3行でいうと

  • ローカルLLM(自分のPCの中だけで動かすAI)は、モデルも道具も無料のものが主流。かかるのはメモリ、ディスク、電気代。
  • 選ぶときに最初に見るのは、モデル名ではなく自分のPCのメモリ。ファイルの大きさが収まるかでほぼ決まる。
  • 最初の道具は、見立てではOllamaかLM Studioのどちらかで足りる。
  • 最新モデルの多くはApache 2.0という制限の少ないライセンスだが、全部ではない。

「ローカルLLM」とは、インターネットの向こうのサービスに文章を送らず、自分のPCの中でAIを動かす使い方のことです。LLMは「大規模言語モデル」の略で、文章を読み書きするAIの本体を指します。

この記事は、入口です。モデルも道具も数が多く、毎月のように新しいものが出ます。そこで、各系列の最新を公式のページで確かめ、表にまとめました。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書を読んでまとめたものです。僕らの考えは「見立てです。」で始めて、事実と分けています。

先に結論

まず用語を2つ

オープンウェイト。AIの頭脳にあたるデータ(「重み」)が公開されていて、誰でもダウンロードできる、という意味です。作り方や学習に使った資料まで全部公開されている「オープンソース」とは、同じではありません。この記事では、ダウンロードできるものを「オープンウェイト」と呼びます。

パラメータ数。モデルの大きさを表す数字です。「27B」は270億個。数字が大きいほど、ファイルが大きく、必要なメモリも増えます。「A3B」のように書かれたものは、全体は大きいけれど、実際に動く部分は30億個だけ(「3B active」)という作りです。動く部分が少ないので速く動きますが、ファイル全体はメモリに載せる必要があります。

主要な系列の地図(2026年10月7日確認)

各社の公式ページ(Hugging Face のモデルページ、公式ドキュメント、公式の発表)で、最新を確認しました。「PCで動かす」目線で選んだ一覧です。ファイルの大きさは、道具のOllamaの公式ライブラリに表示されている、ダウンロードのサイズです。

系列(運営) 最新で確認できたもの 大きさ ライセンス 家庭のPCで
gpt-oss(OpenAI) gpt-oss-20b、gpt-oss-120b(2025年8月の論文) 20bは約21B、動く部分は3.6B。120bは約117B、動く部分は5.1B。Ollamaでの大きさは14GBと65GB Apache 2.0 20bは16GBメモリで動く、と公式。120bは公式が「80GBのGPU1枚」としている
Gemma 4(Google) E2B、E4B、12B、26B A4B、31B。公式の更新履歴では、2026年3月31日にE2B/E4B/26B A4B/31B、6月3日に12B Ollamaでの大きさは、E2Bが4.6〜7.5GB、E4Bが6.6〜9.5GB、12Bが約8GB、26Bが16〜19GB、31Bが19〜20GB Apache 2.0(公式ドキュメントに記載) 小さい順に、8GBから32GBまで幅広く選べる
Qwen(Alibaba) Qwen3.8(2026年8月)。27B、Flash-Next(125B、動く部分は6B)、2.4T-A95B(2.4兆、動く部分は95B)。1つ前のQwen3.6-35B-A3Bも残っている 27Bは、Ollamaで18GB 27BとQwen3.6はApache 2.0。Flash-Nextは「qwen-community-1.0」、2.4Tは「qwen3.8-max」という別のライセンス 家庭向きは27BとQwen3.6。ほかは大きすぎる
Muse Glimmer(Meta) 2026年8月10日公開。Metaのモデルページによると、1台のPCやMacで動く大きさ 約30B(画像を見る部分を含む)。Ollamaで18GB Apache 2.0 32GBのメモリが目安
Mistral(Mistral AI) Small 4(119B、動く部分は6.5B、2026年3月)、Medium 3.5(128B、2026年5月)、Large 4(2026年10月6日発表)、小型のMinistral 3(3B、8B、14B) Ministral 3の8Bは、公式が「FP8形式で12GBのGPUメモリに収まる」としている Small 4とMinistral 3はApache 2.0。Medium 3.5は「修正版MIT」(収入の大きな会社には制限)。Large 4は発表ページにライセンスの記載なし 家庭向きはMinistral 3。ほかは大きい
DeepSeek V4.1-Flash、その小さな更新版のV4.1-Flash-1017(モデルカードの説明。DeepSeekのAPIの現行名もこちら) V4.1-Flashのモデルカードでは、骨格が「552B」、別に疎に使う記憶部が196Bと書かれ、一覧には「763B」と出る。552Bと196Bを足しても763Bにはならず、カードは差の理由を説明していないため、確認できていません MIT 家庭のPCには、まず収まらない
国産:LLM-jp(国立情報学研究所が組織) LLM-jp-4.1(8B、33B、32B-A3B)。「thinking」型 8Bと33B Apache 2.0 8Bは16GB、33Bは32GB以上が目安(見立て)
国産:PLaMo(Preferred Networks) PLaMo 3(2B、8B、31B。NICTと共同) 31Bは約32B PLaMo Community License(商用は登録が必要で、年間の売上が10億円未満が条件) 公開されているのは「ベース」型が中心
国産:Swallow(東京科学大学など) GPT-OSS Swallow(20B、120B)、Qwen3 Swallow(8B、30B-A3B、32B) 20Bは約21B GPT-OSS Swallow 20Bは Apache 2.0 gpt-oss、Qwenをもとに日本語を強くしたもの
国産:ELYZA Qwenをもとにした32B/7B(2025年4月)、日本語の拡散型の7B(2026年1月発表)、名前にllm-jp-4が入ったELYZA-Thinking-1.0の33B、32B-A3B(Hugging Faceで更新が約2週間前の表示。もとのモデルは一覧には書かれていない) 7B〜33B 確認できていません 確認できていません

