3行でいうと

  • 入口は2つあり、どちらも公式です。QwenCloud(docs.qwencloud.com)と、Alibaba Cloud Model Studio(help.aliyun.com)です。どちらもOpenAI互換で呼べますが、宛先、キーの取り方、無料枠の対象地域が違います。両者の関係は、読んだ範囲のどちらにも書かれていません。
  • APIキーは「リージョン」と「ワークスペース」に結びつきます。別のリージョンの宛先に送ると401で断られます。コンソールでリージョンを切り替えても、コードの宛先は変わりません。
  • 料金は、使うリージョンの価格表で見ます。入力の長さで単価の段が決まり、その単価が1回の要求の全トークンにかかります。思考のトークンは出力の単価です。無料枠はQwenCloudではシンガポール、Model Studioでは北京と、書かれている地域が違います。
  • データの扱いは、ページごとに読みます。技術文書は「入出力を学習のために保持しない」と書きますが、規約では、モデルのAPIと画面で試す「Try AI」で、学習の扱いの書き方が違います。

この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。運営者はQwenを入れていますが、使い心地はこの記事には書いていません。この記事は、2026年10月24日に公式ドキュメントを読んでまとめたものです。コードは、公式ページの要点の行を写して組み合わせた最小形で、実行していません。公式の文章は要約として取得したため、読み切れていない箇所は「読めていない」と書きました。価格・上限・モデル名は変わることがあります。法律や契約の助言ではありません。

前のガイド(02)に、入口が2つあること、リージョンの一覧、Token Planの注意、ライセンスを書きました。この記事は、そこから一段深く、キーを作って1回呼び、請求とデータまで見通す手順に踏み込みます。02と数字が違った点は、末尾の「気をつけること」にまとめました。

先に結論

前提:用語をそろえる

入口を選ぶ:QwenCloudとModel Studio

項目 QwenCloud Alibaba Cloud Model Studio 公式のどこ
入り方 GitHubかメール(First API call) Alibaba Cloudのアカウントを作り、Model Studioを有効にして規約に同意 First API call、アカウントのFAQ
本人確認 手順の記載は見つからなかった。無料枠が尽きたあとの動きは、支払い確認の有無で違う(下の表) 「本人確認が済んでいない」と出たら先に済ませる 無料枠、First API call
宛先の形 https://{リージョンID}.maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1 https://{WorkspaceId}.{リージョンID}.maas.aliyuncs.com/compatible-mode/v1 Regions and endpoints、OpenAI compatible
キーの先頭 例では sk-ws-。ページによって sk- も出る 新しいキーは sk-ws、古いキーは sk- API keys
無料枠 シンガポール 北京。ページ内にシンガポールの記述もあり、食い違う Free quota
規約 Qwen Cloud Customer Agreement(更新日2026年8月27日) Model Studioのサービス規約へのリンクがある(本文は未読) 規約、プライバシーのページ

2つの関係は、QwenCloudの概要にも、Model Studioの概要にも書かれていません。キーも規約も別物として、使う窓口のページだけを見るのが安全です(僕らの見立てです)。docs.platform.qianwenai.com にも、Qwen Cloudの名前のFAQがありますが、QwenCloudのドキュメントとの関係は書かれておらず、この記事では数字の違いの注記と、メールでのログインの注記にだけ使いました(そこには、登録済みのAlibaba Cloud Internationalのメールはそのままログインできる、aliyun.comのメールは使えない、RAMサブアカウントは使えない、とあります)。

APIキーを作る

QwenCloud(公式の手順)

  1. コンソール右上のセレクターで、呼びたいリージョンを選ぶ。
  2. 「API Keys」のページで、ワークスペースを選ぶ。
  3. 「Create API key」を押し、説明を入れて「Generate Key」。
  4. キーをその場でコピーする。表示は一度だけで、あとは隠れた表示になる。

