3行でいうと

  • 入口は3つです。Web(ブラウザ)は無料アカウントを作るところから、APIは「APIキー」を作ってSDKを入れるところから、CLIはHomebrew・Scoop・npm・curlのどれかで入れて elevenlabs auth login でサインインするところから始まります。
  • 最初の設定として、公式のヘルプが案内しているのは、プロフィールのアイコンから「Terms and privacy」→「Data use」を開き、「Improve the models for everyone」のスイッチを確かめることです。ワークスペースの設定は、同じプロフィールのメニューの「Workspace settings」にあります。
  • APIキーには、個人のキー(User API keys)とサービスアカウントのキーがあります。個人のキーには「Full Seat」が要り、サービスアカウントは複数席のプランの管理者向けです。キーにはスコープ、クレジットの上限、IPの許可リストなどの制限がかけられます。
  • モバイルアプリには、専門のクローン作成、Studio、吹き替え、音楽、Agentsはありません(公式のヘルプがWebのみと書いています)。アプリの入れ方とサインインの方法は、読んだページには書かれていませんでした。
  • 動作の確かめ方は、Webなら「Generate」を押して音が出ること、APIなら公式のサンプルで音声が再生されること、CLIなら elevenlabs auth status と、サンプルのコマンドで audio.mp3 ができることです。

この記事は、公式の資料を2026年10月25日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。

手順は「公式の手順を順に並べたもの」です。コマンドとコードのうち、公式のページに書かれていたものは「公式の例の写し」と書きます。公式に書かれていない画面の経路、ボタンの表記、初期値は書かず、「公式で確認できていない」と書きます。画面の表記は変わるので、手元の画面と照らして読んでください。

先に結論

前提:用語をそろえる

たとえ話:玄関が3つある1軒の家

ElevenLabsを、玄関が3つある家だと考えてみます。Webは正面の玄関で、アカウントという鍵があれば誰でも入れます。スマホのアプリは勝手口で、入れる部屋が少なめです。APIとCLIは、業者用の通用口で、「APIキー」という別の合鍵が要ります。これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません。

全体像:どの入口で何を用意するか

入口 用意するもの 公式が示す最初の操作
Web(ブラウザ) ElevenLabsのアカウント 無料アカウントを作り、Text to Speechのプレイグラウンドで「Generate」
モバイルアプリ(iOS・Android) アカウント 公式のヘルプは機能の一覧のみ。入れ方は読んだページに記載なし
API・SDK APIキー、PythonまたはNode.js pip install elevenlabs または npm install @elevenlabs/elevenlabs-js
CLI 次の節のインストール方法のどれか elevenlabs auth login
AIアシスタントからの操作(MCP) アカウント(OAuthで許可) 07で扱う

手順1:Webのアカウントを作る

公式のElevenCreativeのクイックスタートの、アカウントに関する記載を順に並べます(確認日2026-10-25)。

  1. ElevenLabsの公式サイト(elevenlabs.io)を開く。
  2. クイックスタートの案内に従い、無料のElevenLabsアカウントを作る(公式は「sign-up link」と書いています)。
  3. 無料アカウントでできることとして、公式は次を挙げています。月10,000文字(クレジット)、Voice Libraryの10,000以上の声、Text to Speech、Voice Changer、Sound Effects、Playground。
  4. Voice Libraryは、無料のアカウントではAPIから使えない、と書かれています。
  5. 商用利用には有料プランが必要で、無料は個人の非商用に限られる、と書かれています(詳しくは01、04)。

公式で確認できていない点:サインインの方法(メールアドレス、Googleなどの外部アカウント)と、メールの確認の手順は、読んだページには書かれていませんでした。なお、モバイルのヘルプの関連記事の題名として、「Apple Sign-Inで登録した場合にWebアプリへ入る方法」という趣旨の記事があることが、一覧に出ていました(題名だけで、内容は読んでいません)。サインインの方法は、画面に出る選択肢で確かめてください。

手順2:最初に確かめる設定

2-1 データの利用(Data use)

公式のヘルプ「Is my data used to improve ElevenLabs' AI models?」には、次のように書かれています。

どちらにするかは、使い方による判断です。ここでは決めません。ただ、設定を開いて、いまの状態を一度見ておく、という順番を、この記事の案として置いておきます。

2-2 ワークスペースの設定

公式のdocs(Workspaces)には、次の記載があります。

個人で使う場合は、「Workspace settings」を開いて、自分のロールや席を見る、という使い方が考えられます(この記事の見立てで、公式の案内ではありません)。シークレット(秘密情報)の保管は、Workspacesのページには説明がありませんでした。エージェントの設定画面での秘密情報は、08で扱います。

