3行でいうと
- Descriptは、Mac(macOS 14以降)とWindows(Windows 11以降)のデスクトップアプリと、ブラウザで動くWeb版があります。スマホやタブレットは、公式ヘルプでは「正式には非対応」で、再生の確認程度とされています。
- 取り込んだ音声・動画は、まずクラウドにアップロードされ、その後で文字起こしが始まる、と公式ヘルプにあります。端末の中だけで完結するツールではありません。保存先について、公式のセキュリティのページは、プロジェクトのファイル・文字起こし・メタデータを Amazon S3 または Google Cloud に置くと書いています。
- 日本語は注意が必要です。公式ヘルプの「Supported transcription languages」は、対応言語を26個挙げ、日本語・中国語・ロシア語は「まだ対応していない」と書いています。一方で、吹き替え(Dub speech)の声の言語には日本語が入っています。文字起こしと吹き替えで扱いが違います。
- 無料プランがあり、公式の料金ページでは、1か月に60分のメディア、AIクレジット100(1回きり)、書き出しは720pで透かしあり、と読めます。
- 会議の録音のうち、Descript自身の録音の場(Rooms)については、録音が始まると参加者に通知が出て、「部屋にとどまることが録音への同意になる」という趣旨の説明が公式ヘルプにあります。Zoomの録画を取り込む機能では、同意についての記述は、読んだ範囲では見つかりませんでした。
この記事は、公式の資料を2026年10月23日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。画面名・メニュー名・金額は公式の表記を写しています。公式のページは要約の形で取得したため、「書かれていない」と言い切らず、「読んだ範囲では見つからなかった」と書いています。精度の数字やベンチマークは載せていません。
先に結論
- まず決めること。 ①どこで使うか(デスクトップアプリか、ブラウザのWeb版か)、②何を入れるか(録音ファイル、Zoomの録画、Descriptの中で録音、AI音声の生成)、③日本語の音声をどう扱うか、の3つです。
- 日本語の音声を文字にしたい場合は、先に公式の言語表を確認する。 公式ヘルプの対応言語の表に日本語は入っていません(確認日10月23日)。公式サイトの紹介ページには「25言語」「30以上の言語」という数字がありますが、一覧はなく、日本語の名前も出てきませんでした。数字どうしも食い違っています。
- データの行き先は「クラウド」が前提。 文字起こしは、アップロードのあとに始まります。公式のプライバシーポリシーは、情報を米国で処理・保存すると書いています。AIの学習に使う場合があること、使わせない設定があることも書かれています(くわしくは04で扱います)。
- 見立て(公式の推奨ではありません)。 英語など対応言語の話を、文字を直しながら編集したい人には、入口に向くツールに見えます。日本語の音声を文字にするだけが目的なら、日本語の対応が公式の表に載っている別のツールを先に見るほうが、手前の入口に見えます。これは見立てで、Descriptの使い勝手を試した結果ではありません。
前提:用語をそろえる
| 用語 | このガイドでの意味 |
|---|---|
| 文字起こし(トランスクリプト) | 音声を文字にしたもの。Descriptでは、この文字が編集の画面そのものになります。 |
| スクリプト | Descriptの編集画面にある、文字起こしの文章。ここを消すと、対応する音声や動画も消えます。 |
| プロジェクト | 1つの作品の単位。公式ヘルプでは、その中に複数の「コンポジション」を持てる、と説明されています。 |
| ドライブ(Drive) | プロジェクトやメディアを入れる置き場。プランや課金は、ドライブごとにかかります。 |
| メディア分(Media minutes) | 取り込んだり録音したりした音声・動画の長さを数える単位。 |
| AIクレジット(AI credits) | AI機能(Underlordなど)を使うたびに減る、共通のポイント。 |
| Underlord(ベータ) | Descriptに組み込まれた、会話で編集を頼めるAIの共同編集者。公式が「ベータ」と書いています。 |
| Rooms | Descriptの中で、遠くの人と一緒に録音する場所。ブラウザで動きます。 |
どの製品の話か
公式サイトを検索して確認したのは、descript.com の「Descript」です。公式のトップページは、これを「AIの動画・音声エディタ」と説明し、文字起こしを使って、文書のように編集する、と書いています。公式ヘルプ(help.descript.com)には、録音ツールの「SquadCast」の説明も同じ場所に載っています。
| 名前 | このガイドでの扱い |
|---|---|
| Descript(descript.com) | このガイドの対象。 |
| Descript Rooms | Descriptの中の機能(遠隔録音の場)。対象に含む。 |
| SquadCast | 公式ヘルプに同居する録音サービス。Descriptの文字起こし編集とは別の説明になっているため、このガイドでは名前を挙げるだけにする。 |
| Raycast用のDescript拡張 | 公式ヘルプが紹介する外部の拡張。03で扱う。 |
検索の結果で、同じ「Descript」という名前の別の音声・動画編集ツールは見つかりませんでした。ただし、検索で見つからなかったことは、存在しないことの証明ではありません。
どこで使えるか
公式ヘルプの「Descript system requirements」と「Download and install Descript」から、読んだ範囲をまとめます。
