3行でいうと
- 100万トークンあたりの単価は、入力が10万トークン以下のとき入力0.10ドル・出力0.50ドル、10万を超えると入力0.50ドル・出力2.50ドルです。旧Haiku 4.5は入力1ドル・出力5ドル。下げ幅は、10万以下で90%、10万超で50%と、発表の脚注に書かれています。
- 「約75%」は、この二つの下げ幅をならした数字だと読めます。脚注には「旧モデルのリクエストの90%は10万トークン以下だった」「新しいトークナイザーでタスクあたりのトークンが少し増える」とあります。ただし計算式そのものは書かれていません。
- 10万トークンの境目は、超えた分だけ高くなるのではなく、そのリクエスト全体が高い単価になります。キャッシュの読み書きも長さに数えます。
- 移行ガイドによれば、同じ文章は旧モデルより約30%多くのトークンに数えられます。単価表の下げ幅より、実際の請求の下がり方は小さくなります。
- Haiku 4.5からコードを移すときは、手動の拡張思考と返事の書き出し指定がエラーになり、温度などの指定もエラーになる場合があります。
この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は、Anthropicの公式ページを2026年10月22日に読み直してまとめたものです。表の下げ幅や請求額の例は、公式の単価を使った僕らの計算で、Anthropicの数字ではありません。
先に結論
- 単価表はこう読めます。 同じHaiku 5.5でも、1回のリクエストのプロンプトが10万トークン以下か、超えるかで、入力・出力・キャッシュのすべての単価が二段に分かれます。旧Haiku 4.5には、この区別がありません。
- 「約75%」は、発表文の平均値です。 10万トークン以下の90%引きと、超える50%引きの間にある数字です。自分の使い方が長い文書中心なら、下げ幅は小さくなります。
- 実際の請求は、トークン数の増え方でも変わります。 新しいトークナイザーでは、同じ文章が約30%多くのトークンになると、移行ガイドにあります。
- 見積もりは、自分の使い方で計算し直すのが確実です。 次の節の式で、手元の数字を当てはめられます。
前提:用語をそろえる
- トークン:AIが文章を扱う細かい単位です。料金は文字数ではなく、トークン数で決まります。
- プロンプト:1回のリクエストでAIに渡す入力全体です。ここでは、質問文のほか、貼りつけた資料や会話の履歴も含みます。
- ロングコンテキスト料金:プロンプトが一定の長さを超えると、単価が上がる料金の決め方です。Haiku 5.5では、その境目が10万トークンです。
- プロンプトキャッシュ:同じ前置きを何度も送るとき、2回目以降を安く処理する仕組みです。
- バッチAPI:すぐの返事を求めず、まとめて頼んで割引を受ける使い方です。
- 適応的思考:答える前に考えるか、どれだけ考えるかを、モデル自身が決める仕組みです。
- effort(努力度):考える量を、段階で指定する設定です。
- アシスタントプリフィル:AIの返事の書き出しを、あらかじめこちらで入れておく使い方です。
単価表を読む(100万トークンあたり、米ドル)
Anthropicの価格ページ(2026年10月22日に取得)の表から、Haiku 5.5と旧Haiku 4.5を並べます。
| 項目 | Haiku 5.5(10万トークン以下) | Haiku 5.5(10万トークン超) | Haiku 4.5 |
|---|---|---|---|
| 入力 | 0.10ドル | 0.50ドル | 1ドル |
| 出力 | 0.50ドル | 2.50ドル | 5ドル |
| キャッシュ書き込み(5分) | 0.125ドル | 0.625ドル | 1.25ドル |
| キャッシュ書き込み(1時間) | 0.20ドル | 1ドル | 2ドル |
| キャッシュ読み取り・更新 | 0.01ドル | 0.05ドル | 0.10ドル |
| バッチ・入力 | 0.05ドル | 0.25ドル | 0.50ドル |
| バッチ・出力 | 0.25ドル | 1.25ドル | 2.50ドル |
どの行も、10万トークン以下は旧モデルの10分の1、超える場合は2分の1です。これが、発表の脚注にある「90%安い」「50%安い」に当たります。バッチは、どちらのモデルも通常の半額と、価格ページにあります。
10万トークンの境目は「崖」になっている
価格ページには、次の趣旨の説明があります。Haiku 5.5は、プロンプトの長さで価格が決まる。プロンプトの長さには、キャッシュの読み取りと書き込みも含めた、入力トークンのすべてを数える。リクエストごとに別々に価格がつき、プロンプトの一部がキャッシュに当たっていても、境目を超えたリクエストは高いほうの価格になる。
