3行でいうと

  • 声で頼むアシスタントは、もともと、アラーム、電話、音楽、家電の操作など、決まった頼みごとを実行するのが得意でした。ChatGPTのような生成AIは、会話で、いろいろな話題に答える道具です。
  • いまは、境目が薄れています。AmazonのAlexa+は生成AIで作った次世代、Googleはスマホのアシスタントの後継にGeminiを置き、AppleのSiriはApple Intelligenceの機能を組み込んでいます。
  • ただし、日本で自分の手元の機器がどれになるかは、読んだ公式ページからは分かりませんでした。提供の国・言語・機種の条件は、各社の最新のページで確かめます。

この記事は、公式の文書を読んでまとめたもので、実際に使って確かめた記録ではありません。たとえ話と、「見立てです。」で始まる段落は僕らの考えで、公式の文書とは分けて書きました。Apple IntelligenceとSiriの詳しい条件は、同じ連載の別の記事で扱っているので、ここでは概略にとどめます。

先に結論

公式の資料を読んで言えることは、次の4つです。

  1. 声で頼むアシスタントは、「操作役」として作られてきました。 Googleアシスタントのヘルプには、質問する、電話をかける、メッセージを送る、リマインダーを設定する、道案内を聞く、とあります。Siriの紹介ページにも、通話、メッセージ、アプリの操作、スマートホームの操作、アラームなどが並びます。
  2. ChatGPTのような生成AIは、「会話の相手」として作られてきました。 OpenAIのChatGPT Voiceのページは、話しかけて音声の返事を聞ける機能と説明しています。読んだ範囲では、機器の操作やアラームの記述はありません。
  3. いま、2つが近づいています。 Amazonは、Alexa+を、生成AIと大規模言語モデルで作った次世代のアシスタントと説明しています。GoogleはGeminiを、スマホのアシスタントの後継と位置づけています。
  4. 生成AIで動くものは、間違うことがあります。 Googleの紹介ページは、Geminiは間違うことがあり、大事な事実はGoogle検索などで確かめるよう書いています。

たとえ話:決まった係と、話の上手な物知り

僕らのたとえです。公式の文書にあるものではありません。

いまは、係に物知りの頭が入り、物知りに手足がつきはじめている、という段階だと読めます。

4つのサービスを、公式ページで並べる

サービス 公式ページに書かれていること(2026年10月22日に確認。ChatGPT Voiceの行だけは10月16日に確認)
Alexa+(Amazon) 生成AIと大規模言語モデルで作った次世代のアシスタント。会話が自然で、スマートホームの操作、予約、音楽などをこなす。購入履歴や視聴・再生の履歴、利用者が伝えた好みを使って答えを個別化する。
Googleアシスタント → Gemini(Google) スマホでは、Geminiが後継。固定のコマンドではなく、自然な言葉で頼め、作業の完了もできる。簡単な頼みごとは、アシスタントより時間がかかることがある。
Siri(Apple) Apple製デバイスに内蔵の音声アシスタント。通話、メッセージ、スマートホーム、アラームなどができる。Apple Intelligenceの機能を組み込んだ形でも紹介されている。
ChatGPT Voice(OpenAI) ChatGPTと話して、音声の返事を聞く機能。会話は文字でも残る。使えるかは、プラン、地域、アプリの版などで変わる。
各社のページで読めた、細かい点

Alexa+(Amazonの紹介記事。2025年2月26日公開、2026年7月21日更新)

  • 米国とカナダは全員に提供。ブラジル、英国、メキシコ、イタリア、スペイン、ドイツ、オーストリア、フランスは早期アクセスです。このページの一覧に、日本は載っていませんでした。
  • 口調は4種類(Brief、Chill、Sweet、Sassy)から選べ、能力は変わらない、と書かれています。
  • 文書、メール、写真、メッセージを渡して、覚えさせたり、要約させたりできるとあります。
  • 料金は、日本の提供が読み取れないため、この記事では扱いません。