| 形 | 公式の記載(確認日10月23日) |
|---|---|
| Macのアプリ | macOS 14(Sonoma)以降。推奨は、Apple siliconのM1以降、またはIntelの第7世代以降(Kaby Lake)。メモリは、最小が8GBで、推奨はApple siliconで16GB(Intel Macは、HD素材で16GB、4Kで32GB)です。 |
| Windowsのアプリ | Windows 11以降。64ビットのOSが必要で、32ビット版はありません。 |
| Web版 | ブラウザで動く。インストール不要。Chromeなど、Chromiumのブラウザ(Chrome、Edge、Opera)が公式に対応とされています。 |
| スマホ・タブレット | 正式には非対応。再生のプレビュー程度、と書かれています。 |
| 回線 | 下り50Mbps以上、上り10Mbps以上が最低、と書かれています。遅いとアップロードや読み込みが遅れます。 |
Linuxについては、読んだ範囲では記載が見つかりませんでした。システム要件のページには、このほか次の記載があります。Windowsは、Intelの第7世代(Kaby Lake)以降でQuick Sync(IntelのCPUに入っている動画処理の機能)を備えたもの、またはAMD Ryzen 3000シリーズ以降。画面録画には、2021年以降のドライバーを備えた専用のGPUが必要。画面は1920×1080以上。インストールとキャッシュ用に高速なSSDと20〜40GBの空き容量。サポートの対象は、現在のバージョンと直近3か月以内に出たバージョン、とされています。
Web版のブラウザについては、2つのページで書き方が少し違います。システム要件のページは、認証にChrome、Firefox、Safariが使えると書き、「Descript for web」のページは、Firefoxは対応外、Safariは問題が出ることがある、と書いています。迷うときは、公式が最も無難としているChromium系のブラウザが安全です。
アプリは、公式ヘルプによると、公式のダウンロードページから入れます。Macでは、zipを展開してアプリをApplicationsフォルダに入れ、起動して、サインインまたはアカウント作成をします。更新は、動いている間に確認され、裏でダウンロードされ、次に開いたときに適用されます。また、Descriptは既定ではログイン時に自動で起動します(画面録画をすぐ使えるようにするため)。止めたいときは、メニューバー(Windowsはタスクバー)のアイコンから Settings を開き、Launch at login をオフにします。
無料でどこまでか
公式の料金ページ(確認日10月23日)は、無料プラン(Free)を載せ、「クレジットカードは不要」と書いています。数字は次のとおりです。
| 項目 | 無料プラン(料金ページの表示) |
|---|---|
| メディア | 60分/月 |
| AIクレジット | 100(1回きり) |
| 書き出しの画質 | 720p(ローカル・Webリンクとも) |
| 透かし | あり(「透かしなしの書き出し」は含まれない、と表にあります) |
| Webリンクの長さ | 1時間まで |
| 保存容量 | 5GB |
| 取り込めるファイルの大きさ | 1ファイル1GBまで(公式ヘルプ「Supported file types」) |
無料のメディア分が「1か月に60分」なのか、「1メディア時間/月」なのかは、紹介ページの本文で言い方が揺れていますが、数字は同じです。有料プランは、HobbyistからBusinessまであります。価格は04にまとめました。
音声認識のツールとして見る:公式の資料で確かめた4点
①音声と文字起こしは、どこで処理・保存されるか
- 処理。 公式ヘルプの「Automatic transcription」は、ファイルは最初にクラウドへアップロードされ、そのあとで文字起こしが始まる、と書いています。公式ヘルプは、文字起こしは、ファイルの処理とクラウドへのアップロードが終わってから始まる、と書いています。端末の中だけで文字起こしを済ませる方法は、読んだ範囲では見つかりませんでした。ヘルプ「Save your work to the cloud」には、Descriptはオフライン編集に対応していない、ともあります。同じ「Automatic transcription」のページには、処理時間はファイルの長さ・音質・回線で変わること、15時間を超えるファイルは自動の文字起こしに失敗するので分けること、音楽や歌詞は対象外で話し声だけが文字になること、も書かれています。
- 使うモデル。 同じページに、既定のモデルが選ばれていて、App Settings の AI models で、「Core」の「Transcription」の隣から変えられる、とあります。公式のセキュリティのページには、Whisper(オープンソースの文字起こしモデル)は Descript 自身のインフラで動き、自動文字起こしには Rev という会社が関わり、データはその後まもなく消される、という趣旨の記載がありました。ヘルプのモデル選択の説明と、この記載が、今どう対応しているかは、読んだ範囲では確かめられませんでした。
- 保存。 セキュリティのページは、プロジェクトのファイル、文字起こし、メタデータを Amazon S3 または Google Cloud に保存し、保存データはAES-256(広く使われる暗号化の方式)で暗号化する、と書いています。データセンターの地域は、そのページには書かれていません。公式のプライバシーポリシー(2025年4月14日更新と表示)は、Descriptは米国に拠点があり、情報を米国で処理・保存する、と書いています。
