3行でいうと
- 仕組みは「画像を小さな四角に切る→数値の列にする→文章のトークンと一緒にAIへ渡す」
- Claudeは28×28ピクセルで1トークン、OpenAIの新しいモデルは32×32ピクセルで1パッチに倍率1.2。Geminiは設定ごとに決まる
- 同じ画像でも、会社・モデル・解像度の設定でトークン数が変わる。大きい画像は縮小してから送ると費用を抑えられる
この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書や論文を読んでまとめたものです。料金そのものは、この記事では扱いません(価格は別の記事を見てください)。
先に結論
- 画像の費用は、トークン数に入力の単価をかけて決まります。文章と同じ仕組みです。
- トークン数は、画像の縦横のピクセル数(画素数)から、各社の公式の式で見積もれます。
- 大きな画像は、各社とも上限に合わせて縮小されます。縮小される分は見えなくなるので、細かい文字を読ませたいときは、送る前に自分で切り出すほうが確実です。
- 数字はモデルごとに違い、更新されます。使う前に各社のページで確認してください。
前提:画像をどうやってAIに渡すか
- トークンは、AIが読み書きする量を数える単位です。入力トークンは、AIに読ませた分で、課金の対象です。画像も入力トークンに換算されます。
- パッチは、画像を格子状に切った小さな四角です。Vision Transformer(画像を扱うAIの方式)の論文は、画像を16×16ピクセルのパッチの列にして、文章の単語と同じようにTransformer(今のAIの中心的な仕組み)に入れる方法を示しました。
- 画像と言葉を一緒に扱うAIの作り方の例として、LLaVAの論文があります。視覚エンコーダ(画像を数値にする部品。この論文ではCLIPのViT-L/14)の出力を、1つの線形層(行列をかける変換)で、言語モデルの単語の表現と同じ形に直します。言語モデルから見ると、画像は「単語の仲間のトークン」の並びになります。
- 商用のAI(Claude、GPT、Gemini)の内部の作りは、読んだ公式文書には書かれていません。文書にあるのは、料金とトークン数の数え方です。
3社の計算式
Claude(Anthropic)
公式文書では、画像は28×28ピクセルのパッチに分けられ、1パッチが1つの視覚トークンです。
- 視覚トークン数 = ⌈横 ÷ 28⌉ × ⌈縦 ÷ 28⌉(⌈ ⌉は切り上げ)
- 上限は2段階です。「高解像度」の段階(Claude 4.7以降)は、長辺2576ピクセル、最大4784トークン。その他のモデルは、長辺1568ピクセル、最大1568トークンです。上限を超える画像は、縦横比を保ったまま、収まる最大の大きさに縮小されます。
- 公式の表では、1000×1000は1296トークン、1920×1080は標準段階で1560(1456×819に縮小)、高解像度で2691、3840×2160は標準で1560、高解像度で4784です。
- 公式文書は、高解像度の画像は、標準段階より最大で約3倍の視覚トークンを使うことがある、と述べています。
- コンピュータ操作やブラウザ操作のツールが返す画像は、上限を超えると縮小されず、エラーになります。それ以外は、設定でエラーにすることもできます。
OpenAI
公式文書は、モデルによって2つの方式を使い分けています。
パッチ方式(新しいモデル):32×32ピクセルのパッチで画像を覆い、パッチ数に倍率をかけます。
- まず
detailに応じた大きさの上限に収める。 - パッチ数 = ⌈横 ÷ 32⌉ × ⌈縦 ÷ 32⌉。
- モデルとdetailに「パッチ予算」があれば、超える場合は縮小する。
-
パッチ数にモデルごとの倍率をかけ、切り上げた値が、請求される画像トークンです。
-
倍率は、gpt-6-astra、gpt-5.6系、gpt-5.5、gpt-5.4系、gpt-5.2が1.2、gpt-4.1-miniが1.62です。
detailはlow、high、original、auto。省略時はautoです。gpt-6-astraでは、lowは512×512に収め、highは2,500パッチ・最大辺65,535ピクセル、originalとautoは元の大きさのまま(辺が65,535ピクセルを超えるときだけ縮小)です。- 公式の例(gpt-6-astra、
