AIサービス大全 / Microsoft Copilot
Microsoft CopilotとAIのつなぎ方:コネクタ、Windows・Edge、Copilot Studio、MCPを、公式が運営するものと第三者のものに分けて、データの流れ先まで確かめる
このガイドが扱うのは、個人のMicrosoftアカウントで使う Microsoft Copilot(copilot.microsoft.com、Copilotアプリ)と、そのまわりの公式の連携です。Copilotはそれ自体がAIなので、「AIとのつなぎ方」の向きは3つあります。①Copilotが、外のサービス(メール、ファイル)を読む。②Copilotが、WindowsやEdgeなど、ほかの入口の中で働く。③自分の仕組みから、Copilotを拡張したり、呼び出したりする。この記事では、公式のサポートとMicrosoft Learnを読んで、それぞれ「公式が運営するもの」と「第三者のもの」を分け、データがどこへ流れるかまで整理します。
2026.10.23 約19分 Microsoft Copilot コネクタ OneDrive Gmail Google Drive Edge Windows Copilot Studio MCP 連携 Middle-level 公式資料を確認した日 2026.10.23
3行でいうと
個人向けのコネクタは、公式のサポートによれば、Microsoft OneDrive、Microsoft Outlook.com(メール、予定、連絡先)、Google Drive、Google の Gmail、カレンダー、連絡先に対応しています。現在は copilot.com とモバイルアプリ(iOS、Android)で使える、と書かれています。
公式は、つないだサービスのデータはCopilotの学習に使わない(原文は「Microsoft do not use data from connected services to train Copilot.」)と書いています。また、Copilotは別のコピーを持たず、聞いたときに直接取りにいく、と書いています。
Edge、Windows、Microsoft 365アプリの中のCopilotは、公式が運営する入口です。EdgeのCopilotは、開いているページやタブ、閲覧履歴を文脈に使うことがあり、設定で止められる、と書かれています。
自分のプログラムからCopilotを呼ぶAPIは、仕事用のCopilot Chatについては「提供していない」と公式のFAQが書いています。個人向けのCopilotに公開APIがあるかは、読んだ範囲の公式資料では確認できていません。
エージェントやMCPで拡張するツール(Copilot Studio、Microsoft 365 Copilotの拡張)は、公式の資料では、仕事用の製品として書かれています。コミュニティ製・第三者製の連携の一覧は、公式の資料では確認できていません。
この記事は、公式の資料を2026年10月23日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。運営者はMicrosoft Copilotを入れていますが、使い心地はこの記事には書いていません。メニュー名や設定名は公式の英語表記を写しています。公式ページは要約の形で取得したため、読めていない部分は「公式の資料では確認できていない」と書き、長い引用はせず言い換えています。
先に結論
つなぐ向きを先に決める。 Copilotに自分のメールやファイルを読ませたいのか(コネクタ)、ブラウザやパソコンの中で使いたいのか(EdgeやWindows)、自分のシステムにCopilotの力を組み込みたいのか(Copilot StudioやAPI)。この3つは、使うツールも、契約も、データの流れ先も違います。
個人向けの公式の連携は、コネクタが中心。 個人のアカウントで、公式が手順まで書いているのは、OneDrive、Outlook.com、Google Drive、Gmail、Googleカレンダー、連絡先のコネクタです。
Googleのサービスは「第三者のサービス」。 コネクタはMicrosoftが用意した窓口ですが、つなぐ先のGoogleのサービスは別の会社のものです。公式は、Googleのアカウントは、自分で明示的につなぎ、アクセスを許可する、と書いています。
開発者向けの拡張は、仕事用の製品の側にある。 Copilot Studio、MCP、plugin、Microsoft 365 Copilot APIs は、公式の資料では仕事用のMicrosoft 365 Copilotを拡張する話として書かれています。個人向けの無料のCopilotに、同じ仕組みで接続できるかは、公式の資料では確認できていません。
前提:用語をそろえる
コネクタ(Copilot connectors)。 Copilotが、ほかのサービスの中身を探し、要約し、扱えるようにする仕組みです。公式のサポートは、「find, summarize, and act on information」(探す、要約する、動く)ためのものと説明しています。
MCP(Model Context Protocol)。 AIが外のツールやデータにつながるための共通の取り決めです。公式のCopilot Studioの文書は、MCPサーバーのツールで、エージェントの能力を広げる、と書いています。
Copilot Studio。 公式のLearnは、エージェントを作る「low-code graphical tool」(ローコードで画面から作るツール)と説明し、会社が契約する製品としています。
エージェント。 決まった役割で、ツールを使って作業するAI。Copilot Studioで作る、宣言型のエージェントなどがあります。
plugin。 公式のLearnの拡張の一覧に、「Plugins for Microsoft 365 Copilot」があります。エージェント、スキル、コネクタ、MCPのツールを組み合わせて配るものと説明されています。