1つのワークスペースに作れるキーは20個までです。無効にした(Disable)キーは要求を断り、有効に戻せばすぐ使えます。削除(Delete)は取り消せず、そのキーの要求はすぐ失敗します。公式の安全の勧めは、環境変数か秘密情報の管理に置く、サーバー側だけで使いブラウザやモバイルのコードに入れない、漏れたキーは削除して作り直す、開発・テスト・本番でキーかワークスペースを分ける、の4つです。有効期限の記載は見つからず、キーは削除や無効化まで使えるままです。

Model Studio(公式の手順)

  1. Alibaba Cloudのアカウントを作り、Model Studioのページでサインインして規約に同意する。
  2. APIキーのページで、リージョンを選んで「Create API Key」。
  3. ワークスペース(既定のままが勧められている)、説明(200文字まで)、権限(All か Custom)を決める。
  4. ダイアログのキーをコピーする。閉じると平文は二度と見られない。

権限は、All(どのモデルやアプリでも呼べる)と、Custom(IPの許可リストと、最大30のモデルやアプリのアクセス範囲を設定)です。IPv6は北京だけです。同じワークスペースのキーは、すべて同じ権限になります。RAMユーザー(子アカウント)が作ったキーは、そのユーザーを無効にしたり削除したりすると、すべて動かなくなります。有効時間が最大1800秒の一時キーの記載もあります。Model Studioの通常のキーには有効期限がなく、手で削除するまで有効、と読みました(QwenCloud側の記述が見つからなかったのとの対比です)。ワークスペースIDは、宛先に入れる値で、「Workspace Management」のページで見つけます。

環境変数に入れる

名前は、どちらの窓口も DASHSCOPE_API_KEY です。Model Studioのページの方法は、Linuxは ~/.bashrc に export DASHSCOPE_API_KEY='...' を足して source、macOS(Zsh)は ~/.zshrc に同じ行、Windowsのコマンドプロンプトは setx DASHSCOPE_API_KEY "..." のあと新しいウィンドウ、PowerShellは [Environment]::SetEnvironmentVariable(...) です。公式の書き方を並べると次のとおりです(動作は確認していません。キーは自分のものに置き換えます)。

# macOS / Linux(QwenCloud「First API call」の書き方。Linuxは~/.bashrc、macOSのZshは~/.zshrcに足す書き方がModel Studioのページにある)
export DASHSCOPE_API_KEY="sk-your-api-key-here"
:: Windowsのコマンドプロンプト(Model Studioのページの書き方。実行後は新しいウィンドウを開く)
setx DASHSCOPE_API_KEY "sk-your-api-key-here"

QwenCloudのFirst API callのページには、WindowsのタブはあってもPowerShellの専用コマンドは取得結果に出ていませんでした。キーを書き込んだファイルは、Gitに入れないようにしてください(.gitignore に足すのは僕らの助言で、公式の文言ではありません)。

見つからないと言われたら、一時設定ならそのターミナルの中だけ有効、IDEとターミナルを再起動、systemdなどには設定ファイル側にも書く、sudo なら sudo -E、と公式は案内しています。

リージョンとワークスペースを選ぶ

リージョンは、料金、使えるモデルと機能、データの置き場所を同時に決めます。QwenCloudの「Regions and endpoints」から並べます。

リージョン リージョンID 公式が書く特徴
シンガポール ap-southeast-1 推論は中国本土の外。バッチ、ファインチューニング、評価、デプロイ、アラート、Token Plan、無料枠が使える
中国北京 cn-beijing バッチ、ファインチューニング、評価、デプロイが使える。アラートと無料枠は対象外
ドイツ・フランクフルト eu-central-1 「Global」か「EU」を作成時に選ぶ
中国・香港 cn-hongkong 「Global」か「中国(香港)」
日本・東京 ap-northeast-1 「Global」か「日本」
米国・バージニア us-east-1 「Global」か「米国」

