン(VST3とAU)を使う形です。公式のヘルプは、macOSのみ、と書いています。
  • 作った曲がGoogleのAIによるものかは、Geminiに音声ファイルを渡して聞けます。上限は、公式のヘルプに回数や長さが書かれています。
  • Google Cloud側には、Gen MediaのMCPツールと、エージェントスキルが公式のブログに出てきます。設定ファイルの書き方は、GitHubの説明が取得できず、この記事では書けません。

この記事は、公式の資料を2026年10月25日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。

設定例は「公式の例をもとにしたもの」か「この記事の案(動作は確かめていません)」と、そのつど区別して書きます。画面の表記は更新で変わることがあるので、手元の画面と照らして読んでください。

先に結論

前提:用語をそろえる

たとえ話:部品をつなぐ配線図

Lyriaを、曲という「素材」を出す部品として、ほかの部品(文章のAI、DAW、検出機能)とケーブルでつなぐ配線図を描くようなものです。どこに差し込み口があるか(公式の連携)が決まっていて、差し込み口がない所には、公式の資料の範囲では差せません。これは僕らのたとえです。

連携の一覧

連携 相手 つなぐ画面・場所 公式の記載の厚み
① Gemini API / SDK あなたのプログラム APIキー、環境変数、interactions.create 厚い(コード例つき)
② Lyria RealTime あなたのプログラム、AI Studioのアプリ WebSocket、Prompt DJ、MIDI DJ 厚い(コード例つき)
③ AI Studioのサンプル Gemini(文章・動画の理解)+Lyria AI Studioのサンプルアプリ 名前と動きのみ
④ DAW Ableton Live、Logic Pro、FL Studioなど Flow Musicの「Use in DAW」 厚い(手順つき)
⑤ SynthIDの検出 Gemini、synthid.com Geminiに音声をアップロード 中程度
⑥ Google Cloud(Vertex AI、MCP) Google Cloud、MCPクライアント Media Studio、API、MCPツール 薄い(本文が読めず)
⑦ Googleアカウントの連携 Flow Music 「Third-party apps and services」 取り消し手順のみ
⑧ ファイルの受け渡し 動画編集ソフトなど ダウンロード(MP3・MP4・WAVなど) 形式のみ

① Gemini API / SDK でつなぐ

設定する場所

  1. APIキー:https://aistudio.google.com/apikey(05のD-1)。
  2. 環境変数:GEMINI_API_KEY または GOOGLE_API_KEY(05のD-2)。
  3. SDK:pip install -U google-genai(Python)、npm install @google/genai(JavaScript)(05のD-3)。

呼び出しの形(公式)

項目 公式の記載
エンドポイント(REST) https://generativelanguage.googleapis.com/v1beta/interactions に POST。ヘッダは Content-Type: application/json と x-goog-api-key
モデル lyria-3.5(安定版、MP3が既定。WAVも要求できると音楽生成のページにあるが、指定する値は例に出ていない)、lyria-3-clip-preview(30秒固定のMP3)
入力 文章と画像。画像は最大10枚(lyria-3.5 の記載。Clipの枚数は書かれていません)
出力 44.1 kHzのステレオ(変更履歴は2026年3月25日の2モデルを48 kHzと書いています。末尾の「気をつけること」を参照)。output_audio(音声)と output_text(歌詞・構成)。すべてにSynthIDの透かし
入力トークンの上限 131,072(lyria-3.5 のモデルページ、ページの最終更新 2026-09-16)
対応しない機能 モデルページの一覧に、関数呼び出し、構造化出力、Live API、Batch API、キャッシュ、検索のグラウンディング、などがある

呼び出しのコード例(Python、REST)は06の場面8と9にあります。

渡るデータ

権限(APIキーの制限)

05のD-7の再掲です。

  1. AI Studioのキーのページで「Unrestricted」のキーを探す。
  2. 「Add restrictions」を押す。
  3. 「Restrict to Gemini API only」を選ぶ。
  4. 「Restrict key」を押す。

apikeys.keys.update の権限が要り、API Keys AdminとEditorのロールに含まれる、と書かれています。

外し方

うまくいかないときの確認点

症状 確認点
認証エラーに見える 環境変数の名前、GOOGLE_API_KEY が先に読まれる点、キーの制限(Cloudコンソールで Generative Language API を外すと動かない)
output_audio が空・形が違う 変更履歴(changelog)の2026年5月6日付の項目に、リクエスト・レスポンスが outputs から steps に変わる(5月26日に新形式が既定、6月8日に旧形式を削除)、とあります。SDKやサンプルの版を確認(これは僕らの見立てで、原因の断定ではありません)
ブロックされた 特定アーティストの声、著作権のある歌詞の依頼は止められる(公式)
続けて直したい 現行の lyria-3.5 は未対応と公式にあります。プロンプトを変えて作り直す

② Lyria RealTime(つなぎっぱなしの連携)

