3行でいうと
- 基本の編集は「スクリプト(文字起こし)を編集する」ことです。文字を消すと、対応する音声や動画も消えます。公式ヘルプは、これは破壊的な編集ではなく、消した部分は隠れているだけで、あとから戻せる、と説明しています。
- AI機能は、公式ヘルプでは「AIツール」としてまとまっています。音を整える(Studio Sound、フィラーワード除去)、見た目を整える(Eye Contactなど)、再利用する(クリップ作成、翻訳)、公開する、書く、の5つの分類です。現行プランでは、使うたびにAIクレジットが減ります。
- 機能ごとに、対応言語が違います。フィラーワード除去とRegenerateは英語のみ、文字起こしは日本語が表にない、吹き替えの声には日本語がある、と公式にあります。
- Underlord(会話で編集を頼めるAI)は、公式が「ベータ」と書いています。間違えたり、できると言いすぎたりすることがあるので、結果を確かめるよう公式が勧めています。
この記事は、公式の資料を2026年10月23日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。画面名・メニュー名は公式の表記を写しています。公式のページは要約の形で取得したため、「書かれていない」と言い切らず、「読んだ範囲では見つからなかった」と書いています。精度や速さの数字は載せていません。
先に結論
- まず触るなら、「文字を消して切る」から。 公式の「Edit like a doc」に、スクリプトを選んでDeleteを押すだけ、とあります。ここがDescriptの出発点で、ほかの機能の土台です。
- AI機能は、必要になってから足す。 どの機能もAIクレジットを使います(04で数字を書きます)。最初から全部を試すより、「雑音が気になる」「長い動画から短い動画が欲しい」と困ったところで1つずつ足すのが、無理のない順番に見えます(これは僕らの見立てで、公式の推奨ではありません)。
- 日本語の音声が中心の人は、機能表と言語表を見比べる。 日本語の文字起こしは公式の対応言語の表になく(01参照)、その上に乗る英語限定の機能もあります。
前提:用語をそろえる
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| スクリプト | 文字起こしされた文章。編集の画面の中心。 |
| ワードバー | 公式ヘルプの「The wordbar」。文字と音声の位置の対応を見て、ずれを直す場所。 |
| コンポジション | 1つのプロジェクトの中の、書き出しの単位になる編集のまとまり。 |
| シーン | 動画の区切り。レイアウトを当てはめる単位。 |
| AIツール(AI Tools)パネル | 画面の右のサイドバーにある、AI機能の入口。 |
| AIクレジット | AI機能で減る共通のポイント。 |
たとえ話:紙の台本に、赤ペンを入れると、録音が自動で切られる
ラジオの録音を、紙の台本のとおりに編集するところを考えます。ふつうは、台本の「ここは使わない」という場所を見つけ、録音の時間を探して、そこを切ります。Descriptは、台本(文字起こし)に赤ペンを入れると、録音のほうが自動で切られる、という仕組みです。しかも、切った部分は捨てられず、いつでも戻せます。これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません。
公式が挙げる主な機能
| 機能 | 公式の説明の要約 | 公式のどこに書かれているか | 日本語・言語の注意 |
|---|---|---|---|
| 自動の文字起こし | 取り込んだメディアは自動で文字起こしされ、文字として編集できる | ヘルプ「Get started with Descript」「Automatic transcription」 | 対応言語の表に日本語なし(01) |
| 文字を消すとメディアも消える | スクリプトを消す・切り貼りすると、メディアも動く | ヘルプ「Edit like a doc」 | 文字起こしが付く言語が前提 |
| フィラーワード除去 | 「えー」にあたる言葉を検出し、削除などを選ぶ | ヘルプ「Filler words」 | 英語のみ |
| Studio Sound | 背景の雑音やエコーを減らし、声を聞き取りやすくする | ヘルプ「Studio Sound」 | 言語の記載は読んだ範囲で見つからず |
| Regenerate | 言い直しなしで、音声や映像の一部を作り直す | ヘルプ「Regenerate overview」 | 英語の音声・映像のみ |
| テキスト読み上げ(AI Speakers) | 台本から、ストック音声や自分の声のクローンで音声を作る | ヘルプ「Generate text-to-speech audio」 | 一覧に日本語なし |
| クリップ作成(Create clips) | 長いコンポジションから、短い自己完結のクリップを取り出す | ヘルプ「Create Clips from your content」 | 言語の記載は読んだ範囲で見つからず |