範囲の選択には、見逃せない決まりが3つあります。あとから変えられません。 宛先のアドレスも変わりません(リージョンIDだけが入る)。デフォルトのワークスペースは、範囲の選択があるリージョンではGlobal です。したがって、推論を地域の中に限りたいなら、範囲を地域にしたサブワークスペースを作る流れになる、と読めます(僕らの読みです)。

サブワークスペースを作る流れは、公式の画面項目名で次のとおりです。

  1. コンソール右上のセレクターで、作りたいリージョンを選ぶ。
  2. 「Settings」の「Workspaces」へ進む。
  3. 「Create Workspace」を押し、名前(30文字まで)を入れて「Submit」。
  4. 範囲(スコープ)の選択。ドイツ(フランクフルト)、香港、日本(東京)、米国(バージニア)では、地域に限る範囲か「Global」を選ぶ。シンガポールと北京にはこの手順がない。作成後は変えられず、宛先のアドレスにも影響しない。
  5. 任意で、「Authorize all existing and future models (model calling only)」を選ぶと、今あるモデルも今後増えるモデルも使える。あとから変えられる。
  6. 手順5を飛ばしたときは、Workspacesのページで対象の横の「Edit」を押し、「Model permission」の「Select Models」を開く。モデル名で探すか、「Model Vendor」「Model Type」で絞る。
  7. モデルごとに「Times / min」(RPM)と、対応するモデルでは「Token / min」(TPM)を入れて「Select (N)」。パネルの「Save Changes」で保存する。

RPMとTPMはアカウントの上限を超えられません(上限は「Analytics」のページで確かめられます)。選択ダイアログはページ分けされていて、別のページへ移ると選択が引き継がれないことがあるため、ページごとに保存するよう公式が書いています。デフォルトのワークスペースは削除できず、モデル権限の編集もできませんが、名前は変えられます。キーのあるワークスペースが、そのキーで呼べるモデルと上限を決めます。QwenCloudのドキュメントの上限は、1アカウント20ワークスペース、1ワークスペース20キーです。

シンガポールの宛先は次のとおりです(リージョンIDのないアドレスもシンガポールと同じ、と公式にあります)。

用途 アドレス(QwenCloud、シンガポール)
OpenAI互換(Chat Completions、Responses) https://ap-southeast-1.maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1
Anthropic互換 https://ap-southeast-1.maas.qwencloudapi.com/apps/anthropic
DashScope(独自形式)のHTTP https://ap-southeast-1.maas.qwencloudapi.com/api/v1

ほかのリージョンの完全なパスは、このページにはありません。IDを差し替える形と読めますが、使う前に確かめてください。Model Studioは、{WorkspaceId} を入れた形で、北京(cn-beijing)、シンガポール(ap-southeast-1)、日本(ap-northeast-1)、バージニア(us-east-1)が、互換APIのページに載っています。古い宛先(北京 dashscope.aliyuncs.com、シンガポール dashscope-intl.aliyuncs.com)は、ワークスペース別のアドレスに移るよう案内されています。

最小の呼び方

Python(QwenCloud、シンガポール)

公式の「First API call」は、pip install openai のあと、OpenAIのクライアントに環境変数のキーと宛先を渡し、qwen3.8-max に1つ質問を送る形です。要点の行を組み合わせた最小形です(質問は僕らが置いたもの。実行していません)。

import os
from openai import OpenAI

client = OpenAI(
    api_key=os.getenv("DASHSCOPE_API_KEY"),
    base_url="https://ap-southeast-1.maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1",
)

response = client.chat.completions.create(
    model="qwen3.8-max",
    messages=[{"role": "user", "content": "自己紹介を1文でお願いします。"}],
)
print(response.choices[0].message.content)

Node.js(QwenCloud、シンガポール)

