3行でいうと
- Lyriaは入口が複数ある「モデルの名前」です。一般の人向けの入口は、Geminiアプリ(18歳以上)と、Flow Music(無料で始められ、18歳以上)です。開発者向けにはGemini API、企業向けにはGoogle Cloud側のドキュメントがあります。
- 現時点の最新モデルは、公式のDeepMindのページが「Lyria 3.5」としています。公式のブログでは、2026年7月29日にFlow Musicで始まり、9月4日にGeminiアプリとGemini APIへ広がった、と書かれています。
- 作った曲には、人には聞こえない電子透かしSynthIDが入ると公式は説明しています。Geminiには、音声ファイルがGoogleのAIで作られたかを確かめる機能が加わった、とも書かれています。
- 作った曲の権利や商用利用の条件は、入口ごとに公式の書き方が違い、読んだ範囲で書かれていない所もあります。詳しくは04にまとめました。
この記事は、公式の資料を2026年10月23日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。公式のページは要約の形で取得したため、「書かれていない」と言い切らず、「読んだ範囲では見つからなかった」と書いています。
先に結論
- まず「どの入口で使うか」を決める。 気軽に30秒〜数分の曲を作ってみたいならGeminiアプリ。曲づくりを会話で細かく進めたいならFlow Music。プログラムから呼び出したいならGemini API。これは入口の違いについての僕らの見立てで、公式の推奨ではありません。
- 年齢と地域。 GeminiアプリもFlow Musicも、公式のヘルプは18歳以上と書いています。Gemini APIは、公式の対応地域のページに日本が入っています。
- 無料の範囲。 Geminiアプリは、公式の限度のページで、音楽生成が「プランなし」でも使える機能に挙げられています。ただし具体的な本数は、読んだ範囲では見つかりませんでした。Flow Musicには無料プランがあります。
- 決めておくこと。 ①どこで使うか、②どのGoogleアカウントで入るか、③作った曲を何に使うか(04を参照)、の3つです。
前提:用語をそろえる
- Lyria:Google DeepMindの音楽生成モデルの名前。公式のDeepMindのページには、Lyria 3.5、Lyria(公式は「新しいジャンルを探る、音の風景で遊ぶ」ためのものと説明)、Lyria RealTime(リアルタイムの演奏向け)、Magenta RealTime(公式が「オープンモデル」と呼ぶもの)が並んでいます。
- Gemini:Googleの対話AIのアプリ。ここでは音楽を作る入口の1つです。
- Flow Music:Google Labsの音楽制作サービス。公式のブログ(2026年5月6日付)は「Google Flow Music, formerly ProducerAI」と書いていて、以前の名前はProducerAIです。
- Gemini API / Google AI Studio:開発者がLyriaをプログラムから呼ぶための窓口と、ブラウザで試す場所。
- SynthID:Googleが、AIで作った画像・動画・音声・文章に入れる、人には分からない電子透かし。
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クレジット:Flow Musicで曲を作るときに消費する回数券のようなもの。
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プロンプト:作りたい曲を伝える指示文。ジャンル、テンポ、歌い方、楽器、歌詞などを文章で書きます(くわしくは02)。
- モデル:AIの本体にあたる部分。Lyria 3.5、Lyria 3 Clipのように、名前が付いています。
たとえ話:同じ「楽団」に、窓口が何か所もある
Lyriaを、1つの楽団だと考えてみます。Geminiアプリは「街の受付窓口」で、一言頼めば短い曲を作ってくれます。Flow Musicは「スタジオ」で、プロデューサー役のAIと相談しながら曲を作り込めます。Gemini APIとクラウドは「業者向けの裏口」で、システムから大量に注文できます。これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません。
公式が挙げている入口
| 入口 | 公式の説明(要点) | 年齢・条件 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| Geminiアプリ | 文章や画像・動画から曲を作る。ウェブは gemini.google.com の「Upload & tools」から「Create music」を選ぶ | 18歳以上。個人のGoogleアカウント、または対応する仕事・学校のアカウント。Keep Activity(アクティビティの保存)がオンであること | Gemini Appsヘルプ「Generate music with Gemini Apps」 |
| Flow Music | 曲、プレイリスト、ミュージックビデオなどを作る。2026年7月29日にLyria 3.5が始まった | 18歳以上でGoogleアカウントでの年齢確認が必要。対応地域に住んでいること | Google Flowヘルプ「Get started with Google Flow Music」 |
| Gemini API / Google AI Studio | 開発者向け。Lyria 3.5(lyria-3.5)、Lyria 3 Clip(lyria-3-clip-preview)、Lyria RealTime | APIは18歳以上。日本は対応地域に含まれる | Gemini APIの各ドキュメント |