ここから、系列ごとに、補足します。

gpt-oss(OpenAI)

OpenAIが公開したオープンウェイトです。Hugging Face のモデルページでは、20bは「16GBのメモリの中で動く」、120bは「80GBのGPU1枚に収まる」と書かれています。MXFP4という、重みを小さく圧縮する方式で配られています。僕らが確認した範囲では、2つ以外の新しい版は、モデルページに出ていませんでした。当サイトの記事は「gpt-oss:32GBのMac miniで、20bは動き、120bは動かない」です。

Gemma 4(Google)

公式ドキュメントでは、Gemma 4は5つの大きさがあり、いずれも画像を読めます。メモリの目安の表(重みだけの数字で、会話の長さに応じた作業用のメモリは別)も公式にあります。たとえば4ビットに圧縮したとき、E2Bは2.9GB、E4Bは4.5GB、12Bは6.7GB、26B A4Bは14.4GB、31Bは17.5GBです。この表には、20%の余裕が含まれていると注記されています。当サイトの記事は「Gemma 4を整理する」です。

Qwen(Alibaba)

Hugging Face の Qwen のページを見ると、最新はQwen3.8(2026年8月)です。27Bは、文章と画像、動画を読め、公式の評価では長い作業やコードに強いと書かれています。一方、Flash-Next(全体は125B)は別のライセンス、最大の2.4Tも別のライセンスなので、使う前に条文を読む必要があります。当サイトの記事は「Qwenファミリーの地図」です。

Muse Glimmer(Meta)

Metaは、以前は「Llama」という名前でオープンウェイトを出していました。Hugging Face のMeta(meta-llama)のページで、最も新しいのはLlama 4(2025年5月更新)で、そのあとの更新は確認できていません。2026年8月に出たのが、Muse Glimmerです。Metaの大きなモデルから小さく作り直した(蒸留した)、約30Bのモデルで、「1台の消費者向けGPUかMacで動く」と書かれています。Ollamaでの大きさは18GBです。なお、Hugging Face のモデルページには、圧縮しない場合は64GBのメモリが要る、とあります。

Mistral(フランス)

Mistral AIの公式のニュースでは、2026年10月6日に「Mistral Large 4」が発表されました。全体は1兆パラメータ、動く部分は520億です(10月22日に読み直した公式ニュースの記載。10月7日の記事は490億と書いていました)。ただし、重みは「今月末までに公開する」と書かれていて、いまは公開待ちです。ライセンスも書かれていません。PCで動かす目線では、Ministral 3(3B、8B、14B)のほうが現実的です。

DeepSeek

最新のV4.1-Flash(とその更新版V4.1-Flash-1017)は、MITライセンスで公開されていますが、数千億パラメータの規模で、家庭のPCの対象外です。自分のPCで動かすなら、DeepSeekそのものより、ほかの小さなモデルを選ぶことになります。小型に蒸留された新しい版が出ているかは、今回は確認できていません。