high)は、1024×1024で1229トークン、2048×2048は予算で1600×1600に縮小されて3000トークン、4096×512は2458トークンです。 - 1枚あたり30,000パッチを超える画像は、縮小されず拒否されます。
タイル方式(古いモデル):基本のトークン数と、512ピクセルのタイル1枚あたりのトークン数を足します。たとえばgpt-4oとgpt-4.1は、基本85、タイル170です。lowは基本のトークン数だけで、画像の大きさに関係しません。
Gemini(Google)
- 画像の縦横がどちらも384ピクセル以下なら258トークン。それより大きい画像は768×768ピクセルのタイルに分け、1タイルが258トークンです。タイル数の目安は、短辺の約1.5分の1を単位にして、縦横それぞれを割り、掛け合わせます。公式の例は960×540で、単位は360、タイルは3×2=6です。
- Gemini 3には
media_resolutionという設定があり、画像1枚(動画は1フレーム)に割り当てる最大トークン数を決めます。公式の表(概数)では、画像はlowが280、mediumが560、highが1120、ultra_highが2240、指定なしの既定が1120です。ultra_highは、コンテンツごとの設定でだけ使えます。 - 公式の推奨は、画像には
high、PDFにはmedium、動画にはlowかmediumです。
258トークンのタイル方式と、media_resolutionの表が、どのモデルにどう当てはまるのかは、読んだ文書に明記されていません。Gemini 3についてはmedia_resolutionの表を使うのが安全です。
同じ画像だと、トークンはいくつか
1920×1080の画面写真(スクリーンショット)を送る場合です。
| 方式 | トークン数 | 出どころ |
|---|---|---|
| Claude(標準段階) | 1560 | 公式の表 |
| Claude(高解像度) | 2691 | 公式の表 |
OpenAI gpt-6-astra(high) |
2448 | 僕らの計算 |
Gemini 3(high) |
1120 | 公式の表(上限の概数) |
僕らの計算です。OpenAIの2448は、パッチ数が⌈1920÷32⌉×⌈1080÷32⌉=60×34=2040で予算の2,500以下なので縮小せず、2040×1.2=2448としました。公式の例の計算の手順どおり実装すると、公式の3つの例(1229、3000、2458)と一致しました。
トークン数が少ないほど安いとは限りません。単価(100万トークンあたりの値段)がモデルごとに違うので、費用は「トークン数×単価」で比べます。たとえば、仮に入力が100万トークンあたり1ドルなら、1000×1000のClaudeの画像(1296トークン)は、1枚あたり約0.0013ドルです(僕らの計算です。公式の例では、1,000枚で約1.30ドル)。
各社の上限・形式の一覧と、パッチ方式の縮小計算
1回の依頼で送れる枚数・大きさ・形式
| 項目 | Claude | OpenAI | Gemini |
|---|---|---|---|
| 枚数 | API:200kトークンの文脈のモデルは100枚、それ以外は600枚。claude.aiは1回20枚 | 1依頼1,500枚 | 1依頼3,600枚 |
| 1枚の大きさ | 最大8000×8000ピクセル。20枚を超える依頼では、全画像が各辺2000ピクセル以下 | パッチ方式は1枚30,000パッチまで | 確認できていません |
| 容量 | 1枚10MB(API、base64)。BedrockとGoogle Cloudは5MB。依頼全体は32MB | 依頼全体で512MB | インラインのデータは依頼全体で20MB。大きいときはFile API |
| 形式 | JPEG、PNG、GIF、WebP(アニメは最初の1コマ) | PNG、JPEG、WEBP、アニメでないGIF | PNG、JPEG、WEBP、HEIC、HEIF |
Claudeの「20枚を超える依頼」には、以前の会話の画像や、ツールの結果に含まれる画像も数えられます。
パッチ予算で縮小される場合の計算(OpenAI)
公式の式では、縮小率 = √(32² × パッチ予算 ÷(横 × 縦))です。さらに、縦横を32の倍数に近づけるため、調整をかけます。僕らが公式の手順どおり実装して計算した例です。