手順3:モバイルアプリ

公式のヘルプ「What features are available in the ElevenLabs mobile app?」から読み取れることです(確認日2026-10-25)。

区分 内容(公式の記載)
アプリで使える(Available now) Text to Speech、Instant Voice Cloning、Voice Library、Voice Changer、Voice Isolator、Image & Video、Listening & Playback、Voice Design
Webだけ Professional Voice Cloning、Studio、Dubbing、Eleven Music、Agentsのプラットフォーム

手順4:APIキーを作る

4-1 キーの種類

公式のdocs(API Keys)は、2種類を挙げています。

種類 持ち主 公式の説明
User API keys(個人のキー) 個人 その人のワークスペース内のアクセス権を引き継ぐ。有効期限をつけられる。作るには「Full Seat」が必要
Service account API keys サービスアカウント メンバーの出入りがあっても使い続けられる。公式は、バックエンド、自動化、本番での利用向けと書く。複数席の顧客向けで、ワークスペースの管理者が管理する

サービスアカウントについて、公式のdocs(Service Accounts)は、ワークスペースのメンバーのように振る舞い、作った時点では何のリソースにもアクセスできないこと、グループに入れるか、リソースを直接共有してアクセスを与えること、グループの利用を勧めていること、複数席の顧客の、ワークスペース管理者だけが使えることを書いています。作成の手順、削除、上限、権限の段階は、このページには書かれていませんでした。

4-2 個人のキーを作る手順(公式の記載の範囲)

  1. ダッシュボードのAPIキーのページ(公式のクイックスタートが示すURLは https://elevenlabs.io/app/api/api-keys)を開く。
  2. キーを作る。
  3. 有効期限は「Expire After」のセレクタで決める。選択肢は、15分から30日までの区切りと「Never」で、初期は「Never」と書かれています。一覧の「Expires」の列に期限が出ます。
  4. 作ったキーは、秘密として保存する。公式のクイックスタートは「managed secretとして保存」と書き、.env に入れる例を示しています。

公式で確認できていない点があります。個人のキーの作成画面のボタンの表記と、スコープを選ぶ画面の操作は、APIキーのページに書かれていませんでした。スコープの選択肢の一覧も書かれていません。ダッシュボードで画面を見ながら、手元の表示で確かめてください。

4-3 サービスアカウントのキーを作る手順(公式の記載)

  1. 右上のプロフィールのアイコンをクリックし、「Workspace settings」を選ぶ。
  2. 「Service Accounts」のタブを開く。
  3. サービスアカウントに対してキーを作る。

APIで作る方法(create-keyのエンドポイント)もある、と書かれています。

4-4 キーにかけられる制限

公式のdocsの記載を、そのまま並べます。

制限 内容
スコープ(Scope restriction) キーが呼べるAPIのエンドポイントを絞る。選択肢の一覧と設定のしかたは、ページに書かれていない
クレジットの上限(Credit quota) 使用量に独自の上限をつける。設定のしかたは、ページに書かれていない
IPの許可リスト IPv4、IPv6、CIDRの範囲(例 203.0.113.0/24)を1つのキーに1〜100個。単独のIPは /32(IPv4)か /128(IPv6)に直される。10.0.0.0/8 のようなプライベートの範囲は受け付けない。許可リストにないIPからのリクエストは 403 で拒否される
有効期限 個人のキーのみ。期限が過ぎると 401。サービスアカウントのキーは期限切れにならない
third_party_disable_allowed キーの持ち主、または公開された漏えいが見つかったときの自動の処理で、キーを無効にできるか。サービスアカウントのキーで、作成・更新のときに設定する。省略するとワークスペースの初期値。初期値は、Enterprise以外では有効、Enterpriseでは無効

4-5 キーの扱い:公式の記載

手順5:SDKを入れて、最初の1回を呼ぶ

公式のAPIクイックスタートの「Manual setup」(手で設定する方法)の順です。

5-1 キーを環境変数に入れる

プロジェクトのフォルダに .env というファイルを作り、1行書きます(公式の例の写し)。

ELEVENLABS_API_KEY=<your_api_key_here>

公式のクイックスタートには、macOS、Linux、Windowsで、ターミナルから環境変数を設定するコマンドは、書かれていませんでした。.env を使う方法だけが書かれています。

5-2 SDKを入れる(公式の例の写し)

Python:

pip install elevenlabs
pip install python-dotenv

JavaScript/TypeScript:

npm install @elevenlabs/elevenlabs-js
npm install dotenv

dotenv は、.env からキーを読み込むための部品、と公式に書かれています。

5-3 最初の読み上げ(公式の例の写し)