国産のモデル

国産と呼ばれるものには、中身が違うものがあります。LLM-jp-4.1のモデルページには、11.7兆トークン(文章の量の単位)で事前学習した、と書かれています。PLaMo 3のモデルページにも、3兆トークンで事前学習したと書かれています。一方、Swallowは、GPT-OSSやQwenをもとに、日本語を追加で学習させたものです(GPT-OSS Swallow 20Bのモデルページに、もとのモデルが書かれています)。ELYZAも、2025年4月の公開分はQwenがもとです。新しく見つかったELYZA-Thinking-1.0(33B、32B-A3B)の名前には、llm-jp-4が入っています。どちらが良い、という話ではなく、「もとが何か」で、ライセンスや得意なことが変わります。見分け方は、当サイトの「「国産AI」の中身を、見分ける方法」を見てください。

そのほか

Ollamaの人気一覧には、Z.aiのGLM-5.3-Flash(全体320B、MITライセンス)、NVIDIAのNemotron-3.5-Lightning(30B、動く部分は3B、Ollamaで25GB。ライセンスは、確認できていません)も並んでいました(10月22日に読み直した検索一覧では、この2つは見当たりませんでしたが、個別のページはありました)。OllamaのGLM-5.3-FlashとDeepSeek V4.1-Flashは、読んだページではクラウド版だけで、手元にダウンロードする版は載っていませんでした。GLMは大きく、家庭のPC向けではありません。Nemotronは、32GBのメモリなら、候補になる大きさです。

動かす道具の地図

モデルは、ファイルです。それを動かして、チャットの画面を出す道具が要ります。公式のページで確かめた範囲をまとめます。

道具 何か 費用 向く人
Ollama モデルを1行の命令で入れて動かす道具。Mac、Windows、Linuxに対応 自分のPCで動かす分は、公式の料金ページで「いつでも無料、無制限」。クラウドの有料プランは別(Proは月20ドル) 手軽に始めたい人、ほかのアプリとつなぎたい人
LM Studio 画面からモデルを探して入れ、チャットできるアプリ。Mac、Windows、Linux 自分のPCでモデルを動かすのは無料プランに含まれる。有料のBionic+(月20ドル)、Pro(月100ドル)は、クラウドで動くモデルの追加 画面で選びたい人
llama.cpp 多くの道具の土台になっている、動かすための部品(MITライセンス)。Apple、NVIDIA、AMD、普通のCPUなど幅広く対応 無料 細かく設定したい人
MLX(MLX LM) AppleのMac用に作られた仕組み。Appleシリコン(M1以降のチップ)が必須(MITライセンス) 無料 Macで速く動かしたい人
Jan ChatGPTのような画面で、AIを動かすアプリ。公式は「無料でオープンソース」 無料 設定を少なくしたい人

公式ページで、Ollamaの料金は2026年10月7日に確認しました。ドルの金額は、変わることがあります。LM Studioの料金も同じ日の確認です。LM Studioのダウンロードのページでは、一般のアプリの版が、10月7日は0.4.25、10月22日は0.4.26と表示されていました。Janは、公式ページに、10月7日は0.8.4、10月22日は0.8.7とありました。バージョンは、すぐ変わります。

見立てです。最初の1つは、Ollama か LM Studio のどちらかで足りると思います。どちらも、同じオープンウェイトのモデルを、自分のPCで動かせます。Macで本格的に速さを求めるなら、MLXの形式のモデルが選べます(OllamaにもMLXの版が並んでいます)。当サイトの記事は、「Macでローカルは初めて、という人の、最初の1時間」と、「完全オフラインで、メモにAIを使う:Ollama × Obsidian」です。

メモリ別の目安

ここが、この記事のいちばん大事なところです。

考え方は単純です。モデルのファイルの大きさ(Ollamaの表示など)が、PCのメモリに収まるか。さらに、OSや、ほかのアプリの分、会話の長さの分を残せるか。Gemma 4の公式の表にも、「重みだけの数字で、会話の長さ(KVキャッシュ)は別」と書かれています。

見立てです。ファイルの大きさが、メモリの半分から6割くらいに収まるものを選ぶと、余裕があります。この割合は、公式の数字ではなく、僕らの目安です。MacのAppleシリコンは、メモリをCPUとGPUで共有しています。GPUつきのWindows機では、GPU専用のメモリの量も見る必要があります。