06の場面11にコードと設定項目があります。ここでは、つなぎ方の要点だけを並べます。

  1. クライアントは genai.Client(http_options={'api_version': 'v1beta'})(JavaScriptは apiVersion: "v1beta")。
  2. 接続は client.aio.live.music.connect(model='models/lyria-realtime-exp')。
  3. 重みつきプロンプトは set_weighted_prompts、設定は set_music_generation_config、再生は play()。
  4. 音声は、サーバーのメッセージの audio_chunks に入って届きます。出力は16ビットPCM、48 kHz、ステレオ(同ページのJavaScriptの例は sampleRateHz: 44100)。
  5. 止められたプロンプトの理由は filtered_prompt に入ります。

AI Studioのアプリ: Prompt DJ(https://aistudio.google.com/apps/bundled/promptdj)とMIDI DJ(https://aistudio.google.com/apps/bundled/promptdj-midi)。MIDI DJの接続の細かな方法は、読んだページに書かれていません。

渡るデータ: 重みつきの文章プロンプトと設定が渡り、楽器だけの音声が流れ続けます。外し方: stop() で演奏を止める操作は公式のページにあります。接続を閉じる方法の記載は、読んだ要約にはありませんでした。

③ 文章のAIと組み合わせる:AI Studioのサンプル

公式のブログ(2026年3月25日付)が挙げているサンプルです。

サンプル 公式の説明 渡るデータの流れ
Alarm Clock 天気、場所、日付、カレンダーの予定を取り込んだ曲で毎日起こす 天気・場所・日付・予定 → 曲のプロンプト → Lyria
Background music for Videos Gemini 3 Flashがアップロードした動画を分析し、プロンプトを書き、Lyriaがそれに合う楽器だけの曲を作る 動画 → Gemini → プロンプト → Lyria
Lyria Studio / Lyria Rhythm ブログにリンクがある。「実験用のデモ」という説明は、再確認では公式で確認できていません ―

サンプルの中でどこで設定するか、どの権限が要るか(たとえばAlarm Clockのカレンダーへのアクセス)は、ブログには書かれていません。サンプルのコードや設定の場所は、読んだ範囲では見つかりませんでした。

この記事の案:文章のAIでプロンプトを作り、Lyriaにつなぐ

公式のブログが示す「文章のAIがプロンプトを書き、Lyriaが曲にする」という流れを、公式の2つの呼び出し例(クイックスタートの文章モデルの呼び出しと、Lyria Clipの呼び出し)をつないで書いた案です。動作は確かめていません。文章モデル名 gemini-3.8-flash は、クイックスタートの例に出ている名前で、変わる可能性があります。

import base64
from google import genai

client = genai.Client()

# 1) 文章のモデルに、音楽用のプロンプトを書かせる(この記事の案)
step1 = client.interactions.create(
    model="gemini-3.8-flash",
    input="Write one sentence describing instrumental background music "
          "for a calm morning vlog intro: genre, instruments, tempo, mood.",
)
music_prompt = step1.output_text

# 2) そのプロンプトをLyria 3 Clipに渡す(公式の呼び出し例にならった形)
step2 = client.interactions.create(
    model="lyria-3-clip-preview",
    input=music_prompt,
)
audio = step2.output_audio
if audio:
    with open("vlog_intro.mp3", "wb") as f:
        f.write(base64.b64decode(audio.data))

④ DAWにつなぐ:Flow Musicのプラグイン(macOS)

公式のヘルプ「Use Flow Music instruments & effects in your DAW」と、公式のブログ(Google Labs、2026年10月6日付)の記載です。ブログは、Spacesで作ったものをVST3/AUのプラグインとして書き出せ、DAWで使える、と書いています。DAWの種類、OS、プラン、料金は、ブログには書かれていません(ヘルプには下の条件があります)。

条件(ヘルプの記載)

手順

  1. プラグインを作る: Flow Musicにサインインし、プロンプトボックスで楽器またはエフェクトを頼みます。プロンプトに「plugin」か「VST」を含めます。出来上がったら、サイドパネルの「Use in DAW」を選びます。出ていないときは、プロデューサーにVSTプラグインにするよう頼む、と書かれています。

この記事の例(動作は確かめていません):

Make a simple warm analog-style synth instrument as a VST plugin.

  1. Flow Musicのプラグインを入れる(最初の1回): 「Use in your DAW」のウィンドウで「Download plugin」を選び、.dmgを開きます。.componentを「Components」に、.vst3を「VST3」にドラッグします。Macのパスワードを求められたら入れます。

インストール先(ヘルプの記載): - /Library/Audio/Plug-Ins/Components - /Library/Audio/Plug-Ins/VST3

フォルダを開くには、Finderで Shift + Command + G を押し、パスを貼ります。なければ作成します。

  1. DAWで見つける: DAWを開きます。「Flow Instrument」「Flow Effect」が見つからないときは、スキャンを有効にして再スキャンします。Ableton Liveでは「Settings > Plug-Ins」で「Use Audio Units v2」と「Use VST3 Plug-Ins System Folders」をオンにして「Rescan」。メーカー名「Google Flow Music」の下の「Flow Instrument」か「Flow Effect」をトラックに追加します。
  2. 自分の楽器・エフェクトを読み込む: 「Use in your DAW」のウィンドウで「Download [名前]」を選び、.fmxファイルを手に入れます。それを、DAWの中のFlow Instrument(またはFlow Effect)のウィンドウにドラッグします。
  3. あとで使い直す: サインインして「Spaces」を選び、「Plugins」フィルターを選びます。プラグインの横の「More > Use in DAW」を選び、手順4を繰り返します。