| Vertex AI(Google Cloud) | 企業向け。2026年4月7日付のブログでLyria 3とLyria 3 Proが「パブリックプレビュー」 | Google Cloudの条件 | Google Cloudのブログ |
| Google Vids | 動画に音楽を入れる。「Full」(約3分)か「30s」(約30秒)を選ぶ | 対応するWorkspaceまたはGoogle AIプラン | Docsエディタのヘルプ |
| YouTube(Dream Track) | Shorts用のAI音楽の実験機能。2026年2月のブログがLyria 3の利用に触れている | 英語設定のクリエイターなど。EEAは対象外 | YouTubeヘルプ、Googleのブログ |
無料でどこまでか
- Geminiアプリ。 公式の「Gemini Apps limits」のページでは、音楽生成が、プランなし、Google AI Plus、Pro、Ultraのどれでも使える機能として挙がっています。使える量は、プランなしが標準、Plusが2倍、Proが4倍、Ultraが5倍または20倍(Proとの比較、契約による)と書かれています。ただし、これは画像や動画を含む全体の話で、音楽の本数は、読んだ範囲では見つかりませんでした。音楽のヘルプには「上限を超えると通知が出る」と書かれています。
- Flow Music。 公式のヘルプは「コア機能は無料」と書いています。2026年10月23日に読んだ料金ページでは、Freeは月0ドルで「毎日の追加クレジット」のみ、同時生成は2、とあります。有料プランの価格は04に書きます。
- Gemini API。 Google AI Studioの無料枠があるかどうか、料金は、読んだ範囲では確認できていません(料金ページの該当部分を取得できませんでした)。音楽生成のドキュメントには、無料枠の記載も料金の数字もなく、「Check pricing for Lyria 3.5 models」として料金ページへのリンクがあります。Lyria 3.5のモデルページにも無料枠や料金の数字はなく、サイドバーに料金ページへのリンクがあります。Gemini APIの利用規約は、無料の利用(Unpaid Services)では入力と出力がGoogleの製品改善に使われうる、と書いています。
- Vertex AI。 Google Cloudの料金ページの表示は04に書きます。
どのモデルか:名前が似ていて紛らわしい
公式の資料では、時期によってモデル名が増えています。読んだ範囲での整理です。
| 名前 | 公式の説明 | 出た時期(公式の記載) |
|---|---|---|
| Lyria 3 | Geminiアプリに入ったモデル。30秒の曲。ベータと書かれていた | 2026年2月18日 |
| Lyria 3 Pro | 最大3分、イントロ・Aメロ・サビなどの構成を指定できる | 2026年3月25日 |
| Lyria 3.5 | 声、音楽性、曲の長さの調整が改善されたと公式。DeepMindのページとGeminiの紹介ページは「最長3分」と書く。Gemini APIでは安定版(lyria-3.5) |
Flow Music 2026年7月29日、Gemini API 2026年9月3日(更新履歴)、Gemini 2026年9月4日 |
| Lyria RealTime | その場で演奏するように音を流し続けるモデル。公式は「実験的」と書く | 2025年5月20日(更新履歴) |
資料のあいだで、書き方が合わない所があります。たとえば、Gemini APIの「Lyria prompt guide」には「Lyria 3.5とLyria 3 Clipは30秒のクリップまたは歌入りの曲」とあり、別の「Generate music with Lyria 3.5」には、Lyria 3.5は曲全体向けで長さはプロンプトで調整できる、とあります。長さについては、公式の最新の説明に当たってください。
始め方の順番(公式が書いている手順)
Geminiアプリ(公式ヘルプ):gemini.google.com(モバイルはアプリ)で「Upload & tools」を開き、「Create music」を選びます。画像や動画をつけて、プロンプトを入れます。長さ(短い、約1分、フルで約2〜3分)、ボーカルの有無、ジャンルを選べます。ヘルプには、フルの曲を作るにはモデルを「Pro」に切り替える、とあります。
Flow Music(公式ヘルプ):ウェブサイトで「Login」から「Continue with Google」を選びます。Google AIの特典を使うときは、初回ログインで「Google One benefits」のチェックボックスを自分で選ぶ必要がある、と書かれています。
Gemini API(公式ドキュメント):interactions.create という呼び出しで、モデル名と入力を渡します。REST では https://generativelanguage.googleapis.com/v1beta/interactions にPOSTし、x-goog-api-key ヘッダを付けます。詳しくは03で扱います。
データはどこに残るか
- Geminiアプリ: 公式のPrivacy Hubによると、Keep Activityがオンのとき、チャットと、共有した内容(アップロードを含む)がGemini Apps Activityに保存され、Googleは、生成AIモデルの訓練を含むサービスの提供・改善に使います。保存期間の初期設定は18か月で、3か月や36か月に変えられます。オフなら、今後のチャットは訓練に使われませんが、72時間は保持されると書かれています。音楽は「生成された内容の種類」として挙がっていますが、アップロードした音楽の別の扱いは、読んだ範囲では見つかりませんでした。
