3行でいうと
- このガイドの対象は ElevenLabs(elevenlabs.io)です。公式の概要ページは、製品を ElevenCreative(ブラウザで使う作成アプリ)、ElevenAgents(音声エージェント)、ElevenAPI(開発者向けのAPI)、Reception.ai(電話受付)の4つに分けて説明しています。
- 入口は、Web(ElevenCreativeのブラウザ版)、iOSとAndroidのアプリ、API・SDK・CLIです。ただし公式は、モバイルアプリには専門のクローン作成、Studio、吹き替え、音楽、Agentsなど、Webだけの機能があると書いています。
- 公式の料金ページの表示は、Freeが月$0で10kクレジット、有料は Starter、Creator、Pro、Scale、Business、Enterpriseです(2026年10月23日に確認、米ドル、税別)。Freeは個人の非商用に限られ、商用利用には有料プランが必要、と公式のクイックスタートに書かれています。
- データはクラウド側で処理されます。公式のプライバシーポリシーは、個人情報を米国に移して保存すると書いています。モデル改善への利用は、設定の「Improve the models for everyone」で止められます(オフにした後に送るデータが対象)。
- 最初に決めたいのは、①個人か仕事か(商用か)、②声の権利(自分の声か、許可を得た声か)、③データをモデル改善に使わせるか、④どのプランか、の4つです。
この記事は、公式の資料を2026年10月23日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。運営者はElevenLabsを約3か月使い、精度が足りないと感じて解約しています(運営者の使用感)。この記事には使い心地を書いていません。メニュー名、プラン名、金額は公式の表記を写しています。公式ページは要約の形で取得したため、読めていない部分は「確認できていない」と書いています。
先に結論
- ElevenLabsは、音声のためのAIをまとめて提供するサービス。 公式の概要ページは、読み上げ(Text to Speech)、音声認識(Speech to Text)、音楽、吹き替え(Dubbing)、効果音、声のクローンと設計(Voices)などを、機能の一覧として並べています。
- 「何を作るか」で入口が変わる。 ナレーションや吹き替えをブラウザで作るなら ElevenCreative、電話やWebで会話する窓口を作るなら ElevenAgents、アプリに組み込むなら ElevenAPI、というのが公式の整理です。
- 無料は試用向け。 Freeは月10kクレジット。商用利用の権利は有料プランから、と公式は書いています。無料で作った音声を公開する場合は、「elevenlabs.io」などの表記(クレジット)が必要です。
- 声の権利には、公式がはっきり線を引いている。 専門のクローン(Professional Voice Clone)は、本人の声だけです。許可があっても他人の声は作れない、と公式のヘルプに書かれています(02、04で詳しく扱います)。
- 有料の「取り消し」は期末。 解約は、請求期間の終わりに効き、使い切れなかったクレジットは失われます(04で扱います)。
前提:用語をそろえる
- ElevenCreative:公式の概要ページが「ブラウザで使うノーコードのWebアプリ」と説明している製品です。読み上げ、吹き替え、音楽、効果音、声の管理などを扱います。
- ElevenAgents:「音声エージェントを設計・運用するプラットフォーム」と説明されています。2025年9月3日の公式ブログで、Conversational AIという名前からElevenLabs Agentsへの改名が告知されています。現在の公式資料では、ElevenAgentsという表記が主に使われています。docsのURLやライブラリの見出しには、Agents Platformという呼び方も残っています。
- ElevenAPI:すべての機能をREST APIとして出す窓口。公式のPythonとTypeScriptのSDKがあります。
- クレジット(Credits):使った分を数える単位です。公式の「Billing」には、以前は「characters(文字)」と呼ばれていて、価値は変わらないと書かれています。使い方によって消費の量は違います(後述)。
- 音声のクローン:自分の声などのサンプルから、同じ声で読み上げる声を作ること。公式は、Instant Voice Cloning(短い音声からすぐ作る)と、Professional Voice Cloning(長い音声で時間をかけて作る)を分けています。
- Voice Design:声の特徴を文章で説明して、新しい声を作る機能です。
たとえ話:音声の「スタジオ」と「受付係」と「部品棚」
ElevenLabsを、音声の仕事をする会社だと考えてみます。ElevenCreativeは、ナレーターと編集者がいるスタジオです。台本を渡すと声にしてくれて、別の言語にも直してくれます。ElevenAgentsは、電話やWebの受付に座らせる受付係で、会話のしかたを決めて任せます。ElevenAPIは、その仕事の部品棚で、自分のアプリに必要な部品だけ取って組み込みます。これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません。
どの製品を使うか:公式の整理