First API callには、Pythonと並んでNode.jsの例もあります。npm install openai のあと、hello_qwen.mjs として node hello_qwen.mjs で動かす形です。公式の断片(apiKey: process.env.DASHSCOPE_API_KEY、baseURL、model: "qwen3.8-max")を、次のように組み合わせました(実行していません)。

import OpenAI from "openai";

const openai = new OpenAI({
  apiKey: process.env.DASHSCOPE_API_KEY,
  baseURL: "https://ap-southeast-1.maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1",
});

const completion = await openai.chat.completions.create({
  model: "qwen3.8-max",
  messages: [{ role: "user", content: "自己紹介を1文でお願いします。" }],
});
console.log(completion.choices[0].message.content);

curl

宛先は .../compatible-mode/v1/chat/completions、ヘッダーは Authorization: Bearer と Content-Type です。

curl https://ap-southeast-1.maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1/chat/completions \
  -H "Authorization: Bearer $DASHSCOPE_API_KEY" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{"model": "qwen3.8-max", "messages": [{"role": "user", "content": "自己紹介を1文でお願いします。"}]}'

Model Studioで変わるのは base_url だけです。公式の例は北京で、https://{WorkspaceId}.cn-beijing.maas.aliyuncs.com/compatible-mode/v1 の {WorkspaceId} を自分のIDにします。第三者のクライアントでは、/compatible-mode/v1 で止め、/chat/completions は付けない、と書かれています。

流れる出力と使用量

stream=True に加え、使用量を受け取るには stream_options={"include_usage": True} を付けます。QwenCloudの文書は、使用量は最後のチャンクだけに入り、そこに文章は入らず、data: [DONE] で終わる、と書いています。

stream = client.chat.completions.create(
    model="qwen3.8-max",
    messages=[{"role": "user", "content": "短い詩を書いてください。"}],
    stream=True,
    stream_options={"include_usage": True},
)
for chunk in stream:
    if chunk.choices:
        print(chunk.choices[0].delta.content or "", end="")
    if chunk.usage:
        print("\n合計トークン:", chunk.usage.total_tokens)

前段にnginxを置くなら proxy_buffering off、関数呼び出しは引数の断片をつなげてからJSONとして読みます。非ストリームのタイムアウトは、少なくとも300秒とされ、リージョンとモデルで違います。

考えるモード

QwenCloudの「Thinking」のページの要点です。切り替えられるモデルは enable_thinking(OpenAIのSDKでは extra_body={"enable_thinking": True})で選びます。考える専用のモデル(glm-5.3、kimi-k3 など)は止められません。thinking_budget は考えるトークンの上限で、コンソールの既定は4000、範囲は1〜32768、Responses APIでは使えません。reasoning_effort は強さで、qwen3.8-max は low、medium、xhigh(既定)です。qwen3.8-max は、これと thinking_budget の同時指定がエラーになります。考えるモードがオンのとき、max_tokens は1〜32768の範囲外だと400になるため、公式は max_completion_tokens を勧めています。

「Latest model」のページが最新として挙げるのは qwen3.8-flash です。文脈長は100万トークン、最大出力は131,072トークンで、考えるモードは既定でオン、ページは「Qwen4の早期のプレビュー」と説明しています。長いプロンプトでのタイムアウトについては、「Thinking」のページのFAQに、考えるモードを切る、ストリームで受ける、考えるモードを残すならクライアントのタイムアウトを180秒以上にする、の3つが挙がっています。

互換の条件

Model Studioの互換APIのページは、system は先頭だけで最後の要素は user、temperature は0以上2未満、n は qwen-plus だけ(tools を付けると1に固定)、system_fingerprint は空、と書いています。tools は、このページでは stream=True と同時に使えず、対象は qwen-plus と qwen-max とされています。最新のモデルより前の書き方が残っている可能性があり、qwen3.8-max で同じかは確かめられていません。

料金を読む

仕組み(QwenCloudの「Pricing」)

価格表の写し(2026年10月24日に表示されていたもの)

QwenCloudの表はリージョンのタブに分かれていて、僕らの取得ではリージョンの表示が落ちました。国際向けの表を、シンガポールのものとして読んでいます。使うリージョンの表を、必ず公式で確かめてください。