メモリ 目安になるモデル(公式で確かめた大きさ) 使い心地の見立て
8GB Gemma 4 のE2B(Ollamaで4.6〜7.5GB)。E4B(6.6〜9.5GB)は、ぎりぎりか足りない 軽い要約や言い換え。大きなモデルは諦める
16GB Gemma 4 の12B(約8GB)、E4B、Ministral 3の8B、LLM-jp-4.1の8B。gpt-oss-20b(14GB)は、公式が「16GBで動く」と書くが、余裕は少ない 日常の質問や文章の下書き。ほかのアプリを開くと苦しい
32GB gpt-oss-20b、Gemma 4の26B A4B(16〜19GB)と31B(19〜20GB)、Qwen3.8の27B(18GB)、Muse Glimmer(18GB)、Nemotron-3.5-Lightning(25GB) 現在の「ちょうどよい」範囲。選べる系列が一番多い
64GB以上 上の全部に加え、LLM-jp-4.1の33Bなど。gpt-oss-120b(65GB)は、64GBには入らない。公式は80GB級のGPUを想定 大きなモデルを、余裕を持って。120b級は、96GB以上が現実的(見立て)

上の表に載せていないものがあります。Mistral Small 4(119B)、Qwen3.8のFlash-Next(125B)は、ファイルの大きさを、公式のページで確認できませんでした。大きなものは、載せていません。

32GBのMacについては、当サイトの記事「ローカルLLM早見表:M6 Mac mini(32GB)に、いま入れるなら」に、具体的な組み合わせがあります。マシンの選び方は「ローカルAI用のマシンの選び方」を見てください。

「量子化」という言葉

Ollamaやモデルの配布ページに、「Q4」「4ビット」「FP8」といった言葉が出ます。モデルの重みを、精度を少し落として小さくする方法です。小さくすると、必要なメモリが減ります。たとえばGemma 4のE4Bは、公式の表で、16ビットなら17.9GB、8ビットなら8.9GB、4ビットなら4.5GBです。詳しくは、当サイトの記事「量子化とは何か」へ。

無料で使えるか、ライセンスの見方

無料の範囲

  • モデルのファイル。この記事で挙げたものは、ダウンロードが無料です。
  • 道具。Ollama(自分のPCで動かす分)、LM Studio(無料プラン)、llama.cpp、MLX LM、Jan は、無料の範囲で使えます。
  • かかるもの。ディスクの空き(数GBから数十GB)、PCの電気代、そして、大きなモデルでは時間です。
  • 有料のもの。OllamaやLM Studioの有料プランは、「クラウドで動く大きなモデル」を使うためのものです。自分のPCの中で動かすだけなら、要りません。クラウドのモデルは、文章が相手のサーバーに送られるので、「ローカル」の目的とは違うものです。

ライセンスの見方

「ダウンロードできる」と「何に使ってもよい」は、別のことです。確認する順番は、次の3つです。

  1. モデルのページのライセンス欄(Hugging Face なら右上や上部)を見る。
  2. 名前を見る。Apache 2.0、MITは、商用を含めて制限が少ない部類です。「Community License」「qwen-community-1.0」「qwen3.8-max」のように独自の名前のものは、条文を読む。
  3. 条件を見る。たとえばPLaMo Community Licenseは、商用に登録が必要で、売上の条件があります。Mistral Medium 3.5の「修正版MIT」は、収入の大きな会社に制限があります。

Apache 2.0でも、もとのモデルを加工した派生モデルは、もとのモデルの条件にも関係することがあります。この記事では、Swallowなどの派生モデルについて、そこまで確かめていません。当サイトの記事は「ローカルAIのモデルのライセンスの読み方」です。

見立て:どう選ぶか

見立てです。迷ったら、次の順番で考えるのがよいと思います。

  1. 自分のPCのメモリを調べる(Macなら「このMacについて」)。
  2. 上の表で、メモリの欄のモデルを2つ選ぶ。
  3. 日本語の文章を、よく使うなら、国産のLLM-jp-4.1の8Bや、Gemma 4の12B、Qwen3.8の27Bを試して、比べる。どれが日本語で良いかは、自分で書かせて見るのが確実です。この記事では、まだ比べていません。
  4. 道具は、OllamaかLM Studioで始める。

公式が示しているベンチマーク(性能の点数)は、各社が自分で測った数字です。会社ごとに、測り方も違います。この記事では、点数による優劣は書いていません。

気をつけること

出典

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