| 翻訳・吹き替え | 字幕の翻訳(Translate captions)と、別の言語の声への吹き替え(Dub speech) | ヘルプ「Translate and dub speech overview」「Dub speech」 | 吹き替えの声に日本語あり |
| Underlord(ベータ) | 会話で編集、字幕、クリップ作成、翻訳などを頼める | ヘルプ「Underlord (Beta)」 | 翻訳の例に「字幕を日本語に」 |
| 録音(エディタ、画面、Rooms) | Descriptの中で録音する | ヘルプ「Choose a recording method」 | 録音自体の言語の記載は読んだ範囲で見つからず |
| 書き出し | MP4、MP3、WAV、GIFなどの書き出し、文字起こしの書き出し、Webリンクでの公開 | ヘルプ「Get started with Descript」「Export your transcript as a text file」 |
公式サイトのトップページは、このほかに、サムネイルや説明文の生成、AIによるB-roll(映像素材)の生成、アイコンタクトの補正、リモート録音、コメントつきの共有リンクなどを挙げています。
場面ごとの使い方と、公式のどこに書かれているか
場面1:録音のいらない部分を、文字を消して切る
- やること。 文字起こしされたスクリプトで、消したい部分を選び、DeleteかBackspaceを押します。切り貼りも、文字を選んで切り取り(Ctrl+X/⌘X)、貼り付けるだけです。メディアは文字と一緒に動きます。
- 戻せるか。 公式ヘルプの「Edit like a doc」は、編集は非破壊で、消したメディアは隠れているだけだと説明しています。消した場所の境目を右クリックして「Restore removed media」を選ぶと戻せます。
- 消し方の違い。 「Delete」は文字とメディアを消し、「Remove from transcript」はメディアを残して文字だけ隠し、「Ignore」は取り消し線のように、文字を残したまま目印をつけます。
- 公式の説明の根拠。 ヘルプ「Edit like a doc」。公式の一文は「In Descript, you edit your content simply by editing your script.」です。
- 日本語の人への注意。 文字起こしが日本語に対応していないと、この編集の入口が使えない可能性があります。ただし、自分で用意した文字起こしを取り込む機能も、英語のみと書かれています。日本語の音声でこの編集が成り立つかは、公式の資料では確認できていません。
場面2:えーとを一気に消す
- やること。 英語の文字起こしの中で、フィラーワードは水色の下線で出ます。右サイドバーのAIツールで「Remove filler words」を選び、検出された言葉を確認して、「Delete」「Delete and replace with gap」「Ignore」「Remove from transcript」から扱いを選びます。
- 注意。 英語のみです。既定ではコンポジション全体に効くので、一部だけに使いたいときは、その部分を別のコンポジションに複製して実行し、貼り戻す、と公式にあります。1回の費用は30クレジットが上限、とヘルプの料金の説明にあります。
- 公式の根拠。 ヘルプ「Filler words」、「Track and understand your media minutes and AI credits」。
場面3:雑音やエコーの多い録音を聞きやすくする
- やること。 スクリプトのレイヤーを選び、Propertiesパネルで、Audio Effectsの Studio Sound をオンにします。「Intensity」のスライダーで、かける強さを調整します。録音しながらオンにすることもできます。
- 注意。 公式ヘルプによると、ファイル単位で効くため、そのファイルを使っている場所すべてに影響します。録音した音声にだけ効き、AIが作った読み上げ音声には効きません。インターネット接続が必要、とも書かれています。6時間以上や数GBの大きなファイルは処理が遅くなることがあるので、分けるよう勧めています。ひどく大きな雑音があると、波形が平らになったり無音になったりすることがあります。
- 公式の根拠。 ヘルプ「Studio Sound」。
場面4:言い間違いを、録り直さずに直す
- やること。 編集した場所や、選んだスクリプトを指定して「Regenerate」を押します。公式ヘルプは3つの使い方を挙げています。区間をなめらかにする、言った内容を変える、ジャンプカット(つなぎ目)をなめらかにする、です。
- 条件。 言った内容を変えるには、本人が認めた「カスタムAIスピーカー」が必要です。映像を作り直すときは、初回に同意の確認が出ます。話者の見た目の表現を変えるためです。
- 注意。 英語の音声・映像のみ。複数の話者の映像や、顔がはっきり見えない映像などは、映像の作り直しに対応していません。
- 公式の根拠。 ヘルプ「Regenerate overview」。
場面5:台本から、ナレーションの声を作る
- やること。 話者(Speaker)を追加し、書くモード(Write mode)で台本を打って、「Done writing」を押すと、台本全体の音声が作られます。声は、ストック音声か、自分の声のクローンです。
