3行でいうと
- Flowの中でAIとつながる入口は、「Agent」と「Tools」です。どちらもGoogleが運営するもので、パソコンのウェブだけで使えます。Agentへの質問にはクレジットはかからず、生成した画像や動画にはかかります。
- 外へ出す口は、「Publish to YouTube」、共有リンク(「Share」)、Google Takeout(Flowのデータをまとめて書き出す)の3つが、公式のヘルプで確認できました。Flow自体のAPI、MCP、他社アプリのプラグインは、読んだ範囲では見つかりませんでした。
- 開発者向けには、別にGemini APIなどでVeoが提供されています。ただし、これはFlowの画面とは別の入口です。Gemini APIのVeo 3.1の3つのプレビュー用モデルは、2026年10月22日に停止した、とGemini APIのページに書かれています。
- 第三者製・コミュニティ製の連携は、公式の資料では確認できていません。公式の案内にあるコミュニティは、Google LabsのDiscordの「#flow」チャンネルです。
- データの流れで注意が要るのは、Toolsの共有(リンクを知る人にコードと名前とサムネイルが見える)、YouTubeへの公開(YouTubeに渡る)、Takeoutの第三者への配信(渡したあとはGoogleの責任の外)の3つです。
この記事は、公式の資料を2026年10月23日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。運営者はGoogle Flowを入れていますが、使い心地はこの記事には書いていません。メニュー名は公式の表記のとおりです。Gemini APIのページは長く、全体を2回に分けて読みました。
先に結論
- Flowの「中」と「外」を分けて考える。 中は、Agent、Tools、Characters、アバター。外は、YouTube、共有リンク、Takeout。さらに外側に、開発者向けのAPIがあります。
- 公式の連携の一覧は見つからなかった。 Flowのヘルプの目次には、APIやMCPやプラグインの項目はありません(15本の記事と、Flow Musicの9本)。「ない」とは言い切れませんが、読んだ範囲ではそうでした。
- 外に出すものは、元に戻せないことがある。 共有リンクは、共有をやめるには元の作品を消す必要がある、とヘルプにあります。
前提:用語をそろえる
- Agent:Flowの中で会話しながら作業を手伝う機能。Googleの機能です。
- Tools:自然な言葉で作る、再利用できる小さなアプリです。
- Google Takeout:Googleのデータをまとめて書き出す公式の仕組みです。
- API:他のプログラムから機能を呼び出す入口です。
- MCP:AIエージェントが外部のツールにつながるための共通の仕組みです。今回、Flowについての公式の記載は見つかりませんでした。
- VST3、AU:音楽制作ソフト(DAW)に入れる、音源やエフェクトの形式です。
たとえ話:映像スタジオの「社内」「搬出口」「別棟」
Flowを、映像のスタジオだと考えます。社内には、相談役(Agent)と、ツール作りの工房(Tools)がいます。搬出口は、YouTubeへの放送口、リンクでの回覧、まるごとの引っ越し便(Takeout)。別棟は、開発者向けの入口(Gemini APIなど)です。別棟は同じ機械(Veo)を使うことがありますが、建物の入口も管理も別です。これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません。
1. Googleが運営する連携
1-1. Flowの中:Agent
- 公式の「Use the Google Flow Agent」によると、Agentは、構想(絵コンテ、ムードボード)、生成(モデルの選択も)、素材の編集、複数案の生成、素材の整理を会話でする機能です。
- 使える場所は、「現在はウェブとパソコンだけ」と書かれています。
- クレジット:Agentが生成したメディアはクレジットを使います。Agentへの質問は、いまのところクレジットを使わず、1日あたりの質問数に上限がある、と書かれています。
- 会話は「Sessions」として、プロジェクトごとに自動で保存されます。消すと、チャットの履歴は消えますが、作った素材は残ります。
- 設定:「Confirm before generating」で「Always」(既定、クレジットを使う前に確認)か「Never」を選べます。「Agent Instructions」に、参考画像と、プロジェクト全体に効く指示を入れられます。
- 公式ブログ(2026年5月19日)は、Agentは「すべてのGoogle Flowの利用者が世界中で使える」と書いています。ただし、機能は、プラン、プラットフォーム、地域で変わりうる、とも注記しています。
1-2. Flowの中:Tools
- 公式の「Create & manage Tools in Google Flow」によると、Toolsは、自然な言葉で作る、再利用できるツールです。公開して共有でき、他の人のToolsを自分のライブラリに加えることもできます。Googleが用意した既定のToolsもあります。
- 作るには、Google AI Plus、Pro、Ultraの購読が要ります。購読しなくても、すでにあるToolsを使えます。ウェブとパソコンだけです。
- 共有の注意(ヘルプの文面):リンクを知っている人は、そのToolのコード、名前、サムネイルを見られます。リンクは、リンクを作った時点の版だけを共有します。共有をやめるには、Toolを削除します。