公式の概要ページの「How does ElevenLabs work?」と「Browse by capability」から、読み取れる範囲をまとめます(確認日2026-10-23)。
| 製品 | 公式の説明(言い換え) | 向いている入口 |
|---|---|---|
| ElevenCreative | ナレーターや編集者がブラウザで声を作るノーコードのWebアプリ | Webブラウザ |
| ElevenAgents | 音声エージェントを設計・運用する基盤 | ダッシュボード、API、CLI |
| ElevenAPI | 全機能をRESTで出す。公式のPythonとTypeScriptのSDKあり | 開発者向け |
| Reception.ai | 中小企業向けの、すぐ使えるAI電話受付 | 公式の説明では導入しやすい形 |
機能の一覧(概要ページ)には、Text to Speech、Speech to Text、Music、Text to Dialogue、Image & Video、Voice Changer、Voice Isolator、Dubbing、Sound Effects、Voices、Voice Remixing、Forced Alignment、Speech Engine、ElevenAgents、Private deployments が並んでいます。
このガイドの範囲は、音声生成(読み上げ)、音声認識、吹き替え、音声エージェント、プランとクレジット、声の権利・同意、APIです。Reception.ai、音楽、画像・動画の生成は、読んだ範囲では詳しく扱っていません。
どこで使えるか
| 入口 | 公式の資料に書かれていること |
|---|---|
| Web(ブラウザ) | ElevenCreativeのクイックスタートは「無料アカウントを作る」から始まります。上部のメニューは Overview、ElevenCreative、ElevenAgents、ElevenAPI、Reception.ai、API reference、Changelog、Help Center |
| iOS・Androidアプリ | 公式のヘルプによると、Text to Speech、Instant Voice Cloning、Voice Library、Voice Changer、Voice Isolator、Image & Video、Listening & Playback、Voice Design が使える |
| API・SDK・CLI | Pythonは pip install elevenlabs。CLIは、クイックスタートでは npx -y @elevenlabs/cli@latest onboard init や、HomebrewとScoopでの導入が案内されている |
モバイルについて、公式のヘルプは、専門のクローン作成(Professional Voice Cloning)、Studio、Dubbing、Eleven Music、AgentsのプラットフォームはWebのみだと書いています。「少しずつモバイルの機能を広げている」とも書かれています。モバイルのクレジットについては、公式の別のヘルプ記事に、Text to Speechは1文字につき1クレジットで、生成したときだけ消費されること、Webで申し込んだ有料プランはWebとモバイルアプリの両方で使えること、モバイルアプリ経由で申し込むとPay As You Goのクレジットは買えない(Webでの申し込みが必要)ことが書かれています。サインインの方法と対応OSの版は、読んだ範囲では書かれていませんでした。
最初の一歩:ElevenCreativeのクイックスタート
公式のクイックスタート(ElevenCreative)の流れは、次のとおりです。
- 無料のアカウントを作る。
- 声を選ぶ。Voice Libraryで、言語、アクセント、年齢、用途から探して試し聞きできる。自分の声のクローンや、Voice Designも選べる。
- モデルを選ぶ。公式は、Multilingual v2(もっとも安定)、Eleven v4(最新で最高品質)、Eleven v3(前の表現力の高いモデル)、Flash v2.5(もっとも低遅延)を挙げている。
- Text to Speechのプレイグラウンドを開き、声を選び、文章を入れて(クイックスタートでは5,000文字まで)、「Generate」を押し、ダウンロードか共有をする。
- 余裕があれば、Voice Changer、Sound Effects、Studio、Dubbingを試す。
メニュー名は、公式のサイドバーでは次の区分でした。Playground(Text to Speech、Voice Changer、Sound Effects、Speech to Text、Image & Video)、Products(Studio、Audiobooks、Flows、Templates、Music、Dubbing、Transcripts、Subtitles)、Voices(Voice library、Voice cloning、Voice Design、Payouts)など。
無料でどこまでか
公式の料金ページ(elevenlabs.io/pricing)の表示は次のとおりです(確認日2026-10-23。米ドル。「Monthly」と「Yearly」の切り替えがあるが、取得した範囲では月払いの金額だけが読めた)。
| プラン | 月額の表示 | 月のクレジット | 公式が挙げる主な内容 |
|---|---|---|---|