つまり、境目を1トークン超えると、そのリクエストの全体が高い単価になります。たとえば、出力1,000トークンのリクエストで、プロンプトが99,000トークンと101,000トークンのときを、公式の単価で計算すると、こうなります。
| プロンプトの長さ | Haiku 5.5 | Haiku 4.5 |
|---|---|---|
| 99,000トークン | 約0.0104ドル | 約0.104ドル |
| 101,000トークン | 約0.0530ドル | 約0.106ドル |
プロンプトを2,000トークン足しただけで、Haiku 5.5の請求は約5倍になります。それでも、101,000トークンの時点でも、旧モデルの約半分です。旧モデルには境目がないので、請求はほぼ横ばいです。
1Mトークンの文脈と、この料金の関係
モデル一覧のページによれば、Haiku 5.5のコンテキストウィンドウは100万トークン、最大出力は12万8千トークンです。移行ガイドは、旧Haiku 4.5は20万と6万4千だったと書いています。
価格ページには、100万トークンまでのコンテキストを標準料金で使える、という記述があり、その対象は「Claude 4.6以降のモデル(Claude Haiku 5.5を除く)」と書かれています。Haiku 5.5だけは、長い入力に別の価格がつく、という立て付けです。100万トークンの窓を使い切る場合は、必ず高いほうの単価になります。
「約75%」を分けてみる
発表文の脚注2を読むと、数字の材料は三つあります。10万トークン以下は旧モデルより90%安い。10万トークン超は50%安い。旧Haiku 4.5では、リクエストの90%が10万トークン以下だった。さらに、新しいトークナイザーのため、タスクあたりのトークンが少し増える、とも書かれています。
ここから、僕らが手元で計算できるのは、次の範囲です。
- 旧モデルの支出のうち、10万トークン超のリクエストが占める割合をxとすると、価格表だけで見た下げ幅は、90%×(1−x)+50%×xです。
- xが0なら90%、10%なら86%、30%なら78%、50%なら70%になります。75%になるのは、xが約37.5%のときです。
- 「リクエストの90%が10万以下」は、件数の割合です。長いリクエストは1件あたりの請求が大きいので、支出で見たxは、件数の10%より大きくなるはずです。xが10%のままなら、価格表だけで86%になります。
発表文は、75%をどう計算したかを書いていません(脚注には、トークン数の変化も計算に入れたとあるため、上の37.5%は価格表だけの試算で、75%の再現ではありません)。この記事では、同じ数字を再現できてはいません。支出の割合が分かる人でないと、検算できない数字だと読めます。
実際の請求は、トークン数の増え方でも変わる
移行ガイドは、Haiku 5.5がClaude 4.7以降と同じ新しいトークナイザーを使うと書いています。そのうえで、同じ入力文は、Haiku 4.5より約30%多いトークンになる。正確な増え方は内容によって違う、としています。
仮に30%増えるとして、僕らが計算すると、こうなります。
| 条件 | 価格表の下げ幅 | トークン数の増加を入れた下げ幅(目安) |
|---|---|---|
| 10万トークン以下 | 90% | 約87%(0.10ドル×1.3=0.13ドル) |
| 10万トークン超 | 50% | 約35%(0.50ドル×1.3=0.65ドル) |
長い文書を扱う人ほど、下げ幅は小さくなります。さらに、10万トークンの数え方も新しいトークナイザーなので、旧モデルで約7万7千トークンだった文書は、Haiku 5.5では10万トークンに届く計算です(100,000÷1.3、目安)。旧モデルで境目の手前にいた使い方が、移行で境目を超えることがあります。
キャッシュと最小の長さ
移行ガイドによれば、キャッシュできる最小のプロンプト長は、Haiku 4.5の4,096トークンから、Haiku 5.5では512トークンに下がっています。短い前置きでもキャッシュを使いやすくなる一方で、キャッシュの読み取りも、プロンプトの長さに数えられます。キャッシュが当たっていても、境目の判定は変わりません。
Haiku 4.5から移すときに壊れるところ
移行ガイドの概要表が「Breaking」(エラーになる)とするのは、次のとおりです。自分でAPIを呼ぶコードを持っている人向けの話です。
- 手動の拡張思考(