- クレジット:Toolが生成するメディアはクレジットを使います。クレジットを使いそうなとき、警告のバナーが出ます。Toolを作れる数にも、1日の上限があります。
- 「Delete」は「元に戻せず、確認の表示もない」と、データのページにあります。
- 公式ブログ(2026年9月23日)は、クリエイターが作った6つのToolsを紹介しています。公式の位置づけは、Googleが紹介するFlowのToolsです。
1-3. Flowの外へ:YouTubeへの公開
公式の「Manage your Google Flow projects, assets & collections」に書かれています。
- 条件:Googleアカウントにひもづいた自分のYouTubeチャンネルがあり、そこへ上げる権限があり、YouTubeのコミュニティガイドラインに合う内容であること。
- 手順:動画に触れて「More」、「Publish to YouTube」。必要なら「Connect YouTube」。チャンネル、タイトル、説明、公開範囲(Public、Unlisted、Private)、タグ、カテゴリを入れて、「Upload to YouTube」。処理に数分かかることがあります。
- 解像度:そのモデルで生成された最高の解像度で上がる、と書かれています。
- Scenebuilderのシーンは、直接は上げられず、1本のファイルとしてダウンロードして、YouTube Studio から上げます。
- 目に見えない透かし(SynthID)は、取り除いたり変えたりしないよう、と書かれています。
- データの流れ:選んだ動画が、YouTubeの側に渡ります。YouTubeでの扱いは、YouTube側の規約によります。この記事では、YouTube側の資料は読んでいません。
1-4. Flowの外へ:共有リンク
- 画像や動画に触れて「More」、「Share」。「Include inputs」をオンにすると、作るのに使った素材(Ingredients)も一緒に共有されます。「Copy link」でリンクができます。
- リンクを知っている人は、誰でも作品を見つけて使える、と書かれています。共有をやめるには、元の作品を削除します。
- 例外:アバターのデータは、ToolsやプロジェクトのリンクではFlowから共有できない、と書かれています。
1-5. Flowの外へ:Google Takeout
- 公式の「Download your Google Flow data」によると、takeout.google.com で、Flowのデータをまとめて書き出せます。
- 配信先:メールのリンク(7日で失効)、Google Drive(Driveの容量を使う)、Dropbox、OneDrive、Box(アカウントの連携が必要)。
- 第三者のサービスへ送るとき、ヘルプは、そのフォルダを非公開にするよう書き、アーカイブがそのサービスに着いたあとは、Googleは責任を負わない、と書いています。
- 中身と手順は、04で扱います。
1-6. 組織向け:Workspace
公式のWorkspace管理者向けのページによると、対象のプランでは、Flowは追加料金なしで、毎日50クレジットが付き、「既定でオン」です。管理者は、ユーザー、グループ、組織部門ごとに管理できます。設定名は「Manage access to services that aren't controlled individually」です。同じページに、「このツールとのやり取りは、モデルの学習に使われることがある」と書かれています。
1-7. Googleの別サービス:Flow Music
「Google Flow Music」は、同じヘルプに並ぶ別のサービスです。Flow Musicには、音源やエフェクトのプラグイン(.fmxファイル)を作り、DAWでVST3やAUとして使う機能があります。公式のヘルプによると、macOSだけで、標準の合成音だけが書き出せ、サンプルや生成AIの音声は、まだ書き出せません。これはFlow Musicの機能で、映像のFlowの連携ではありません。
2. 開発者向けの別の入口:Gemini APIとGoogle Cloud
Flowの画面とは別に、開発者向けのAPIでVeoが提供されています。公式の「Generate videos with Veo 3.1 in Gemini API」から読めたことです。
| 項目 | 公式に書かれていること |
|---|---|
| Veo 3.1系のモデル名(Gemini API) | veo-3.1-generate-preview、veo-3.1-fast-generate-preview、veo-3.1-lite-generate-preview。ページは3つとも「プレビュー」と表示し、「2026年10月22日に停止した」と書いている |
| 代わりの案内 | Gemini Omni Flash(gemini-omni-1.1-flash)、またはGemini Enterprise Agent Platformの一般提供(GA)のVeo |
| Veo 3、Veo 3 Fast | 「Stable」と表示 |
| 長さ・解像度 | 4秒、6秒、8秒。720p、1080p、4k(Veo 3.1 Liteは4kなし)。1080pと4kは8秒の動画が必要 |
| 保存 | 生成した動画は、サーバーに2日間置かれ、その後消える。期間内にダウンロードする必要がある |
| 透かし | SynthIDが入る |
- この表はGemini APIの話で、Flowの画面で使うクレジットとは別の仕組みです。API側の料金とFlowのクレジットの関係は、読んだ範囲では書かれていません。
