3行でいうと

  • コンテキストウィンドウは、AIが一度に見て参照できる文章の量です。Anthropicは「作業記憶」にたとえています。
  • 量はトークンで数え、入力だけでなくAIの答えも含まれます。会話が続くと、それまでのやりとりが全部載り続けます。
  • 上限に近づくと、サービスによっては古い部分を要約します。上限の前でも、量が増えると思い出す力は落ちるとされています。
  • 見立てでは、話題が変わったら新しい会話を始め、大事な条件は途中で書き直すのがよさそうです。

この記事は公式・一次資料を読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。

先に結論

たとえ話:作業机

AIの仕事場に、1つの机があるとします。机の広さが、コンテキストウィンドウです。

「机の広さ」は、会社やモデルで違います。

数字で見る:どれくらいの広さか

開発者向け(API)

Anthropicの文書(2026年10月8日確認)では、次のとおりです。

  • 1Mトークン(100万トークン):Claude Sonnet 5.5、Haiku 5.5、Opus 5.5、Fable 5.1などの現行モデル。特別な設定なしで使える。
  • 200kトークン(20万トークン):それ以外のClaudeモデル。
  • 1回の答えの最大:1Mのモデルで128kトークンまで。

Googleの文書は、昔のモデルは約8,000トークンで、そのあと32,000、128,000と広がり、Geminiは100万トークンを受け付けた、と書いています。100万トークンの目安として、Googleは、約5万行のコード、平均的な長さの小説8冊、200本以上のポッドキャストの書き起こしと書いています。

OpenAIの文書は、文章を作るモデルでは、入力と出力を合わせたものが、モデルごとの最大のコンテキスト長を超えてはいけない、と書いています。モデルごとの具体的な数字は、この記事では確かめていません。

Claudeのチャット画面(claude.ai)

Anthropicのヘルプによると、有料プランでは、最新のモデルで最大1M、ほかのモデルは500Kか200Kです。そして、AIの答えの分が確保されるため、会話の最大の長さは、全体の数字より少し短くなります。

モデルごとの表もあります。たとえば、Claude Sonnet 5.5、Opus 5.5、Haiku 5.5、Fable 5.1は1M、Fable 5は500Kです。同じモデルでも、API(1M)とチャット画面(500K)で数字が違う例があります。使う場所で確認が必要です。ヘルプは有料プラン(Pro、Max、Team、Enterprise)の話だけで、無料プランの数字は確認できていません。

いっぱいになると、何が起きるか

会話が続くほど、机が埋まる

Anthropicの文書によると、毎回の入力には、それまでの履歴のすべてと、新しいメッセージが含まれます。AIの答えも、次の回の入力の一部になります。机に載るのは、次のものです。

上限を超えたとき

開発者向けのAPIでは、次のように動くと書かれています。

チャット画面では、Anthropicのヘルプに、自動の「文脈の管理」が書かれています。会話が上限に近づくと、Claudeが古いメッセージを要約して、続けられるようにします。この機能は、コード実行の機能をオンにしているときだけ働くとあります。全体の履歴は残っていて、あとから参照できる、とも書かれています。ただし、とても大きな最初のメッセージのように、上限に当たる場合もあると注意しています。要約が働くと、使える量(利用上限)の消費が増える、という説明もあります。

Anthropicのエンジニア向けブログ(2025年9月29日)も、上限に近づいた会話を要約して、新しい机で続ける方法を「コンパクション」と呼んで紹介しています。

見立てです。要約は、細かい部分が省かれることがあるので、会話の初めのほうで決めたことが、あとで少しずれて伝わる可能性はあると思います。大事な前提は、新しい会話の最初に、もう一度書いておくのが安全です。

上限の前でも、精度は落ちる

「机が足りている」ことと「ちゃんと見えている」ことは、別です。

お金とのつながり

API料金の表で、Anthropicは「90万トークンの依頼も、9千トークンの依頼も、1トークンあたりの単価は同じ」と書いています(Haiku 5.5だけ、10万トークンを超えると高くなる)。ただし、トークンの数が増えれば、その分の請求は増えます。毎回、それまでの履歴を送り直すので、会話が長くなると1回あたりの入力が増えます。

同じ前置きや資料を何度も送るときは、プロンプトキャッシュという割引の仕組みがあります。Googleの文書にも、同じような「コンテキストキャッシュ」があります。

長い会話とうまく付き合う(見立てです)

見立てです。公式の説明から、次の使い方がよさそうだと考えました。

  1. 話題が変わったら、新しい会話を始める。Anthropicのヘルプは、長い会話で利用上限に近づいたとき、新しい会話に移ることを勧めています(会話の長さの上限とは別の話です)。
  2. 渡す資料は、必要な部分だけにする。
  3. 大事な条件は、会話の途中でも書き直す。
  4. とても長い資料は、全部を渡す代わりに、必要な部分だけ探して渡す方法もある。これはRAGと呼ばれ、次の記事で扱います。

気をつけること

出典

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