モデル 入力(100万トークン、米ドル) 出力(同、米ドル) 備考
qwen3.8-max 2 6 0〜100万トークン
qwen3.8-flash 0.15 0.47 0〜100万トークン
qwen3.7-plus(0〜256K) 0.4 1.6 256K〜1Mは入力1.2、出力4.8。公式は期間限定の20%割引と注記
qwen-plus(0〜256K) 0.4 1.2(考えない)/4(考える) 256K〜1Mは入力1.2、出力3.6/12

Model Studioの料金ページは、北京のテキストモデルを人民元(CNY)で載せています。qwen3.8-max は入力12、出力36(0〜100万トークン)、qwen3.8-flash は入力0.8、出力2.7です。同じ名前でも、窓口とリージョンで数字が違います。このページは約149,000文字のうち、後半の約49,000文字を読めておらず、バージニアなど他地域の通貨と、定額プラン、延滞の扱いは確認できていません。

安くする方法(QwenCloudの「Cost optimization」)

小さい呼び出しをまとめる、軽いモデル(分類や要約には qwen3.8-flash など)を使う、max_tokens で出力を抑える、が基本です。バッチは、JSONLで出して結果は通常24時間以内で、リアルタイムの用途には向きません。キャッシュは、明示(標準の入力の10%、5分間は確実に当たる)、暗黙(20%、自動)、セッション(10%、Responses APIの複数ターン)の3種類です。公式の実例は、qwen-plus で入力1000万・出力500万トークンのとき、標準10.00ドル、バッチ5.00ドル、暗黙キャッシュ(当たり80%)7.44ドルです。標準と暗黙の数字は、表の単価で検算して合いました(僕らの検算)。

自分の使い方で見積もる3行(僕らの整理です)

公式の仕組みの説明(段の判定、入出力は別単価、思考は出力)を、手順にしたものです。

  1. 1回の要求の入力トークン合計で、価格表の段を決める(その段の単価が、その要求の全トークンにかかる)。
  2. 入力トークン × 入力単価 + 出力トークン × 出力単価、を1回分として、回数をかける。
  3. 考えるモードを使うなら、思考のトークンも出力に足す(出力の単価で請求される)。

たとえば、上の表の qwen3.8-flash(入力0.15ドル、出力0.47ドル、0〜100万トークンの段)で、入力2万・出力1,000トークンの要求を1,000回なら、入力は2,000万トークンで3.00ドル、出力は100万トークンで0.47ドル、合わせて3.47ドルです(考えるモードの分は含みません。表示価格はこの記事の確認日のものです)。

無料枠と、請求が始まる境目

項目 QwenCloud Model Studio
対象 シンガポールのキーで、シンガポールの宛先を呼んだとき 北京(中国本土の範囲)。FAQにはシンガポールも挙がる
期間 通常90日。使わなくても減る 90日。有効化、公開、承認のうち最も遅い日から
対象外 バッチ、組み込みの道具、ファインチューニング、デプロイ バッチ、ファインチューニング、デプロイなど
尽きたあと(登録済み) 「Free quota only」が切ってあれば、従量課金に進む 「Free Quota Only」が切ってあれば、従量課金に進む
尽きたあと(未登録) 支払い設定まで、AllocationQuota.FreeTierOnly で止まる 本人確認と入金まで止まる
自動課金を止める設定 既定はオフ。オンなら止まり、課金されない 確認済みでは既定オフ。オンで403。反映に約30分、本番では勧められていない
通知 残り20%と尽きたとき、画面内とメール 同じ時点で、SMS、画面内、メール

どちらの文書も、表示が数分遅れ、残りがあるように見えても課金されることがある、IDEの拡張機能(ClineやCodeBuddy)は文脈を毎回送るので急に消費する、と警告しています。QwenCloudの文書は、延滞して猶予期間が過ぎると、無料枠が残るモデルも含めて呼び出しが止まる、と書いています(猶予期間の長さはこのページにはありません)。課金を止める方法は、キーの削除、「Free quota only」のオン、使用額のアラートです。Model Studioのページは、無料枠のあとの従量課金は返金できない、と書いています。