- Flowのヘルプには、このAPIの使い方や、FlowのプロジェクトとAPIをつなぐ機能は、読んだ範囲では見つかりませんでした。
- ページは約11万2千文字あり、最後の約1.2万文字も、あとで読みました。そこに料金や利用上限の金額はなく、別の料金のページとレート制限のページへの案内がありました。モデル一覧では、Veo 3.1とVeo 3.1 Fastのプレビューに「Deprecated」(非推奨)と表示されています。
3. 第三者製・コミュニティ製
| 種類 | 読んだ範囲 |
|---|---|
| 他社製のFlowプラグイン、拡張機能、自動化サービス | 公式の資料では確認できていない |
| コミュニティ | 公式のヘルプが、Google LabsのDiscordの「#flow」チャンネルへの参加を案内している。運営はGoogle Labs側と読めるが、運営の詳細は確認していない |
| 生成した素材を他の編集ソフトで使う | 動画のダウンロード(「More」の「Download」で形式を選ぶ。GIFは「270p」)と、Takeoutの書き出し(.jpg、.mp4、.wav)が公式に書かれている。他社ソフトとの個別の連携は、読んだ範囲では見つからなかった |
4. データはどこへ流れるか:まとめ
| 操作 | 渡る先 | 公式の注意 |
|---|---|---|
| Flowで生成 | Googleのサービス | 「Help improve Google Flow」がオンなら、アップロードと生成物も製品の改善に使われることがある。機密情報は入れない |
| Agentとの会話 | Googleのサービス | 会話はSessionsに保存。消すとチャットは消え、素材は残る |
| Toolsの共有 | リンクを知る人 | コード、名前、サムネイルが見える。共有をやめるには削除 |
| 共有リンク | リンクを知る人 | リンクを知る人が見つけて使える。共有をやめるには元の作品を削除 |
| YouTube公開 | YouTube | 公開範囲は、公開、限定公開、非公開から選ぶ |
| Takeoutで第三者へ配信 | Dropbox、OneDrive、Box | 着いたあとは、Googleは責任を負わない |
| Gemini APIで生成 | Google(API側) | 動画はサーバーに2日間 |
気をつけること
- 「つなぐ」前に、渡す先を決める。 共有リンクとToolsは、リンクを知る人なら見られます。公開が前提の素材だけを出す、というのが安全側の使い方です(見立て)。
- APIの停止と変更。 Gemini APIのVeo 3.1のプレビュー用モデルは、ページ上で停止済みと書かれています。使う前に、最新のモデル一覧を確かめてください。
- 公式ブログの発表と、ヘルプの記載の更新時期が違う。 連携や機能は、プラン、プラットフォーム、地域で変わりうる、と公式は注記しています。
- 第三者製の連携を使うとき。 公式の資料では確認できていないので、その提供元の規約と、どのデータが渡るかを自分で確かめてください。
- この記事の「たとえ話」「見立て」は、僕らの考えです。
出典
- Use the Google Flow Agent(Google Flow ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- Create & manage Tools in Google Flow(Google Flow ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- Manage your Google Flow projects, assets & collections(Google Flow ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- Download your Google Flow data(Google Flow ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- Manage your data in Google Flow(Google Flow ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- Get started with Google Flow(Google Flow ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- Use Flow Music instruments & effects in your DAW(Google Flow ヘルプ、確認日 2026-10-23)
- Google Flowのヘルプセンター(目次、確認日 2026-10-23)
- Access Google Labs tools in Google Workspace(Google Workspace 管理者向けナレッジ、確認日 2026-10-23)
- Generate videos with Veo 3.1 in Gemini API(Google AI for Developers、確認日 2026-10-23)
- New agents, mobile apps and Gemini Omni for Google Flow and Google Flow Music(Google公式ブログ、2026年5月19日、確認日 2026-10-23)
- 6 new Google Flow Tools built by industry creatives(Google公式ブログ、2026年9月23日、確認日 2026-10-23)