この項目で混ざったもの

ハード側Trainium2を数十万個つないだソフト側Claudeの学習と推論をこの上で実行

2024年12月3日、AWSはTrainium2を載せたEC2のTrn2インスタンスの一般提供を発表し、同時にAnthropicと「Project Rainier」を作ると明らかにしました。発表文は、これを「Trainium2チップ数十万個」を使うEC2 UltraCluster(多数のサーバーをつないだ計算機群)と説明し、Anthropicが現行の主力モデルの学習に使った計算量(エクサフロップス)の5倍超になるとしています。2025年11月3日のAWSの公式記事は、約50万個のTrainium2が稼働中で、Anthropicが2025年末までに、直接の利用とAmazon Bedrock経由を合わせて100万個超を使う見込みだと伝えました。

何が混ざったのかを言葉で整理します。Trn2の1台は16個のTrainium2チップを持ち、ピーク20.8ペタフロップスです。Amazonの記事では、UltraServerは4台のサーバーを64チップで1つにまとめたもので、チップ同士はNeuronLinkという専用の接続でつながります。サーバー同士はElastic Fabric Adapterというネットワークで、データセンターをまたいでもつながります。UltraClusterは数万台のUltraServerを結びます。ソフト側では、AnthropicがClaudeをTrainium2で動くように最適化し始めたと、2024年12月のAmazonの発表文が書いています。2024年11月のAnthropicの発表は、AWS Neuronのソフトウェア群に貢献していることと、Trainiumのシリコンに直接つなぐ低レベルのカーネル(演算プログラム)を書いていることを述べています。

理由について、Amazonの記事は、クラスターでは信頼性が最も大事だとし、AWSがハードとソフトの技術スタック全体を管理できるので、問題の切り分けと改善を速く進められると説明しています。Anthropicは、AWSのAnnapurna Labsのチップ設計チームと協力し、ハードの能力を最大限に引き出していると書いています。

その後、AWSの現行ページには、Trainium3(チップあたり144GBのHBM3e)とUltraServer(最大144チップ)が載り、Anthropicも利用企業に挙がっています。ここからは僕らの見立てです。Nitro、Graviton、Trainiumと続いた自社設計のハードが、AIの学習用の計算機にまで届いたように見えます。

Project Rainierの発表
2024年12月3日(Trn2の一般提供と同時)
稼働時のチップ数
約50万個のTrainium2(2025年11月3日の記事)
Anthropicの利用見込み
2025年末までにTrainium2を100万個超(直接の利用とAmazon Bedrock経由の合計の見込み)
UltraServer
サーバー4台、64チップ、ピーク83.2ペタフロップス(発表時はプレビュー)
Trn2の価格性能(AWSの主張)
現行世代のGPU搭載EC2インスタンスより30〜40%良い(発表の箇条書きではP5e・P5enとの比較)

確認できていない点

  • 稼働を宣言した正確な日付は、取得した資料に書かれていなかった(11月3日のAWS週刊まとめは「稼働した」と伝える)
  • Anthropicの公式発表ページはRainierという名前に触れていなかったため、Anthropic側のRainierの説明は本文に使っていない
  • Amazon公式ニュースのページ(aboutamazon.com)は本文に日付がなく、メタ情報は公開2025年6月24日・更新2025年10月29日。稼働の日付は11月3日のAWS週刊まとめ('now online')で確認したが、稼働開始日そのものはどの出典にも書かれていない

出典

2026年10月18日に、上の出典(会社・研究機関の公式の資料と原著論文)を読んで確かめました。製品の仕様や提供状況は変わることがあります。この記事は、製品を試した記録ではありません。

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