| Free | $0 | 10k | Text to Speech、Speech to Text、Sound Effects、Voice Design、Music、Productions、Image。Studioプロジェクトは3つ |
| Starter | $6(初月$1の表示。83% off) | 30k | Freeに加えて、商用ライセンス、Instant Voice Cloning、Studioプロジェクト20、Dubbing Studio、Image & Video |
| Creator(「Popular」の表示) | $22(初月$11の表示。50% off) | 121k | Starterに加えて、Professional Voice Cloning |
| Pro | $99 | 600k | Creatorに加えて、APIの44.1kHz PCM出力、192kbpsの音質 |
| Scale | $299 | 1.8M | Proに加えて、ワークスペースの席3、チームでの共同作業、Professional Voice Clone 3つ |
| Business | $990 | 6M | Scaleに加えて、低遅延のTTS(「5c/minute」から)、Professional Voice Clone 10、席10 |
| Enterprise | Custom pricing | Custom | 個別の条件、DPA(データ処理の契約)とSLA(サービス品質の保証)の保証、HIPAA(米国の医療情報の法律)向けのBAA(業務提携契約)、SSO(社内の共通ログイン)、管理つき吹き替えなど |
注意点が3つあります。
- 取得した結果では、StarterとCreatorの割引の読みが、ページによって「$6」と「$1」、「$22」と「$11」の並びが逆に読める箇所がありました。割引率(83%、50%)からは、通常が$6と$22、初月が$1と$11と読むのが合いますが、確定はできていません。料金ページの割引には「Until Nov 1」の期限表示もあります。実際の請求額は、公式の画面で確かめてください。
- 料金は税別で、「税や課徴金を含まない」と書かれています。
- Freeの上限として、公式のクイックスタートは「月10,000文字(クレジット)」と「10,000以上の声」を挙げ、Voice Libraryは無料枠ではAPIから使えないとも書いています。吹き替えは、無料枠のものには自動で透かし(ウォーターマーク)が入る、と公式の吹き替えのページに書かれています。
読み上げの分数は、料金ページの比較表の「おおよその分数」(Free 10分、Starter 30分、Creator 121分、Pro 600分、Scale 1,800分、Business 6,000分)も参考になりますが、今回の再取得では、料金ページの比較表のうち「Text to Speech(画面から使う場合)」の欄で、「追加の1分」の目安(Free約$0.36、Starter約$0.20、Creator約$0.18、Pro・Scale・Business は約$0.17)と、同時に出せるリクエスト数(Free 2、Starter 3、Creator 5、Pro 10、Scale 15、Business 25)が読めました。
商用利用と「クレジット表記」
公式のヘルプ「Can I publish the content I generate on the platform?」は、次のように書いています。
- 無料プラン(またはサインインなし):商用ライセンスがなく、商用には使えない。公開する場合は、題名などに「elevenlabs.io」または「11.ai」を入れて出典を示す必要がある(Eleven Musicは「Eleven Music」)。
- 有料プラン:商用ライセンスが含まれる。ただし、知的財産権を持っていること、法令・利用規約・Prohibited Use Policyに合うことが条件。
- Betaのサービス:Beta Services Addendumにより、プランに関係なく商用や本番で使えない。
- 時間:有料の契約中に作った音声は、契約が終わっても商用で使い続けられる。契約外で作ったものは、商用に使えない。
データはどこに保存されるか
- 処理と保存は、基本的にElevenLabs側。 公式のプライバシーポリシー(2026年10月9日更新)は、個人情報を米国に移して保存すること、移転にはEUの標準契約条項などを使うことを書いています。
- 何が集まるか。 声の録音、プロンプト、アップロード、出力、アカウント情報、支払いの情報(決済事業者が扱う)、端末や位置(IPからおおよそ)などです。他人の声を使うよう頼む場合は、その人の声も含まれ得る、と書かれています。
- 保存期間。 声から作られたデータは、最後のやり取りから3年を超えて保存しない、とあります(法令が別に定める場合を除く)。
- モデル改善への利用。 公式のヘルプによると、ElevenLabsは一部のデータを、全ユーザーのためのモデル改善に使います。止めるには、プロフィールのアイコンから「Terms and privacy > Data use」で、「Improve the models for everyone」をオフにして「Update your choice」を押します。オフにした後に送るデータが対象です(それ以前の扱いは、ヘルプには書かれていません。利用規約は、オプトアウトは処理される前の利用には影響しない、と書いています)。Enterpriseは、初期設定で学習に使わない(サービス提供に必要な範囲を除く)、と書かれています。