- 1920×1080:パッチ2040で予算内。縮小なし、2448トークン
- 3840×2160:パッチ8160で予算の2,500を超える。約2104×1184に縮小され、2442パッチ、2931トークン
- 800×600:475パッチ、570トークン
予算が決まっているモデルでは、元の画像がどれだけ大きくても、highのトークン数は予算(2,500パッチ×1.2=3000トークン)までで頭打ちになります。
選び方・判断の基準
見立てです。公式の式を元にした、僕らの整理です。
- 細かい文字や表を読ませる:解像度の高い設定(Claudeの高解像度、OpenAIの
original、Geminiのhigh以上)が必要になる場合があります。ただし、トークンも増えます。 - ざっくり内容を知りたい:低い設定で足ります。ただしOpenAIの文書は、モデルによっては
lowがhighより多くのトークンを使うことがある、と注意しています。 - 大きな画像:送る前に自分で縮小する、または必要な部分だけ切り出すほうが、見える内容を自分で決められます。
- 何枚も送る:枚数×トークン数で費用が増えます。同じ画像を繰り返し使うなら、各社のキャッシュ(同じ前置きを安くする仕組み)の対象かどうかを料金ページで確かめてください(この記事では確認していません)。
よくあるつまずき
見立てです。公式資料を読んで、読み違えやすいと思った点を挙げます。
- 「1枚=一定のトークン数」と思い込む。サイズ・モデル・detailで変わります。
- 他社とトークン数を直接比べる。トークンの数え方が違います。
- 縮小の影響を見落とす。小さい文字は、縮小で読めなくなることがあります。Claudeの文書も、低品質・回転・200ピクセル未満の画像では、誤りや幻覚(もっともらしい誤り)が出る可能性がある、としています。
- 20枚を超えるとClaudeの制限が変わることを知らない。
- 位置や数を正確に求める。Claudeの文書は、座標や位置の出力は概算で、数えるのも正確でない場合がある、としています。
気をつけること
- この記事では、画像を送ってトークン数を実測していません。数字は公式文書の記述で、「僕らの計算」と書いたものは公式の式による見積りです。
- 商用モデルの内部の作り(パッチの大きさがそのまま内部で使われているか)は、読んだ資料では確認できていません。文書にあるのは課金の数え方です。
- Geminiのタイルの式(258トークン)と
media_resolutionの表が、モデルごとにどう対応するかは確認できていません。Geminiの画像1枚の制限サイズも確認できていません。 - 公式の表の値は概数で、実際の請求は1トークン程度ずれることがあります(OpenAIの文書も、浮動小数点の丸めで1トークン違うことがある、と書いています)。
- モデル名・上限・倍率は頻繁に更新されます。2026年10月8日時点の記述です。
- 画像からの個人の特定、医療画像の診断などは、各社の利用規約や文書が制限・注意を述べています。仕事で使う前に確認してください。
出典
- Vision(Claude Platform Docs、Anthropic、2026年10月8日確認)
- Images and vision(OpenAI API Docs、OpenAI、2026年10月8日確認)
- Image understanding(Gemini API、Google AI for Developers、2026年10月8日確認)
- Media resolution(Gemini API、Google AI for Developers、2026年10月8日確認)
- Understand and count tokens(Gemini API、Google AI for Developers、2026年10月8日確認)
- An Image is Worth 16x16 Words: Transformers for Image Recognition at Scale(arXiv、2026年10月8日確認)
- Visual Instruction Tuning(arXiv、2026年10月8日確認)
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