- 編集の内容。 公式ヘルプの「Save your work to the cloud」によると、Descriptには保存ボタンがなく、編集は作業中にクラウドへ送られます。オフラインの編集には対応していません。
- 学習に使われるか。 公式のプライバシーポリシーは、情報を「AIモデルの学習」に使うことがある、と書き、「Share Data with Descript」の設定をオフにすれば使われない、と読める書き方をしています。ヘルプの「Account data and privacy」は、今の本番のAIモデルには利用者のデータを使っていない、研究用のモデルにはデータ共有を許可した人のデータだけを使う、と書いています。設定を変える場所は、04の「学習への利用と、人による確認」に書きました。
②対応OSと対応言語
- OS。 上の表のとおりです。MacはmacOS 14以降、WindowsはWindows 11以降です。
- 文字起こしの言語。 公式ヘルプの「Supported transcription languages」は、26の言語を挙げています(ブラジルポルトガル語、カタルーニャ語、クロアチア語、チェコ語、デンマーク語、オランダ語、英語(米・英)、フィンランド語、フランス語、ドイツ語、ギリシャ語(ベータ)、ヒンディー語(ベータ)、ハンガリー語、イタリア語、ラトビア語、リトアニア語、マレー語、ノルウェー語、ポーランド語、ルーマニア語、スロバキア語、スロベニア語、スペイン語(米)、スウェーデン語、トルコ語、ウェールズ語(ベータ))。このページには、対応言語は「ラテン文字を使うもの」に限られ、日本語、中国語、ロシア語は「まだ対応していない」と書かれています。
- 言語の自動判定。 言語を自動で判定する機能があります。ただし、英語(英)とウェールズ語は、手動で選ぶ必要があります。1つのファイルで対応するのは1つの言語だけで、複数の言語が混ざったファイルは、今は対応していません。
- 英語だけの機能。 公式ヘルプによると、フィラーワード(「えー」「あー」など)の検出、文字起こしの取り込み、置き換え、文字起こしの用語集は、英語のみです。Regenerate(音声や映像の作り直し)も、英語のみとされています。
- 日本語が出てくる場所。 Underlordの公式ページには、翻訳の例として「字幕を日本語に翻訳する」依頼文が出てきます。吹き替え(Dub speech)のページには、吹き替えの声の言語に日本語が入っています。ただし、AI音声(テキスト読み上げ)の言語の一覧には、日本語は載っていません。つまり、「日本語の音声を文字にする」機能と、「ほかの言語から日本語の声を作る」機能は、別の話です。
- 画面の言語。 Descript自体の画面表示が日本語に対応しているかは、読んだ範囲では見つかりませんでした。
③音声入力の使い方:どのアプリに入力できるか、ファイルを読み込むか
- ファイルを読み込む。 取り込めるのは、音声(WAV、MP3、AIFF、M4A、FLAC、Opus、AAC)、動画(MP4、M4V、MOV、WEBM、MKV、MXF)、画像、PDFなどです。OGGやWMA、AVI、WMVは非対応と書かれています。ファイルは、パソコンからのアップロードのほか、Googleドライブ、ほかのプロジェクト、Zoomの録画からも取り込めます。
- Descriptの中で録音する。 公式ヘルプの「Choose a recording method」は3つを挙げています。エディタの録音(プロジェクトの中でナレーションなどを録る。Web版とデスクトップ版)、画面録画(デスクトップアプリのみ)、Rooms(ブラウザで、ゲストと一緒に録る)です。
- ほかのアプリに声で文字を入力する機能。 キーボードの代わりに声で文字を打つ「ディクテーション」のような機能は、読んだ範囲では見つかりませんでした。Descriptの文字起こしは、取り込んだ・録音した音声を、Descriptの編集画面の中で文字にするものです。
④会議の録音に関する公式の注意
- Descriptの中のRooms。 「Record in a Descript Room」のヘルプによると、ホストが録音を始めると、参加者に録音中であることを知らせる通知が出ます。公式の文は「By staying in the Room, they consent to the recording.」(部屋にとどまることで、録音に同意したことになる)です。録画の開始前にはカウントダウンも出て、経過時間のタイマーも表示されます。録音は1セッションあたり最長4時間と書かれていて、それより長く録るときは、止めて新しい録音を始めればよい、とあります(各録音は、部屋を出るときに同じプロジェクトに保存されます)。
- 録音されたデータ。 録音は、部屋を出たときに同じプロジェクトに保存されます。FAQによると、録音は「Recordings」フォルダにまとまり、録音の時間は、ドライブのメディア分に数えられます。
- Zoomの録画。 「Importing Zoom recordings」によると、取り込めるのは、Zoomの「クラウドへの録画」だけで、パソコンに保存した録画は取り込めません(パソコンに保存した録画は、ファイルとして手でアップロードする、とあります)。対象は、過去12か月以内に、自分が予定・開始・主催したZoom通話のクラウド録画です。連携すると、Descriptは、Zoomのクラウド録画を見られ、取り込むと選んだ録画の音声・動画にアクセスします。自動でダウンロードはしない、とあります。参加者の同意について書いた箇所は、読んだ範囲では見つかりませんでした。
- 録音の許可や同意の確認は、使う人の責任。 同意の扱いは、国や会社の決まりによっても違います。法律の判断は、このガイドではできません。必要なら専門家や所属先の規定で確認してください。