- 保存の地域。 保存先の地域(データレジデンシー)は、公式のブログ(2025年5月2日)では、欧州向けがEnterprise限定と書かれています。docsには、EU、インド、シンガポールの専用URLもあります(03、04で扱います)。
最初に決めること:4つ
- 個人か、仕事(商用)か。 商用で使うなら有料プランが前提です。無料のままで公開するなら、クレジット表記が必要です。
- 誰の声を使うか。 自分の声、またはVoice Libraryなどで使ってよい声か。公式は、Professional Voice Cloneは本人の声だけと書いています(02、04)。
- データをモデル改善に使わせるか。 初期の設定のままでよいか、「Data use」を先に確かめるかを決めます。
- どのプランか。 まずFreeで試し、商用、Instant Voice Cloning、Dubbing StudioならStarter以上、Professional Voice CloningならCreator以上、というのが料金ページの並びから読み取れます。どれを選ぶべきかは、僕らは断定しません(見立てを書くなら、まずFreeで「読み上げ」と「文字起こし」を触って、自分の用途に必要な機能を絞ってから有料を選ぶほうが、無駄が少なそうです。これは僕らの見立てで、公式の推奨ではありません)。
今日からできること
- 公式の概要ページ(elevenlabs.io/docs/overview)で、製品の名前と役割をつかむ。
- 無料アカウントを作り、Text to Speechで短い文章を1つ声にしてみる。
- プロフィールの「Terms and privacy > Data use」を開いて、いまの設定を見る。
- 商用に使うつもりなら、料金ページで、必要な機能が入るプランを、払い方(月払い、年払い)を選んだうえで確かめる。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。運営者はElevenLabsを約3か月使い、精度が足りないと感じて解約しています(運営者の使用感)。この記事には使い心地を書いていません。公式のdocs、ヘルプ、料金ページ、ポリシーを、要約の形で読んだ範囲です。
- 金額と割引は変わりやすく、取得した結果に読みの揺れもありました。ここに書いたのは2026年10月23日の表示で、米ドル、税別です。公式のBillingは、インドの利用者はルピー(INR)で支払えるが、それ以外の利用者には米ドルで請求する、と書いています(日本円の記載は見つかりませんでした)。
- 公式のプライバシーポリシーと利用規約は、2026年10月9日に更新されています。契約や権利の解釈は、必要なら専門家や公式に確認してください。この記事は法律の助言ではありません。
- 声には、本人や他人の権利が関わります。他人の声や、特定の人を思わせる声を作る前に、公式のProhibited Use Policy(04)を読んでください。
- モデル名や機能名は更新が早く、公式の資料の中でも、言語数や名称が一致しない箇所がありました(たとえばAgentsの対応言語は、ページによって「31」と「70+」の記載がある)。画面で確かめてください。
出典
- Overview(ElevenLabs Docs、ElevenLabs、確認日 2026-10-23)
- What is ElevenLabs?(ElevenLabs Help Center、ElevenLabs、確認日 2026-10-23)
- Pricing(ElevenLabs、確認日 2026-10-23)
- ElevenCreative(ElevenLabs Docs、ElevenLabs、確認日 2026-10-23)
- ElevenCreative Quickstart(ElevenLabs Docs、ElevenLabs、確認日 2026-10-23)
- ElevenAPI quickstart(ElevenLabs Docs、ElevenLabs、確認日 2026-10-23)
- Introducing ElevenLabs Agents(ElevenLabs Blog、2025-09-03、確認日 2026-10-23)
- What features are available in the ElevenLabs mobile app?(ElevenLabs Help Center、ElevenLabs、確認日 2026-10-23)
- Billing(ElevenLabs Docs、ElevenLabs、確認日 2026-10-23)
- Can I publish the content I generate on the platform?(ElevenLabs Help Center、ElevenLabs、確認日 2026-10-23)
- Is my data used to improve ElevenLabs' AI models?(ElevenLabs Help Center、ElevenLabs、確認日 2026-10-23)
- Privacy Policy(ElevenLabs、2026-10-09更新、確認日 2026-10-23)
- Introducing European Data Residency(ElevenLabs Blog、2025-05-02、確認日 2026-10-23)
- Dubbing(ElevenLabs Docs、ElevenLabs、確認日 2026-10-23)