Pythonの場合、example.py を作って次を書きます。

from dotenv import load_dotenv
from elevenlabs.client import ElevenLabs
from elevenlabs.play import play
import os

load_dotenv()

elevenlabs = ElevenLabs(
  api_key=os.getenv("ELEVENLABS_API_KEY"),
)

audio = elevenlabs.text_to_speech.convert(
    text="The first move is what sets everything in motion.",
    voice_id="JBFqnCBsd6RMkjVDRZzb",  # "George" - browse voices at elevenlabs.io/app/voice-library
    model_id="eleven_v4",
    output_format="mp3_44100_128",
)

play(audio)

実行は python example.py です。スピーカーから音声が流れるはず、と公式に書かれています。再生のために、MPVやffmpegを入れるよう求められることがある、と書かれています。

TypeScriptの場合は example.mts で、ElevenLabsClient と play を @elevenlabs/elevenlabs-js から読み込み、textToSpeech.convert を呼びます(全文は公式ページで確認してください)。実行は npx tsx example.mts です。

5-4 認証のヘッダを知っておく

公式の認証のページによると、ベースのURLは https://api.elevenlabs.io で、リクエストごとに xi-api-key のヘッダにAPIキーを入れます。例として、https://api.elevenlabs.io/v1/models に対して、Content-Type: application/json と xi-api-key: $ELEVENLABS_API_KEY を付けるcurlが示されています。SDKでは、ElevenLabs(api_key='YOUR_API_KEY')(Python)や、new ElevenLabsClient({ apiKey: "YOUR_API_KEY" })(Node)のように、キーを渡します。

手順6:CLIを入れる

公式のCLIのページ(ElevenLabs CLI)と、APIクイックスタートに書かれたインストール方法です(公式の例の写し)。

方法 コマンド
Homebrew(macOS) brew install elevenlabs/tap/elevenlabs
Scoop(Windows) scoop bucket add elevenlabs https://github.com/elevenlabs/scoop-bucket のあとに scoop install elevenlabs
npm npm install -g @elevenlabs/cli
curl curl --proto '=https' --tlsv1.2 -LsSf https://github.com/elevenlabs/cli/releases/latest/download/elevenlabs-cli-installer.sh \| sh

6-1 サインインする

elevenlabs auth login

エージェントのクイックスタートには、auth login について「事前にダッシュボードでAPIキーを作る」という趣旨の記載もあります。CLIのページは、OAuthで開く、と書いています。2つの説明は並べて示します。画面に出る案内で確かめてください。

6-2 読み上げをCLIで試す(公式の例の写し)

elevenlabs text-to-speech convert \
  --voice-id JBFqnCBsd6RMkjVDRZzb \
  --model-id eleven_v4 \
  --text "The first move is what sets everything in motion." \
  --output-format mp3_44100_128 \
  --output audio.mp3

audio.mp3 を開くと、結果が聞ける、と書かれています。

手順7:動作の確かめ方

入口 確かめ方 期待される結果(公式の記載)
Web Text to Speechのプレイグラウンドで声を選び、テキスト(5,000文字まで)を入れて「Generate」 音声ができて、ダウンロードか共有ができる
API・SDK 5-3のサンプルを実行 スピーカーから音が出る
CLI elevenlabs auth status、続けて6-2のコマンド audio.mp3 ができる
データの設定 「Terms and privacy」→「Data use」を開く 「Improve the models for everyone」のスイッチの状態が見える

つまずきと直し方

症状 公式の記載に沿った確認点
APIが 401 を返す 個人のキーは、期限(Expire After)を過ぎると 401 で拒否される、と書かれています。期限の列を見る。ヘッダ名は xi-api-key
APIが 403 を返す キーにIPの許可リストをかけていると、リストにないIPからのリクエストは 403 で拒否される、と書かれています
音が出ない(Python/Node) MPVやffmpegを入れるよう求められることがある、と書かれています
npx が動かない npx にはNode.jsが要る、と書かれています。Homebrew・Scoopで入れる方法がある
ブラウザが開けない環境(SSH、クラウドのサンドボックス) 公式は、elevenlabs.io/app/api/api-keys でキーを自分で作り、環境のファイルに貼る、と書いています
個人のキーが作れない 個人のキーには「Full Seat」が必要、と書かれています
サービスアカウントが見つからない 複数席の顧客のワークスペース管理者だけが使える、と書かれています
無料でVoice LibraryがAPIから使えない 無料のアカウントでは、Voice LibraryはAPIで使えない、と書かれています
モバイルで項目が見当たらない 専門のクローン、Studio、Dubbing、Music、AgentsはWebのみ、と書かれています

気をつけること

出典