Googleのアシスタントから、Geminiへ(Googleの紹介ページ。日付なし)

  • スマホとタブレットは「今後数か月で」自動で切り替わる、とあります。条件は、メモリ(RAM)2GB以上、Geminiが使える200以上の国と地域のどれか、Android 9以上またはiOS 16以上です。
  • 家庭のスピーカー、ディスプレイ、テレビは、Geminiの体験に順次切り替わります。それまでは、アシスタントが使えます。
  • 「Hey Google」の呼びかけは、そのまま使えます。Geminiが使える場所ではGemini、ほかではアシスタントが応えます。
  • Googleは2025年8月20日に、「Gemini for Home」を発表しています。複数のスマートホーム操作を同時に頼む、一度呼びかければ会話が続く(Gemini Live)、などです。対応国は、この発表には書かれていませんでした。

Siri(Apple日本のページ、日付なし)と、Apple Intelligenceの条件(Appleサポート、2026年9月15日公開)

  • Siriのページ(Apple日本)で、Appleは、Siriのリクエストはあなたの Apple Account に関連付けられない、音声リクエストはiPhone、iPad、Apple Watchでは端末内(Apple Neural Engine)で処理され、共有を選ばない限り端末に残る、と説明しています。Appleサポートの条件のページには、この記述は見つかりませんでした。
  • Appleサポートのページでは、日本語がApple Intelligenceの対応言語に含まれています。機器の言語とSiriの言語を、同じ対応言語に合わせる必要があります。
  • Siri AIなど、サーバー側のモデルに頼る一部機能には、1日の利用回数の制限があります。

境目はどこで薄れているか

声のアシスタントのほうが、生成AIに寄っている。 Alexa+は、生成AIで作られたとされ、ネットを自分で動いて用事を済ませる機能は、これから使えるようになるものとして書かれています。GoogleのGeminiの紹介ページは、固定のコマンドではなく自然な言葉で、と説明しています。Siriも、Apple Intelligenceの機能を組み込んだ形で紹介されています。

生成AIのほうも、機器の操作に近づいている。 Gemini Liveは、Geminiのモバイルアプリの音声会話モードです。連携したアプリやサービスを使って、カレンダーに予定を追加するような作業を手伝える、とヘルプにあります。連携できるアプリの表には、Googleカレンダー、Google Home、Spotify、YouTube Musicなどの名前が並びますが、各アプリで何ができるかの説明は、読んだページにはありませんでした。アプリは、先に設定でつなぐ必要があります。

見立てです。「Alexa」「Siri」「Googleアシスタント」という名前は同じでも、中身が従来のしくみか、生成AIか、機種や設定や時期で違う状態になっていると思います。名前だけで、できることは決められません。

誤解されやすい点

「ChatGPTに話しかければ、家電も動かせる」 読んだChatGPT Voiceのページには、機器の操作の記述はありませんでした。使えないと確認したわけではありませんが、公式に書かれていない以上、できると決めつけないほうがよさそうです。Gemini Liveは、連携したアプリを使う前提で、先に設定が要ります(家電の操作そのものの説明は、読んだヘルプにはありませんでした)。

「新しいAlexaやGeminiが、もう日本の自分の機器に来ている」 Alexa+の紹介記事の提供国の一覧には、日本がありませんでした。Gemini for Homeの発表も、対応国は書いていません。Geminiの紹介ページは、スマホの切り替えを「今後数か月」としか書いていません。手元の画面が、どちらの状態かは、アプリの表示やヘルプで確かめます。

「声のアシスタントは、間違えないから安心」 Googleの紹介ページは、Geminiについて、間違うことがあると明記しています。生成AIで作られたアシスタントは、会話が自然なぶん、間違いにも気づきにくくなります。

今日からできること、やってはいけないこと

どれも、上の公式ページを土台にした僕らの整理です。

今日からできること

やってはいけないこと

気をつけること

出典

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