3行でいうと
- 名前の数字(B)は、10億単位のパラメータ(モデルの大きさを表す数)の数です。
- 4ビット前後の版のファイルは、1〜4Bの多くで約1〜4GB、7〜14Bで約5〜10GB、20〜35Bで約14〜22GB、70Bで約43GBです。
- ファイルの大きさとは別に、会話の分のメモリが要ります。公式の表も、そこは含めていません。
- 同じ家族の中では、大きいほど公式の試験の点数が高い、とGoogleは発表しています。
この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書やモデルカード(モデルの説明書)を読んでまとめたものです。
先に結論
名前の数字が大きいほど、ファイルが大きく、必要なメモリが増え、公式の点数も上がる傾向です。ただし、同じ数字でも、作った会社や世代で中身は違います。大きさだけで良し悪しは決まりません。
Apple Siliconの32GB前後のMacなら、まず7〜14Bの段階から試すのが入りやすい、と僕らは見ています(理由は後の節)。
言葉の整理
- パラメータ:モデルの中にある、数の調整つまみのようなものです。「9B」は約90億個。数が多いほど、表現できる幅が広がる一方、ファイルが大きくなります。
- 量子化:ファイルを小さくする圧縮です。小さくなる代わりに、品質が少し落ちます。「4ビット」は、1つの数を約0.5バイトで持つ形です。名前の「q4_K_M」などが、その種類の印です。
- ファイルの大きさとメモリ:モデルは、読み込むとメモリに置かれます。ファイルが10GBなら、最低でもそれ以上が要ります。
- MoE(専門家混合):中に多くの小さな部門を持ち、1回の処理では一部だけを動かす作りです。たとえばGemma 4の26B A4Bは、全体で約252億、1回に動くのは約38億です。Googleのページには、1回に動かすのは4B分でも、メモリには26B全部を読み込む、という趣旨の説明があります。軽くなるのは速さのほうで、メモリではありません。
4つの段階
ファイルの大きさは、Ollamaのライブラリの各ページ(2026年10月8日確認)です。幅があるものは、そのページの表示のとおりです。「公式の表」は、GoogleのGemma 4のページにある、重みを読み込むのに要るメモリの目安です。
| 段階 | 例(ファイルの大きさ) | 公式の表(4ビット) |
|---|---|---|
| 1〜4B | Llama 3.2 1B(1.3GB)・3B(2.0GB)、Qwen3.5 2B(2.7〜3.1GB)・4B(3.3〜4.0GB)、Gemma 4 E2B(4.6〜7.5GB) | Gemma 4 E2B 2.9GB、E4B 4.5GB |
| 7〜14B | Llama 3.1 8B(4.9GB)、Qwen3 14B(9.3GB)、Qwen3.5 9B(6.6〜7.6GB)、Gemma 4 12B(7.7〜8.0GB) | Gemma 4 12B 6.7GB |
| 20〜35B | gpt-oss 20B(14GB)、Qwen3.5 27B(17〜20GB)、Qwen3.5 35B(22GB)、Gemma 4 26B(16〜19GB)・31B(19〜20GB) | Gemma 4 26B A4B 14.4GB、31B 17.5GB |
| 70B以上 | Llama 3.3 70B(43GB)、gpt-oss 120B(65GB)、Qwen3.5 122B(81GB) | Gemma 4の表にはなし |
ファイルの大きさが、パラメータ数だけで決まらない例もあります。Gemma 4 E2Bは、名前は「2B」ですが、公式のページに「実効2.3B、埋め込みを含めて5.1B」とあります。名前の数字は目安で、実際の大きさは各ページで確かめてください。
Googleの表は、重みだけのメモリで、読み込みの余分に約20%を見込んでいます。会話の長さによって増える分(KVキャッシュ)や、動かすソフトの分は含まれない、と注記されています。KVキャッシュは、AIが会話の途中で覚えておく計算結果の置き場です。
段階ごとに、公式は何と言っているか
1〜4B:軽く、素早く
MetaのLlama 3.2の発表(1Bと3B)は、要約、指示に従うこと、書き直しのような端末の中の用途で、同じ大きさの中では最先端だ、と説明しています。多言語の文章を作ること、道具を呼び出すことも挙げられ、どちらも128Kトークンの長さに対応します。
Gemma 4のE2BとE4Bは、Googleの説明で「モバイルやエッジ、ブラウザ向け」とされています。
7〜14B:入口として扱いやすい
この段階の公式な特徴づけは、会社ごとにまちまちです。たとえばGemma 4の12Bは、Ollamaのページに「ワークステーション向け」とあり、Googleのモデルカードでは、文章・画像・音声を扱えるとされています。同じ家族の点数は次の節で比べます。
20〜35B:高性能の入口
gpt-oss 20Bについて、OpenAIは「16GBのメモリで動く」と書いています。GitHubのREADMEも、同じ「16GBの中」としています。全体は約21B、動くのは約3.6Bです。性能の目安として、OpenAIのo3-miniと「一般的な試験で同程度」と書かれています。
Qwen3.5 35Bのモデルカードでは、全体35B、動くのは3Bで、前の世代のQwen3-VLより上、とされます。どちらも会社自身の試験の結果です。
70B以上:大きなメモリが要る
Llama 3.3 70Bは、Metaが「Llama 3.1の405Bと同程度の性能」と説明していると、Ollamaのページに書かれています。ファイルは43GBです。ページに必要なメモリの数字はありませんでした。