支払い(QwenCloudの「Billing overview」)は、カード、PayPal、Google Pay、Apple Payなどで、カード登録に1ドルの事前承認があります。延滞は、利用可能な残高がゼロを下回ったときで、商品コードごとに扱われます。自動払いが動くしきい値は、カードで累積1,000ドルです。延滞の猶予期間の長さは、このページにはありません。

レート制限とエラー

制限は、リージョンごとのアカウント単位で、そのリージョンの全ワークスペースとキーで共有されます。1分の合計が下回っていても、1秒の中の山で止められることがある、と公式は注意しています。モデルごとのRPMとTPMの数字は、「Rate limits」のページには載っておらず、モデルマーケットの詳細ページ(「Rate Limits and Context」)で見ます。一時的な増枠の申請もできます。再試行の回数や待ち時間の数字は、読んだ範囲のどのページにも見つかりませんでした。公式は、均等に送る、バックオフか順番待ちを使う、別のモデルへ切り替える、非リアルタイムならバッチ、を挙げています。

QwenCloudの「Error messages」から、キー・リージョン・請求に関わるものを抜きます。

HTTP コード(公式の表記) 公式が書く原因と直し方
401 invalid_api_key 違うキー、削除したキー、別リージョンのキー、環境変数の指定ミス。リージョンとキーを合わせる。Token Planのキー(sk-sp-)を通常の宛先で使った場合も同じ
401 NOT AUTHORIZED WorkspaceIdの間違い、メンバーでない、リージョンの違い
403 AccessDenied 権限がない、無料枠が尽きて有料の利用が許されていない、廃止されたモデル
403 AllocationQuota.FreeTierOnly 「Free tier only」がオンで尽きた。設定をオフにする
400 Arrearage 延滞。残高を確かめて清算する
400 DataInspectionFailed 内容の審査にかかった。入力を直して再送
404 model_not_found モデル名の間違い、そのリージョンにない、未有効化
429 Throttling.RateQuota など 回数の超過。Throttling.BurstRate は急な増加、Throttling.AllocationQuota はトークン量の超過、Throttling.ServiceOverloaded はバックエンドの余力不足でしばらくして再試行
500 internal_error など サービス側の不具合。再試行(Qwen-Omniは stream=true)。503はこのページの読めた範囲に載っていない(Model Studioの互換APIのページには「過負荷、再試行」とある)

公式の「Rate limits」には、429が返ったら同じ質問を別のモデルで送り直す非同期のPython例があります。再試行の回数や待ち時間は、その例にも設定がありません。次は、その考え方をこの記事で小さく書き直した例です(回数・待ち時間・予備のモデル名はこの記事で置いた仮の値で、公式の数字ではなく、実行していません)。

import os
import time
from openai import OpenAI, RateLimitError

client = OpenAI(
    api_key=os.getenv("DASHSCOPE_API_KEY"),
    base_url="https://ap-southeast-1.maas.qwencloudapi.com/compatible-mode/v1",
)

PRIMARY = "qwen3.8-max"
BACKUP = "qwen3.8-flash"   # 予備に使うモデル。自分の用途とそのリージョンの提供状況で決める

def ask(question: str) -> str:
    for model in (PRIMARY, BACKUP):
        for attempt in range(3):          # 3回は仮の値
            try:
                r = client.chat.completions.create(
                    model=model,
                    messages=[{"role": "user", "content": question}],
                )
                return r.choices[0].message.content
            except RateLimitError:        # HTTP 429
                time.sleep(2 ** attempt)  # 1秒、2秒、4秒と待つ(仮の値)
    raise RuntimeError("429が続きました")