最初に決めること
- どの入口から入るか。 音声や動画のファイルが手元にあるなら、アプリかWeb版にアップロードします。画面録画を使いたいなら、デスクトップアプリが必要です。
- どの言語の音声を扱うか。 日本語の音声は、公式の対応言語の表に入っていません。使う前に、最新の表を確認してください。
- データを学習に使わせるか。 初回の案内や、Profile タブの「Share data with Descript」で選べると、公式ヘルプにあります。
- どのドライブで使うか。 プランも、メディア分も、AIクレジットも、ドライブごとの管理です。
気をつけること
- 日本語の文字起こしについて、このガイドは「公式の表に載っていない」ことまでしか言えません。実際にどう動くかは、確かめていません。
- 公式の資料の間に、食い違いがあります。文字起こしの言語数(ヘルプは26、紹介ページは「25」と「30以上」)、自動文字起こしのモデル(ヘルプのモデル選択と、セキュリティのページの記載)、データ共有の既定(セキュリティのページは「既定でオフ」、ヘルプは初回に尋ねると説明)です。どれが今の仕様かは、確かめられていません。
- Underlord(ベータ)やHDR動画の編集(ベータ)のように、公式が「ベータ」と書く機能があります。公式は、ベータを「広く使える状態だが、改良を続けている」という意味で説明しています。
- 料金や上限は変わります。契約の前に、料金ページを見直してください。
- この記事は、法律・投資・医療の助言ではありません。規約や同意の判断は、専門家に確認してください。
出典
- Descript(公式サイト、トップページ、確認日 2026-10-23)
- Pricing(Descript公式サイト、料金ページ、確認日 2026-10-23)
- AI Transcription(Descript公式サイト、確認日 2026-10-23)
- Security(Descript公式サイト、確認日 2026-10-23)
- Privacy Policy(Descript公式サイト、2025年4月14日更新と表示、確認日 2026-10-23)
- Descript system requirements(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Download and install Descript(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Descript for web(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Get started with Descript(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Automatic transcription(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Supported transcription languages(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Account data and privacy(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Save your work to the cloud(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Supported file types(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Choose a recording method in Descript(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Record in a Descript Room(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Frequently asked questions about Descript Rooms(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Import Zoom recordings into Descript(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Underlord (Beta): Your AI co-editor in Descript(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Dub speech to add translated voiceover(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Generate text-to-speech audio(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- What does the "Beta" label mean in Descript?(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Regenerate overview(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)
- Filler words(Descript Help Center、確認日 2026-10-23)