渡るデータ

うまくいかないときの確認点(ヘルプの記載)

症状 確認点
プラグインが見つからない 上の2つのフォルダにファイルがあるか。DAWでAU/VST3のスキャンをオンにして再スキャン。DAWによっては再起動が要る
古い・重複した版がある ユーザーフォルダ(~/Library/Audio/Plug-Ins/VST3 と ~/Library/Audio/Plug-Ins/Components)の Flow*.vst3 と Flow*.component をすべて削除し、/Library/Audio/Plug-Ins/ の下のコピーを残して再スキャン

外し方

プラグインのアンインストールの手順や、アカウントから楽器・エフェクトを外す手順は、このヘルプには書かれていません。重複版の掃除の手順だけが載っています。

⑤ 作った曲を確かめる:GeminiでSynthIDを調べる

公式のヘルプ(Gemini Apps)の手順です。

  1. 個人または対象のWorkspaceのアカウントで、gemini.google.com をパソコンで開きます。
  2. 「Add files」を押し、次のどれかを選びます。
  3. 「Upload Files」:パソコンのファイル。
  4. 「More Uploads」→「Photos」:Googleフォト。
  5. 「Add from Drive」:Googleドライブ(Keep Activityがオンで、Google WorkspaceがGeminiアプリにつながっていること)。
  6. 質問を書きます。公式の例:「Was this image/video/audio created or edited by Google AI?」「Is this AI-generated?」。
  7. 結果を読みます。

上限(ヘルプの記載、2026-10-25確認): 1回に1ファイル、100 MBまで、音声は1時間未満。使える量は24時間ごとの目安で、音声は10回・合計3時間まで。対応するファイル形式は、ヘルプに書かれていません。

結果の読み方(ヘルプの記載):

限界(ヘルプとSynthIDのページの記載):

公開の検出ポータル: SynthID Detector(synthid.com)。SynthIDのページは、誰でも使えるようになり、Googleと提携先(OpenAI、NVIDIA、Kakaoなど。Appleは近日と書かれている)の内容を調べられる、と書いています。画面の操作手順は、読んだページにありません。

⑥ Google Cloud(Vertex AI)とMCPでつなぐ

読めた範囲(Google Cloudのブログ、2026年4月7日付)

読めなかったもの

エージェントスキル(SKILL.md)の中身(読めた範囲)

genmedia-audio-engineer のSKILL.mdは、音声合成、音楽生成、ミキシングのためのスキルです。要約で読めた内容は次のとおりです。

気をつけること: スキルの文書は、読み込んだAIエージェントの動きを決める指示文を含みます(たとえば役割を指定する文など)。要約を見たかぎりでは、音声の作業の範囲の内容でしたが、実際に読み込ませる前に、中身を自分の目で確かめてください。何を許可するかはMCPクライアントの設定で決める点に注意してください(これは僕らの見立てです。この日に読んだ資料には、設定の書き方がありません)。

⑦ Googleアカウントの連携を外す(Flow Music)

05のBの再掲です。ヘルプには、取り消しの手順が書かれています。

  1. https://myaccount.google.com/ を開く。
  2. 「Third-party apps and services」を選ぶ。
  3. 「Google Flow Music」を選ぶ。
  4. 「Delete all connections you have with Google Flow Music」→「Confirm」。

これで曲のデータが消えるかは、書かれていません(04)。

⑧ ファイルの受け渡し:ほかのアプリで使う

入口 出てくる形式(公式の記載) 備考
Geminiアプリ MP4(表紙つきの動画)、MP3(音声のみ)、共有リンク 「Download」「Share」
Flow Music 「More」→「Download」で形式を選ぶ。複数は.zip 形式の一覧は、読んだ要約になし
Gemini API MP3(既定)、lyria-3.5 はWAVも要求できると書かれている response_format(WAVを示す値は、公式の例に出ていません)
Lyria RealTime 16ビットPCM、48 kHz、ステレオ 自分のコードで保存
Vids 「Insert」で動画の場面に入る 書き出しの形式は、読んだヘルプに記載なし
YouTube Dream Track ダウンロードはできない(02の記載。この日は読み直していません)

この記事の案:連携の組み合わせ方

公式の資料にある部品を、並べて考えた案です。公式が書いた組み合わせではなく、動作は確かめていません。

案 流れ 使う公式の部品
文章のAI → Lyria → 動画ソフト 文章のAIで音楽のプロンプトを書く → Gemini APIで曲を作る → MP3を動画編集ソフトに入れる ③、⑧
Lyria → Gemini(確認) 作った曲をGeminiにアップロードして、Google AIによるものか聞く ⑤
Flow Music → DAW 楽器やエフェクトをプラグインにして、DAWで使う ④

気をつけること

出典