budget_tokens)はエラーになります。適応的思考に置き換えます。 temperature、top_p、top_kの指定は、エラーになることがあります。指定を外します。- アシスタントプリフィル(返事の書き出し指定)はエラーになります。メッセージの最後を、利用者の発言にします。
- 旧形式のコンピューター操作ツール(
computer_20250124)は、Claude API、Google Cloud、Amazon Bedrockでエラーになります。 - Amazon Bedrockでの構造化出力については、10月22日に読んだ移行ガイドとモデル一覧に記述がなく、いまの扱いは確認できていません。構造化出力のページは対応プラットフォームにAmazon Bedrockを挙げています(Haiku 5.5での条件までは読めていません)。
- 以前の発言を書き換えると、思考のブロックが無効になります。会話は追記のみにします。
「Changed」(動きが変わる)にも、見落としやすい点があります。返事が思考のブロックから始まることがあるので、中身は位置ではなく型で選ぶこと。思考の文章は、既定では省かれること。思考のトークンも、max_tokensに数えられること。この三つです。
考える量の調整:effortと適応的思考
発表文によれば、Haiku 5.5は、Haiku級のモデルで初めて、effort(努力度)を調整できます。モデル一覧のページでは、既定はmediumです。移行ガイドには、適応的思考は既定で有効で、effortがhigh以下なら、思考を無効にもできるとあります。ただし、品質と速度と費用の釣り合いは、effortで調整するほうがよい、と案内されています。
考える量が多いほど、出力のトークンが増え、請求も増えます。単価が下がっても、effortを上げた使い方では、請求の下がり方が小さくなることがあります。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。
気をつけること
- 数字は、2026年10月22日に読み直した公式ページのものです。価格ページには更新日の記載がありません。改定されていないか、使う前に原文で確かめてください。
- 「約75%」は、Anthropic自身の発表の平均値です。解説記事の見出しには、「約75%」と「90%」の両方が見られます(10月18日に見出しだけ確認しました。10月22日には読み直していません)。下げ幅は、条件を分けて読むのが安全です。
- 表の下げ幅や、99,000・101,000トークンの請求額は、公式の単価から僕らが計算した例です。トークナイザーの約30%は目安で、内容によって違います。
- 単価は米ドルです。日本円での請求、為替、税は、この記事では扱っていません。クラウド経由(AWS、Google Cloud、Azure)の価格が同じかは、確かめていません。
- 性能の比較(ベンチマーク)は、発表の数字がAnthropicの自己申告なので、この記事では扱っていません。
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。移行ガイドの記述を、そのまま写しています。
出典
- Introducing Claude Haiku 5.5(Anthropic、2026年10月7日、10月22日確認)
- Pricing(Claude Platform Docs、10月22日確認)
- What's new in Claude Haiku 5.5(Claude Platform Docs、10月22日確認)
- Models overview(Claude Platform Docs、10月22日確認)
- Anthropic cuts small-model pricing 90% with Claude Haiku 5.5(VKTR、見出しのみ確認)
- Reading the Claude Haiku 5.5 Price Table(braindetox、見出しのみ確認)
更新履歴
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2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
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2026年10月22日 公式の資料を読み直して、次の点を直しました。
- 前:Amazon Bedrockでは構造化出力が使えない → いま:移行ガイドに記述がなく未確認。構造化出力のページはBedrockを対応先に挙げている
- 前:75%の計算方法は書かれていない → いま:脚注にトークン数の変化も入るとあり、37.5%は価格表だけの試算で75%の再現ではない