gpt-oss 120Bは、OpenAIの発表で「80GBのGPU1枚で動く」とあります。
同じ家族で、大きさを変えると何が変わるか
Googleが発表した、Gemma 4の5つの大きさの試験の結果です(モデルカード、指示に従う版)。MMLU Proは幅広い知識の問題、LiveCodeBench v6はプログラムを書く問題の点数です。
| モデル | MMLU Pro | LiveCodeBench v6 |
|---|---|---|
| E2B | 60.0% | 44.0% |
| E4B | 69.4% | 52.0% |
| 12B | 77.2% | 72.0% |
| 26B A4B | 82.6% | 77.1% |
| 31B | 85.2% | 80.0% |
同じ家族の中では、大きいほど点数が上がっています。ただし、これはGoogle自身の試験です。他社のモデルとの優劣を言える数字ではありません。点が上がる幅は、段階が大きくなるほど小さくなっているように見えます(僕らの計算では、MMLU Proの差は、E2BからE4Bで9.4点、26Bから31Bで2.6点です)。
32GBのMacでは、どこまでか
僕らの計算です。32GBのメモリに、43GBのファイルは載りません。Llama 3.3 70Bの4ビット版(43GB)は、そのままでは対象外です。
見立てです。ファイルは、メモリの半分前後までを目安にすると、会話の分や、OSなどの分を残せると考えます。これは公式の数字ではありません。この目安なら、32GBのMacでは、7〜14Bの段階が安心で、20〜35Bの段階のうち14〜16GB前後のもの(たとえばGemma 4 26Bの16GB、gpt-oss 20Bの14GB)が上限に近い、と見ています。
LM Studioの公式のシステム要件では、Macはメモリ16GB以上が推奨です。16GBのMacなら、1〜4Bから7〜9B前後の4ビットの版が候補になる、というのが僕らの見立てです。
選び方の流れ
見立てです。
- まず、7〜14Bの段階で、4ビットの版を1つ選ぶ
- 遅い、品質が足りない、と感じたら、一段上へ
- 動かない、メモリが足りない、と感じたら、一段下へ
- 一段上げるたびに、ファイルは2〜3倍になる、と考える
「2〜3倍」は、上の表の例から見た目安です(1〜4Bの多くは1〜4GB、7〜14Bは5〜10GB、20〜35Bは14〜22GB、70Bは43GB)。
よくあるつまずき
- 「30B」と「3B」を見間違える:1文字で10倍違います。
- MoEの「動く量」だけで見積もる:Gemma 4 26B A4Bは、速さは4B相当でも、メモリには26B全部を載せます。
- 名前の数字だけで大きさを決める:Gemma 4 E2Bのように、数字と実際の大きさが違うものがあります。
- 量子化の違いを見落とす:同じモデルでも、Gemma 4 E4Bは4ビットで4.5GB、16ビット(BF16)で17.9GBです(Googleの表)。
- 会話の分を忘れる:ファイルがぎりぎり載っても、長い会話でメモリが足りなくなります。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。速さや品質の感想は、公式の発表の紹介です。
- ファイルの大きさは、Ollamaのライブラリのもので、LM Studioなど別の配布元のファイルとは少し違います。
- Ollamaの表は、同じ名前に幅があり、その理由はページに書かれていません。
- 点数は各社自身の試験です。他社との比較には使えません。試験の条件も、ここでは追っていません。
- 新しいモデルは次々に出ます。名前や大きさは、2026年10月8日のものです。
出典
- Gemma 4 model overview(Google AI for Developers、2026年10月8日確認)
- Gemma 4 model card(Google AI for Developers、2026年10月8日確認)
- google/gemma-4-26B-A4B-it(Hugging Face、Google、2026年10月8日確認)
- Introducing gpt-oss(OpenAI、2026年10月8日確認)
- openai/gpt-oss README(GitHub、OpenAI、2026年10月8日確認)
- Llama 3.2: Revolutionizing edge AI and vision(Meta AI、2026年10月8日確認)
- Qwen/Qwen3.5-9B(Hugging Face、Qwen、2026年10月8日確認)
- Qwen/Qwen3.5-35B-A3B(Hugging Face、Qwen、2026年10月8日確認)
- Ollama Library(Ollama、2026年10月8日確認)
- gemma4 tags(Ollama Library、2026年10月8日確認)
- qwen3.5 tags(Ollama Library、2026年10月8日確認)
- qwen3 tags(Ollama Library、2026年10月8日確認)
- llama3.1 tags(Ollama Library、2026年10月8日確認)
- llama3.2 tags(Ollama Library、2026年10月8日確認)
- llama3.3(Ollama Library、2026年10月8日確認)
- gpt-oss tags(Ollama Library、2026年10月8日確認)
- System Requirements(LM Studio Docs、2026年10月8日確認)
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