- Flow Music: 公式のプライバシー通知によると、生成した曲、動画、スペースは、削除するまで保存されます。会話のデータは最大18か月、ログは30日と書かれています。設定の「Help improve Google Flow Music」をオフにすると、データ利用を止められます。
- Gemini API: 無料の利用と、課金設定のある利用(Paid Services)でデータの扱いが違います。04で書きます。
気をつけること
- 提供状況は動いています。 Lyria 3は「ベータ」、Lyria 3 ProとLyria 3 Clipは「プレビュー」、Lyria RealTimeは「実験的」と公式が書いています。Lyria 3.5のGemini APIは「Stable」です。区別を落とさないでください。
- 同じLyriaでも入口ごとに条件が違います。 年齢、地域、無料枠、データの扱いが入口ごとに別です。1つの入口の説明を、ほかの入口に当てはめないでください。
- 名前が変わっています。 Flow Musicは、公式によると、以前の名前がProducerAIです。DeepMindのページでは、試すリンクがflowmusic.appとproducer.aiの両方になっています。2026年7月29日付のブログは、Flow Musicの入口としてflowmusic.googleを案内しています。
- Geminiアプリの対応言語と国。 2026年2月のブログは対応8言語(英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ヒンディー語、日本語、韓国語、ポルトガル語)を挙げています。2026年9月のブログは「世界中のすべてのユーザー」と書いていますが、言語の一覧は載っていません。Geminiの音楽生成の紹介ページ(Lyria 3.5)は、Geminiアプリが使える国ならどこでも使え、18歳以上が対象と書いていますが、言語の一覧は読んだ範囲では見つかりませんでした。現在の対応は、公式のヘルプで確認してください。
- 著作権や契約に関わる判断は、公式の規約を読んだうえで、必要なら専門家に確認してください。 この記事は法律の助言ではありません。
出典
- Lyria 3.5(Google DeepMind、確認日 2026-10-23)
- Use Lyria 3 to create music tracks in the Gemini app(Google、2026-02-18、確認日 2026-10-23)
- Lyria 3 expands to more Google products, adds more features(Google、2026-03-25、確認日 2026-10-23)
- We're launching Lyria 3.5 in Google Flow Music(Google、2026-07-29、確認日 2026-10-23)
- Create your best tracks yet with Lyria 3.5 in Gemini(Google、2026-09-04、確認日 2026-10-23)
- Google Flow Music announces partnerships with Believe(Google、2026-05-06、確認日 2026-10-23)
- Generate music with Gemini Apps(Gemini Apps Help、確認日 2026-10-23)
- Gemini Apps limits & feature availability(Gemini Apps Help、確認日 2026-10-23)
- Get started with Google Flow Music(Google Flow Help、確認日 2026-10-23)
- Google Flow Music Privacy Notice(Google、確認日 2026-10-23)
- Generate music with Lyria 3.5(Gemini API、Google AI for Developers、確認日 2026-10-23)
- Lyria prompt guide(Gemini API、Google AI for Developers、確認日 2026-10-23)
- Gemini API changelog(Google AI for Developers、確認日 2026-10-23)
- Gemini API available regions(Google AI for Developers、確認日 2026-10-23)
- Lyria 3 and Lyria 3 Pro on Vertex AI(Google Cloud、2026-04-07、確認日 2026-10-23)
- Generate music with AI in Google Vids(Google Docs Editors Help、確認日 2026-10-23)
- Create AI-generated soundtrack in Shorts with Dream Track(YouTube Help、確認日 2026-10-23)
- Gemini Apps Privacy Hub(Gemini Apps Help、確認日 2026-10-23)
- Gemini API Additional Terms of Service(Google AI for Developers、2026-03-23発効、確認日 2026-10-23)