- 言語とモデル。 一覧は19言語で、英語(米)、クロアチア語、チェコ語、デンマーク語、オランダ語、フィンランド語、フランス語、ドイツ語、ハンガリー語、イタリア語、マレー語、ポーランド語、ポルトガル語(ブラジルとポルトガル)、ルーマニア語、スロバキア語、スペイン語(米)、スウェーデン語、トルコ語です。日本語は載っていません(ページ内に日本語の言及は、読んだ範囲では見つかりませんでした)。ヘルプによると、使えるモデルはElevenLabsの Multilingual v2、v3、v4です。App Settings の AI models で選びます。
- 公式の根拠。 ヘルプ「Generate text-to-speech audio」。声のクローンの作り方と決まりは04で扱います。
場面6:長い動画から、短いクリップを切り出す
- やること。 右サイドバーのAIツールの「Repurpose」から「Create clips」を選び、クリップの本数(1〜20)と長さ(10秒〜5分)を決めます。縦(9:16)や正方形(1:1)のレイアウトも選べます。話題や目的を文で添えて、選び方を指示することもできます。
- 注意。 もとのコンポジションが、欲しいクリップ以上の長さである必要があります。1分未満の短いものでは、クリップが作られないことがあります。
- 公式の根拠。 ヘルプ「Create Clips from your content」。
場面7:翻訳して、別の言語の声で吹き替える
- やること。 AIツールパネルの「Repurpose」から「Translate」を選び、翻訳先の言語を選んで、「Dub speech」にチェックを入れ、話者ごとにストック音声を割り当てて「Apply」を押します。
- 言語。 吹き替えの声の言語には、日本語が入っています。公式の一覧には28言語(ブルガリア語、中国語(標準語)、クロアチア語、チェコ語、デンマーク語、オランダ語、英語、フィリピノ語、フィンランド語、フランス語、ドイツ語、ギリシャ語、ヒンディー語、インドネシア語、イタリア語、日本語、韓国語、マレー語、ポーランド語、ポルトガル語、ルーマニア語、ロシア語、スロバキア語、スペイン語、スウェーデン語、タミル語、トルコ語、ウクライナ語)が並びます。プランについては、ヘルプ「Translate and dub speech overview」の表に、字幕の翻訳と吹き替えはFreeが「Limited」(限定)、Hobbyist以上は含まれ、リップシンクはCreator以上、翻訳の校正(proofread)はBusiness以上、とあります。吹き替え向けの「おすすめの声」(日本語を含む13言語)と、翻訳したコンポジションの編集・Regenerateは、BusinessとEnterpriseのドライブ向けです。字幕の翻訳(Translate captions)の言語一覧は、読んだ範囲では見つかりませんでした。
- 注意。 翻訳は仕上げの工程だと公式は説明しています。翻訳すると新しいコンポジションができるので、あとで直すとやり直しが必要で、クレジットも余計に使います。再翻訳すると、手で直した部分が上書きされます。口の動きを合わせるリップシンクは、Creator以上のプランです。
- 公式の根拠。 ヘルプ「Translate and dub speech overview」「Dub speech to add translated voiceover」。
場面8:会話で頼む(Underlord)
- やること。 プロジェクトを開き、右のサイドバーにあるUnderlordのアイコンをクリックして、チャットで頼みます。字幕、クリップ作成、効果、翻訳、効果音や音楽、スライドから動画、ウェブ検索ができる、とヘルプにあります。繰り返す指示は「スキル」として保存できます。
- 使うモデル。 モデルは選べます(Auto、複数のGPT、Gemini、Claude、Grokのモデルなど)。高性能のモデルは有料プランが必要、と書かれています。
- 注意。 公式は「ベータ」としています。録音中には編集できません(ナレーションか台本が先に必要)。Webページは直接読めないので、文章を貼る必要があります。間違えたり、できると言いすぎたりすることがあるので、結果を確かめ、フィードバックを返すよう勧めています。1回の依頼で、Underlord自身の考える分と、使ったツールの分の両方でクレジットが減ります。
- 公式の根拠。 ヘルプ「Underlord (Beta): Your AI co-editor in Descript」。
場面9:インタビューや会議の録音を扱う
- やること。 Descriptの中で録音する方法は3つです。エディタの録音(ナレーションなど。Web版・デスクトップ版)、画面録画(デスクトップのみ)、Rooms(ブラウザで、ゲストと一緒に録音)。Zoomで会議をクラウドに録画しておき、Descriptの「Import from」から取り込む方法もあります。
- 話者の識別。 Zoomの取り込みでは、ファイルがスクリプトに追加され、シーケンスが作られ、話者が検出され、文字起こしされる、とヘルプにあります。
- 注意。 録音の同意の扱いは、01の「④会議の録音に関する公式の注意」に書きました。