429にも種類があり、Throttling.BurstRate(急な増加)なら送る間隔を均すのが先で、Throttling.AllocationQuota(トークン量の超過)ならバックオフだけでは足りないことがあります(僕らの見立てです)。「Rate limits」のページは、制限は1分以内にリセットされる、とも書いています。

このページは、末尾の約2,700文字を読めていません。Model Studioの互換APIのページは、400、401、429(回数の上限と、割り当て超過・支払いの滞り)、500、503を載せ、エラーは {"error": {"message", "type", "param", "code"}} の形だと書いています。

データの扱い

論点 QwenCloudの技術文書 QwenCloudの規約(要約として取得) Model Studio(プライバシーのページ)
学習 入出力を学習のために保持しない モデルのAPIは、別の同意がない限り、モデルの開発や改善に顧客の内容を使わない。Try AIは、提供・開発・改善のために内容を一般に使う、と書かれている モデルの学習には使わない、と書かれている
保存 入出力は要求の間はメモリで処理し、応答後は永続保存しない。Responses APIは既定で30日保存(store=false で止める)。トークン数、時刻、要求IDを記録 保存場所は固定の国ではなく、施設のある国へ移して保存・処理する趣旨。関連会社や委託先への移転も可 呼び出しで生じたデータを、適用される法令の下で保存する
場所 要求を受けたリージョンに保存 左のとおり 書かれていない
暗号化 通信はTLS 1.2以上。保存されたキーとアカウント情報はAES-256 ― 構築と学習中の通信がAES-256。保存時は書かれていない
内容の審査 入出力を自動で審査し、ブロックは400 自動で内容を検知することがある。Try AIは内容を削除・ブロックできる 書かれていない
認証・準拠法 監査ログとアクセスログ。認証の名前は書かれていない シンガポールの法律(欧州・豪州は追加条項) SOC 2への適合。サービス規約へのリンク(本文は未読)

規約は、terms.alicdn.com のアドレスで、検索結果から見つけました。題は「Qwen Cloud Customer Agreement」、更新日は2026年8月27日で、「Model Studio」の名前は出てきませんでした。解約後の内容は会社の裁量で削除する、と読める条項があり、決まった保管期間は見つかりませんでした。QwenCloudのドキュメントからこの規約へのリンクは、読んだページには見つかりませんでした。条文は要約としてしか読めていないので、この表の規約の列は目安です。

保存の扱いは、QwenCloudの技術文書が「応答後は永続保存しない」、Model Studioのページが「呼び出しのデータを保存する」と、書き方が違います。窓口が違うので同じ意味とは限らず、どちらも保存期間の数字は見つかりませんでした。Model Studioのページは保存地域を書いていません。

学習の扱いを確かめる順番は、①技術文書(Safety、Data security)、②規約のモデルの補則、③画面の「Try AI」は別の補則なので、顧客の情報を画面に入れる前にそれを読む、④Model Studioなら、プライバシーのページと、参照されているサービス規約、です。

最初の10分でやること(公式に書かれている範囲)

  1. 窓口を決める。QwenCloudなら「First API call」、Model Studioならアカウントの有効化と本人確認の表示を確かめる。
  2. リージョンを決める。データの置き場所の条件があるなら、地域限定の範囲のサブワークスペースを先に作る(あとから変えられない)。無料枠を試すだけなら、QwenCloudはシンガポール、Model Studioは北京。
  3. そのリージョンで「Create API key」。右上のリージョン表示を確かめ、表示は一度だけなのですぐコピーする。
  4. DASHSCOPE_API_KEY に入れ、ターミナルを開き直す。キーを書いたファイルをGitに入れない。
  5. 上の最小形で1回だけ呼ぶ。401なら、まずリージョンとキーの一致を疑う。
  6. 無料枠の「Free quota only」の状態、使用額のアラート、残りの表示を確かめる。
  7. 「Analytics」の「Usage」で、リージョンごとのトークン使用量を見る習慣をつける。

見立て(ここからは僕らの見立てです)

気をつけること

出典