OAuth(オーオース)。 「パスワードを渡さずに、別のサービスへのアクセスを許可する」仕組み。GoogleやMicrosoftのサインイン画面で「許可する」を押す場面が、これです。この記事では、公式がその言葉を使わないところでも、仕組みの説明として使います。
公式が運営するもの
1. コネクタ(個人向け)
項目
公式の記載
どこに書いてあるか
確かさ
対応するサービス
Microsoft OneDrive。Microsoft Outlook.com(メール、予定、連絡先)。Google Drive。Googleの Gmail、Calendar、Contacts
サポート「Connect Microsoft Copilot to other services with connectors」(2026-10-06)
文書に書かれている
どこで使えるか
「Copilot.com」と「Copilot Mobile(iOS、Android)」と書かれている。Windowsアプリやmacのアプリは、読んだ範囲では書かれていなかった
同上
文書に書かれている
使える人
「personal Microsoft accounts with Microsoft 365 Personal, Family, Premium, or Pro」(Microsoft 365の個人向けプランのアカウント)と書かれている
同上
文書に書かれている。無料のままで使えるのかは確認できていない
最初のつなぎ方
Profile、Connectors を開き、サービスの横の Connect を選ぶ。「Continue to ...」(例:Continue to Gmail)を選び、アカウントを選んで、Copilotが見られる範囲を確かめる
同上
文書に書かれている
オン、オフ
copilot.com は「Open」アイコン(+)の「Use connectors」。モバイルは Profile、Connectors。会話ごとに切り替える
同上
文書に書かれている
切断
完全に切断する手順は、読んだページには書かれていなかった
同上
確認できず
アカウントの一致
OneDriveやOutlook.comは、Copilotにサインインしているアカウントと同じものでなければ、中身を取れない
同上
文書に書かれている
2. ファイルのアップロード、OneDriveとGoogle Driveの参照
透明性ノート(2026-08-18)は、ファイルのアップロードと分析、そして許可のうえでのOneDriveとGoogle Driveのファイルの参照を挙げています。
仕事用のCopilot Chatでは、アップロードしたファイルは、ユーザーのOneDrive for Businessに保存され、いつでも削除できる、と公式のFAQが書いています。個人向けでの保存場所の説明は、読んだ範囲では見つかりませんでした(保存期間は第4本)。
3. WindowsとEdge
Windows。 公式のサポートは、タスクバー、スタートメニュー、Copilotキー、Windowsキー+C、「Hey, Copilot」で開く、と書いています。ファイル検索は、パソコンの中の .docx、.xlsx、.pptx、.txt、.pdf、.json を読み、「Account > Settings > File Search」と「File Read」で範囲を制御できます。
Edge。 アイコンから開き、ページの要約、声での会話、画面共有ができます。公式は、Copilotが、質問、最近の会話履歴、ブラウザの文脈(開いているページ、タイトル、タブ、閲覧履歴)を使うことがある、止めるには「More menu (...) > Copilot and AI」で「Allow Copilot to read context clues on the web」をオフにする、と書いています。
ブラウザデータの取り込み。 新しいアプリの「Settings > Web browsing > Import browser data」で、「Bring over your browsing data from Microsoft Edge」をオンにすると、Cookie、履歴、支払い情報、パスワード、自動入力のデータを取り込める、と書かれています。ただし、現在は米国のMicrosoftアカウントのユーザーが対象です(公式の記載)。
4. Microsoft 365アプリの中のCopilot(Premium、Proなど)
公式のヘルプは、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNoteの中のCopilotは、個人のプランの契約者(契約したアカウントの人)だけが使える、家族で共有するFamilyでも、AI機能は契約者だけ、と書いています。
「Copilot in Microsoft 365 apps for home」のプライバシーのページは、「Experiences that analyze content」と「All connected experiences」の2つの設定のどちらかをオフにすると、Copilotが使えなくなる、と書いています。
5. 仕事用の拡張(Copilot Studio、MCP、API)
ここは、個人のアカウントではなく、仕事用のMicrosoft Copilotの話です。名前を知っておくための整理です。
名前
公式の説明(要約)
どこに書いてあるか
Declarative agents(宣言型エージェント)
Copilotの調整役とモデルを使うエージェントを作る
Learn「Ways to extend Microsoft 365 Copilot」(ms.date 2026-09-30、更新 2026-10-12)
Custom engine agents
独自の調整役、モデル、実行環境でエージェントを作る
同上