- 公式の根拠。 ヘルプ「Choose a recording method in Descript」「Import Zoom recordings into Descript」「Record in a Descript Room」。
場面10:文字起こしを、ほかの文書として取り出す
- やること。 文字起こしは、.docx、.txt、.rtf、.md、.html で書き出せます。タイムコードの間隔や話者ラベルは、書き出す前に設定します。無視した文字や、マーカーも含めるか選べます。
- 公式の根拠。 ヘルプ「Export your transcript as a text file」。メニューの正確な位置は、そのページでは読み取れませんでした。
使い方の順番の見立て
次は、僕らの見立てで、公式の推奨ではありません。
- 英語など対応言語の短い音声で、「取り込む、文字を消す、書き出す」だけを試す。
- 録音の質に困ったら、Studio Soundを足す。
- 長い動画の使い回しが必要になったら、クリップ作成や翻訳を足す。
- ここまでの手順を、何度も繰り返すようになったら、Underlordに頼む。
気をつけること
- 機能ごとに言語の対応が違います。フィラーワード除去とRegenerateは英語のみ、AI音声の一覧に日本語はなし、吹き替えの声には日本語あり、と公式にあります。
- Underlord(ベータ)は、結果を自分で確かめる前提のツールです。公式も、間違いがあり得ると書いています。
- Regenerateで話者の声を変えるときは、本人の同意が条件になっています。他人の声を勝手に使う使い方は、公式の決まりの外です(04)。
- 公式のページに「書かれていない」項目(Studio Soundの言語、Create clipsの言語、字幕の翻訳の言語一覧)は、「ない」と決めつけず、アプリの画面で確認してください。
出典
- Descript(公式サイト、トップページ、確認日 2026-10-23)
- Get started with Descript(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Edit like a doc(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- AI tools overview(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Filler words(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Studio Sound(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Regenerate overview(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Generate text-to-speech audio(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Create Clips from your content(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Translate and dub speech overview(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Dub speech to add translated voiceover(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Underlord (Beta): Your AI co-editor in Descript(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Choose a recording method in Descript(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Record in a Descript Room(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Import Zoom recordings into Descript(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Export your transcript as a text file(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Track and understand your media minutes and AI credits(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Supported transcription languages(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)