Microsoft 365 Copilot connectors
承認された組織の外部データに、Copilotを結びつける
同上
MCP servers and plugins
遠隔のMCPのツールを、対応した方法で使えるようにする
同上
Work IQ APIs、Microsoft 365 Copilot APIs
仕事の文脈や、Copilotの検索、取得、チャットなどを、アプリに組み込む
同上
MCP in Copilot Studio
MCPサーバーのツールで、エージェントの能力を広げる。ツールとリソースに対応し、プロンプトは未対応と書かれている
Learn「Extend your agent with Model Context Protocol」(ms.date 2026-08-26)
この一覧のページは、ベータやプレビューの表示を付けていません。MCPのページも、プレビューや一般提供の表示は読んだ範囲に書かれていませんでした。Copilot Studioの別のMCPのページの題名には「(preview)」の表記が出ていました(本文は読んでいません)。
公式のCopilot Chat FAQは、Copilot Chatに「API」は提供していない、拡張はMicrosoft CopilotとCopilot Studioを通じて行う、と書いています。
公式と第三者を分ける
区分
具体例
公式の記載
公式が運営する窓口
Copilotのコネクタ、Windows、Edge、Microsoft 365アプリ、Copilot Studio
各サポートとLearnのページ
第三者の「サービス」(公式が名前を挙げる)
Google Drive、Gmail、Googleカレンダー、連絡先。Appleのアカウントでのサインイン。Apple Health(Copilot Healthの接続先)
コネクタのページ。Copilot Healthのページ
第三者の「パートナー」(公式が名前を挙げる)
HealthEx(米国の医療記録の検索)。公式は5万以上の米国の医療機関に対応と書く
「About Copilot Health」
第三者の「販売者」
Copilot Shoppingで買った商品の販売者。Microsoftは支払いを処理しない
利用規約(ページ表示 Effective: August 18, 2026)
外部のMCPサーバー
非Microsoft製品に接続する場合、アクセスするツールとリソースの責任は利用者にある、と書かれている
Copilot StudioのMCPのページ
コミュニティ製、第三者製の連携
個人向けCopilotに、第三者が作った拡張やアプリを公式がどう扱うかは、読んだ範囲の公式資料では確認できていない
(確認できず)
利用規約は、「Copilotの会話は、第三者のアプリの中にも出る」ことがあるとして、適用範囲に「Copilot conversations in third-party apps」を含めています。どのアプリが対象なのかは、読んだ規約の要約には書かれていませんでした。
公式のダウンロードページは、「OpenAIとAnthropicのモデルを切り替えられる」と書いています。これは、モデルの提供元の話で、利用者が自分のデータを渡す先が増える、という意味かどうかは、公式の資料では確認できていません。
データはどこへ流れるか
つなぎ方
データの流れ(公式の記載)
学習・保存
コネクタ
Copilotは、リクエストを、つないだサービスに安全に送り、サービスは通常の機能と、既存の権限で処理する。Copilotはアクセス権を広げない
つないだサービスのデータは学習に使わない。Copilotは別のコピーを持たない。ただし、データを含む返答は、会話を消すまで会話履歴に残る
Google Driveなどの参照
許可のうえで参照する(透明性ノート)
読んだ範囲では、詳しい扱いは確認できていない
Edge
質問、最近の会話、ページやタブ、閲覧履歴を文脈に使うことがある
設定でオフにできる。使う前に知らせる、許可を求める、が地域による、と書かれている
Windowsのファイル検索
Windowsの「最近のファイル」を表示する。パソコンをスキャンしたり、自動でアップロードしたりしない
古いアプリ向けのFAQの記載。新しいアプリで同じかは確認できていない
Vision
見せた画面やカメラの映像を、そのセッションの間だけ見る
ページによって保存期間の書き方が違う(第4本)
仕事用のコネクタ、エージェント
既存のMicrosoft 365の権限、保持ポリシー、機密ラベルなどに従う
エンタープライズデータ保護。プロンプトと返答は基盤モデルの学習に使わない、とFAQが書いている
気をつけること
つなぐ前に「見せる範囲」を決める。 コネクタをつなぐと、メールや予定の中身が、会話に入ります。公式は、会話の履歴に残る、と書いています。
アカウントの一致。 OneDriveとOutlook.comは、Copilotにサインインしているアカウントと同じでなければ、中身を取れません。仕事用のアカウントと個人用のアカウントを、混ぜないでください。
切断の手順が書かれていない。 読んだコネクタのページには、完全に切断する手順がありませんでした。つないだサービスの側(GoogleやMicrosoftのアカウントの設定)で、許可を取り消せるかは、公式の資料では確認できていません。
個人向けと仕事用を取り違えない。 Copilot Studio、MCP、plugin、Microsoft 365 Copilot APIsは、仕事用の拡張の話です。個人のアカウントで同じことができるとは、読めていません。
提供範囲の食い違い。 コネクタのページは、「Microsoft 365の個人向けプランのアカウント」と書きますが、別のページの書き方との関係は、読み切れていません。
僕らの見立て(事実ではありません)。 まず、1つのサービス(たとえばOneDrive)だけをつなぎ、何が読まれるかを確かめてから増やすのが、無難だと思います。
出典